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チンギス紀 九 日輪
チンギス紀 九 日輪
北方謙三/集英社
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総合評価

4件)
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    テムジンは、立ち上がった。 座が、しんとした。全員の顔を、ゆっくりと見渡した。 (略) 「モンゴル族も、もうない。草原の民だ。かつてタタル族がいたが、それもない。草原の民だ。ケレイト王国があったが、もうない。草原の民だ。このテムジンの下にいるかぎり、すべて草原の民で、なんの違いもない。モンゴル国という名は、俺がそこの出身だから、ついただけのことだ。やがて、あたり前のことになるが、いまはおまえたちが、それを心せよ」  テムジンは、もう一度、ゆっくりと全員を見渡した。 「新しいことが、はじまる。俺は今日、チンギスという名になった」(143p) オノン河の辺りの大会議で、テムジンは「チンギス・カン(王)」となった。これ以降、公式にはチンギスと呼び、自称するが、本書で「チンギス」の由来は一言も述べられなかった。「チンギス紀」と称しているのに異様だ。其処に作者の意図があると見なければならない。ただ、草原に巨大な王が誕生した。前巻でケレイト王国、今巻でナイマン王国を一挙に制圧し、西夏の鉄鉱山を掌握して西夏軍を破った。何処まで行くのか、行くつもりなのか。廷臣も、もしかしたら本人さえも、一切わからない。 填立に拾われた少年・侯春はやはり梁山泊・侯真の孫だった。梁山泊・宣凱も亡くなった。流通の道は、楊令の目指した道なのか、何処かで確かめて欲しい。 ジャムカ モンゴル族ジャンダラン氏長 キャト氏長テムジンと同年也 年少時最困難能く克服も同也 青年時切磋琢磨、相互盟友也 日輪英雄相不並、干戈数度交 二度能くテムジンに深傷を負 ナイマン王国決戦で虎包囲す 独虎はチンギスと語らい死す

    119
    投稿日: 2025.07.22
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    草原を統一しても視線の先には常に…。長年の因縁に終止符が打たれる、ハードボイルドなラストは深い余韻を残す。テムジン改めチンギスが最後にみせる心のうちが象徴的な巻。シリーズはやっと折り返し。刊行スタートした新シリーズ「森羅記」も気になるが、チンギス死後の話なので順を追って…今しばらくの我慢。

    9
    投稿日: 2025.10.12
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    西夏やキルギスではなく、椎間板ヘルニアと戦う三連休で読書量激減中(笑)。 チンギス以外の前半の主要登場者が順に影が薄くなり、大河の物語が進行している。この巻は、とうとう永遠のライバルとのお別れの巻。モンゴル帝国に向けてスタートする。

    5
    投稿日: 2025.07.29
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    物語も中間点に到達し、テムジンがいよいよチンギス・カンになる! ジャムカ軍との戦闘シーンも読みごたえあり、一気に読んじゃった感じです。 後半の展開も楽しみになります。

    3
    投稿日: 2025.06.26