
総合評価
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powered by ブクログ20年以上前に、大学の生協で買った本。 何で手に取ったのかは覚えてないけれど、思い出したように数年毎に手に取り、内容知っていても、いつも新鮮に読み進める。 真冬の心情やアリゾナでのティムの無邪気さ、虐め、差し伸べてくれる手とぬくもり。ナヴァホの暮らし。
0投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログ父親の自殺を見てしまい、母親からは周りを不幸にする。と言われて育てられた真冬。 日本を捨ててアメリカで子供のいる男性と出会い、やっと幸せになれると思いきや、男性が子供と真冬を残して亡くなってしまう。 その後、お葬式をするために男性の故郷アリゾナ州へ。 テーマは変わることが出来る。じゃないかなぁと思います。 周りからどう評価されても、自分を変えれるのは自分。自分の気持ち次第でどうにでもなれる。ということじゃないかなと思います。 題名の英語の意味にもはっとなります。(まともじゃない母親から求めても無理だよね)
0投稿日: 2025.02.01
powered by ブクログ「不安が風船のようにふくらんで割れる寸前までいくと、 子供の心はそれを抱えておくことができなくなって、 自分で風船を割ってしまうんだ。 相手を挑発してわざわざ攻撃を引き出すことによって、 自分のいだいている恐怖を現実のものにしてしまおうとするのさ」 「そんな…どうして?」 「現実にさえなってしまえば、もう不安でいる必要はなくなるからだろうな」 このやりとりが胸に迫りました。切なすぎる。。。
0投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログ素晴らしい!話の展開がとても大胆かつスムーズで、のめり込んで読んでしまった。 村山由佳さんの書くお話は、辛い境遇で育った人がよく出てきますが、このお話もそう。で、過去の自分とどう折り合いをつけて未来に向かって進んでいくのか。そういうところを丁寧に丁寧に流れるように描写してあるから、感情移入しやすいのかな。 これ、ハリウッドの映画になってもおかしくない。
18投稿日: 2024.02.07
powered by ブクログ書評で借りたら、533ページもある長編で、 萎えるかと思ったら、面白かった。 2002年作品だけど、 内容は宗教にはまる毒母と、父の自殺。 20年前の作品なのに、 題材はまさに『今』。
1投稿日: 2023.08.18
powered by ブクログ親の虐待や学校でのいじめを経験し心に闇を抱えて育った真冬がアメリカの大学で自分を理解してくれる恋人と出会う。彼は結婚式直後に事件に遭い死んでしまう。先妻の子ティムをつれて彼の両親の元に行く。彼の家族もまた複雑であった。父親がインディアンの女性とのあいだに作ってしまったブルースだけが真冬とティムが心許せる人物であった。彼もまたいろいろないじめに耐えて生きてきた。多くの人がいろいろな苦しみを抱えながら自分の生き方を探す。諦めずに自分の居場所を探していくことが大切なのだろう。
1投稿日: 2022.10.22
powered by ブクログよかったと思います。 素直に、なんか優しい小説でした。 人からまとめてもらって、村山さん連続読みする機会に恵まれているのだけど、これは他のと少し趣きが違ったな。 なんていうか、酷すぎ辛すぎという流れはありつつも、最後はこれは穏やかに終わってたし(笑)。 あと、なんていうのだろう、舞台が完全に外国で、外国人小説家の話を読んでいるような感覚にもなったし。主人公の女性がひたすら内面と向き合って静かに自分を分析し続けてたからかな、全体的に、起こっていることは酷いけど、穏やかでした。 また、ミステリとかではないのに、最後どっちに向かうのか、必ずしも途中では予想のできない展開だったし。 ということで、☆4.5くらいが適切かも?と思う感じの☆4登録です。 子どもには優しくしたいな、と思いました。。
1投稿日: 2022.03.25
powered by ブクログ解放と邂逅の物語。自分で子どもを産んでから、前半が辛くて仕方なかった…でも、こんな親にならないためにするには、こういう人間にならないためにどうしたらいいか、最初に読んだ時よりもずっと、考えられるようになった。
1投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古くさいメロドラマ。漫画みたい。 衝撃的なオープニングには衝撃以上の意味なし。 主人公は不幸な育ちなのにやたらいい人でモテモテ。 素敵な彼はスメルジャコフみたいな立ち位置だけど、メロドラマだからそんな深みはないのよ。 遺言書が書き換えられて直ぐ殺すって、どう考えてもバレるよね。 BGMは「ケンカをやめて」。 テレビドラマでもいいが、海外ロケするほどの内容でもないので、漫画で読めたら、こんなにガッカリしなかったかもね。
0投稿日: 2017.06.25
powered by ブクログここまで不幸続きなのは無理がある気がして、少し冷めた気持ちで読んでたかもしないです。でも考えさせられることも文章も結構あって興味深かった。
1投稿日: 2016.03.04
powered by ブクログ主人公悲惨過ぎだろ。かつ、狙いすましたかのように義弟がネイティヴアメリカンって設定もあざといよな。癒すために敢えて傷付けるような物語立てなような気がして。と言いながら後半はスピード感あって結構楽しめた。フラッグスタッフとか自分の訪れた事のある地名が頻出するのもなかなか楽しかった。
1投稿日: 2016.02.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
確か村山由佳さんの本との出会いがこれ。 父親が著者名を見て進めてくれた。 悲しくて人間の腹黒さの詰まった作品だけど、凄く凄く好きな本。
0投稿日: 2015.12.20
powered by ブクログヒロイン真冬の不幸な出来事の数々が重すぎて、不幸のオンパレードといった感じ。 人種差別的問題、児童虐待問題といった現代の問題など、少し詰め込み過ぎの感があった。 最後の事件なんて、お義父さん、アホですか?と言いたくなるような行動がきっかけだし。 それは、家族は怒るだろう。 一言、犬は巻き込むな。 最後、全部犬に持っていかれました。
1投稿日: 2014.10.18
powered by ブクログ悲しい出来事に多々遭いながらも、それでも自分の心と戦い続ける真冬を、かつての私に重ねながら読んでいました。どの人物も心の闇や後悔を抱えながらも懸命に生きようとしているのが分かって、胸を打たれました。ずっと手元においておきたい本。
1投稿日: 2014.06.22
powered by ブクログちちのじさつ、学校での苛め、母には徹底的に拒まれて・・・。NY大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人、ラリーの幼い息子ティムも、実の母親から虐待を受けて育った子供だった。自分の居場所を求めて模索し幸せを掴みかけたその時、真冬 マフィにさらなる過酷な運命が襲いかかる。舞台は広大なアリゾナの地へ。傷ついた魂は再び羽ばたくことができるのか。
0投稿日: 2014.05.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スケールも壮大で、苦悩を抱えた女性がそこから逃げずに乗り越えようと前に進んで行く姿勢に、強く勇気づけられました。
