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わたしたちの怪獣
わたしたちの怪獣
久永実木彦/東京創元社
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総合評価

12件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんて素晴らしい作品なんだろう。 SFヒューマンドラマ、と言えば良いのか。 とにかく、SFなのに現実的。 非現実の中に巻き込まれているのに、自分に関わる狭い範囲の事に悩んで苦しんで、乗り越えようとする。 怪獣が現れようと、ゾンビや吸血鬼が現れようと、目の前にある生命の危機、世界危機よりも、自分の中の悩みを見続けている。 まさに、現実から逃げるのではなく受け止めようとしている。世界の異変なんて些細なことでかのように。 世の中でどんな未曾有の事態が訪れようと、実際に自分が体験をしないと分からない。目の前で死に直面する時まで、実感することはできない。 世界が壊れ始めても、まず自分自身の悩み苦しみ、それをどう受け止めて乗り越えるのか。 そんな風に感じることができた。 とても人間らしく、どこか皮肉めいているのに心に入り込んでくる本当に素晴らしい作品でした。

    1
    投稿日: 2026.02.21
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    今年初めに東京創元社からのメルマガに新刊として紹介されていて「読みたい」に入れていた。4つのお話からなる本。 ・怪獣が出現し壊滅状態となった東京に、妹が殺した父の死体を棄てに行く。(わたしたちの怪獣) ・時を遡って犯罪や災害を防ぐことができるようになった未来の〈時間局の職員〉が過去に戻ってやったこと。(ぴぴぴ・ぴっぴぴ) ・家にも学校にも居場所を見つけられない孤独な少女と美貌の吸血鬼の出会い。(夜の安らぎ) ・突如ゾンビが出現した街で映画館に籠城した観客たちの運命は?(『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら) どれもが惹かれる設定の面白そうな話なのだが、まったりしていてテンポが合わず読んでいてイマイチ乗り切れず。 好みの問題で自分には合わなかったという感じなのだが、作者さんのあとがきを読んで、この世界観の中で書かれているのなら、と改めて納得したのでした。

    72
    投稿日: 2025.12.06
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    可もなく不可もなし 読んだ人達の評判も上々のようなので、こんな物だろう。 古本で買って、丁度良いかな。

    3
    投稿日: 2025.08.11
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    『わたしたちの怪獣』『ぴぴぴ・ぴっぴぴ』『夜の安らぎ』『アタック・オブ・ザ・キラートマトを観ながら』の4本の短編が収録されたSF短編集。 この作者には初めて触れたが、どの作品も読み心地が良くて他の作品も読んでみたくなった。 良い意味で既視感があるというか、具体的にこの作品とは言えないんだけど、昔観たような読んだようなそういう既視感を感じた。勿論、読んでいて「ああ、このシーンはあの映画っぽいな」って要素も多いのだが、それに合わせて記憶の中のノスタルジーというか、ありそうでない、なさそうであるみたいな作品を作るのが上手いのかもしれない。 他の人のレビューにはSFじゃなくてファンタジーなんて意見も多いが、確かにこの作者は幻想小説とか書いたら面白いかもしれない。 文章の美しさからも親和性高そうな気が。そういった作品が出てくるのを期待したくなった。 あと最後のあとがきがとても良い。

    4
    投稿日: 2025.08.07
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    キングも村上春樹も好きだったので読んでみたけど、まったくもって当たり前のようにキングとも村上春樹とも違う小説だということに気がつかずに読みはじめてしまい少し反省しました。映画とかドラマとかだったら面白かったかも。

    1
    投稿日: 2025.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    困った、これは面白かった。 表題作はスケザネさん紹介をきき 「B級映画みたいで笑えそう」と(失礼ながら) 興味本位で買って読み始めた。 けれど、ぴぴぴ・ぴっぴぴを読み (これも失礼ながら)キャッチーなSFだけでなく、繊細な五感を振るわせるような SF小説を書かれる人だと惹き込まれました。 4作品の中で特に ぴぴぴ・ぴっぴぴが好きで、 これはまた読み直したい。 ドラキュラもよかった、し ゾンビは普段あまり惹かれないが 星乃さんの映画連想ラリーのキレが良すぎて 楽しくて一気に読みました。 「わかるでしょう?わたしはこういう連想でしか、ものごとを考えられないの」最高。 『アタックオブザキラートマト』って言葉の響きがまたいい。Z級らしい絶妙な名前の冗長さ。そしてリズム、言いたくなる。 短編と思えないくらい、どっぷり浸かって 一気に泳ぎきって楽しかった。

    4
    投稿日: 2025.06.25
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    怪獣、タイムリープ、吸血鬼、ゾンビというSF的にありふれたお題でありながら、しっかりした世界観と魅力的なキャラクターたちによってどの話も引き込まれた。次に作者は既存のテーマをどう料理するのか、また新しいテーマをどう提示してくるのかとても楽しみだ。

    2
    投稿日: 2025.05.17
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    一話目が1番好きだ どれもアイディアだけではなく、SF服の工夫があるように思う。 この著者の作品をまた読んでみよう

    3
    投稿日: 2025.04.27
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    噂に違わぬ傑作短編集でした。いやー面白かった! 特に良かったのは表題作「わたしたちの怪獣」とラスト「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」。前者はおそらくシン・ゴジラにインスピレーションを得た作品だと思いますが、元の作品より破滅的な現実と向き合う市井の人に焦点を当てた構成が実に見事。救いのありそうなラストに思わせてからの現実は甘くないというオチも非常に良かったですね。そして後者は映画のオマージュを散りばめた作品となっており、映画好きならニヤリとするシーンばかり。と言っても表題作の元ネタを見たことがなかったので全力で楽しめたかというと怪しんですが、それでも虚構と現実を対比しながら、荒廃に向かう世界と人々を襲う絶望を、短編という構成の中でしっかり描ききったのが素晴らしいです。 上記2作品が特に素晴らしいんですが、個人的に好きなのは3作目の「夜の安らぎ」だったり。SFではなく、ライトなファンタジーという感じなんですが、オチも含めてかなり綺麗なお話だったので、作者の後書きに期待して次作を楽しみに待ちたいと思います。

    3
    投稿日: 2025.03.31
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    久永実木彦『わたしたちの怪獣』読了。 表題作の怪獣を筆頭に、時間移動(改変)、吸血鬼、ゾンビとエンタメの賑やかし要素がそれぞれ盛りだくさんの短編集。創作において使い古されたモチーフでありながらもそれぞれに新たな味付けで読者を楽しませてくれる。表題作もよかったけれど、盲信的に破滅へ突き進む主人公だけれどもなぜかそのプロセスに説得力を感じてしまう「夜の安らぎ」がこの短編集の中では唯一穏やかなラストであり癒された。あとがきでは続編出ると宣言してるが、大いに期待してしまう。

    7
    投稿日: 2025.03.17
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    星雲賞の表題作を含めクオリティーの高いSF幻想ホラー短編集。怪獣、歴史改変、吸血鬼、ゾンビ…ゾクゾクするテーマ、魅力的な登場人物、シュールな展開、どれも好み。非現実的世界に救いを求める主人公たちの行動は胸を打ち、ラストが印象的な4編。中でもゾンビ映画へのオマージュ「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」はツボだった。

    10
    投稿日: 2025.03.13
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    書店であらすじを読んだ時点からワクワクが止まらなかった本。4話からなる短編集で、それぞれ怪獣、タイムマシン、吸血鬼、ゾンビ(キラートマト?)を描いています。どこかコミカルでシリアスで、かつユーモアに富んだお話になっています。あとがきも面白い。

    27
    投稿日: 2025.03.08