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転の声
転の声
尾崎世界観/文藝春秋
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総合評価

67件)
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    自分が過去に行ったライブのことを考えたり、自分が出た軽音楽部ライブのことをめちゃくちゃ考えたよ。実は私はライブが苦手だから小説での熱狂がわかる これは尾崎さんの他の本も読みたいな。それに友達に勧めて感想を聞きたい。この小説での出来事を変だと言える世界線にこの世界はなっていない

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    承認欲求が転売のプレミアとして捉えられる世界の話。配信もない、バンドが舞台にもあがらない無観客ライブという破綻した形態に行き着くところが承認欲求の究極形ということか。そこまで非現実的とも思えなくさせるところがさすが現役バンドマンだし小説家としてもうまいと思った。

    0
    投稿日: 2025.11.08
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    転売がある種プレミアという価値観となり横行する世の中で 声がうまく出せなくなったバンドマンが自分の声を転売してほしいと転売ヤーに提案する。 すごい名前の著書だと思ったらクリープハイプのボーカルの方だった。本当のバンドマンが書くライブや転売の見方や チケットを買う側ではなく売る側の目線が面白くて「転売される」=「需要が上回る」という自己肯定感の指針に振り回される主人公の心境も面白かった。 転売の先にあるのが、選択する無観客ライブというもので 発端はあるアーティストのライブ中に死人がでる事故があって、彼女は沢山の命が集まってる事に怖くなった事だと書かれていて私達はライブに行くことによって本物のアーティストを「生きてる!ほんとに人間だったんだ!」と思う事が沢山あるが、こちらも人間で1つ命であって、沢山の命があのライブという形に集合してるんだなと改めて思った。 ラストはフォーカスされてるけど、まざまざとその事を書いてるような、そうでないような。冒頭の高速な展開からふと速度を落とした書き方の不思議なバランスのせいで、終わりがよくわからないなどういう事?とおもったけど、たぶんこれはどちらも生きてる人間で命ですよって話。

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    読む手が止まらない。読後はほとんど放心状態になるほど、私にとって衝撃作だった。とにかく描写がすごい。クリープハイプの楽曲にも通ずるような、独特の比喩がたまらない。展開は率直に怖かった。それはホラーということではなくて、人間の心理が恐ろしかった。パラダイムシフトに狂気の片鱗を見たような気がした。もう一回読みたい。

    0
    投稿日: 2025.10.18
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    第171回芥川賞候補作 シンプルにこの本の著者、尾崎世界観をフロントマンとする“クリープハイプ”というバンドが好きだから手に取った 手に取って気づいたが、この本も芥川賞候補作だったか、、、芥川賞はわからないんだよなぁと読んでみたら案外面白い 転売が肯定された世界 そして転売をされていることを表では叫び、影では喜ぶバンドボーカル さらには配信もない無観客ライブ チケット代を払って配信のない無観客ライブ、つまり何もないということ(?)が行われるのは一体どういうことなんだろう あんなに息巻いていたエセケンが急に連絡を取れなくなったのも謎だった ただ、エゴサで自分の価値を測るフロントマンの描写は終始リアルだった というか尾崎世界観の現実なのではないかとも感じた

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    音楽を取り巻く環境を、現実にそのど真ん中にいる作者が書くから説得力がありすぎる。トンデモ展開で笑っちゃうしパワーワード満載(カップル系転売ヤーには参った)でずっと笑いが止まらない。ライブシーンでの観客のノリや視線、野次など本人の思いが代弁されているのでは?との推察もできるし、いまのフェス飽和シーンの嫌なとこちゃんと描いてて終始楽しめました。評価高いのも納得です、素晴らしい。

    0
    投稿日: 2025.08.28
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    これが芥川賞候補までいった….いってしまったんだ….という気持ち。 アーティストの小説だから、言葉に重みもあるし、そんなふうに考えるんだという発見もあったけど….無観客ライブが何故、ウケる世界なのかが分からないまま、置いてかれちゃったから、後半苦痛だった。

