キャリアをつくる9つの習慣 これが価値を生み出す最新の働き方だ
高橋俊介(著)
/ピンポイント選書
作品情報
「プレジデント」年末恒例特集の巻頭に、キャリア論の専門家である著者が3年連続で寄稿した記事をベースに、「今、必要とされるビジネスパーソンの能力」を徹底分析。商社、金融、メーカーなど14社で活躍する「MVP社員」の実事例も登場。「目標を持って仕事をする」「なりたい自分になる」といった、一見正論に見えるキャリア論の限界を指摘する刺激的な1冊。
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商品情報
- シリーズ
- キャリアをつくる9つの習慣
- 著者
- 高橋俊介
- 出版社
- プレジデント社
- 掲載誌・レーベル
- ピンポイント選書
- 書籍発売日
- 2008.07.16
- Reader Store発売日
- 2011.08.12
- ファイルサイズ
- 1MB
- ページ数
- 135ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (22件のレビュー)
-
【目次】
1 9つの習慣その1 勝負能力
2 9つの習慣その2 現場体験
3 9つの習慣その3 ネットワーク
4 9つの習慣その4 仕事に意味付け
5 9つの習慣その5 個人ブランディング
6 9つ…の習慣その6 相手の価値観を理解する
7 9つの習慣その7 ポジティブに巻き込む
8 9つの習慣その8 経験と気付きで学ぶ
9 9つの習慣その9 仕事の言語化、仕事の見える化
10 これからのキャリアの条件
満足度の高いキャリアをつくる
⇒現在のような激しい変化のある時代だと、たとえキャリア・プランを立てても、経営陣が変わったり、業態が変わって、求められるスキルも変わってくる可能性がある(「キャリアは計画的につくれない」)
⇒現実に、満足度の高いキャリアをつくっている人と、そうでない人との差は、「日ごろどのように仕事に取り組んでいるか」
勝負能力とは
⇒勝負能力とは、これを発揮すればいざというとき高い成果を出すことができる、その人らしい能力のこと
⇒勝負能力になりうるものの条件の1つが、「楽しく発揮できる能力」であり、それはその能力が本人の「動機」に基づいているということ
●3つの動機
⇒「コミットメント系」
⇒「リレーションシップ系」
⇒「エンゲージメント系」
目標を持つ」は万人向けではない
⇒動機の特徴と組み合わせによって、キャリア形成のパターンが変わってくる
世に流通しているキャリアづくりの方法論や考え方は、最初に高い目標をもつことを説くものがほとんどだが、それはコミットメント系の達成動機やパワー動機などをもった人にとってのみ有効なのであって、決して万人向けではないのである。
目標主義が大手を振っているのは、成功者といわれている創業経営者やトップアスリートたちに、上昇系の動機を持っている人が多いからにすぎない。そういう動機の弱い人が無理やり上昇志向をもとうとしてもうまく機能しないということは、すでにこれまでの説明でおわかりだろう。
●社会関係資本とは
⇒仕事や人生にベネフィットを与えてくれる人間関係のこと
⇒基本は「信頼」と「互酬性」(見返りを求めずに自分のネットワークの構成員に役立つことをしていると、いつかそれが自分にも返ってくるということ)
●いい社会関係資本を築くための2つの習慣
⇒「周囲に信頼されるような行動をとる」
⇒「人間関係に継続的に投資し続ける」
よいネットワークをつくるには
⇒ネットワークはどんなに布石と投資をしても、結局は自分が発信した世界観や人間観にふさわしい人しか集まってこない
健全なネットワークをつくりたかったら、まずは自分の世界観、人間観をそれにふさわしいものにするのが先だ。そのうえで、自分はこういう世界観、人間観をもっているのだということを、言葉にして広く伝えていくのである。
個人ブランディングとは
⇒「私はこういう価値を提供している」ということを自覚し、それを踏まえた行動をとり続けることで周囲に証明し、認めてもらう
●キャリアのために投資する
⇒ブランドは1つではなく、2つか3つあったほうがいい
⇒自分はこういう特徴があるということを、口に出して積極的に周囲にアピールする
⇒影響力の強いキーパーソンにそれを示しておくと、「彼はこういうことが得意な人間なのだ」というイメージがキーパーソンを通じて広がっていき、社内で新プロジェクトが立ち上がったときに、思いもかけず声がかかったりする
⇒米スタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授が、アメリカのビジネスパーソン数百人のキャリアを調査したところ、キャリアの8割は、予期しない偶然の出来事によってつくられているということが判明した
この調査結果から、最初に目標を定め、そこから逆算して一歩一歩積み上げていくという決定論的なキャリア形成には根拠がなく、むしろ人生に起こるたくさんの予期せぬ出来事を上手に利用しながら、自分にとって好ましいものに変えていくことこそが、正しいキャリアづくりの考え方だという結論を、彼は導き出したのである。
⇒未来は何が起こるかわからないし、チャンスは逆算できないが、キャリア形成に役立つ人や仕事との出会いといった、チャンスが巡ってくる確率を高めることはできるのであり、それがネットワークへの投資であり、個人ブランディングなのである
■相手の価値観を理解する
●「伝わる、納得される」プレゼンの極意
⇒相手を特定し、その相手のマインドシェアに応じたプレゼンを行う
⇒伝え方の基本は、相手の考える順で話すということ
・例えば資料としてのグラフは、何度も見ている話し手と違って、聞き手にとっては今日初めて目にしたもの
