私家版 差別語辞典
上原善広(著)
/新潮選書
この作品のレビュー
平均 3.6 (12件のレビュー)
-
差別の歴史と現状は?
ひと昔前と比べて、部落解放運動は表面にはあまりでなくなってきたと思う。
しかし、「放送コード」「放送禁止用語(公式にはそのような用語はないとも聞いているが」は今も存在している。 現在も、あまりにこれ…らの言葉が多く存在していることに驚かされる。
ただ、被差別部落のことを著者は「路地」と表現している。他の著者の表現を使ったとのことではあるが、私は幼少時から単なる細い道を路地と呼称しており、なぜこの言葉を使用したのか、最後まで異和感を感じた。
また、差別される職種も色々記載されている。猿回しについては村崎太郎氏が自身も述べられていることもあり知っていたが、この書籍の中には木地師や陰陽師まで含まれているのはどうだろう。その意図がわかりにくかった。
民族としてアイヌに対する差別の歴史についても記載がある。しかし、それより北方の少数民族が強い差別を受けて、救済されなかったことにはもっとも驚きと悲しみを禁じ得なかった。続きを読む投稿日:2017.08.16
-
被差別部落の出自を持つ著者は「二本の路地を旅する」で幾多の賞を取り、西村賢太からも絶賛されている、
どんな無頼漢かと想像していたが、まっとうなルポ、まっとうな主張だ。文章はそこまでうまくない。
ただし…ルポの場合は、その拙さが逆に現場感を生み出している。本書は、差別語を著者の個人的体験や取材に基づき解説し、批評していく。
1)差別するのは言葉ではなく、人である。
2)汚いものに蓋をすれば、それは内向し鬱屈していく。
3)歴史的、慣習的な語句は残すべき
4)言葉は歴史であり、文化である
これが根本的な彼の考えで、言葉としてすでに差別的なものは消えていくべきだが、言葉は歴史を背負っており、つまらぬ人権意識で葬れば、本来言葉が持っていたまっとうな意味や知恵は失われていく。
「一度失った言葉を取り戻すのは容易ではない」と上原は語る。
逆に言えば、こうした禁句は禁句だからこそ実に生々しく、本来の姿から遠く離れた化物になってしまったのだろう。
ネット言論が飛び交うようになったため、言葉を言葉として使うのはますます難しくなる。
(著者はネットに疎いらしく「チョンは最近はめったに使われることはない」などと書いている。リサーチ不足ではあるが、ルポライターらしいネット下手が逆に信頼できる)
一方で、本来の意味で使用するケース自体が少なくなっている。エタヒニンももはやほとんど存在しないのだ。
だから、結果的に差別用語は消えていかねばならないだろう。ともかく、やはり被差別民がこうしたことを淡々と書いたことは意義深い。
知識として。
穢多と非人は仲が悪かった。非人は足を洗えば一般人に戻れる。江戸時代、乞食は諜報活動も担っていた。
幕末の内戦には身分を上げてやると言われて参加した被差別民が多かった。バカチョンのチョンは「一人前以下」の意である。
死体や興行が被差別と絡むのはよく分かるが、なぜ竹細工や石切までもがエタなのだろうか。
それは士農工商の工ではないのだろうか。続きを読む投稿日:2022.02.13
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。