    0
    投稿日: 2025.06.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    クリープ好きなので読めました。 逆にクリープ好きではないと読むのはきついのではないのかなといった印象を受けました。 不覚にも内容面に関しては把握しきれませんでした。 ただ尾崎さんは理解されない、共感されない事に対して価値を見出している気がする。 誰かが読むために作った本というような感じではないと感じた。 尾崎さんの歌うことに対する苦悩に関しては、その事情を知っているファンからするとすごく伝わってきました。 本読んでる間、なぜかライブに言っているかのような不思議な感覚がすごくあった。 ただ、真実は本人にしかわからないから、知るよしもないけど、仮に“GITTYO”がクリープであると仮定すると、尾崎さんもそう言った目でファンのことを見ているのかなと少し寂しく思う節も少しあった。 ファンとしては、尾崎世界観の見てる景色を少しでも知ることができるっていうのはこれ以上ない幸せだけどね。 無観客ライブについてはちょっと意味がわからなかったです。申し訳ない。

    1
    投稿日: 2025.05.16
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    内容がイマイチわからなかった、不徳の致すところ 終わり方はよく、 ライブへの価値観や猜疑心の生まれてしまう現代、職業柄を感じた 自分もバンドをやっているため、 共感する点は多いが、 無観客ライブの楽しさはわからない 有観客は浸りたい、体に音を浴びたい、歌いたいという気がする

    0
    投稿日: 2025.05.14
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    転売でチケットにプレミア付ける時代とか怖すぎる。私の世界も、チケット買ったのにあえて行かずに無観客にするのがエモいとかなったらどうしよ。てか主人公が自分のバンドメンバーに熱がないのが一番ヤバいよね。 というか物販売上が1番次に繋げるために大事なんだから、『転の声』的転売デストピアは来てはならないですよ……‼︎と戒める。

    1
    投稿日: 2025.05.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    転売ヤーの正当性を語ってくれるのかと思った。 ミュージシャン側からみると何であれ自分のライブチケットが話題になるのは嬉しい。という気持ちを改めて理解できた。観客側でしかなりえないので、気付かされた。 読み終えて、転売ヤーはやっぱり、悪なんだと思う。 しかし無観客ライブってどういう理屈で正当性があるのか想像できなかった。どうしてそんなものにお金を出す気になるのか?流行りだとしても。理解できない。

    0
    投稿日: 2025.05.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中から禅問答のようにカオスになってきた。転売やライブについて、現役のバンドのフロントマンが書いてるからこそリアルに響いたりもする。思考実験みたくて面白い。読めないからこそ最高の読者でありプレミアムみたいなことを思わず言いたくなる。

    0
    投稿日: 2025.05.04
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    著者のライブに行き、歌声にがっかりした経験があるので、思うように歌えない主人公と著者が重なり、自覚があったのかと想像して嬉しくなった。しかもそれを小説のネタにして昇華しているとは!と可笑しくもあった。 プロの転売ヤー団体が存在したり、無観客ライブムーブメントなどが巻き起こるユニークな世界観の中にも、バンドマンならではの生々しい描写もあり、予想以上に楽しめた。 著者の作品は「母影」やエッセイも読んだことがあるが、本作が一番、自分の興味と重なって好みだった。

    1
    投稿日: 2025.04.29
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    面白かった。野外大型フェスや全国ツアーでのステージから見える客席のようすやファンたちのSNSの呟きや、それに翻弄される有り様が生々しくてリアルだ。エゴサをしまくるのも、一時期ストレスで声が出にくくなったことも著者の実体験だと知って、設定はフィクションでも、つづられてる感情は著者が実際に感じたものとかなり近いものがあるんだろうと思った。 作中のカリスマ転売ヤーの語る言葉はほとんど詭弁のようなものだけど、行けなかったライブにこそ無限の価値があるという話まではなんとなく理解できた。しかし無観客無配信ライブまで行ってしまうとほとんどギャグだ。

