群青の夜の羽毛布
山本文緒(著)
/文春文庫
作品情報
丘の上の家でひっそり暮らす不思議な女性・さとるに出会い、惹かれる大学生の鉄男。しかし、彼女を知るほどに、鉄男の疑問はふくらんでいく。可憐な彼女はなぜそんなに実母に怯え、妹に遠慮し、他人とうまくつきあえないのか? 母娘3人の憎悪が噴出するときにあらわれる、戦慄の情景とは──。恋愛の先にある家族の濃い闇を描いて、読者の熱狂的支持を受けつづける傑作長編小説。山本文緒ならではの、ホラーよりも恐ろしく、猛烈に切ない人間関係の闇!
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商品情報
- シリーズ
- 群青の夜の羽毛布
- 著者
- 山本文緒
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2006.05.10
- Reader Store発売日
- 2011.07.15
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 323ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (55件のレビュー)
-
真面目って病気だ。
正論が人を強くするのか、弱い人が正論に縋るのか。
山本文緒さんの作品。わたしが初めて読んだのは、「プラナリア」だった。
2020年6月末頃のことだ。
そして、この作品のレビューを…ベースに、わたしはエッセイを書いて、初めて応募した。
そんな大きな一歩を踏み出させてくれた山本文緒さんが、とても若くして亡くなられた。
早い。早すぎるあまりにも。
わたしはと言えば、遅かった。あまりにも遅すぎた。彼女の作品に触れるのが。
「自転しながら公転する」
この作品を読んで、もっともっと彼女の作品を読みたいと思った。
もう、今ある作品を、魂を込めて読むことしか、今のわたしにはできない。
これではまるでゴッホじゃないか。
悔しい。寂しい。作品は作品として残るけれど、作品だって、生き物だ。わたしはそう思う。
この作品は1995年に単行本で出版されている。
1995年といえば、J-POP全盛期で、とにかく毎日違う名前の歌番組が、前日と違う放送局から流れていた時代だった気がする。子どものわたしには、歌詞はあまり入ってきてなくて、だけどとにかく曲を聴いてた。
その裏側で、この物語もひっそりと存在していた。
とても静かに。
毛布でくるまれて、部屋の片隅で、息をひそめて。
毒に侵された家族を、優しく包み込んでいたのだろうか。それとも、隠していたのだろうか。
まるで家に根が生えていて、根ごと毒に侵されているような。
主人公の様々な心身の不調。毒親は普通、これを放っておかない。なのにそれを放っておく違和感。
主人公目線の章にも関わらず、確実に語られていない何か。巧妙にまだ語られていない何か。
章の冒頭で語られるカウンセリングを受けている人物の正体。
なぜ主人公はこんなに病んでいるのか。
なぜ恋人はこんなにケアできるのか。
違和感の正体は、最後にどばっと、溢れ出る。
ここまでしないと、毒親の根は切れないのか。
みんながみんな、自分のことを罰している。
自分が誰かにしたことの罪を、ずっと抱えている。
それを利用する母親。抜け出せない主人公。抜け出したい妹。共依存。
毒親に植え付けられた罪悪感という感情は、他人から受けるどんな罰よりも思い罰なのかもしれない。
ただの「真面目な人」では済まされない程の、強すぎる正論は、人を暴走させる。
でもなぜ。
正論で言うならば、暴走して人を傷つける方が悪いに決まってる。
なのになぜ、正論が勝っているのだ。
週刊誌でプライベートを明かした方が責められていいはずなのに、プライベートを明かされた方が謝っているのはなぜなのだ。
正論は、真面目なのは、正しいけど、どこか間違っている、狂っている。
最近複雑な音楽が流行っている中、昔の曲、特に90年代の曲って今より単純で聴きやすい。だから歌詞もすんなり入ってきて、浜崎あゆみとか今聴くと、なんか、かなりくるものがある。
「人を信じることっていつか裏切られ~
はねつけられる事と同じと思っていたよ~」
リピートしてる。「A song for XX」この曲のメロディーと歌詞の威力は結構すごい。
なんだかすっかり90年代に侵されている。続きを読む投稿日:2021.11.21
不気味な感じがする女所帯の秘密が暴かれていきます。
読み終えて多少はスッキリしたけれども、今後この家族はどうしていくのかなと。
母親だけは救いがないような。
ただ人は誰しも登場人物のどの人にもなりえる…ような気もして。
多分皆幸せになろうとしたのにその方法がわからなくて、増悪がうずめいてしまう。
他人事のような身近なようなお話です。続きを読む投稿日:2023.11.11
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