0投稿日: 2013.12.23
powered by ブクログ丁寧に書き込まれてる部分と、ラフな部分の落差が激しいかも。書き込まれてるところは読んでて引き込まれる
1投稿日: 2013.08.12
powered by ブクログ自分と重ねることもあり、良い意味でショックな作品でした。 人の死より、犬の死の方がショックで真夜中に号泣した。
1投稿日: 2013.04.13
powered by ブクログ児童虐待などの重いテーマを扱いながらも、舞台が舞台だからか、爽やかさすら感じる。真冬の優等生ぶりや、終盤の各人の豹変ぶりなど、人物描写にやや気になる点はあるものの、話としては面白い。
1投稿日: 2012.11.09
powered by ブクログ村上さんの自然そのものやその力強さ、尊さ、を感じさせる描写が、読んでいて訴えかけてくるものになっている。 久しぶりに読んだ小説で、やっぱり小説って面白いなと思わせてくれた本。 ただ、語り手がころころかわるところや、本をあけて最初のストーリーが読みにくく感じた。(2つのストーリーが交互に描かれている)
1投稿日: 2012.10.06
powered by ブクログこれはぜひみなさんにも読んでいただきたい。 読書苦手な人には少し長いけどそれが逆にいいから。
1投稿日: 2012.10.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
村山由佳の小説は長いけど、映画を見るみたいにすんなり読める。 良いお話だったけど、マフィに感情移入できなかったせいが ところどころ消化不良。 ラリーは、パンチは…
0投稿日: 2012.09.19
powered by ブクログ前半からかなり泣きました。アリゾナの大地、ネイティブアメリカンなど興味深く、主人公が立ち直る?受け入れて生きていく様子が印象的でした。
1投稿日: 2012.08.10
powered by ブクログすごい。 社会問題も、内的課題も、ひっくるめて、アリゾナの地で主人公の葛藤が展開していく。 村山由佳の情景描写は、作品をおおいつくし引っぱってゆくようで本当に好きなのだ。 深呼吸したい。 登場人物は壮絶な人生をうったえてくるのに、読者を引き込みむしろ自然の中に放出させる。 解放された気持ちになるのは、作者の手腕か、こちらの人生の跳ね返りか。
1投稿日: 2012.07.29
powered by ブクログ人種差別(主にインディアン)をテーマに壮大なスケールで描き上げた長編大作。ニューヨークからアリゾナまでアメリカ大陸を横断。度重なる不幸を背負いながらも、成長していく日本人女性。ナヴァホ・インディアンの伝統や言い伝えなど、とても興味深かった。生きるとは…、幸せとは…、そして、愛とは…、読後感はすっきり。
1投稿日: 2012.07.28
powered by ブクログ2012.6.1~2012.6.6 登場人物:篠崎真冬、ラリー、ティム、ブルース アリゾナを舞台に、ひとりの女性が過去を乗り越えて前向きに歩き出すまでのお話です。超大作ですが、あっという間に読めてしまいます。
1投稿日: 2012.06.01
powered by ブクログ初めて読んだ村山さんの作品。 まだまだ子供のときに読んだので、大人の世界観というか気の持ちようが衝撃的だった。 今読み返すと前よりはなるほどと思う部分が増えた。
1投稿日: 2012.05.06
powered by ブクログ物語の前半はとにかく暗くて重い。 帰国子女によくあるアイデンティティの不明瞭によるああいう感覚はよく表現されてる。 ラリーの死でマフユは絶望の底辺にまで落とされる。 そこからアリゾナでもう一度自分を見つめ直すまでの再生の物語。 間違いなく村山さんの作品の中でベスト3に入る作品です。
1投稿日: 2012.04.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
序盤にいろいろありすぎてつらい。 おかげで一度読むのを諦めた。 それから数年してやっと読了。 久しぶりに村山さんの作品に触れたがやっぱりこの人の文章が好きだ。
0投稿日: 2012.03.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
◆ザックリあらすじ 母から愛されずに育ったマフユは、自分に関わる人間は不幸になってしまう・・というトラウマを持っていた。 つらい思い出しかない日本から、逃れるようにアメリカで暮らしていた彼女だったが、愛する人ができる。 しかし、始まったばかりの幸せの最中、突然の事件に巻き込まれ、愛する彼を亡くしてしまうのだった・・・。 そんな絶望の淵におかれた主人公マフユが、悲しみを乗り越え、アイデンティティを取り戻していくまでの物語。 ◆サラッと感想 語り口が、複数の登場人物の目線で綴られており、それぞれの登場人物の過去や人物像が分かりやすく、広がりのある物語でした。 日本人には自覚しづらい、(その民族としての)アイデンティティもテーマになっていて、日本人作家さんの物語っぽくないなー・・・と思う反面、日本人作家さんだからこその視点なのかなー・・・とも思い、興味深いテーマでした。 ラリーの愛もブルースの愛も、 相手を目覚めさせる愛。頼りがいがあるけど依存させない愛。強さを引きだす愛。 対して、屈折した愛。相手に依存する愛。束縛する愛。・・・なんてものもあるわけで、いろんな愛があるものです。 読み終わった後、主人公と共に強く成長した気分になれるのは、 読者の私も、主人公と共に、ラリーやブルースの愛に触れれたからなのでしょうか。
0投稿日: 2012.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
放蕩記の根っこは、この作品ですでにチラホラ見え隠れしていたのだなと感じた。 なんとなくの食わず嫌いで、村山由佳(おいしいコーヒーのいれかた)をずっと避けてきた私は、 いまだに村山由佳をどこか斜に構えて読んでしまうクセが抜けないのですが。 とりあえずザックリと感想を箇条書き。 ・物語のまだ始めのほうでラリーが…! ・ティムのベビーシッター…(なんか村山由佳ってこの手の登場人物多いですよね?あまり好きになれない理由のヒトツかも。 ・ネイティヴアメリカンの描かれ方(セドナに行ってみたくなった) あの頁数、かなりのボリュームだったけど。サクサク読み進められた。 この先どうなるんだろう?と思わせるおもしろさがあった。 でも村山作品で一番最初に読んだ「星々の舟」に抱いた「この作者すごい」という印象には到底及ばない内容だった。 私は「星々の舟」を読んで「食わず嫌いはよくないな」と村山作品を見直したのですが、 あれ以降、一度も同じような気持ちで読めた例がありません この作品でも、どこか自分と反りが合わないという印象。なんでだろうな。
0投稿日: 2012.01.30
powered by ブクログ「どんなに望んでも、私以外のものにはなれない」 帯に書かれていたこの文章が印象に残り、手にとってみた。 前半はニューヨーク、後半はアリゾナを舞台に、主人公の真冬は大切なものを失い、また発見しながら、自分とは何かを次第に分かり始める。 「幸せっていうのは、手に入れるものだと思っちゃいけないよ。ただ感じるものなの。その時その時に感じるだけで充分なの。無理につかもうとすれば逃げていくよ」 この言葉が何か生き方のヒントを教えてくれた、そんな気がします。
1投稿日: 2011.12.30
powered by ブクログ初めて読んだ村山由佳さんの作品です。 ストーリー構成、みずみずしい感性、各キャラクターの個性など、どれも僕の好みで、それ以来1番好きな作家になりました。 村山由佳の本領が発揮されている1冊だとも思います。