    0
    投稿日: 2025.04.22
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    価値、プレミア、雑すぎる括りなんだなと。 集団心理の危うさ、人間の無意識の醜さのようなものを覗いてしまい、自分がその1部だと思うことが辛かった。 主人公の心情がこれでもかと言うくらい事細かに書いてあり、リアルな苦しみが息苦しい。自分に言われているような、自分が言っているようなそれは、共感ではなく、自分自身として主人公にのめり込ませるような力強さがあって、曲だけじゃなくて文章まで全部そのままかっこいいのかよって思う。

    3
    投稿日: 2025.04.15
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    図書館にて借りる、第728弾。 (京都市図書館にて借りる、第194弾。) 尾崎世界観とラランド西田のラジオを聴いていることから、本作を読んでみる事に。 感想は「尾崎さん、何言ってんすか」だろう。 無観客ライブがプレミアムって何よ。 ライブに行かないことが正解の世界って、意味が分からん。 いや、書いてあることの意味は分かるが、心が受け入れないというか。 まぁ、芥川賞候補作品にしては、意味は分かる作品だったが、やはり芥川賞周辺の作品は苦手だ。 星はギリギリ3つ。3.1とか。

    0
    投稿日: 2025.04.11
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    転売ヤー、プレミア、チケット自体の価値、無観客ライブ。興味深いテーマだけど二転三転して混乱してしまいよくわからず。

    3
    投稿日: 2025.03.22
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    尾崎さんが書いてなかったらどう思ってたのかなと思う。尾崎さん心理描写と言葉選びの面白さ全フリで小難しい設定なしシンプルな展開の話書いてみてほしい(わかったようなこと言うな本当に!) だからさあ、以前から私はすでに他の分野で有名な人はペンネームをつけて小説を書いてくれと以下略

    0
    投稿日: 2025.03.09
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    繊細な天秤を見ているようだった。ギリギリのバランスで保たれている世界は自分ではどうしようもない大衆の声で崩れていく。これを人気バンドのフロントマンが書くという怖さ。 私はあと何回読んだら尾崎世界観がみている世界を覗けるんだろうか。 私にわかることがあるんだろうか。

    2
    投稿日: 2025.02.24
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    転売ヤーが台頭したパラレルワールド的な話。最初からその世界に入り込めずにいたけどバンドマン側の視点をバンドマンが書いてくれてるのが贅沢。

    0
    投稿日: 2025.02.05
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    ダダダダっと、雨だれのように打ち付ける文章で、主人公の身体感覚がリアタイで流れ込んでくるような感じでした。実際の音楽ライブのように、一体感を求めてくる読書体験に近いです。 ネット空間でありがちの、目の前の出来事に対し、賛同が批判かの二項対立による激しい攻防が全編通して繰り広げられていて、切迫感があります。 次世代の肯定的な転売システムについて、世の中の反応あるある含め、こんなに膨らませられるの、単純にすごかったです。 作者が自身を掻き毟りながら書き連ねているようにも見えるけれど、 「音楽よりプレミアの話してる」という人々の反応にもあるように、元々暴走のようにも思えるアイデアがシステム化されることで、大衆の意識が変容し、正当化されていく流れは、ネットやAI共存時代でますます加速する現象なんだろうな〜と、(おそらく作者の意図とは異なりますが)感じました。勿論、人道的な変化ももたらしてるものですけど。 それにしてもSNS構文て、小説に組み込まれるとなぜ妙に共感性羞恥を煽られるのか苦笑 トンデモながら妙にリアルな舞台設定の中で、袋小路にはまっていく「作品の価値とは?」という普遍的な問い。 文章の根底に、「私を見て」という各人の渇望とか飢餓感が流れているのを感じました。

