
総合評価
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powered by ブクログB3MAXに纏わるボーイングの話、というよりはボーイングの変節を題材に新自由主義の問題点を語る、といった一冊。 新聞連載記事がベースなこともあり、専門的な話が分かりやすく展開されているが、一連のB3MAX問題の描写としてはやや物足りない印象。 ボーイングについては「迷走するボーイング(並木書房)」によって詳細な描写がなされている。
0投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ評判が良かったので。 1つずつの事故のニュースは何となく聞き覚えがあるけれど、こんなに大きな話だったとは。 情けないことに、どんどん本を読んで、どんどん内容を忘れてしまうのだけど、その1冊でワンフレーズは記憶に残るといいなぁと思っていて。 今回は本題からは逸れるが「まじめに働けば安心して生きられる社会の探求」という著者の言葉が印象深かったなぁ。
0投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログ飛行機好きが嵩じて会社を設立し、より良い飛行機を作ることだけを目指し、ある問題に対して社内で解決策を持ち寄りすり合わせることでより良い策を導き出す「課題解決文化」に溢れた組織だったボーイングが、GEのジャック=ウェルチの薫陶を受けたウェルチ・チルドレンたちが持ち込んだ「株主資本主義」によりもの作りの本質を忘れ、利益+配当至上主義に陥り、旅客機製造会社として最も大切な安全性を疎かにしていく姿が克明に描かれる。 経済学者フリードマンにより提唱されウェルチによって実践された株主資本主義の行き着く先は、GEやボーイングの凋落にみるように、株主利益すら軽視し、経営陣が経済的果実を独占する「Greedy Capitalism」そのものであった。 経済(経営)効率を上げるために政治力を使って監督官庁であるFAAすら蔑ろにし、型式証明の検査対象項目から検査担当者まで自社内で決められるようにしたというくだりには戦慄すら覚えるし、株高・増配が望めなくなると「ステークホルダー資本主義」に鞍替えするというご都合主義には、利他を掲げながら結局は自己の救済を求めるキリスト教が透けてみえる。 世のトレンドに流され「パーパス」なるものを競って設定する日本企業も情けないが、欠陥機だった787Maxの飛行停止命令を米FAAにすら遅れをとった本邦運輸省の米国追従根性も情けない。 三菱飛行機のMRJが米国の型式証明を取得できなかったのは、メーカー側の不慣れ・不手際もあったのだろうが、米FAAの体制・能力不足にも起因したのではないだろうか(知らんけど。本邦運輸省は問題外)
0投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログ気が早いけれど、今年のベストノンフィクションになるかもしれない。ボーイングの連続墜落事故の原因究明を丁寧に行い、強欲な株主資本主義にその原因があることを突き止める。株価や収益の数字に囚われ、技術や安全を疎かにさせる。 これは日本にとって対岸の火事ではない。アメリカのあとを追い、株の国へと変わろうとしている。東芝の解体も行き過ぎた株主資本主義の結末だし、不正の続くトヨタにも疑念を抱いてしまう。本書は日本のこれからのあり方をも考えさせる。 ジャーナリズムに失望し、TVも見なくなり新聞も事実を追うだけになっていたが、江渕さんのような気概を持ったジャーナリストがいることを知れて嬉しくなった。読後にちょっとだけ希望が湧く。
0投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログ株式市場に飲み込まれる現実と、身近な現象が近くて恐怖を覚えた。 短期的な視線ではなく、中長期的な視線がとても大事だということを再確認できた。
0投稿日: 2025.05.04