1投稿日: 2011.12.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
NY大学の学生 篠崎真冬。 幼少期の父親の自殺・学校での虐め・母からの言葉の虐待による心に傷を負っている。 恋人 ラリーやルームシェアする仲間との生活は心地良いものだが、 トラウマによる心理的な不自由さを感じ、苦しんでいる。 ラリーの幼い息子 ティムもまた母親から虐待を受けて育った子供で、 そのティムを愛おしく思い始めてもいた。 幸せをつかもうとラリーと結婚したが、その直後、最悪の過酷な運命が待ち受けていた・・・ ラリーの故郷アリゾナで、原住民たちの言葉・儀式・音楽に癒され、 真冬は心の解放と自由を得ることができるのか。 母親との確執は、女性なら多かれ少なかれあると思うが、 それ以上の虐待という刃で傷つけられた子供が、 どのようにそのトラウマから解放されるのか、とても興味がある。 宗教ではない、土地に刻み込まれた考え方・習慣等に 真冬が救われている姿はジーンとした。 アリゾナの地に住む原住民の古老が話す言葉が私の心にも響いた。 真冬の母・ラリーの家族もまた、それぞれ何かに傷つき、生きていることが綴られていて、 このお話の中には完全な悪者は出てこない。 人間の弱さと強さを書きたかったのかなあ。
0投稿日: 2011.12.21
powered by ブクログ終わってしまうのが心細いほど素敵な小説だった。 このあとの真冬がどうなってゆくのか ティムはどうなるのか、、、 村山由佳さんの小説はいつもやな奴だって 事細かに心情が描かれていて完全な悪役はいない。 だから小説の世界のこと。と区切りがつかなくてどこかに真冬が、ラリーがブルースがいるのではないかと思ってしまう。情景も素晴らしいのも理由の一つ! また、年月をおいて読みたい。その時の年齢によって感じることは違ってくると思う。
1投稿日: 2011.11.30
powered by ブクログここまで主人公が悲劇に見舞われてしまうのかと、絶句するような前半。 後半だって、決して気軽にページはめくれる内容ではないのだけれども。 是だけの内容を見事に消化不良感なく、結びに持っていくためには、この分厚さは必要なのですね。 最後に、感動がじんわり、心の中に湧き上がってきます。 人間の強さと弱さを書ききった、作者の代表作だと思います。
1投稿日: 2011.10.22
powered by ブクログ作中のナヴァホのメディスンマンの言葉の数々は、端的で簡潔に人生を説いていて力強い。民族色や宗教色が強いが実は普遍的な言葉だと思う。 アメリカの大きな舞台に人種差別、児童虐待、いじめ、自殺等、複雑すぎる背景、日常的に起こりにくい出来事により物語が展開されていくので、共感からなんか遠い。舞台とテーマのスケールの大きさに相反し、全体的に言葉数が多くお喋りで、作品の風格は乙女チックで幼い印象。(私が女性作家に慣れてないからか?) あんまり説得力ないような気もするけど、他人の絶賛レビューを読んで私もこの本を選んだし、一般的には普通にイイ本なんだろう・・・ まぁ、私は、あとがき書いてる人のあとがきをああいう風に書く気持ちに同感!(笑)
2投稿日: 2011.08.18
powered by ブクログ主人公はちょっと非現実的なほど重なる不幸にみまわれます。作者といえどもそこまでする権利があるのか!と思えるほどです。しかし当然その権利はあるわけですし、その不幸な状況からの救いを書きたかったのだろうとも思われます。それにしても作者は気の強いかたなのだろうと思わされました。
1投稿日: 2011.08.05
powered by ブクログネタバレ 日本人の父母のもと、アメリカで生まれた真冬。 彼女がまだ幼い頃に父は自殺してしまう。 母とともに日本へ帰るが、 帰国子女であるせいで学校ではいじめられ、 宗教にハマった母からは言葉の暴力で虐待される。 日本に幻滅した真冬は18歳になると同時にアメリカ国籍を取得し単身ニューヨークへ。 ニューヨークでの暮らしに慣れてきた頃、最愛の人ラリーと出会い、自分の過去とも向き合えるようになりつつあった。 しかし、ラリーは真冬との結婚式を挙げた直後に強盗に殺されてしまう(!) 真冬はラリーの葬儀に出席するため、彼の故郷アリゾナへ。 本編はここからで、もう一人の主人公ブルースやラリーの家族らに囲まれて、真冬は悲しみから立ち直っていく。 ティムが可愛い!!(ラリーと前妻の息子) 帰国子女で虐められるのは山田詠美の放課後のキィノートにもあったな~ アメリカの都会からど田舎に行くってのも詠美さんの短編にもあった。 でも書く人が違うと全然違う。 詠美さんの小説は粋。 村山さんの小説は真面目で懇切丁寧。 心理描写がすごくグッとくる。複雑な心情が、わかりやすく共感できるように描かれている。 でも風景描写はもっと削ってもいいんじゃないかなーと思う所もあった。 アメリカ先住民族の文化や歴史についても詳しく書かれていて興味深い。 ラリーの家族達は余りにもとんでもなくて笑ってしまうほど。 土地の有力者で大金持ちなのだが 父親はよその女と子供を作り 母親は夫の従兄弟と不倫。 長女は性格がねじ曲がり、次男は卑屈で神経質。 なぜラリーだけはまともに育ったのか… イーグルハートの挿話部分のフォントが気に入らない。 読みづらいぞ~
0投稿日: 2011.08.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
凄く素敵な奥行きのある作品でした。以前村山さんが口にした「小説の持つ独自の力」というのを感じさせ、見せ付けてくれたように思います。 正直、村山さんに惚れ直しました。 ナヴォホの考えや教えには共感すること、そして学ぶことが多くありました。「どんな事でも言いふらすという行為は馬鹿げてた。物事は自分と、自分がどうしてもわかってほしい相手がきちんと理解し把握していればそれで充分なのだ」というものや、「誰の子として生まれたかなんて大した問題じゃない。どうでもいいこった。それより大事なのはな、その人間がどこで生きていくか選び何者になろうとしているかなんじゃ」などこの一冊だけで多くのものを得ることができた気がします。 人物においても、人々を取り巻く環境においても書き方次第でここまで奥行きを感じさせるものかと驚かされました。すごく村山さんらしい小説だったように思います。
0投稿日: 2011.07.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
mixiレビューから転載。 図書館で予約したんだけど、中身を確認してみたら思ったのと違う本でしたw 『天使の梯子』の前作のつもりだったんだけど、それは『天使の卵』とかいうやつで。 よく考えたらこんな唐突にタイトル変えるはずないですよね。 違う本だったし長いし、絶対読まないって思ったのに気づいたらほぼ1日で読みきってました。 日本社会とアメリカ社会の違いだったり、アメリカの「人種のサラダボウル」としてのあり方だったり、ネイティブアメリカンの伝統文化と近代文明の間でのバランスのとり方だったり、いろいろと考えさせられました。 でも、一番思ったのは、やっぱり家庭を築くのって難しいんだろうなっていうことです。 この前友達が「普通の家庭を築くのって全然ふつうじゃない」って言ってて、なるほどなーって感心したんだけど、夫婦が円満な関係を保ち、子どもに愛情を注ぎ、年老いた両親を支えて…っていうような、誰しもがイメージするような「ふつー」の家庭を築いて維持していくのって、どれひとつをとっても一筋縄ではいかないんだろうなって思いました。 まー逆にいえば、そう思わせるだけのドロドロした関係がこの小説のなかに描かれているわけですw あと少し離れたところから、自分を客観的に見ることって大事だしなかなか難しいことだと思うんだけど、小説を読んでその登場人物について考えをめぐらすっていうことは間接的ではあるけどそれにつながっていると思います。 そういう意味で、この作品の主人公の「真冬」とかネイティブアメリカンにルーツを持つ「ブルース」などの登場人物に思いを馳せることは自分にとっていい経験になりました。(別に自分にそーいうルーツにまつわる悩みがあるわけじゃないけど) 自分の生い立ちについて、悩みってほどでもないけどちょっと考えちゃう、みたいな人はぜひ読んでみてください。