    1
    投稿日: 2025.01.26
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    *** 【転の声/尾崎世界観】 ************************************************ 舞台は、ライブチケットの転売が市民権を得ている社会。 バンドのフロントマン以内右手は、不安に追い詰められ、 自分達のチケットにプレミアを付けるべく、 カリスマ“転売ヤー”に縋りついてしまう。 「俺を転売してくれませんか」 高額取引の痕跡をSNSで確認しては過剰に振り回される、 尾崎世界観にしか書けない虚実皮膜のバンド小説にして、 エゴサ文学の到達点。 ************************************************ 芥川賞候補作、尾崎世界観小説三冊目。 なかなかに評価の分かれる作品だと思う! 「よくわかんなかった」「難しすぎた」 「転売までは理解出来たが、無観客ライブが意味不明」 という意見もあったし、クリープファンの視点からも、 「こんな風に思われてるなんてと読んでて悲しくなった」等 書かれていて、読むのに覚悟がいる作品だと思った。 確かに読んでる間、ずっと息苦しかった、気がする。 えー…でも面白い…面白いというかすごい、すごい作品! と、思ってたら、兵庫さんも同じこと言ってたあはは! (兵庫慎司 →元ロッキング・オンの現フリー音楽ライター) そして正直、音楽ファン、フェスやライブによく行く人、 多ジャンルやシーンの流れやファン層に精通している人、 実際に問題視されてたり嫌悪されてる行動や言動の知識、 SNS活用者じゃないと、理解困難な箇所が多いなと感じた。 (ディッキ族、地蔵、ワーキャー、ネットスラングも多数) そして私は全てを網羅していると豪語出来る。笑 でも、だからこその苦しさと悲しさと恥ずかしさと哀れみ。 全部バレてる、尾崎世界観にはバレているんだ、と思った。 私はクリープハイプファンである。 尾崎世界観に向ける眼差しも愛情も愛憎も尊敬も羨望も、 押し付けも勝手な期待も絶望も、「可愛い」も、バレてる。 そして尾崎の想いも、今回でバレた、というか、知った。 全部が全部じゃない、たとえフィクションであろうとも、 以内は尾崎で、アイツはアノ人で、アレはアレだろうと、 どうしたって推測してしまうし、想像してしまう。 バンド側も。客側も。主催者側も。全部全部剥がされる。 それくらい、緻密に、事細かに、書かれている、痛い程。 正直、導入も長く、序盤もくどく、辟易するところもある。 なのに終盤畳み掛けるように事柄だけが淡々と記されて、 あっというまに終わる。あっけなく終わる。 でも、実際ネットの動きってこんなもんじゃなかろうか。 燃えて消えて、炎上鎮火、意見は二転三転、晒しと祭り。 善悪は一晩どころか一瞬で逆転、正義も悪も表裏一体。 こんなものにしがみついて、果たして音楽と言える? 最後の一ページ、それに全てが込められている。 尾崎が何より伝えたかったことであり、物語の答え。 全部が間違ってると分かってて読んではいたけれど、 最後にちゃんと救いが描かれていて良かったねえ…(誰目線) お上手な歌や、カリスマ性や、流暢な喋りや、絶好調の声、 私達は完璧なステージだけを見たいわけじゃないんだよ? そこには歌があって、音があって、生がある、 私はそんなライブが見たいし、そんなファンでいたい。 (とか思って悦に入ってる自分も、バレてんだどうせ。笑) この本のサイン会行きたかったあああ(今更)

    8
    投稿日: 2025.01.21
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    オーディブルで聴きました。 芥川賞で、短めだから選んでみた。以前「推し燃ゆ」を聴いたときと同じ印象。ライブにもほぼ行ったことなくて、チケットを頑張って買ったこともない人は読んじゃだめだというか、読んでもつまらないよ。 世界観氏と友だちになれるような人だったら楽しそうだが、絶対に友だちになれないと思う。

