統計数字を疑う~なぜ実感とズレるのか?~
門倉貴史(著)
/光文社新書
作品情報
「積極的な人」、「大人しい人」、「怒りやすい人」、「泣きやすい人」、「せっかちな人」、「のんきな人」など、人間一人一人が独特の性格や行動パターンを持っているのと同じように、ひとつひとつの統計も、「上振れしやすい統計」、「下振れしやすい統計」、「変動の大きい統計」、「変動の小さい統計」など、独特のクセや動きのパターンを持っているのだ。具体的事例で統計センスを身につける本。【光文社新書】
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商品情報
- シリーズ
- 統計数字を疑う~なぜ実感とズレるのか?~
- 著者
- 門倉貴史
- 出版社
- 光文社
- 掲載誌・レーベル
- 光文社新書
- 書籍発売日
- 2006.10.20
- Reader Store発売日
- 2011.11.04
- ファイルサイズ
- 1.8MB
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この作品のレビュー
平均 3.2 (50件のレビュー)
-
交通事故死亡者数は、ここ10年間で4割も減っている。なぜだろう。警察が努力したから? ドライバーが気をつけるようになったから? いやいや真実は意外なところにあった。警察庁の定義による交通事故死亡者数…は、事故が発生してから24時間以内に死亡したケースのみをカウントする。救命医療の進歩によって少しでも延命できれば、最終的には死亡しても「交通事故死亡者数」は減る計算になるのだという。
また、少子化はほんとうに急速に進んでいるのか?という疑問もおもしろかった。少子化の指標として、よく引き合いに出されるのが合計特殊出生率。15歳から49歳までの期間について、一人の女性が何人の子供を産むかを計算した数字である。これを真っ正直に算出しようと思うと34年間かかるので、実際のところは年齢別に出生率を掛け合わせるという工夫をしている。
ここで、晩婚化・高齢出産化が進んでいる社会を考えてみよう。それまで全員20歳で結婚・出産した女性が、ある世代以降全員30歳で結婚・出産するようになったとする。この場合、あるタイミングでは「すでに出産を終えてしまった女性と、これからする女性ばかり」という期間が存在することになる。つまり、晩婚化が進んでいる社会では、合計特殊出生率は実際に比べて低めに数字が現れる傾向がある。反対に、早婚化が進んでいる場合は高ぶれする。
本書はこういった意外な「統計数字」のクセやパターンを解読することで、隠れていた真相を浮かび上がらせる。「統計を疑え」というスタンスの、いわゆる「リサーチ・リテラシー」についての本は、たとえば『「社会調査」のウソ』(谷岡一郎/文春新書)がすぐに思い浮かぶ。本書がちょっと違うのは、統計としての条件を満たしていないゴミ・クズ統計や、ひきょくさい統計数字の使い方を批判するというのではなく、よく引用されるメジャーな統計にもそれぞれの個性があり、見方があるのだという点だろうか。
第1章は平均貯蓄残高1728万円という数字がいかに「実感」からかけ離れているかという話から、「平均」の裏側を解説してくれていている。
第2章は、犯罪統計や有効求人倍率、所得格差、などを題材にしながら「みせかけの相関」の解説。
第3章は、「経済効果」について。景気がいい話のほうがマスコミに取り上げられやすいので、どうしても数字は上ぶれする。さらにたとえば「愛知万博」のおかげで中部圏のほかの遊園地で閑古鳥が鳴いたとしても、そういったマイナスは計上されない。
第4章はGDPをはじめとした経済統計について、第5章は地下経済について。ここらへんはちっと「実感」と照らし合わせるのが難しい話も盛り込んであるか。前の章になるほどネタもおいしいしとっつきやすいというのは、読者が見えているというか、よくコントロールが効いているということなのだと思う。
うーん。「どっちが先か」と聞かれたら『「社会調査」のウソ』からと答えるけど、「統計そのもの」の横顔が見えるという点で、これはこれでおもろい本。続きを読む投稿日:2014.03.30
経済統計や平均寿命など、サンプリングや調査の前提条件に思いを巡らすと、確かに様々な制約が課され、その結果実態と多少なりとも乖離してしまうことが起こるということを気に留めておきたい。
投稿日:2023.05.19
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