真珠夫人
菊池寛(著)
/文春文庫
作品情報
信一郎は乗合自動車で事故にあい、瀕死の青年から腕時計を託される。返すべきひとは、死に際に口走った「瑠璃子」という女性。帰京後探し当てた瑠璃子は真珠のように美しく、孔雀のように微笑み、自分のサロンに集う男たちを弄ぶ妖婦だった。かつて父の名誉を守るため、没落しかけた家を救うため、将来を誓った恋人・直也と別れて、新興成金の荘田勝平の妻となった瑠璃子には、運命に翻弄された過酷な過去があり──。TVドラマ化され、話題を呼んだ大河ロマン小説。
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商品情報
- シリーズ
- 真珠夫人
- 著者
- 菊池寛
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2002.08.10
- Reader Store発売日
- 2011.07.15
- ファイルサイズ
- 1MB
- ページ数
- 592ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (49件のレビュー)
-
戦う悪女の大正デモクラシー
それはもう、コテッコテのメロドラマなのである。
信一郎の乗っていた車が事故に遭う。同乗していた男性に親近感を覚え、語り合っていた最中だった。
どこか儚げだったその青年は全身を殴打し、まもなく死亡する…。
が、息を引き取る前に信一郎に時計とノートを託す。
時計を瑠璃子に返して欲しいと。ノートは見ずに海に捨てて欲しいと。
そんなことを言われたらノートを見たくなるのが人情。
というか瑠璃子って誰だ?そこに書かれていたのは・・・?
そうして出会うのが真珠夫人こと瑠璃子。彼女はいわゆる魔性の女。信一郎はたちまち籠絡されていく。
恐るべき昼ドラ展開に、Readerの「<」ボタンが止まらないことは間違いなしである。
が、ただ昼ドラなだけではない。
何故男を誘惑し、弄び、捨てるのか?そう信一郎になじられたときの彼女の答え。
ちょっと、びっくりする。が、「よく言ってくれた!」と思う。
(まあ、手段としてはおかしいのだが・笑)
そう、これは彼女の「戦い」なのだ。
何と戦っているのか?何故戦っているのか?
それは是非本書を読んで欲しい。
通俗的なのに社会的。
メロドラマなのにどこか大正デモクラシー。
平成の世には生まれ得ないものだろう。
ディテールも面白い。
たとえば、夫人のサロンで繰り広げられる「明治一の文豪は誰か?」という議論。ほー、そういう人が挙がってくるのか、と意外だったり。
というか、こういうサロン自体が今では考えられないだろう。
大正という雰囲気に酔いしれる。続きを読む投稿日:2014.09.11
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菊池寛、寛忌。
大正9年「大阪毎日新聞」「東京日々新聞」連載。
大正華族の没落「通俗小説」
20年前の文庫帯が残っていて、
日本小説史上の大傑作、復刊‼︎
美しき男爵令嬢を襲った残酷な運命
当時、…テレビドラマ化されているらしい。
だって、昼メロの匂いがする。
そして、菊池寛文学全集からとなるが、解説が川端康成。菊池寛について、他の作品にも触れて語っている。
まず、プロローグ部分が惹きつける。
たまたま、当時はまだ贅沢なタクシーに同乗した美しい青年の事故死。彼の残した大学ノート。
遺言は、ノートは、海へ捨ててください。
腕時計を“るりこ”に返してください。
同じタクシーに乗り看取った男は、その遺言を叶えようと動き出す。
圧倒的な美貌を持つ気高い未亡人、るりこが、主人公。彼女は、正義感の強い男爵の元、大切に育てられていた。この男爵は、人望も厚く政界で活躍するが、生真面目さと面倒見の良さで家計は逼迫している。
そんな時、るりこは恋人と共にあるパーティに出席して、正田という男の反感を買ってしまい、金を使った罠に嵌められていく。
身動きできないところまで追い詰められ、るりこは、正田と結婚する決意をする。
そこから、るりこの反撃が始まる。るりこの思惑通り、彼女の美貌と行動力で、正田家は、るりこの思惑通りに崩れていく。
しかし、彼女の心の傷は癒えない。彼女は、その美貌と英智から男たちを虜にしていく。
それは、別れることになってしまった恋人への想いを忘れるため。
最期の時、彼女は、遂に初恋の恋人に会うことができる。哀しい別れとなるが、彼女の気持ちは、報われたのか。
さすが、小説の神様。
続きを読む投稿日:2024.03.06
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