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「いじめ」の構造
「いじめ」の構造
土居健郎、渡部昇一/PHP研究所
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総合評価

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    平成初期の社会情勢を踏まえていじめ問題をどう捉えていたかがわかる。 著者の先生方は今のいじめについて一体何を語られるのか、ぜひ聞いてみたいと思った。

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    投稿日: 2024.08.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ●今回読んだ本は・・・? 「いじめ」の構造 です。著者は土居健郎氏と渡部昇一氏。私の記憶によると土居健郎氏は精神分析の権威フロイトから直接学んだ日本の権威です。 ●新しい視点の獲得 本の中の多くは「いじめ」と妬みについて考察しています。いじめのバックグラウンドに潜む妬みについてさまざまな角度から論じられていました。 しかし私が獲得した新しい視点はその部分ではなく、空間の問題です。 空間とはいじめが発生するあるいは実行される空間がどのような環境であろうか。環境の中でどのような性別構成であるかどうかです。 具体的には、共学の教室。男子校の教室。女子校の教室。いじめがもっとも発生するのは一体どこでしょうか。 ●もしその場が男性だけであったら彼はどのように振る舞っただろうか 女性の教師について回る問題 - 渡部 P120 という章立てがあります。中学生のクラスの担任が若い女性だった場合に中学生の男子生徒はその若い女性教師に自分がいじめ被害にあっている事を相談できるかどうかという考察です。 私は自分が男性だから想像できますが、若い女性の先生に相談することは出来ないもしくは難易度が高いと思われます。 性別が逆であれば相談できるでしょうか。若い男性の教師に女子生徒があっている不当ないじめの相談ができますか。 一方で、いじめが行われる環境でいじめ主体が男子生徒だったとしてそこに女子生徒がいる場合といない場合はどうでしょうか。たまたまいる、いないのケースではなく、共学だった場合。そして男子校だった場合を考えてみてください。 その視点は学校の中だけでなく大人が生息する実社会でも新たな視点として活きそうです。 ●それは女性蔑視やホモソーシャルと関係してくるのであろうか そのように考えると女性蔑視やホモソーシャルも問題にも関係してくると考えることも出来そうです。 彼はその場に女性がいたからその態度を取ったのか。そのように振る舞ったのか。もし女性がいなければそうしないのか。 それは女性蔑視なのか。ホモソーシャルなのか・・・。

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    投稿日: 2015.10.13