ノモンハン戦失敗の図式は三年後のガダルカナル戦失敗の図式に酷似している。特に作戦指導部の考え方において、そうである。作戦指導の中枢神経となった参謀二名が両戦に共通しているからでもあろうが、当時の軍人一般、ひいては当時の日本人一般の思考方法が然らしめたものであろうか。先入主に支配されて、同じ過誤を何度でも繰り返す。認識と対応が現実的でなく、幻想的である。観測と判断が希望的であって、合理的でない。反証が現われてもなかなか容認しない。(あとがきより)
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心の底から激してくるものがある。あれだけの悲惨な戦訓がありながら、三年後に日本は、ガダルカナル攻防戦で全く同じ失敗の図式を繰り返しているのである。異るところは、ノモンハンが茫漠とした平原と砂漠、ガダルカナルは南溟に浮ぶジャングルの孤島であることだけで、日本の作戦指導は全く同じ愚を繰り返した。あのころ、日本人とはいったい何であったのか。あれから、日本人は変ったであろうか。変った、と、私は確信をもって答える勇気を持たない。(あとがきより)
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ノモンハン戦失敗の図式は三年後のガダルカナル戦失敗の図式に酷似している。特に作戦指導部の考え方において、そうである。作戦指導の中枢神経となった参謀二名が両戦に共通しているからでもあろうが、当時の軍人一般、ひいては当時の日本人一般の思考方法が然らしめたものであろうか。先入主に支配されて、同じ過誤を何度でも繰り返す。認識と対応が現実的でなく、幻想的である。観測と判断が希望的であって、合理的でない。反証が現われてもなかなか容認しない。(あとがきより)
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