0投稿日: 2011.06.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ヒロインの自己肯定を妨げている「真冬」という名前をネイティブアメリカンが美しく読み解く場面がなんといっても良かった。春を迎える踏み台としてじゃなく、冬そのものを素晴らしいものであると説くところに感銘を覚えた。
0投稿日: 2011.05.24
powered by ブクログ長編だけどあっという間に読み終えた。まさにジェットコースターに乗っているような展開。特に前半は、読むのがつらいのに読むのをやめることができないという感じであった。 児童虐待やそれに類する話が前半で特徴的に描かれているが、その中で印象的に心に響いてきたのは、「愛している」とはどういうことか、という問いかけであった。そういう問いかけをしなければならないこと自体が、たぶんあまり幸せではないと言うことなのだろうと思う。言ってみればこの物語は、主人公が答えを見つけるのではなく、問いかけ自体をしなくなるまでの物語なのだと思う。 ネイティブアメリカンの話が大きくなってくる後半は、いかにもこの作者的である。自然やその中で生きるものたちに触れることで、何かを見つけ出すというパターンのバリエーションであり、注意深くその匂いは消しているものの、やや説教くさい感じがないわけではない。ただ、それがある意味どろどろした人間ドラマの中に投げ込まれると、気持ちのいい説得力がある。わりあいストンと胸に落ちてきて押しつけがましさは感じなかった。 切ない恋愛小説として読む気持ちにはなれない。人間の強さと弱さについて語る(いい意味での)メロドラマである。
1投稿日: 2011.05.07
powered by ブクログ村山さんの小説には、傷つき、それでも一生懸命生きてゆこうとする人々が沢山でてきます。 今回の真冬もそう。 真冬のことが心配で心配で一気読みしてしまいました。 悪く悪く進む展開に、「どうしてここまで・・・」と作者を恨みたくもなりましたが、 その1つ1つに真剣に向き合おうとしている真冬が魅力的で 一生懸命応援してあげたくなります。 元々強く居ようとしている真冬が、 最後には本当に強くなったのが伝わり、 清清しく、温かな気持ちになる事ができました。 読後にじんわりとこの本の良さが伝わってきます。 【父の自殺、学校での苛め、母には徹底的に拒まれて…。N.Y.大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人、ラリーの幼い息子ティムも、実の母親から虐待を受けて育った子供だった。自分の居場所を求めて模索し幸せを掴みかけたその時、真冬にさらなる過酷な運命が襲いかかる。舞台は広大なアリゾナの地へ。傷ついた魂は再び羽ばたくことができるのか】
1投稿日: 2011.04.05
powered by ブクログ父の自殺、学校での苛め、母には徹底的に拒まれて・・・NY大学の大学院生・篠崎真冬は、心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人・ラリーの幼い息子ティムも、実の母親から虐待を受けて育った子供だった。自分の居場所を求めて模索し幸せを摑みかけたその時、真冬にさらなる過酷な運命が襲いかかる。舞台は広大なアリゾナの地へ。傷ついた魂は、再び羽ばたくことができるのか──。 これは、すごい。素晴らしいとしか言いようがない小説だ。 この小説を書くために筆者がいかに詳細にナヴァホ族について、アメリカについて学んだかがわかる。 真冬の抱えた傷を本当に癒すことができたのは、ラリーではなくてブルースなのではないだろうか。 どちらにも属しているのに、どちらにもなりきれない根無し草──状況はまったく異なるが、なんとなく、今の自分と似ているような気がした。 何度でも読み返したくなる、村山小説の最高峰だと思う。
1投稿日: 2011.03.26
powered by ブクログ2009/03/31読了 村山先生がかなりの力をこめて書いた物語なので、それにこたえるだけの感想を書くのが筋というものだが、丸々かけそうにもありません。 というのも、あまりにも壮大すぎて、書くのが多少恐ろしいくらい。 本作は三つに構成されている。 一部 マフィのカウンセリング。彼女のNYで、ティムとラリーと向き合いつつも、心の奥にはトラウマがある。 二部 ラリーの死、アリゾナへと続く旅、果てしない自然 三部 ブルースへの気持ちと、自身の再生 作品においてのキーワードは、インディオ・差別・自由と再生だ。ストーリーはやはり村山先生らしく、繊細で、ピュア。 愛は形を変え、いたるところに存在する。実際に自分がそこにいるかのように。 豊かな表現で目前にアリゾナの広大な風景を広げてくれる。これは、村山先生の作品であればいつもあるものなので、先日読んだフェルマータインブルーでも述べたとおり。舌を巻くほど。 愛憎が渦巻く中で、伝統ーインディオの世界を見たマフィ。最後には「愛」を口にすることが出来、ひとりでNY、そしてトラウマの呪縛から解放されるために、母親と向き合うことを宣言している。 そこまでの勇気を与えたのは、ティムの無邪気さと、言うまでもないブルースの存在だと思う。 ブルース、つまり、イーグル・ハートはラリーの弟ではあるが、憎しみの渦中にいるワイルドメンである。 信じられるものは広大な自然だけだが、マフィと似たところがある。 共鳴して、愛以上のもので互いに惹かれ合った。 それは当たり前といえば当たり前なのかもしれないね。 所々、幼いブルースが名をもらう、一人前になる、そしてやがてラストシーンではリトル・ティムと一緒にマフィを送り出すが、書体が変わって、それがイーグル・ハートとしての人生を伝記として思い起こさせるような仕様になっているのがよかったなあ。 ストーリ・テラーの口調で描かれているあるところは新鮮。これは、実はインディアンの少年、そして青年となるイーグル・ハートの物語ではなかろうかと思う。マフィのではなく。 少年、イーグル・ハートがブルースだったと明かされたときは酷くびっくりしたし、なるほどなあと納得もした。またやってくれたな!って感じでね。 すくなくともマフィは、母が言っていた他人を不幸にするジンクスをブルースとつながり、ティムの純粋な愛情によって打破したんじゃないかな。 マフィが欲しいと思っていたもの。クライ・フォア・ザ・ムーンーないものねだりは愛 裏切らないものであり、ラリーが去った今、それは本当になってしまった。 ブルースの存在により、マフィは救われたのだと思う。 いや、事件がなければ、マフィはいつまでも母と立ち向かえないままだった。それこそ…。 村山先生の作品には、ある時には世界の広大さを、またある時には、人の心の愛おしさを、いつも与えてもらっている。 自分の完成がほぐされてまた一つ綺麗になったと思える。 美しく涙するものがある。
