不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換
孫崎享(著)
/講談社現代新書
この作品のレビュー
平均 4.0 (36件のレビュー)
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タイトルで損してますが…。
どうしてこんなタイトルにしたのかわかりませんが、著者の言いたいことは、このタイトルからは絶対読み取れません。私が読み取ったことは、戦後アメリカ主軸の外交政策と政治を一旦180度ひっくり返してみよう、と…いうことです。実際、この国は戦後の落とし前を未だにつけていないかもしれないという漠然として落ち着かなさの原因と、この先、どんな政策で近隣諸国と付き合っていくのが得策かを理解することができました。うーん、やっぱりこのタイトルはおかしいです。続きを読む
投稿日:2013.09.25
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中国よりと言うより反米感情があるかも
元々ドイツの文化圏だったアルザス・ロレーヌ地方はドイツ、フランス間で長年領土紛争が行われて来たが第二次大戦後の後その原因となった資源石炭、鉄鋼を共同管理する欧州石炭鉄鋼共同体を作り後にEUへと発展した…。日本も大国化する中国との付き合い方でお互いの利益となるような体制を作ると言うのが本書の主張のようだ。
前半では日米関係、日中関係、中米関係に関する分析がなされている。
冷戦下でアメリカの方針として対ロシアの防御線として日本の復興を後押ししたアメリカは80年代以降は経済的な脅威として日本を捉え逆に弱体化をはかる。それが銀行のBIS規制で当時世界の銀行の内ベスト10に7行あったのがBIS規制がもとで置いて行かれたと言う。しかしこれは元々資産バブルで膨らんだ価値だったので過大評価されていただけだったと思うのだが・・・とは言え日米貿易戦争でアメリカが日本を脅威として捉えていたのは事実。
現在のアメリカがアジアで最も重視しているのは日本ではなくて中国であり、中国が強くなりすぎないように日本を対抗させると言うのがアメリカでは一つの常識的な考え方だと言う。まあそれは有るかもね、筆者も書いてるがリチャード・アーミテージ、マイケル・グリーン、ジョセフ・ナイは日米同盟強化路線で裏には軍産複合体がいて日本にF−35なんかを売りつけようとしていると。一方金融、産業を代表するグループは中国との関係を重視し、またG2米中が国際問題を協議、解決すると言うことを目標とする勢力も有る。(個人的にはGゼロ説に1票w)筆者は日米関係強化路線にはむしろ反対の立場のようだが多くの日本人の感覚としては日米関係の強化は対中関係でアメリカのパワーを当てにしていると言うことだとの理解で日米関係さえ安泰なら何もかも大丈夫と言うほどのんきな人はあまりいないと思うのだが。
中国と尖閣で軍事対立が起こったらどうなるかについても中国軍事力が部分的には日本を圧倒し、米軍は日本が前にたたない限り全面にはたたない。中国のミサイルは日本の米軍基地を破壊する能力が有る。などなど列挙しているがさすがに米軍基地が攻撃されたらアメリカは反撃すると思うよ。尖閣諸島の帰属についてアメリカはノーコメントなのは事実なのですがやや意図的にミスリードしているように見える。
尖閣諸島が中国領であると言う根拠をいくつか示しているが、同様に尖閣諸島が日本領であると中国が認めた根拠もいくつかあるのにそちらには全く触れていない。北方4島についても日本が放棄した根拠のみを述べロシアが条約に参加していない部分は触れていないなど、相手方の見方はこうだという説明をするのはいいとしてもかなり一方的な主張に見える。
他にも中国は2002年にアセアンとの間で南シナ海の行動宣言で「現在占領されていない島や岩礁上への居住などの行為を控え、領有権争いを紛糾、拡大させる行為を自制する」の項目が有ることを元に中国は武力的な解決を行わないだろうとしているが、元々島を勝手に占領したのは中国でこの宣言はある意味やっちゃったのは仕方ないがもうしません、だから取り返しにくるなと言ってる様な物なのでそう素直に信じられないと言うのが普通の感覚だと思う。
紛争を避けて経済的にお互いに利益のある関係を作りましょうと言う主張は理解できるのだが、やったもん勝ちの中国の行為を責めずに日本政府の対応のみを問題視し平和的な解決をしましょうと言ってもねえ。最後は中国をどれだけ信用できるかと言う話になるし、それこそ中国人だってそれほど中国政府を信用していない。まあ経済的な結びつきを強くすることからですかね、EUの例に習うのであれば。続きを読む投稿日:2014.01.01
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