歴史学ってなんだ?
小田中直樹(著)
/PHP新書
作品情報
歴史は何のために学ばなければならないのか? そもそも、社会や個人の役に立つのだろうか?年号ばかり羅列する歴史教科書への疑念。一方で相対主義や構造主義は、“歴史学の使命は終わった”とばかりに批判を浴びせる。しかし歴史学には、コミュニケーション改善のツールや、常識を覆す魅力的な「知の技法」が隠されていたのだ!歴史小説と歴史書のちがいや従軍慰安婦論争などを例に、日常に根ざした存在意義を模索する。歴史家たちの仕事場を覗き「使える教養」の可能性を探る、素人のための歴史学入門講座。[序]悩める歴史学 [1]史実を明らかにできるか―歴史書と歴史小説/「大きな物語」は消滅したか/「正しい」認識は可能なのか [2]歴史学は社会の役に立つか―従軍慰安婦論争と歴史学/歴史学の社会的な有用性 [3]歴史家は何をしているか―高校世界史の教科書を読みなおす/日本の歴史学の戦後史/歴史家の営み [終]歴史学の枠組みを考える
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商品情報
- シリーズ
- 歴史学ってなんだ?
- 著者
- 小田中直樹
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2004.02.01
- Reader Store発売日
- 2012.09.14
- ファイルサイズ
- 1.9MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (38件のレビュー)
-
めんどくさくて面白い世界への誘い
歴史小説などが好きで、歴史学を学びたいという学生がいたら、やっぱり止めたくなる。
だって・・・歴史学って・・・そんなに面白いものでもないよ?地味だし面倒くさいし(苦笑)
でも、やはり面白いのだ。歴史…小説とは違った面白さがある。
本書は、それを一般の読者向けに語るものだ。
最初の方の「歴史書と歴史小説はどう違うのか」について論じたところは、
司馬遼太郎や塩野七生といった、一見歴史書のような体裁を取っている(?)歴史小説が好きな人には必読だろう。
ただ、中盤以降は少々専門知識を持っているか、精読するかしないと誤読してしまうかもしれない。
というのは、「従軍慰安婦論争」を例に「歴史を論じること」の難しさを説明している部分があるからだ。
このテーマが選ばれたのは、この問題が「難しい」からである。
何か「正しい歴史認識」を導き出すためではない。
1章で実証主義、史料批判、構造主義、言語論的転回などについて説明していたのだが、それを今(というか当時)ホットな話題だった慰安婦問題に適用してみたらどうなるか、という例なのだ。
過去について論じることがいかに難しいか、つまり歴史学の「語り方」「考え方」について説明しているのである。
(某所で的外れなレビューを見たので念のため)
歴史学とは「正しい歴史認識」を提示するものだ、などと思っている人がいるならば、是非本書を読んでみてほしい。続きを読む投稿日:2014.09.09
-
(『岩波ジュニア新書655世界史読書案内』にて紹介 p.17)
「小田中さんはフランス社会経済史の専門家。歴史書と歴史小説、マルクス主義歴史学と構造主義、従軍慰安婦論争や日本人のアイデンティティ問題、…そして高校の歴史教科書などを取り上げながら、一つずつ論理を積み重ねて論証してゆく。語り口もやさしくて読みやすい本」
目次
序章 悩める歴史学
第1章 史実を明らかにできるか
第2章 歴史学は社会の役に立つか
第3章 歴史家は何をしているか
終章 歴史学の枠組みを考える
著者等紹介
小田中直樹[オダナカナオキ]
1963年生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科単位取得退学。博士(経済学)。東京大学社会科学研究所助手を経て、現在、東北大学大学院経済学研究科助教授。専攻は社会経済史
(『世界史読書案内』津野田興一著 より紹介)
世界史を学ぶことに一体どんな意味があるのか。
①「事実」としての世界の歴史を知るのは、世界そのものを理解することにつながる
②世界史を学べば日本の歴史をより理解できる(日本も世界の一つ、世界とつながりがある)
③「今(ここにいる自分)」を知ることにつながる(比べることで見えてくる。相対化し、比較することで自分自身を見つめなおすことができる)
→比較の方法には
・「時間軸をずらす」(自分が当たり前だと思っている習慣は昔は非常識だったり、最近できた制度だったりする。いつからどうはじまったのだろうか、昔はどうだったのだろうか)
・「空間軸をずらす」(日本や自分の住む地域とは異なる国や地域の、地域の社会や仕組み、伝統や習慣を知る) の2通りがある。
・さらに、「今」を知るためには過去を知る必要がある因果関係(原因と結果)が歴史を学ぶ上で大事。現在のぼくたちの社会は、過去の「原因」があるからこそ生まれてきた「結果」なのである。過去を遡って「原因」を知ることは大切。続きを読む投稿日:2023.07.30
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