1投稿日: 2011.03.10
powered by ブクログストーリー展開そのものにも惹かれるけれども、何よりもキャラクターの心理描写に惹かれる。 人の心の不思議さ、移り変わりがよく表現されている。 なんでここまで心理描写が巧みなのだろう。 理屈ではない人の心、感情。 ネイティブアメリカンの思想が心にずーんと響く。 人生のどの時期に読んだかによって評価がわかれそうな本。
2投稿日: 2011.01.25
powered by ブクログ中学生のとき、アメリカにはにはすっごくたくさんの人やものがいたりあったりするんだなあと驚いてました。 気持ちいい作品。
0投稿日: 2011.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【翼】 村山由佳さん 父親は自殺し、母親からは「おまえは疫病神だ」と ののしられて育った真冬。 彼女は自分とかかわった人間が不幸になるコトを恐れ、 他人とうち解けるコトを避け、ダレにも心を開かずに育った。 今、彼女は日本を離れニューヨークで暮らす。 そのニューヨークで大学教授のラリーに見初められ、 彼の真摯で誠実な人柄に少しずつ心を開いてゆく。 ラリーには前妻との間に出来た子どもティムがいた。 ティムは前妻に虐待され、心に問題を抱えた子どもだった。 やがてラリーとの結婚を決意する真冬だが、 彼女に悲劇が襲う。 結婚式の当日、式後に真冬とラリーが新居へ戻る途中 ラリーは強盗現場に居合わせてしまい、殺されてしまったのだ。 真冬はやはり自分が疫病神だと思いこんでしまう。 ラリーの葬儀はラリーの田舎で行われた。 彼の父親は観光みやげと牧場を営む事業家だった。 ラリーの葬儀の席で、真冬は白人とインディアンの混血児 ブルースと出会う。 彼もまた白人とインディアンとの境界線で悩んだ経験を 持つ青年であった。 ラリーの実家で、真冬は彼の複雑な家庭環境を知る。 ☆ 心に問題を抱えた真冬とティム。 彼らと同じ次元の悩みを持っていたブルース。。 彼らは似たもの同士だった。 自分の立つべき位置が分からず、自ら翼をたたみ 精神を殻の中に閉じこめることで、自らが傷つくことを 最小限に抑えようとする彼らが、大地の声を聴き 自らの足で地を踏みしめ、自分のあるべき場所へと 戻ってゆく。 最後に真冬もティムも自分の意志で自分の進むべき道を 見つける。 何かを手に入れようと思えば、 何かを手放さなければならない。 別れはそのための儀式のようなものだ。 最後で、ブルースがマイケルを助けるため、 永年連れ添ったパンチ(犬)に「(噛んでいる口を)放せ」 と命令するくだりには涙腺を刺激されました。 良い本でした。こういう最後にいい余韻を残して終わる本が やっぱり好きだな。
0投稿日: 2010.11.29
powered by ブクログ分厚いので気合いを入れて読もうと思ったのですが、一気に読めてしまいます。 主人公は、村山さんの作品の中でもかなり繊細な女性だと思います。 坂道をゴロゴロ転がるように主人公が辛い目に会いますが、最後は優しい気持ちになれます。
1投稿日: 2010.11.22
powered by ブクログ1人の女性の傷ついた魂の再生を描いた壮大な叙情詩。 話の中身は密度が濃く、文章の清々しさがそれをより一層引き出している気がします。 今までたくさん本を読んできたけど、その中でもこれは相当上位に入る作品です。 「いい小説だ。とてもとてもいい小説だ。」(本書解説、池上氏)
1投稿日: 2010.10.05
powered by ブクログ高3の時に、図書館の先生が「これいいよ」と私物を貸してくれたのが出逢い。 大好きな村山作品の中では、ちょっと異質な恋愛物語で、アメリカの先住民、幼児虐待など様々な問題に踏み込んだミステリーっぽい作品。 どこまでも予想を裏切られて、最後までわくわくして読めた。
1投稿日: 2010.09.03
powered by ブクログ出会いや別れ、過去の自分との決別、愛と憎しみ、様々な葛藤を見事に詰め込んだ作品。 後半部にある別れのシーンの描写がとても綺麗です。
1投稿日: 2010.07.28
powered by ブクログこれはラブストーリーでなくヒューマンドラマかな? ヒロイン、ヒーローともに暗い過去もちです。 アメリカの広大な自然風景、アリゾナの大地の描写が素敵です。 村山さんはきっとこういうところを取材したんだろうな、行ってみたい! cry for the moon は、月にほえる者、ないものねだり、という意味だそう。 過去のつらい思い出や悪夢、嫌な経験を全てなかったことにすることはできないこと。それを背負い、ときには誇りに思い、真っ直ぐ生きていくことの大切さ。 みたいなものを感じました。 うう、間違ってたらどうしよう。
1投稿日: 2010.03.25
powered by ブクログ単行本にしてはとーっても長いから、ゆっくりとしか読めませんでした。だから内容が途切れ途切れ。 友達は一番好きって言ってたけど、私には難しかったな~!
0投稿日: 2010.02.18
powered by ブクログ購入済み 内容(「BOOK」データベースより) 父の自殺、学校での苛め、母には徹底的に拒まれて…。N.Y.大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人、ラリーの幼い息子ティムも、実の母親から虐待を受けて育った子供だった。自分の居場所を求めて模索し幸せを掴みかけたその時、真冬にさらなる過酷な運命が襲いかかる。舞台は広大なアリゾナの地へ。傷ついた魂は再び羽ばたくことができるのか。自由と再生を求める感動長編。
0投稿日: 2010.01.22
powered by ブクログ村山由佳ファンだったら読むべき作品はこれ!内容は、父の自殺、学校でのいじめ、母には徹底的に拒まれて…。N.Y.大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人、ラリーの幼い息子も、実の母親から虐待を受けて育った子供だった。自分の居場所を求めて模索し幸せを掴みかけたその時、さらなる過酷な運命が襲いかかる。自由と再生を求める感動的なものです。これはいい!登場人物もわかりやすいし起承転結がわかりやすくでていた。
0投稿日: 2010.01.07
powered by ブクログ【あらすじ】 父の自殺、学校での苛め、母には徹底的に拒まれて…。N.Y.大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人、ラリーの幼い息子ティムも、実の母親から虐待を受けて育った子供だった。自分の居場所を求めて模索し幸せを掴みかけたその時、真冬にさらなる過酷な運命が襲いかかる。舞台は広大なアリゾナの地へ。傷ついた魂は再び羽ばたくことができるのか。自由と再生を求める感動長編。 【感想】
0投稿日: 2010.01.06
powered by ブクログスケールの大きさと、光と闇のコントラストが印象的でした。 村山作品はほとんど読んでいますが、その中でも特に大好きな作品。確かにテーマは重いけど、読了後はさわやかな気持ちになれました。世の中に蔓延してる諸問題が、ちっぽけに思えます。人間のちっぽけさも、でも人間にしかできないこともあるんだな、と。
0投稿日: 2009.11.11
powered by ブクログ文庫本でかなりの分厚さがあり読み応えがあります。 村山作品の中でも、特に扱っているテーマが重めの作品ですが、 一度は読んでみる価値があると言える一冊。
0投稿日: 2009.09.01