・だとすれば、聞き手が最初に知りたいのは、縦軸と横軸が何を表しているかではないのか
⇒話の全体像が見えている話し手と違い、聞き手はちょっと集中力が途切れると、話の位置関係がわからなくなるので、話の文脈が変わる際に、前後のつながりがわかるような接続詞の役目をするフレーズを意識して挟むとよい(「~以上が会社側からみた問題点です。続いて、それらが顧客に与える影響について話します」等)
⇒今までは、「自分が人にされて嫌なことは、人にもするな」でよかったが、これからは「自分が人にされて平気なことでも、それがたまらなく不快だと感じるひともいる」ということがわかっていない人、さらにその違いが受け入れられないひとは、キャリアもうまくつくっていけない
⇒「受け取ったメールにはすぐ返事を出すが、逆に返事が来ないとイライラする」という著者の高橋さんが、心理学の専門家に言われたこと
「高橋さんはたしかに切迫動機が強いんですね。だから、じらされると腹が立つのはよくわかります。じゃあ、切迫動機がまったくない人は、何が不愉快だと思いますか、それは、急かされることなんですよ」
●他者を理解するためには
⇒価値観の違う他者を理解するためには、自分を知らなければならない
⇒とくに、自分の動機のうち、極端に強いものと弱いものを認識しておくことは絶対に必要
極端に強い動機に基づく行動は、そうするのが当然だと無意識に考え、他者にも同じことを求めがちだし、逆に、動機が弱いものは、そんなことをしても意味がないと思ってなかなかやらないので、その動機を持った人を不快にしてしまう。だから、まずは自分が自分のそういう動機を知ったうえで、幽体離脱をして自分の行動をチェックしながらアジャストする努力をすることが、他者理解の第一歩なのである。
ポジティブに巻き込む
⇒今後は、あらゆる企業にコラボレーション力が求められるようになり、従来のような序列や上下関係があることを前提とした「縦型のリーダーシップ」だけでは通用しなくなってくる
⇒求められているのは、上下関係のないところで人を巻き込み、動かしていく「横型のリーダーシップ」あるいは「ソフトリーダーシップ」であり、それができる能力をもった人
■習慣化のプロセス
⇒習慣化には「無意識・無能」から「無意識・有能」にいたるプロセスを経る必要がある
●「無意識・無能」から「意識・無能」へ
⇒「チャレンジの機会を増やす」
⇒「周囲からフィードバックをたくさんもらう」
●「意識・無能」から「意識・有能」へ
⇒「学習し、スキルを獲得する」
●「意識・有能」から「無意識・有能」へ
⇒「スキルを意識して何度も繰り返す」
本書を読んで最初にビックリしたのが、「目標設定」に関するお話。
私はハッキリ言ってコミットメント系でないのは自分でも良く分かっておりますし、それを恥じる部分もあったのですが、ことキャリア形成においては、必ずしも欠点ではないようです。
もちろん、世の多くの経営者さんたちが上昇系の動機をお持ちであることは、その手の自叙伝等で明らかですし、そういう動機の持ち主であった方が、競争には強そう(笑)。
ただ、私はちょっとタイプが違うかな、と思っていたので、本書を読んで腑に落ちたという。
◆逆に「ネットワーク」「個人ブランディング」に関する件で言うなら、たとえば自分が「ビジネス書好き」であることは公言しているというか、こんなブログやってるわけですし、そのことによってバリバリのキーパーソン(笑)である、本田直之さんや勝間和代さんにお見知りおき頂いているワケです。
その結果、メディアさんに取材頂いたり、副次的効果で、新聞広告にフレーズを使って頂いたり、といったことも起きたわけで、やはり周囲にアピールするのは大事だな、と。
・・・本業は全くアピールしてませんが、何か(汗)?
◆また、「自分の発信した世界観・人間観にふさわしい人しか集まってこない」というお話も、当ブログの売上ランキングやアクセスを見てもよくわかります。
例えば、私自身がデスマーチ真っ青の(?)ブログ運営をしているためか、「ラクして金儲け系」の本は全く人気がありません。
それに対し、勉強本関係は、「似たような本を何冊持っていてもまた買ってしまう(笑)」という、私のコピーのような方が結構いらっしゃるのか、コンスタントに売れてしまうという(汗)。
本書はそれぞれの習慣ごとに、リアルのビジネスパーソンが登場されており、具体性が増しているのですが、分量の関係上ほとんど全部カットしてしまったのが、自分でも残念。
実際に本書をお読みいただければ、どういう習慣が、どうキャリアに活かされているか等がよくわかりますので、興味がおありの方はぜひご一読を。
線を引く方だったら、赤線だらけになってしまうくらいの濃さなので、買っちゃったほうが早いといえば早いんですけどね(笑)。続きを読む投稿日:2010.09.20
「最初に自分は何歳でこうなるという目標を立て、その目標に向かって計画的に積み上げていくというのもまた、キャリアの誤ったイメージだ。」としょっぱなから喝破している。
これまで人類が経験したことのな…い変化の激しい時代、一年先ですら何が流行っているかわからないのに十数年先など正確に予想することはできない。ではどうやってキャリアを形成していくのか、それは日々の習慣の積み重ねによってであるとして、今の時代にキャリアを形成するために必要な習慣を解説している。
こういうビジネス本を読むとき、その1冊の本から得られるものというのはそれほど多くないのがほとんど。 1冊から3つ読んでよかったと思えるものがある程度が大半ではないかと思うが、これは全編あちこちにそういう気付きや、仕事をする上でのヒントがある。
10年くらい買ったまま積んでいた本だが、もっと早くに読んでおけばよかったと後悔した。続きを読む投稿日:2018.11.24
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