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出獄人保護の仕事を行う熱血漢、原胤昭は悪逆な巡査たちの謀略により獄囚の身になってしまう。一方、無私の魂を持った姉娘の死をさかいに、原に恨みを持つ犯罪者たちの心は大きく揺り動いていく。十字になった秘密の十手架を持つ原の運命は? 幼き日の一葉、漱石、子規らも姿を見せ、奇想天外の物語は意外なクライマックスを迎える。他に大津事件関係者の後日譚を描いた『明治かげろう俥』、ロンドンを舞台にした『黄色い下宿人』の二篇を収録。
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明治初頭、かつての人足寄場、石川島は大牢獄と化していた。その地獄絵図を目の当たりにした元八丁堀与力、原篤胤は美しいクリスチャン姉妹とともに、出獄人保護を行う仕事を始める。多くの囚人を更正させようと奮闘する彼らのまわりに集まる犯罪者たち。彼らの前に立ちふさがる冷酷非道な看守や巡査。それらはやがて一つに繋がり自由民権運動の闘士たちを巻き込む事件に発展してゆく。岸田銀行、小林清親、星亨、ドクトル・ヘボンらも登場し繰り広げられるロマンの決定版。
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大衆新聞「万朝報」社長、黒岩涙香は発行部数を伸ばすため、紙上で暗号解読による懸賞クイズを始めたが……。気の効いたアイデアで権力者の腐敗を告発しようと試みる表題作。李鴻章暗殺を謀った犯人を主人公に、漱石の文体を模写した『牢屋の坊ちゃん』。牛鍋屋チェーンのオーナー木村荘平が始めた火葬場の顧客第一号をめぐる人間模様『いろは大王の火葬場』。大逆事件の首謀者、幸徳秋水を異なる四つの角度から描いた『四分割秋水伝』。以上に作者自身の後口上を付した短編集。
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日露戦争中、ロシアの内乱を企て日本を勝利に導いた男、怪男児明石元二郎の若き日の物語。明治23年、ひそかに来日し暗躍していた怪僧ラスプーチン。彼はロシア皇太子襲撃を画策していた! チェーホフ、二葉亭四迷、乃木希典、森鴎外までをも巻き込んで日本とロシアの大怪物の対決は続く。
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それぞれ視察・研究などの目的でパリを訪れていた川路利良、井上毅、成島柳北。一行はゴーギャン、ヴェルレーヌが関係する日本女性の殺人事件に巻き込まれてしまうが……。円熟の筆致で描かれる華麗な人物絵巻。時代の変革期を舞台に、歴史を彩った人々が織りなす破天荒な物語の後篇。本巻には三篇を収録。
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未知の国との出会いの地点「港」。波頭を別けて辿りついた人、出て行った人、通り過ぎた人々を描いた連作集の前篇。本巻には後の大博物学者、南方熊楠や自由民権運動に燃える北村透谷らの青春時代を綴った「風の中の蝶」、旧知の娘を人買いから救出しようと奔走する樋口一葉と黒岩涙香の活躍を描いた「からゆき草紙」他、三篇を収録する。
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時まさに鹿鳴館時代。海軍少佐・山本権兵衛は同郷の大先輩である海軍大臣、西郷従道から政府高官夫人たちの舞踏会への出席勧誘係を命じられた。井上馨、伊藤博文、山県有朋、黒田清隆、大隈重信らの“私”の顔と妻たちの秘められた過去と数奇な運命。維新の元勲たちの家庭の内実と鹿鳴館を華やかに彩った女たちの数奇な運命が鮮やかに描き出されていく。
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役人の腐敗がきざし始めた明治2年、ひそかに輸入されたフランス製ギロチンが小伝馬町の斬罪状に据えられた……。太政官弾正台(役人の汚職を調べ糾弾する役所)の大巡察官、香月経四郎と川路利良がフランス人美女エスメラルダの力を借りて次々とおこる謎の事件を解明していく。明治開花期の時代相に維新政府の裏面を背景にした探偵小説の魅力と、緻密なトリックを多用した本格推理の醍醐味とを併せ持つ風太郎ミステリの傑作。
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樺戸、空知の監獄を舞台に有馬四郎助をはじめ石川県令・岩村高俊、幸田露伴、山本五十六の兄・高野襄、監獄教誨師原胤昭、酔っぱらい医者・独休庵、そして加波山事件、秩父困民党の関係者たちが繰り広げる奇想天外な物語。ほか『斬奸状は馬車に乗って』『東京南町奉行』『首の座』『切腹禁止令』『おれは不知火』を併収。
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明治19年、薩摩出身の有馬四郎助は、北海道月形の樺戸集治監の看守に着任した。そこで青年看守の目にしたものとは? 次々とおこる奇怪な事件の裏に明かされる意外な事実……。「愛の典獄」と呼ばれた有馬四郎助の若き日の姿を描く。
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「父!」と助けを呼ぶお雛の前に突如現れた西南の役で死んだ父の幽霊。その父が呼ぶと祖母の幽霊も出現。嘉納治五郎、山川捨松、三島通庸、自由党の壮士らに幽霊も加え多彩な人々が時代の波にのみ込まれていく。虚実織りまぜて描かれる明治を生きた人々の哀歓。他に短篇『天衣無縫』『明治忠臣蔵』『絞首刑一番』を収録。
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明治の東京、孫娘を横に乗せ辻馬車を走らせる元会津藩士、干潟干兵衛。この孫娘と祖父は大山巖、三遊亭円朝、坪内逍遥、川上音二郎、自由党壮士らが引きおこす事件に巻き込まれていく――。時代にはじかれてしまった者たちの哀愁。
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