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そして物語のおわりに
そして物語のおわりに
小松立人/東京創元社
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総合評価

13件)
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    医学生の張田はバイト先の知人に招かれ、友人•久郷と共に孤島の館を訪れる。館オーナーの柏谷高視は資産家で、館に親類や知人を招いて年末を過ごすのが恒例行事だった。島に集まった10名の男女。翌朝事件が起きる… 作者の小松立人(こまつ たひと)さんは宮古島市役所に勤めながら小説も執筆する兼業作家。本名は「たちと」だが、「こまったひと」に由来するペンネームにしたそうな。 本書に登場する久郷一もまた「困った人」だ。集合時間に遅刻してボートを漕いで島まで渡るハメになったり、大事件が起きても我関せずのスタンスを貫く自己チューぶり。そんな変人の久郷だが、人並外れた嗅覚の持ち主で、鋭い観察力と洞察力でもって探偵の才覚を現していく。 一方、相方の張田も殺人事件後に大胆な提案をして、医学を発揮して真相に迫る。この二人のかけあいと推理合戦が小気味よく、多重解決の様相を呈す。果たしてどちらが探偵でどちらが助手なのか。 『斜め屋敷…』『時計館…』『そして扉が…』など名作本格ミステリへのリスペクト要素もあって嬉しい。私もこれら三作品全部好きだけど、イチオシは『斜め屋敷』かなー。なんせあのトリックは…ぶっ飛んだ。また、いかにも伏線ぽく某有名古典ミステリが出てきたので犯人はあの人を予想したのだが…大外し(//∇//)

    31
    投稿日: 2026.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本作、何とか爪痕を残そうと、読者に何らかの問いを残させたい感は伝わってきましたが、物語の内容でそんなに深い問いにまでは発展させられなかったかな、という評価です。 舞台は陸の孤島の洋館、クローズドサークル。 そこで起きる連続殺人と、密室の中の自殺遺体。 定番の舞台で定番の探偵の推理劇、探偵小説を例に挙げた際に喩えられるような世界で事件は起きます。 発見された二つの遺体は、四肢が切断されて、一方の胃の中にもう一方の心臓が入っていた。 癖の強すぎず、弱すぎない猟奇感もしっかり出して退屈はさせるつもりはないよ、と事件からも礼儀正しく挨拶されます。まるで甲子園の高校球児のようです。 トリックは死亡推定時刻の誤認ですね。 あまり取り上げられることの少ない要素だっただけに、本作は推理小説の造詣を深める良作とも思えました。 本作曰く(本当のところは知らないよ)、 ・血液凝固による死斑 ・眼球の白濁具合 ・直腸温度の低下(最速1時間1度下がる) ・胃の消化物 を参照して死亡推定時刻は割り出されるから、その参照元を破壊し、操作すれば、死亡推定時刻は誤認され、アリバイトリックに持ち込めるよね、という内容です。ユニークでいて理論的でグッド。大変勉強になった気がします。 さて、ここまでは非常によくある洋館ものですね。 本作はタイトル「そして物語のおわりに」とあるようにここからが肝腎となります。 一石を投じようと、わざわざタイトルにせしめるくらいに重要視させたい、らしいです。 それがどんなものかというと、本作、探偵である久郷は、序盤で犯人に気付いており、自分自身に危害が加わらないことを把握したので、そのまま殺人事件を友人が巻き込まれるかもしれないのに続行させていたということがラストで発覚します。 ……ふむ、作品によってはまぁそういう探偵もいるのでは? という心地ではありましたが、「さて、ところであなたはそんな彼とこれからも友人をやっていくわけですが、本当にこれまで通り付き合えますかね」と問うてくるわけですね。 事件が終わって、物語が終われば、それがどんな人でなし探偵による解決でも、面白い話の探偵だったね、と済むことも多いですが、今作はそれを大真面目に「え、あなたの人生は終わりませんよ、ほらこの異常人間との付き合い方を考えなさいよ。傍観者として逃げちゃダメだよ」と言ってくるわけですから、「え! そ、そんなこと考えたこともなかったよ!」と我々は青天の霹靂なる衝撃を受け、深く自省しながら探偵性とは、なんという異常性なんだろうと等身大の感想を受け取り、これをテーマにしたのならなんて中途半端な構成なんだ、と本を閉じます。 はい、中途半端です。 物語の終わりに、物語の終わりを越えられていないです。自分で出した命題を自分で超えられてないで他人に問うも何もないでしょう。 「物語は終わらないよ、なぜなら登場人物の人生は続くからね!」とドヤ顔で言われても、だいたいどの作品でもそうですよ、と返すだけです。それは、本作を読んだ人だけが気付く事象ではないです。 視点を提起するだけで問いになるなら、重量の存在に気付いた人からノーベル賞ですよ。 恐らく作者はその視点を発見できたことが嬉しくて本にして伝えたかったのかな、と思います。 何だか可愛いですね。