powered by ブクログ株主資本主義が崇められた挙句、短期に利益を上げるために目の前のコストカットだけに汲々とし、技術に担保されないゴミに客を乗せて墜落させて殺害し、なおも保身に汲々とした挙句、会社を潰そうが、誰に迷惑かけようが、自分だけ目も眩むような報酬を得て反省一つできない人たち。 米国ってそんなだと思ってたが、GE辺りからなのね、目立ち出したの。それがあちこちに広まった。 株主資本主義というか経営者資本主義。 やっと見直して「日本式」の三方よし経営に移りつつあるところで、そいつらは日本を簒奪していく。 奴らは基本野蛮人だからな。綺麗事の好きな。ルールを守れというが、ルールを作るルールは守らない。 共産主義も資本主義も、まず民度が上がらないとダメなんだなと、思い知ること多し。 ボーイングを枕に、行きすぎた資本主義の害を謳っているが、本としては最後にボーイングのまとめを持って来た方が良かったと感じた。 いずれにしろ、語ってるのが朝日新聞の記者なんで、それだけでどこかに嘘があるだろうと感じてしまうのは、偏見ではなく経験からくる健全な防衛やからな。 連続虚報の闇も追っておくれよ。
0投稿日: 2025.04.02
powered by ブクログボーイング社は、エアバス社の小型旅客機に対抗するために、かつ新規機種の開発コストを避けるために従来機の737を改造して737MAXという旅客機を開発した。従来はエンジニアリングと品質に重きをおいていたボーイング社だが、アメリカ流の株主利益を最大化させる経営方針のために設計力、品質管理がおろそかになっていた。そんな中で開発された737MAXは従来機を無理やり改造してセンサと制御で飛ばすようになった。しかし、その制御システムの不具合により737MAXは短期間のうちに2度も連続で墜落する事故を起こす。その調査の過程でスケジュールとコストを守るためにFAA審査での隠匿なども明らかになった。本書はそのような、エンジニアリングと品質ではなく株価を第一の指標としたボーイング社の経営方針の変化が、事故および結果としての企業価値の下落を招いたと指摘する。さらにそのような経営方針の源流はGEにあるとして、GE流のコストカット、選択と集中などの経営が他の企業にも影響を与えていると指摘する。
0投稿日: 2025.03.11
powered by ブクログキャッシュ最優先の歪んだ方針はなぜ生まれたのか。安全を軽視した経営体制を批判するノンフィクション。米国の企業体質や日本の在り方にも言及し私たちに疑問を投げかける。事故を起こせば全てが無に帰する運輸業は安全と利益の追求というバランスを常に保たねばならない。
6投稿日: 2025.03.03
powered by ブクログ1. トロントの冬の終わりと家族の旅 - トロントの厳しい冬が終わり、春の柔らかな日差しが差し込む。 - 主人公ボール・ジョロゲは、家族がケニアに帰省する間、一人で過ごしていた。 2. フライトの心配 - ジョロゲは、妻や子どもたちのフライトを心配し、フライト追跡サイトで情報を確認する習慣があった。 - エチオピア航空のET302便がアディスアベバを離陸したことを確認したが、連絡がないことに不安を覚える。 3. 緊急速報と絶望 - スマートフォンで「ET302便が墜落した」という緊急速報を受け取る。 - ジョロゲは、自分の家族がその便に搭乗していることを理解し、絶望感に襲われる。 - 頭が混乱し、意識が遠のいていく感覚を描写。 4. ボーイングの経営問題 - ボーイングの幹部は、737MAXの安全性について過信していた。 - 事故の原因となったMCAS( Maneuvering Characteristics Augmentation System)の問題を認識しながらも、適切な対策を講じない姿勢が批判される。 5. 事故の影響と責任の所在 - 737MAXの事故により、多くの人命が失われ、ボーイングの信頼性が急落した。 - ボーイングの経営陣は、事故の責任を問われることとなり、CEOの証言も遅すぎたとの意見がある。 6. アメリカの企業文化の変化 - 近年、アメリカの企業は「株主第一主義」から「ステークホルダー資本主義」へと移行している。 - 新たな資本主義の考え方では、顧客や従業員、地域社会など、すべての利害関係者に尽くすことが求められている。 7. 経済の構造的問題 - ボーイングの経営は、自社株買いや短期的な利益追求による悪影響を受けていた。 - 経済危機やパンデミックによって、企業の持続可能性が脅かされる状況が浮き彫りになった。 8. 社会的責任と企業の未来 - 企業は社会的責任を果たすことが求められる時代に突入しており、その実行が企業の成功に繋がる。 - 今後の企業は、利益の追求だけでなく、倫理的な経営や社会貢献が重要視されることになる。
0投稿日: 2025.01.26