powered by ブクログ会社の同僚に薦められた本。 正直、感情移入も同調もできなかった。 作品の何かが悪かったわけではなく、ただ、私とは合わなかった。
0投稿日: 2009.08.14
powered by ブクログ私が生きてきた中でもっとも好きな小説です 情景描写、ストーリー、人物の設定 どれをとってもピカ一です 流れるような文章の流れは読んでいて心地いい作品です 追記(2012/6/30) 約3年ぶりに読みなおして、何度読んでもいい作品 以前までに読んでいた時は文章力にとくに心動かされていたけど、 主人公同様にアメリカ留学を経て、前半部分に多くの共感を得られた またいつの日か読み直したい
0投稿日: 2009.06.27
powered by ブクログ自分の居場所を探し求め 幸せを探す。 傷ついても 人は根本的に 「幸せになりたい」とどこかで思う けれど傷ついた魂は一体どこに向かえばいいのか? じゆうと再生を求める一冊だ
0投稿日: 2009.06.25
powered by ブクログcry for the moon 無いものねだり 久しぶりの村山作品。 長編で重そうだから…という理由だけで敬遠していた作品。 でも切実に読んでよかったと思いました。 やっぱり村山さんの作品や文章好きだな〜。 内容がずっしりした作品を久々に読みました。 人種差別・性犯罪・宗教・虐待・死・愛…その他もろもろ、勉強になるテーマが詰まったお話。 とにかく長い!分厚い! 最初は一人称がころころ変わったり、外人の名前が覚えられなかったり…慣れるまで大変でしたが、話に入り込んだら止まらない! 途中、何度泣きそうになったかわかりません。 家で読んでいたら多分号泣してました。 余韻が心地よい感じに残ります。 主人公2人による展開が面白かったです。 (真冬とブルース) 村山さんの作品って言葉がすごく胸にじーんとくる。 大切な事を教えてくれる作家さん。 『おいコー』みたいな純愛小説も好きだけれど、村山さんのこういうスケールが大きい小説も大好きです。 とにかく心理描写や風景描写が巧い! この作品は私にとても大切な事をいっぱい教えてくれました。 子供を産んで、ママになったら絶対読み直したい1冊。 何度読んでも、新しい発見が出来そうです。 アメリカ行きたくなった! もっと色んな世界に行って自分の感性を豊かにしたいと思いました。 日本大好き、家大好きな私がそう思うのはかなり珍しいです。 でもそこまで思わせる何かがこの本にはいっぱい詰まってます。 久しぶりに出会えてよかったと思える作品に出会えました。 * 余談 * ドラマ『スマイル』をさっきまで見ていたのですが…共通することがあるドラマだと思います。 どうして人はこんなに差別が好きなんだろう。 どうして肌の色や国籍で区別するのだろう。 すごく胸が苦しくなりました。 『上り坂が苦しいときは、下りはどんなに楽かを考えろ 』 「この世界には、昼もあれば夜もある。どちらがいいとは言えないし、どちらも必要なのだ。愛することと、憎むこともそれと同じだよ。喜びと悲しみ。誕生と死……。どれも、どちらか一方だけというわけにはいかない。どちらかを手に入れれば、もう片方もくっつてくる。だが、それ自体は悪いことではない。全ては均等の問題なのだから」 「覚えておきなさい、マフユ。目に見えるものが真実とは限らんのじゃよ。人々は、答えを自分の外に探そうとする。外側にあるものなら、目で見て安心できるからな。だが、惑わされちゃいけない。本物の答えは、いつも自分の中にある。目に見えないもの、手でさわれないもの、耳に聞こえないものの中にこそ、真実が隠されているんじゃ。そういうものを信じて、つかんで放さずにいるのは難しい。が、不可能ではない」
0投稿日: 2009.04.17
powered by ブクログこの人の話はじめてマトモに読んだ。なんとなく、人んちの本棚にあったので手に取ってみたら面白そうだったので最後まで読んでみました。 現代におけるよくある、でも目を逸らせない問題をかなりたくさん扱った内容。その手の内容に弱い人は読めないかも。そこまででもないか。 でも、ニューヨークとアリゾナをまたいだスケール感はなかなか。ナヴァホの人々の言葉は、一言一言がなかなかぐっときます。世界の見方が変わるような。ストーリー全体に、池澤夏樹の「花を運ぶ妹」に通じるような壮大さがあったように思います。
0投稿日: 2009.02.19
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 父の自殺、学校での苛め、母には徹底的に拒まれて…。N.Y.大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人、ラリーの幼い息子ティムも、実の母親から虐待を受けて育った子供だった。自分の居場所を求めて模索し幸せを掴みかけたその時、真冬にさらなる過酷な運命が襲いかかる。舞台は広大なアリゾナの地へ。傷ついた魂は再び羽ばたくことができるのか。自由と再生を求める感動長編。
0投稿日: 2009.01.09
powered by ブクログ睡眠時間を削って一日で完読。ちょっと展開がきつすぎなので★ひとつマイナス。 光の見える話ではあるのだが。
0投稿日: 2008.08.08
powered by ブクログとりあえず家庭最悪で苛められて不幸の二時を具現したような主人公マフィが心の深い傷と闘っていく話。 恋人ラリーに死なれてラリーの幼い子と二人でラリーの生まれたアリゾナに行き、自然や色んな人と出会うことで幸せを掴んでいくんだと思われる。 読みやすい哲学の本って感じで、すげぇ考えさせられる一冊。
0投稿日: 2008.07.29
powered by ブクログ深くて重いお話。 途中途中の先住民のお話は、これがそういうことだったのか!と読み進めるうちに思えるけれど、しんどいです。 それぞれのバックボーンがちょっときつい・・・。
0投稿日: 2008.07.01
powered by ブクログ友達に借りて読んだー 村山さんっておいコーしかちゃんとよんだことなかったからびっくりした 途中、「もうやめて!!」って思ったけど… 最後はちゃんと、光が見えました
0投稿日: 2008.06.11
powered by ブクログ村山由佳さんの作品は読んだ後に かなり「余韻」と「広がり」があると思う。 なんか広大な自然とかがテーマなのが多く、 ネイティヴな話とかもあって吸い込まれる。 この作品もその一つ。 居場所がないって思う人には読んでみて欲しいかも。
0投稿日: 2008.06.10
powered by ブクログ日本人であることを捨て、ニューヨークに暮らす一人の女性と、その周りにいる人との物語。 僕の趣味にあっているのか、村山由佳さんの本はほんとすらすらと読めちゃう。 この話も結構長い小説なのにさらりと。うまいというかなんというか。 途中でこの本のサブタイトルである「cry for the moon」ってのが出てきたり。 小説についてのレビューは書いちゃうとネタバレになっちゃうからあまり書かないでおこうか。 読んだと言う記録とこんな本だったと自分が分かる程度に残しておきましょうか。
0投稿日: 2008.06.02
powered by ブクログぶ厚い本で、更に高校時代の夏休み課題図書だった記憶が…。 すごい面白いですが、覚えているのはネイティブアメリカンが出てくることくらい。 いいですね、ネイティブアメリカンの方々は…。 結構読み進められるのでオススメです。 ネイティブアメリカン好きなかたには更にオススメ。 今では差別用語ですが、インディアンという単語は響きが好きだったりします。
0投稿日: 2008.05.25
