生きる意味
上田紀行(著)
/岩波新書
この作品のレビュー
平均 3.7 (56件のレビュー)
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高度経済成長後の社会において、誰もが他人の欲しがるもの(他人と同じもの)を欲しがるっており、自分が本当に欲しいものを手に入れていない
みんなと同じ欲求を持ち、みんなが目指す人生を歩むことが推奨された今…、自分自身が生きる意味を見失った人が多い
現代日本人の虚しさの核心は、自分がどこまでも交換可能であるという意識からくる、「かけがえのなさの喪失」→日本の伝統の、他社の目を意識した恥の文化から来ている
これを、日本文化のせいだ、親のせいだと言い続けることで、「自分を確立する」という次のステップに進むことから逃げている。自分が被害者、アダルトチルドレンの立場にとどまることへの言い訳を提供してしまっている。
グローバリズムの弊害
①格差の拡大
②自然環境と文化の破壊
バブル崩壊後の日本が構造改革を進めた結果、社会制度の持続性への不安を生んだ→人がヒトという経済成長のための道具として扱われ、透明な存在へと変わっていった。
グローバリズムは、「場」を重視する日本社会独自の閉鎖性への解放者かのように、日本に受け入れられた。
グローバル化とは効率性と評価による市場原理であり、それは自分の能力を常に効率的に生かし、ひとりひとりがより大きな社会に対して評価を問いていくものである。
→そんなことが全ての人間に可能なのか?一握りの強い人間にはいいが、弱い人間には、「努力が足りない」という自己責任論で見放すような社会となる。
→これからの社会で大事なのは、自分の弱さも他者の弱さも認める包容力のある人間
【数字信仰】から【人生の質へ】
数字は評価の場で、曖昧さがない圧倒的な強みを持つ。
世界には様々な文化があり、その中には多様性、生きる意味があるが、そうした多様性は効率性の悪いシステムである。そうした世界では客観的指標である「数字」により瞬時にコミュニケーションが取れるが、そういった誰にでも通用する意味を求めることが、結局誰の意味にもならない時代となっている。
これからは、自分の心、感じ方を尊重し、自分が一番何を求めているかを重視する「心の時代」
自分が好きなことに一点豪華主義を貫ける人間は強い
生きることの内的成長の豊かさを重視し、「生きる意味の創造者になる」
そのためには、「ワクワクすること」と、「苦悩」への感性を研ぎ澄ます
※苦悩とは、自分が何を求めているかが分からないため、何にワクワクするかをもがきながら探求していくこと。苦悩すべきときに苦悩することで、生きる意味の再構築につながる。
これら2つは、仲間との豊かなコミュニケーションにより強く育まれる。
他の人のワクワクすることと刺激し合って、相乗的に実現していき、また、苦悩が他社に受け止められ、自分の生きる意味をコミュニケーションの中から発見していけるようなコミュニティーの再創造が、今こそ求められている。
(NPO、ワークショップ、セルフ・ヘルプグループなど)
生きる意味を育むネットワークを、職場の内外に張り巡らせておく。続きを読む投稿日:2020.06.07
もう20年近く前の本。新自由主義とか「構造改革」とかが台頭しつつある頃にあって、警鐘を鳴らしているような内容。それから20年近くがたち、まあ、まさに著者が危惧しているようなことが現実として落ち着いてし…まっているように思う。
この本で書かれているべき論がそのとおりになれば、それはそれでよいのだろうけど、ちょっとアオいようにも感じてしまう。何を求めてこの本を読み始めたのかいまやおぼろだけど、この本を読んだところでやはり生きる意味はわからない。ただ、生きるって何があろうとひとまずは生きて(しまって)いるから生きているのだと思う。この本に生きる意味が書いてあるんじゃなくて、結局は自分なりの生きる意味を探すってことなんだろう。
でもそれって、あてのない自分探しと同じようなものだと思うので、心の片隅で生きる意味を問いながら、まずは日々を重ねていくということなのかと。続きを読む投稿日:2024.01.28
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