    1
    投稿日: 2026.07.27
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    「そしてシリーズ」と聞いていたので、前作の続き(死神が出てくる)かと思っていましたが、全く違う作品でした。 被害者の最後があまりに残酷すぎて、読んでいる途中で気分が悪くなりましたが展開はおもしろかったです。

    1
    投稿日: 2026.07.23
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    王道のクローズド・サークルなのは良いとしても登場人物の背景があまりにも見えなすぎた。個人の読解力の問題かもしれないが、事件を起こす必然性、探偵役など、奇を衒ったつもりなのだろうが何かあるのだろうな止まりで一向に面白くならなくて本を閉じたくなった。 こういったものが悪いとは言わないし、書くのに苦労もあったのだろうが癖が強いにも関わらず、前述の通りキャラクターの背景が見えないのはドラマを成立させるためには手痛い。登場人物に感情移入ができないから読んでいても伝わってくるものが薄い。読んだあと何も残らなくて残念だった。

    1
    投稿日: 2026.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    クローズドサークルでの本格ミステリ。 遺書の不自然さには気が付いていたし、死亡推定時刻の根拠も不自然には感じていた。それでも犯人は分かりにくかったし、ロジカルで面白かった。 ただ探偵役の最後がキャラクター的には不自然に感じた。自分に影響が無いなら放っておくのであれば、犯人告発のデメリットを考えたと思う。

    1
    投稿日: 2026.07.15
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    おもしろかったよ!!!! ズルや反則無しの、しっかり本格的なクローズドサークルミステリで、古き良きクローズドサークルミステリとか本格ミステリを愛する人も楽しめる良い作品だと思います。 読み進めれば進めるほど「いいなあ~~」ってわくわくできて本当に楽しかったし、嬉しかった。 探偵役による推理披露パートもしっかりと書かれていて本当に嬉しい。 「そのロジックはここが甘いんじゃないの?」という点も多々でてくるものの、ちゃんとそこは「ここは甘いです」と認めるような発言があったりするところもとてもフェアで好感が持てる。 「ここについてはのちほど説明しますので、一旦保留で」という説明が出てくるたびに、ホワイトボードにメモする書記役になりたいと何度も思いました笑 そういう読み方をしても楽しいんだろうな。 主人公二人の性格の対称さも私はとても面白く読めました。 特に随所で見せてくれる久郷の思わせぶりな言動にこれは伏線か、どういう意図があるのかと何度もわくわくしたり。 なんだかとても私好みでした。 バディものという観点でいえば、いわゆる「探偵役」と「助手役」が固定になっている古き良きバディタイプではなく、 探偵役が二人という感じで、それぞれがそれぞれの理由や異なる熱量で真相を推理するという具合なので、このタイプがはまるかどうかは多少賛否があるのかもしれないけど、私個人としては「こういうバディもいい!!」という感想。 この二人で、また違う事件の作品を読みたいなと思いました。

    1
    投稿日: 2026.07.06
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    孤島で館のクローズドサークル殺人。医者とか警察官とかがいい感じに閉じ込められてるあたりで、なんならミステリマニアの登場人物がテンションあがってもおかしくない。 まあ当然予想通りというかベタというか王道な展開の殺人が起きるわけですが。このやりつくされたネタをどう料理するのか。。。既存の作品群に比べて探偵役が何故推理しないのか?というのが結構大きなウェイトを占める作品だと思うんですが、うーん、悪くはないんだけど好みでもない。その推理をしない理由付けがいまいち弱く感じてしまった。自分に火の粉がかからないなら何もしない、というのが徹底されてるとはいえ、異常嗅覚という犯人にとって物凄く都合の悪い能力もってる人間がいたら自分なら早めに始末しようとする・・・というかそう予測したっておかしくないと思うんだけども。 最終的に動機がスルーされるのは別にそんなに気にならないんですが・・・探偵役のキャラクターもあまり好みじゃないから、なんとなく次回作がありそうな雰囲気でもありましたが読むかどうか・・・

    4
    投稿日: 2026.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2026.6.23読了。 探偵役が入れ替わる展開こそ予想の範囲内でしたが、心臓を食べるという猟奇的な設定やLSDの存在など、他のミステリではあまり見かけない要素が非常に印象的でした。 また、「自分に害が及ばなければ真相に執着しない」探偵については、過去にも似たようなタイプの探偵がいるため、個人的にはそれほど気になりませんでした。 むしろ本作は、クローズドサークルの設定が霞むほどの独創的なアイデアが魅力だったと思います。 続編が出たらぜひ読んでみたいです。

    3
    投稿日: 2026.06.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    謎解き部分は良かったものの、後半に犯人が急に、久郷に「お前みたいなのが嫌い」だと喋り始めて「どうしたお前」感が強かった。 久郷も怪物とか言われてたが、 私が見てきた推理小説では、探偵(役)は変人で書かれることも多いから、久郷が怪物扱いされても「そんなもんじゃない?」くらいにしか思わなかった。 自分の読解力がないだけかもだが、作中でも個人の背景みたいなのが見えなかったので、登場人物が全員薄味に思えてしまった。

