カカシの夏休み
重松清(著)
/文春文庫
作品情報
もう若くないのはわかっているが、疲れる──。三十代後半、家庭では大黒柱を演じ、仕事は上から下からの難題を突きつけられつつ、かすかなモラトリアムをしのばせる世代。ダムに沈んだ故郷をでて二十年がたち、旧友の死をきっかけに集まった同級生それぞれの胸にある思いは「帰りたい、故郷に」。人生の重みにあえぐものたちを、励ましに満ちた視線で描く表題作はじめ三篇を収録。現代の家族、教育をテーマにつぎつぎと話題作を発信しつづける著者の記念碑的作品集。
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商品情報
- シリーズ
- カカシの夏休み
- 著者
- 重松清
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2003.05.01
- Reader Store発売日
- 2011.09.16
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 410ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (63件のレビュー)
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「いいよな、一日ぐらいは人生、休んでも。」
「カカシの夏休み」「ライオン先生」「未来」の短編三作。
一、二作は不登校、三作目は生徒の自殺をあつかう。
思い切り低評価にしたが、ぜひ読んでみて欲しい。
「カカシの夏休み」はダムに沈んだ故郷を持つ、…別に帰るつもりはないが帰る場所が無い、そんな田舎町の離ればなれになった同級生達の22年後。突然無くなってしまった同級生の告別式で久しぶりに顔を合わせる4人。皆それぞれにそれぞれの人生があり、いろいろな形の幸、不幸がある。その年は空梅雨でダムの水位がどんどん下がっているという。主人公はダムの底の故郷が気になって仕方がない。亡くなった同級生のお骨を実家に届けるということになり、その折りにダムの底の故郷にも寄れるかもしれない、よし行こう。同級生達に声を掛けるが。。。話は学校の中の物語(不登校児の問題)を主軸として進む。
「ライオン先生」は1970年代ロングヘアーのまま今に至る、ちょっと熱血風教師の話。しかし、実は彼の髪はもはやカツラなのだ。このカツラが熱血だった若い頃のキモチを持ち続ける為の拠所なのか、それとも所詮借り物ニセ物でその熱血も借り物ニセ物なのか。先生の苦悩は続く。
この髪型を金八先生の武田鉄矢をイメージすれば良いのかとも思ったが、「ウェーブのかかった髪が」とあるし、ワンレングスをオールバックにしたわけでもないらしいので、キムタクのあのロン毛だろうかと。
「未来」、これが書評に低評価を下した最大の理由になる作品。
個人的にどうしてもこの話はダメだ。読んでいる途中から気分が悪くなって、イライラムカムカが収まらなくなった。
逃げ出せる仕組みを作らず、内包して「イジメ0」を書類上で謳う、「死ねば英雄」そんな今の社会が嫌いだ。
この作品は、まさにこの問題点をグサリ!と付いてきているように思う。
「イジメ」は強者弱者の関係に起因する人間関係問題だが、「自殺」は単純に「ヒトゴロシ」だ。殺人犯と被害者が同一でかつ、イジメ自殺の場合それが可愛い子供なだけに、残された周りの人々は誰かに八つ当たりするしかない。責められた者はその責めを全部背負わなくちゃいけない。背負って人生を生きて行かなきゃ行けない。理不尽すぎるだろ!!
なんで殺人犯が英雄なんだ、なんで責めを負わないんだ、卑怯だ。
「自殺」は「イジメ」なんかより遙かに多くの人たちをもの凄く不幸に突き落とす。「イジメ自殺」報道なんてやめてしまえ、無視してこっそり葬ってしまえと強く思う。そうすればもっと減るはずだ。不幸が減るはずだ。
「イジメ」「パワハラ」人間関係の強者弱者がなくなる筈がないだろう。自殺を減らすには「逃げて良い社会」「逃げても帰ってこれる社会」「何度でもやり直せる社会」を作るしかない。
「真面目にこんなに頑張ってるオレが損をする、そんな社会は認めない!」そう言う人もいるかもしれない。
「アナタも逃げて良いんですよ、そんなに頑張らなくっていいんですよ。」と言うことなんだろう。
そうか、「いいよな、一日ぐらいは人生、休んでも。」一作目にある言葉、この三作はちゃんと一つのテーマに沿っているのか。
そう言えば、二作目の先生も最後はちょっと楽になっている、少しほっとしている。
編集順、読む順が三章、二章、一章なら読了も後味が悪くならなかったのかな。
続きを読む投稿日:2017.02.18
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前回、読んだ重松作品が『疾走』で内容が重過ぎて、しばらく読む気になれなかった重松清サン。でも久しぶりに読むとやっぱり、好きだ。特に小学生の男の子が登場すると、私はヤられてしまいます。
投稿日:2023.08.02
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