柿の種
寺田寅彦(著)
/岩波文庫
この作品のレビュー
平均 4.2 (51件のレビュー)
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物理学者にして文学者、さらには音楽家だったという寺田寅彦のマルチな才能を垣間見ることができた。
自然現象や、動物の生態、人の行動特性とか、身の回りで生じていることへの観察眼が多角的で冴えている。
師匠…の夏目漱石同様、猫が好きだったみたいで、可愛らしい側面も垣間見える。
晩年は、日々病に蝕まれるなかで、人間の身体について淡々と描き続けていた様子が分かった。
当時は、自由に海外旅行へ行ったり、インターネットで情報収集したりできない時代だったが、寺田氏は視野が広くて自由な発想を持ち、時には婉曲的に、ソフトに社会を批判していたのだろう。
他の随筆集も読んでみたい。続きを読む投稿日:2023.10.31
このレビューはネタバレを含みます
本と対話しながら感想を書いてました。それをそのまま転記します。ネタバレ注意です。
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・寺田寅彦、夏目漱石の弟子。物理学者。
・一発目の「土の善し悪し」で、今と昔も環境に左右されるのは変わらねえんだなと…思った。
・一節目からこの世の真理というか、当然の事をズバッと示された。共感する。日常と詞歌の間にはガラスがあるのみ。ただし穴が空いている。誰でもやろうと思えば通れる穴。通り抜けているうちに(触れているうちに)穴は大きくなり何時でも行き来できる。これはなんにでも当てはまる。俺だってギター弾かなくなったら下手くそになるし。
・p14,スッポンが鳴いた話好き。固定観念に囚われている人々を表現できている。何が証明されていて、何が証明されていないから結論はこうだ!と言える人になりたいなあ。
・p18,犬のあくび新聞。俺にもあくびが移った。
・p20,人と自然の間には、想像もできないような関係があるかもしれない。それはまさにその通り。所詮、学問を完璧に完成させることは人類滅亡までには不可能なのではないかと考えてしまう。不完全な学問を前提に生活しているのが我々。一方で、理論に基づいて機械等は動くからそれでいいじゃんとも思える。
・p21,巻雲はスースー雲。その通り。巻かれてないもん。スースーしとるもんな。
・p25,身の回りの些細な変化でさえ恐怖になる。共感する。俺親知らず抜いた時同じことを思った。ただこいつは俺より気にしすぎな人だったらしい。文末の「坊主になった」は、髪型の変化を嫌って意図的に坊主にしたのか?それか気にしすぎて病んで病気になった?割と好きな詞かも。
・p27,「非音楽的な耳」と決めつけるのはどうなのw
そういう曲が存在するのは知っている。それもまた何か意図があって作曲された曲と思うし、ピアニストとしてそれを表現したかった可能性もあるんじゃないか?もしくは非音楽的な耳の持ち主で、ただ記録更新したかっただけかもしれないね。
・p28,共感しかない。確かに目は閉じることができるが耳は閉じれない。鼻もそう。どんな進化を経た結果なんだ?生まれた瞬間からその状態。ただ、目が閉じられない状況もあるよねと突っ込んでしまったが、そういう話をしたいんじゃないんだろうからスルー。
・p29,宗教と科学の話。調べたところ、宗教は脳死で何かを信仰しているらしい。だから理不尽で筋の通らない言い訳をして戦争なんか始まるんや。てっきり、宗教の起源は科学と思っていたが、違うらしい。例えば、火を神とするゾロアスター教?アヴェスター?なんか、火起こしは科学やろ!なんて思ってしまうのだが…当時は科学が発展してなかったからしゃーないんかね?2024年に生きてるから昔の価値観は分からん!
宗教なんて今では戦争するためのツールにしかなってない気がする。科学の檻にぶち込んどかないとダメなんじゃない?要は寺田寅彦に同意する。
・美術評論家の点数付けの話、1+1は2という世界しかないと思い込んでいるヤツらの話。例えば、ベクトルは向きによって0-2の値を取るので1+1は2という考えは安直だ。固定観念に囚われているという話をしたいと思うのだが、寺田自信でその後(前か?)、俳句を例に、俳句のルールがあり、それに従ったものは俳句になる。従わなければ俳句ではない何かになる、と言っている。あくまで「美術評論」というものになるために1+1は2を使っているのであって、もしかしたら彼らも固定観念に囚われている訳では無いのかもしれない。ルールに縛られた評論家と作者の対話ではないか?
・p103,人形のような人の話。自分の意見(心)を宿さないと人形と同じという意図と捉えた。社会人になると、今までの自分を振り返ると心に突き刺さる。以下に「誰かの言いなり」だったかを痛感させられた。ただ今はどうであろうか?今は「これがやりたい」「こうあるべきでは?」等の自分なりの考えをやっと持てて来た気がする。人形から人になりつつあるのだろうか。そう願いたい。
・p219,個人的に好きな詩。仕事に忙殺されて、帰宅する際に幸せを感じることがあるだろうか?あるならそれは幸せなことで、社会人から一個人にしっかり戻れている証拠かもしれない。経験上、社会人のまま帰宅し、社会人のまま風呂飯を済ませる。寝るまで社会人かもしれない。なんと不幸なことかと今思う。幸せは色んなところに転がっているはずなのに、それを見つけることが出来ない。それは、土曜日と日曜の夕方まで社会人として生きているからなのでは無いだろうか?続きを読む投稿日:2024.03.25
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