    0
    投稿日: 2026.05.23
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    医学生の張田雅之は、アルバイト先の店長・柏谷幸男の父が所有する島に招かれ、友人の久郷一と行くのだが…そこで事件は起きた。 冬の孤島の館で起こった猟奇殺人を前にどうなるのか… 屋敷内の通信設備は壊され、船も二日後まではやって来ない。 出入り不能の状態の中で、猟奇殺人後に密室での自殺⁇となれば犯人は…。 医学生の張田が、知識を活かして提案したあることで、上手くいっているように見えたのだが… 閉鎖状態のなか限られた登場人物でイニシアチブを握り事件を誘導してアリバイを証明し、自らが犯人役を用意して自殺に見せかけ殺害することで、事件を完結させる。 誰かがそれをやったのだと、そのことに気づいたのは、彼が臭覚に敏感だったからであり、案外興味無さそうに見えて、観察力や記憶力は確かなものだったとは驚いた。

    67
    投稿日: 2026.04.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冬の孤島×館×猟奇殺人 巻き込まれた学生コンビが、機械な連続殺人事件に挑む! これぞ王道の本格ミステリ 衝撃作『そして誰もいなくなるのか』に続く、第2長編!! 医学生・張田雅之は、アルバイト先の店長の招きで、友人の久郷一と共にとある離島を訪れる。店長の父・柏谷高視は大手ゼネコンの会長でもあり、自身が所有するこの島で、親類や知人を招いて年末を過ごすのを習慣にしていた。集まった人々の前で高視が病気で余命幾ばくもないと明かされた翌朝、彼は四肢を切断され、池に浮かべられた死体となって発見される。高視の部下の男も同様に惨殺されていた。屋敷内のすべての通信設備は壊され、船も二日後まではやって来ない。出入り不能の孤島と化した中、猟奇的な事件を調べるために、張田は医学生としての知識を活かしたある提案をする──。『そして誰もいなくなるのか』でセンセーショナルなデビューを飾った著者による、第二長編。 孤島にある館に招待されて、そこの主人が翌朝殺害されてるなんて大好きな話だけど、なんか微妙なかんじだったなというのが感想。 なんでこんな感想なんだって思って、少し考えてみたら、たぶん主人公と主人公の友人が好きではなかったんだと思う。 主人公のほうは、事件が起きてからなんか急に名探偵ぶってしまい、屋敷内の調査を始める。医学生だって理由と屋敷の客に医者と警官がいたことと、クローズドサークルが解かれたあとに、警察がやって来て司法解剖しても遅いのではないか、という理由で解剖を行うことになる下りが、たぶん信じられなかったし、今までの孤島の殺人の中ではなかったからだと思う。 友人のほうは、なんか理屈ぽくて、言葉が乱暴だし、なんとなく主人公を馬鹿にしてるようなかんじがある。屋敷で事件が起きて、探偵を始める主人公に、「この屋敷の人たちが、殺し合いをしようが愛し合おう俺には関係ない」といって、何もしないでいる。まぁ、確かにそうなんだけど、自分は絶対に被害に遭わないって思って死んだ探偵知ってるから少し心配になった。 あとこの友人の特殊能力で事件を調査するの、少しズルくない?とも思ったんだよなぁ。これってなんかチートじゃない?みたいな。それで主人公たちが危ない目にあって、事件の安全圏にいたはずの自分たちに火の粉が降りかかったから友人が探偵として覚醒し、事件を解決したかんじなんだけど… 主人公の最初の推理もなんか「えーなんか結構ご都合主義というかなんていうか…」ってかんじだったけど、なんやかんやでみんな納得しちゃったし、覚醒した友人の推理も「えー主人公よりは納得出来るけど、状況証拠ばかりじゃない?」ってかんじだった。館の主人認知症だったこと、3人目の被害者書いた日記の2枚目の行方は証拠なく終わったよね?? なんで真犯人が事件を起こしたのか分からず仕舞いだったし、なんだかとんでもないことにモンスターが生まれてしまった瞬間を見てしまったかんじがした。この後の2人の友情は潰れただろうしなぁ。 この作者の前の作品を読んだけど、そっちもそっちで「えー…」みたなことあったけど、今回は大丈夫だろって思い読んだけど、やっぱりダメだった。なんか…なんか…ってかんじが否めない。 2026.4.29 読了

    1
    投稿日: 2026.04.29
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    ミステリとして普通に面白かった。 孤島の殺人と言うありきたりなものを結構以外なことしてるなと。 ただメイン二人に対して感情移入出来ない間は惜しかったな。 3201冊 今年100冊目

    4
    投稿日: 2026.04.23
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    医学生・張田雅之は、アルバイト先の店長の招きで、友人の久郷と共に離島にある豪邸を訪れる。そこで凄惨な殺人事件が起きる。最初の方は面白く読んだのだけれど後半の謎解きになると少し冗長に感じた。大学生コンビのキャラが立っているのだろうけれどどうにも好きになれなかったな。小松さんの前作もそうだったけれどなかなか登場人物に共感できない。それでも狂気な世界は悪くないなと思った。

    0
    投稿日: 2026.04.21