
総合評価
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powered by ブクログ私にとってこのシリーズを読むことは、高級チョコを愛でることに似ている。 各テーマに沿った選りすぐりの作品が世界中から集められ、まるで一つの箱に収められているよう。一粒一粒が珠玉で、我々の目を楽しませてくれる。 青・ピンク・黒・赤、そして今回遂に「ゴールド」まで辿り着いてしまった…! ゴールドといえば、私はまず「金の茶室」といった権力の誇示を連想する。 昔からゴールドは神の色と相場が決まっていて、神殿といった宗教施設に多用されてきた。また、世界中の権力者たちはそうした神聖な色にあやかろうとするかのごとく、自身の周りをゴールドで固めてきた。 最初に登場する「ツタンカーメンの黄金のマスク」(P 16)が、良い例かもしれない。 本当にいつ見ても滑らかな黄金!これぞ永遠の輝き・美しさ…!「2枚の金板を重ね、槌で打ち出して作られ」ても、こんなに滑らかになる? 悲劇の少年王を思って丁寧に設計されたんだなーと、一人歴史ロマンに浸っていると、「別の人物のために作られていた説」が本文の隣で浮上していた…。 歴史ロマンやなくて、歴史ミステリーやん。 権力でいえば、「侯爵夫人マリア・セッラ・パラヴィチーノの肖像」(P 72)も抜きん出ていた。ただ本作は威圧感というより、圧巻なんだけど妙なとっつきやすさを感じたんだな。 1606年に描かれたイタリア貴族の肖像画で、女性自身ではなく、正真正銘彼女の身分を描いている。しかし、ゴールドの装飾が施されたドレスを纏っていながら、表情は柔和で、畏まった様子が見られない。 何だかゴールドを上手く手懐けているみたいで、「やっぱ一流は違うなー」と、自動的に感心していたのだった。 「金は、わたしたちの失敗であり希望であり、現実であり、恐ろしい幻想なのです」(P 8) 日本からは「黒樂茶碗」(P 80)と「鳳凰図屏風」(P 82)が「出展」されている。 本書の著者はフランス人だが、日本人以上に、茶器の価値を理解しておいでだと思う。ざっくり言うと、黒地に金の富士山が浮かび上がった見栄えなのだが、それを「何事にも動じない静かな心」と的確に表している。 前述の権力とは違えど、ゴールドはここでも揺るぎない存在だった…! 「鳳凰図屏風」は北斎作らしいが、初見だ。それもそのはず、現在はボストン美術館蔵との事…!(「黒樂茶碗」は大英博物館蔵) ゴールドを背景に極彩色の鳳凰が屏風の中を舞うという、何ともダイナミックな演出。良いものはすぐ買い取られちゃうんだな…正直、もっと多くの日本人に知ってほしい作品である。 P 56の”The Golden Calf”が未だに頭からこびりついて離れない。ダミアン・ハーストの作品で、何とゴールドで縁取られたショーケースに本物の子牛がホルマリン漬けにされている。 2ヶ月前に読んだ内澤旬子氏の『世界屠畜紀行』を思い出す。かつて生きていた動物を作品にする行為って、食べるのと同じくらい考えさせられないか…? 何とも刺激的で、矛盾した味わいを持つ「チョコたち」だった。 神の色ねー…栄光をもたらしたり溺れさせたり、我々を弄ぶ罪な色の間違いなんじゃないか?
50投稿日: 2025.06.11
powered by ブクログ色の物語シリーズ第5弾。全シリーズ読みたいのですが値段も値段なので。ゴールドの作品や歴史と言えば、ツタンカーメンやクリムトの接吻がパッと浮かびますが、ちゃんと載っていました。まさかの出会いはジェフ・クーンズのマイケル・ジャクソンとバブルス。こんな所でバブルスくんが見られるなんて。
11投稿日: 2025.02.01