powered by ブクログ中高って、村山由佳ばっかり読んでました。 少女漫画みたいだから読みやすかったんです。 でも、この本はその厚さだけじゃなくて読み応えがありました。 これを読んでインディアンの住む所に行ってみたくなったんです。
0投稿日: 2008.05.14
powered by ブクログすごく久しぶりの読書。最初この本を読んでいてどんどん話の雲行きが暗くなっていって厳しいかなと思ったけど、読んでくにつれて奥行きの深くなる本だった。心に傷を負った真冬。ニューヨークへの移住。ラリーとの婚約そして・・・ブルースとの交流のほうがメインな感じが。パンチの最後がすごく切ないもので悲しく、お金が絡むことによって人が醜くなる。いろいろなことを教えてくれる本でした。
0投稿日: 2008.03.09
powered by ブクログ高校の図書室で見かけて、いつか読もうと思っていた本。 村山由佳はわりと好きで、何作か読んでる。 おいしいコーヒーのいれ方シリーズはどうも読めないけど… そんなわけで5年越しの本を手に取りました。 途中、主人公の真冬のあんまりな境遇にしんどくなった。 幸せの絶頂にいるはずのときに、なんで!!って思う。 後半のアリゾナでの日々のあたりは一気に読破。 ナヴァホの教えとその生き方にじんとくる。 人種差別、虐待、トラウマ、家族、様々な問題が絡み合って、 重いテーマといえばそうなんだけど、読後はさわやか。 真冬の成長がテーマになってるからかな。 これまで読んだ村山由佳作品とは少し違う感じでした。 村山由佳=恋愛小説、てイメージが少し変化したかな。
0投稿日: 2008.03.02
powered by ブクログ幼いころから幸せとは縁遠かった主人公の真冬。 やっと掴みかけた幸せを襲うまさかの悲劇・・。 広大なアリゾナの地での真冬の再生。 激動の人生を生きる真冬にエールを送りながら、涙なくしては読めない作品です。
0投稿日: 2007.10.21
powered by ブクログ「cry for the moon」が副題になるみたいです。父の死、母の虐待、日本の学校での苛めでトラウマを持つ主人公は、ニューヨークで理解者の教授と結婚するが事件で夫が死亡し、義理の息子とともに夫の実家であるアリゾナへ行く。 虐待と差別を主題にしながら、アメリカを描写してますが、村山さんの場合、丁寧すぎて(^^;・・けっこう重い作品になってます。まぁ、しっかりと恋愛路線も含んではいますが、いろいろ詰め込んでテレビドラマ化はしんどそう〜 何気なく借りた「星々の舟」が合わなくて敬遠していたのが、たまたま映画原作ということで「天使の卵」を読み、甘い恋愛小説メインかと他も読むようになったんですけど、今では坂東真砂子に代わるお気に入りかも(笑)
0投稿日: 2007.10.14
powered by ブクログ「月に吠える」という萩原朔太郎の詩集を思い出すこのサブタイトルですが「翼」は本当にいい。 村山由佳は昔からナバホが好きだったらしく、ナバホへの愛情を感じます。 一番好きなシーンは、男女の睦み合いをしているところに子供がよじ登ってきてびっくりしてしまうところです。リアルすぎる。ありそうだよね、こんな親子。 ……でも誰一人血は繋がっていないし家族でもないのが、なんともいえない切なさです。
0投稿日: 2007.09.27
powered by ブクログこの本を読んだことで人生感をガラリと変えられてしまった。 今まで読んだ本の中で一番衝撃的でした。 この本があったおかげで僕は今、普通に生きて普通に笑っていられます。 重いテーマなのに、巧みな文章と続きを読まずにはいられないストーリー展開に8時間ぶっ通しで完読。
0投稿日: 2007.09.17
powered by ブクログマフユの生き方とナヴァホの教えにとても共感! 長いけれど何度も読み返しました。 これからも何度も読み返すと思いますが、その度にそのときの自分に響く言葉がありそうです。
0投稿日: 2007.09.13
powered by ブクログボストンで中学時代に父の自殺現場を発見し、その後精神不安定の母親から「お前に関わる人は皆不幸になる」と虐められたトラウマを持つマフユ(篠崎真冬:マフィ)は、ニューヨーク大学でのMBA取得の留学で、同大教授のラリーに求婚されて結婚するが、just marriedの車で立ち寄ったバーガーの店で強盗に出会い、ラリーは射殺される。 ラリーとナヴァホ・インディアンの前妻との長男ティムも、母親からの虐待を受けていた。ラリーの父親たちと一緒に、マフユとティムはアリゾナの大農場に行き、そこでナヴァホ・インディアンたちとも接触して、人間再生への道筋を発見してゆく、というストーリーである。 劇的な転回もいくつかあって物語に引きずり込まれるが、同時にトラウマや幼児虐待、人種偏見、白人とインディアンの問題、インディアンの自然・人生観などなど、様々な切り口で、読者をうならせる本である。 特にインディアンの名言・格言が、説教臭くなく自然に心に流れ込んできて、日本人古来の自然・人生観とのつながりも見え隠れして、興味深かった。 <いったい、あなたがたは、どうやったら空が買えるというのだね。どうやったら雨や風を、自分のものにできるというのだね。… わしらにとっては、この地球の上のあらゆるものが、みんな聖なるものなのだ。松の葉の一本一本も。> ドゥワミシ族の長(おさ) セアルル <覚えておきなさい、マフユ。目に見えるものが真実とは限らんのじゃよ。人々は、答えを自分の外に探そうとする。外側にあるものなら、目で見て安心できるからな。だが、惑わされちゃいけない。本物の答えはいつも、自分の中にある。目に見えないもの、手でさわれないもの、耳に聞こえないもののなかにこそ、真実が隠されているんじゃ。そういうものを信じて、摑んではなさずにいるのは難しい、が、不可能ではない。> ナヴァホのメディスンマン:wooden legの言葉
0投稿日: 2007.06.11
powered by ブクログ人は傷ついたから強くなれるわけじゃない。 でも 人が強いのはそれだけの傷を乗り越えたから。 そして「強い」人の特徴は「生」への執着だと思う。 真冬はそれを体現してると思う。
0投稿日: 2007.06.11
powered by ブクログ非常に現実的なアメリカが描かれています。 様々な問題も包み隠さず描き、人の弱さや潜在的に眠っている強さ。 そういったものをラリーの家族やネイティブ・アメリカン、ニューヨーカーの姿を元に描かれています。 珍しくバッドエンドとは言い切れない前向きに進んでいく感じの終わり方が非常に気持ちよく読み終えられます。
0投稿日: 2007.05.19
powered by ブクログ村山由佳社会派作品? 面白いです。 山がたくさんあって。伏線てんこもり。 いろんなことがあるけど 読後がとてもさわやか
0投稿日: 2007.04.05
powered by ブクログ他の小説に比べて分厚いのではじめは敬遠していたけど,スケールがでかくて面白かった。何度か読み返した気がする。
0投稿日: 2007.03.02
powered by ブクログ長編で読み切るのにそれなりに根性が必要な気もしますが、絶対に読んで損はないと言い切れる作品です。ココロが、揺れた。ないものねだり。人を愛するという一見簡単そうに思える行為は、どうしてこんなに難しいのだろう。
0投稿日: 2007.01.22
powered by ブクログマフィはどうしてあんなにつらい目にあってしまうのか。ラリーとのあっけない別れに、とても苦しくなりました。ティムの受けた性的虐待。母親からの徹底的な否定。そんな中でも自分を失わなかったからこそ、マフィはブルースという拠り所を見つけられ、そしてブルースもマフィを理解したのではないでしょうか。 人間なんて、みんな同じです。でも、一人で生きるか誰かと共存するかは自由です。彼女は、一人で生きる道を選びました。
