ツノゼミ ありえない虫
丸山宗利(著)
/幻冬舎
作品情報
奇想天外、ユニークすぎる形を特殊撮影法で克明に再現!
世にもフシギなかたちの昆虫「ツノゼミ」を138種類掲載した、日本ではじめてのツノゼミの本です。ツノゼミとはいってもセミではなく、カメムシ目に属する昆虫です。体長2ミリ~25ミリほどの小さな虫ながら、ツノのかたちをさまざまに進化させていて、まるで空想の世界のような姿をしています。本書では深度合成写真撮影法で撮影しているため、すべての部分にピントがあった写真を掲載。面白い姿をすみずみまで楽しめる一冊です。
●ハチ、カビ、死んだふり……ものまねが大得意
●ツノゼミはセミじゃない
●バランスが悪すぎて強風では動けない
●敵につかまるとツノを取って逃げることも
●日本にもいる! ツノゼミの見つけ方
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 4.0 (13件のレビュー)
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ツノゼミの一般向け入門書です。数多くの写真と簡単な解説がつきます。
不思議な生きもの・ツノゼミの世界へいざ。
ツノゼミはツノゼミ科(Membracidae)に属する昆虫で、一般的にいうセミとは異なる…生きものです。セミとは下目まで同じ分類ですが、ヨコバイがさらに近縁となります。
セミのように大きな鳴き声は立てず、2mm~25mm程度と相当小型です。
この虫のすごいところはなんと言ってもその形態です。本書の副題は「ありえない虫」ですが、本当にありえないほどの奇妙な形と多様さです。
全体の形として、体の上に長目で半透明の羽が付くところはセミにも似ていますが、セミと違うのはさまざまな形の突起物が付くところ。
植物の棘や枯れ葉によく似たものもいますし、ハチやアリなどにそっくりなものもいますし、イモムシの糞や昆虫が脱皮した抜け殻の擬態をしているものもいます。要は自分を目立たなくする、または危険な存在だと思わせるのがツノゼミの「ツノ」なのです。そうはいっても、やりすぎて、もはや何の擬態かわからないような珍妙な形もちらほら。いやまぁ、あんた、それどういうつもりなの・・・?と聞いてみたくなります。
こんな大きな突起物がついていても、すべての種が「飛べる」というのもすごいところ。但し、大きい突起物を持つものは「不器用」に飛ぶようです。
さらに、このやたらと複雑な形、脱皮で困らないのか?と疑問に思うわけですが、幼虫期にはこの突起物はないのだそうです。最後の脱皮(羽化)の際、しわくちゃに畳み込まれた状態で突起物が出てきます。そして徐々に、翅が伸びるのと同時に突起物もふくらんでいきます。中身は空洞であることが多く、風船がふくらむようにして完成形ができあがります。
ツノゼミは昆虫には珍しく、卵を守ることが知られています。母ツノゼミは産んだ卵の上に覆い被さるようにして、外敵から卵を守ります。なかには幼虫になってからも保護し続ける種もいます。
ツノゼミの寿命は2~3ヶ月で、次世代を守り育てつつ、短い生涯を終えることになります。
ツノゼミの餌は植物の汁。アミノ酸が乏しい一方、糖分が多く含まれるため、必要なだけのアミノ酸を取ろうと思うと、糖分の取りすぎになってしまいます。そのため、余った糖分は排出されます。甘露と呼ばれるこの排出物に寄ってくるのがアリです。同様に甘露を出すアブラムシを保護するように、アリはツノゼミを保護しています。成虫だけでなく幼虫も甘露を分泌します。アリがとんとんと背中を叩くと、幼虫は腹の先から甘い汁が出し、こうしてアリとツノゼミは仲良く共生しています。
ツノゼミが多く存在するのは、中南米やアジアの熱帯地域です。日本にも十数種存在しますが、熱帯のものに比べ、地味なものが多いというのもおもしろいところ。
奇抜な配色で文字通り「とんがった」デザインのものはやはり熱帯のものに多いようです。
本書には、数多くの美しい写真が収録されていますが、撮影の際、小さいがゆえの苦労があるそうです。ツノゼミの特徴はこの凹凸ある体。その全体にピントを合わせるのは非常に難しいことです。そこで著者が取った策は、標本を上下に動かしながら、多数の写真を層状に撮影し、ピントの合った部分を最後にコンピュータ上で合成するというもの。名付けて、深度合成撮影法。聞くからに手間の掛かりそうな方法です。さらには、標本にホコリが付いていると台無しになるため、1つ1つ丁寧にホコリを取って撮影に臨むのだそうです。この準備の方が、撮影よりさらに手間暇が掛かるのだとか。
そう思って改めて写真を見るとまた一段と味わい深いです。
この世界のどこかにおかしな形の小さいツノゼミたちがけなげに生きている。
そう思うとちょっと楽しいです。
*ツノゼミの存在自体は以前から知ってはいたのですが、今回、本を読む気になったのは、先日、たまたまツノゼミの研究をしている人に会ったため。台湾出身の彼は"treehopper"を研究していると言い、それは何だろうか・・・?と思ったら漢字で「角蟬」と書いてくれました。おぉぉ、ツノゼミですか・・・。
フィリピンの森に何度も採集に行ったことがあるのだとか。ふーん、どんだけおもしろい虫なのかと思って探したのがこの本(この著者も知っているとのことでした)。
袖すり合うも多生の縁。おかげでおもしろい奥深い生きものを1つ知りました。
ツノゼミも珍しいかもしれないけど、ツノゼミの研究者も結構珍しい、ような気もします。続きを読む投稿日:2014.08.10
ツノゼミの、ほぼ図鑑です。
わ〜すごい!どうしてこんな風になるの?!
飛んでいる実物を見つけてみたい!と思いました。
が、実物サイズがページの端に載っているのですが
小さい!!
こんなに小さな虫を集…めたり研究したり...
研究者ってすごいなぁと改めて思いました。続きを読む投稿日:2018.01.30
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