
総合評価
(7件)| 2 | ||
| 3 | ||
| 2 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログ連合国軍とソ連軍が迫り、敗戦の色が濃くなってきたナチスドイツ。ドイツの炭鉱の町ベンツベルグでも、アメリカ軍がすぐ近くまで迫っているらしいとウワサされ、ナチスからの解放を望む市民と、ナチスの勝利を信じる市民との間で、微妙な空気が漂っている。 1945年4月27日、ミュンヘンのドイツ帝国ラジオ放送から解放のニュースが流れると、町は混乱する。一時ナチス派から町舎を取り戻した解放派だったが、勝利を信じるナチス派に襲われ、指導者たちは次々と縄で首を吊るされてしまう。 大戦末期に実際に起きた事件を、架空の少年少女3人の目線から描いている。情報の交錯に混乱する大人たち。何を信じれば良いのか、町全体が揺れる。事件自体も悲惨だが、事件にかかわったナチス派の人達が、全員無罪になったというのも衝撃だった。
3投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログアメリカ軍が進軍してくる前の1945年4月28.29日にドイツ、ペンツベルクで起こった、想像を絶する事件。 “ペンツベルクの殺戮の夜” 史実に基づいた内容であると、あとがきに記されていました。 登場人物 少女マリー14歳、少年ゲオルクとグストル15歳。この3人は架空の人物。 マリーとゲオルクの恋の行方も気になりながら、ストーリーをおっていくので、この本全てが暗い内容ではないけれど。とはいえ、人を殺すことをこんなにもあっさりと、やってのけられしまうという事実に愕然としました。戦争が終わるのを目前にして多くの人が処刑されてしまった。(ナチスによる末期の犯罪)言葉を失いました。こんなことが、実際に起こっていたなんて知らなかった。児童書ではあるけれど、大人も必読であると思いました。 戦争を絶対に、はじめてはいけない。 2022年 ドイツ児童文学賞受賞作品
22投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログドイツのバイエルン州にある小さな炭鉱の町ペンツベルク。ここで第二次世界大戦末期に起こった「ペンツベルクの殺戮の夜」事件が起こった。 本書では、3人の架空の少年少女の目を通して、 実に淡々と「事件」が語られていく。ナチス・ドイツの敗北が迫る中、ささやかながら立ち上がろうとした市民をドイツ国防軍とヴェアヴォルフ(連合軍の占領地帯で抵抗する武装組織)が殺害した事件である。結果16名の市民が銃殺または絞首されている。 本書は、ドイツ児童文学賞を受賞しているが、凄まじく重く暗い内容である。『はだしのゲン』どころではないと感じた。ドイツ人が同胞のドイツ人によって直接殺害されているのである。自分たちの信じる「正義」によってだ。
45投稿日: 2025.08.21
powered by ブクログ第二次世界大戦集結間近にドイツで起きた大量殺戮の史実に基づいた児童文学。後半は結構グロいので子供が読むには心して読まないといけない。
1投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログドイツの人でも知らないような事件、日本で翻訳されるにはいささかマニアックすぎるか?とも思うけど(関東大震災でいう福田村事件のような感じだろうか)、罪のない人が雑に殺され、しかも殺した方は無罪という事実は、歴史の闇に葬られてはいけないことだと思った。
0投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログ終戦間際に起こったナチスに傾倒した軍人、民間人による村人殺戮事件。人はかようにも残酷になれるのか。もう少しアメリカ軍が来るのが早かったら、犠牲になった人たたたは助かったかもしれない。挙句、後の裁判で全員無罪って。加害者と犠牲者の遺族はどう折り合いをつけて生きていったんだろうか?あまりにもやるせない事件だ。
1投稿日: 2025.07.11
powered by ブクログ救いは無い。けど、ページを捲る手が止まりませんでした。これまで全く知らなかった出来事。 作者自身も、ペンツベルクの殺戮の夜について知らなかったことに愕然としたと、あとがきに書かれています。ドイツで生まれた作者でさえ知らないとは…日本で聞いたことがないわけです。 読み終わった後ネットで軽く検索してみましたが、あまりヒットせず…この本に出会い、ペンツベルクで起きた出来事を知ることができて良かった。
3投稿日: 2025.06.27