0投稿日: 2007.01.20
powered by ブクログスケールがでかい。舞台が外国だからかしら?じっくり読むと味が出る本だと思います。ハンカチorティッシュ必須。
0投稿日: 2007.01.03
powered by ブクログ最初、読みづらくてなかなか進まなかったけど、後半はとっぷりハマってしまった。 ハラハラドキドキした。 やっぱり村山由佳はすごい。
0投稿日: 2007.01.03
powered by ブクログ深い心の傷を負った主人公がアメリカ、アリゾナの大地で自由と再生を求めて過去と向き合っていく。ナバホ族なども登場し、すごく知的好奇心も揺さぶられる長編小説です。序盤暗い調子がつづきますが、面白い小説だと思います。
0投稿日: 2006.11.20
powered by ブクログ結構長めの話だったので読むのに5日位かかってしまった。心にトラウマを持っていてどこか人に全て心を開くことができない真冬という女性。真冬はニューヨークに住んで日本人というものを捨てようとしている。そこで子持ちの大学教授と付き合い、彼は真冬の心の傷に気がついていて、とても理解あって解きほぐしていこうとする。ここら辺まではなんか自分とちょっと重なる所があって、重ね合わせながら読んでいって言葉一つ一つが身にしみた。それからまた事態は変わっていって、彼の死とともに彼の複雑な家族関係の中に真冬は彼の残した子と共に関わっていく。そこで現れた、彼(ラリー)の異母兄弟のブルース。ブルースは母はインディアンの血が流れていて・・・人種の違いも考えながらその環境の中で真冬は自分の生きる意味というものをつかみなおしていく・・・心に残った言葉としては、「全てはあなたの選択しだいなんだよ。人を愛せる人間になるか。憎しみに支配された人間になるか。幸福になるための努力をするか。不幸への坂を滑り落ちるに任せるか。育った環境も、おかれている境遇も関係ない。あんたが自分で選ぶことだ。」 かなり心に響いた。ついつい自分はどうせ○○だから・・みたいになるけれど、自分しだいで、おかれた環境であれなんであれ変えることってできるんだろうな。これから就活とかあるけれど、この言葉は忘れないで、頭に入れておきたいなぁ。
0投稿日: 2006.11.11
powered by ブクログ村山由佳の小説のイメージは 『淡い恋愛』って感じがあった。でもこれは、NYが舞台で内容的にもスケールが大きくて読んでいてとてもイメージが膨らみやすかった。
0投稿日: 2006.07.23
powered by ブクログ村山由佳の作品は「天使の卵」以来、かなり久しぶりの2作目。 父はアメリカの赴任先で、銃自殺。 帰国子女として日本に戻ってきた真冬は、 日本で育っていないというだけの理由で苛められ 実の母親には心理的虐待を受ける。 自分を求め、日本を捨てアメリカへ。 そこでようやく出会った心許せる男性、ラリー。 しかし、そんな真冬にさらなる悲劇が襲う・・・ 話の展開はありきたりといえば、ありきたりだが、 舞台はN.Yから広大なアリゾナに移り、 ネイティブ・アメリカンの様々な精神と触れ合う。 国の歴史、差別の問題、地球と人間の関係、、、 ストーリーがとても深くなってくる。 「月を取ってくれと泣く。クライ・フォー・ザ・ムーン」 「人はたとえ苦しかろうと、求めなければ何も手に入らんし、 人はその翼で飛ぶことでしか、自分の奥底へ入っていって 答えを見つけてくることはできない」 「すべてはあなた自身の選択次第。」 ナヴァホの言葉は胸に響くものが多かった。 涙がとまらない、感動巨編だった。 でも、私が一番好きな一説は、 真冬のルームメイトのルーシィの言葉。 「幸せっていうのは、手に入れるものだと思っちゃいけない。 ただ感じるものなの。ジャスト・フィーリング。」
0投稿日: 2006.04.29
powered by ブクログこれはアメリカが舞台で、本当に悲惨な運命を辿った人たちが集まった感じですね。衝撃を受けます前半は。ただ後半は少し精神論と言える様な内容にまで入って来て、落ち着いて読めます。ただ私はこれはあまり好きではありませんね…
0投稿日: 2006.03.11
powered by ブクログ・翼 村上由佳 集英社 幼い頃から母親に疎ましがられ、「お前が愛するものはみな不幸になる」 といわれ続け実際にそのような出来事が起きてしまう「真冬」。 日本を(日本人であることを)捨てたくてニューヨークで暮らし、居場所 を見つけながら沢山の人との出会い(別れ)を通して成長していく物語 「こんなはずではなかったことを数え上げてみたところで何も変わらない。それよりも、ごくシンプルなレベルで嬉しかった出来事を、ひとつずつ数えて毎日を暮らしていくほうがずっといい。」 「魂に翼を持つというのは決して楽なことじゃない。いっそ、そんなものを持たないで、闇の中でじっとしていたほうが幸せだと考える者もいるだろう。手に入らないものをいくら求めても苦しいだけだ。それこそ「月を取ってくれと泣く(cry for the moom)に等しいじゃないか、とな。だがな、たとえ苦しかろうと、求めなければ何も手に入らないし、人はその翼で飛ぶことでしか自分の奥底へ入っていって答えを見つけることはできんのだよ。」 「全てはあんたの選択次第なんだよ。人を愛せる人間になるのか、憎しみに支配された人間になるのか。幸福になるための努力をするか、不幸への坂を滑り落ちるにまかせるか。育った環境も、置かれている境遇も関係ない。あんたが、自分で、選ぶことだ。」
0投稿日: 2006.03.03
powered by ブクログ一気に読んでしまいました。すごく奥行きがあって、登場人物達が呼吸してて、どこまでも広がる自然に包まれる気がしました。真冬が自分を取り戻して自我の再生の道を辿っていく様子が伝わってきます。
0投稿日: 2006.02.21
powered by ブクログ主人公の女性が、何度となく傷つき、色んな想いを抱えこみながらも、生きていきます。雰囲気としては重い感じですが、引き込まれます。彼女を取り巻く人々の、強い思いも複雑に絡み合い、悲しい出来事が引き起こる・・・とても切ない気持ちになりました。
0投稿日: 2006.02.21
powered by ブクログ?1999年5月 ?父の自殺、学校での苛め、母には徹底的に拒まれて…。N.Y.大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。 自分の居場所を求めて模索し幸せを掴みかけたその時、真冬にさらなる過酷な運命が襲いかかる。 舞台は広大なアリゾナの地へ。 傷ついた魂は再び羽ばたくことができるのか。自由と再生を求める感動長編。 初めて読み終わった後、しみじみと読後感に1時間くらい浸ってた覚えがあります(笑)常に俺の好きな本ベスト5には入る小説です。副題の「cry for the moon」は「ないものねだり」って意味でこれを心の中にとどめておくと本編がより深みを増すと思います。 俺のblogのタイトルもここから取りました。
0投稿日: 2006.02.02
powered by ブクログ涙なしでは読めない! 家庭環境と人の成長の深いつながりを実感する。人として大事なことは皮膚の色とか裕福さとかどんな言葉を話すとか関係ないのに、この世の中は自分も含めて色眼鏡をかけずに見ることはできないなーと考えさせられた。 子供の心が救われることには希望があってよかった。
0投稿日: 2006.01.28