    0
    投稿日: 2025.01.21
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    需要によってチケットの価格が変動する、いわゆる転売についての観客の意識がちょっと異常な世界をバンドマン視点で進む話。 この音楽が好きだからチケットを買う、ではなくて このチケットは人気でプレミアだからチケットを買う。 本の世界ではSNSの声がたくさん出てきていて、これは他人の評価が自分の行動判断の基準になっている人への尾崎さんの皮肉なのかと感じた。 無観客ライブが私には飲み込みにくくて、好きな音楽ならライブで聴くものだと思うんだけども、この世界ではプレミアに固執して満足しちゃう異常な感覚ってことでいいかな。

    0
    投稿日: 2025.01.16
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    だいぶ難しい。これは作品と言うより私の問題であって、理解力・語彙力等すべてが足りませんでした。 2025年始早々のクリープハイプのライブまえに読みましたが、尾崎世界観さんの下積み時代?のようなものの情景描写が素晴らしく、容易に想像出来ました。 かなり刺さる。 内容が難しいのでもう少し大人になってもう一度読みたいと思えました。

    0
    投稿日: 2025.01.14
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    クリープハイプが好きで読んだ。チケットの転売についてずっと思ってたことがあったから改めて考えさせられた

    0
    投稿日: 2025.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者がバンドマンだからこそ、フェスの控室の描写・業界人とのやり取りの描写などの解像度が高い高い。 だからこそ、主人公の心情がどこまで「リアル」なのか気になる。ファンに対してこんなこと思ってるのかな?フェスで演奏してる時こんなこと考えてるのかな?とか色々考えてしまう。どういう立場の人として書いたのかなぁ。でもめーーーっちゃリアル。 チケットの転売の話とか、無観客ライブとかは、一周まわってわかるようなわからないような。 ただ。何に価値を置くのかを問い直しているところはすごいし面白い。 今って、えぐい見栄えのかき氷とか写真撮るだけ撮って全部残す人とかいるけど、もはや料理=食ではなく、違うことに価値をおいてるのよね。それに近い感覚。ライブ会場で音楽を楽しむ、その場限りのライブ感を楽しむ、同じアーティストを応援している者たちみんなで一緒に楽しむ、とかではなく、アーティストそのもの・ライブのチケットそのものに価値を置いて、チケットを持っていることにプレミアを感じる。そんな価値の転換って実際起こりえるんだろうか? 主人公がアーティストとして絶不調なのもひとつのポイント。 プロが失敗するというレア感に価値を見出してるファンもいるけど、以内にとっては失敗はレアなものではないんだよねぇ。 これも何に価値を見出すかというテーマに通じるのかなと思った。 個人的にかなり頻繁にライブ、フェスに行く人間なので、その界隈が舞台になっている小説でかなり楽しめた。 推しのバンドがいる人にとっては、面白い小説なんじゃないかなぁ。

    1
    投稿日: 2025.01.05
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    今更、芥川賞候補? と思いながら読みました。この人じゃなきゃかけないかも、と思いながらも設定に違和感も…。

    5
    投稿日: 2025.01.05
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    だからこんな時こそ、会場の外に溢れた観客を想う。彼女をはじめとする、チケットを手にできなかったファンの清潔さにすがる。今やもう、会場にいる分はただの詰め物で、会場から溢れた分だけがファンだ。

    6
    投稿日: 2024.12.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    •以内は声が不調で、そのことで自分のプレミアが下がることにずっと怯えている。ラスト無観客ライブのステージに立ち、調子の上がらない声で歌う。それを見つめる1人の女性が微笑む。彼女はプロの完璧な演奏を観にきているのではない。プロの自分を見にきていた。下手くそなパフォーマンスもプロの失敗として見ている。その目にプレミアは通用しない(161) •フェスはぷよぷよのように連鎖してうねりをつくる。一挙手一投足に可愛いと反応するファンも厄介だが、自分の推しのアーティスト以外は反応しない地蔵も厄介。だからチケットを手にできなかったファンに清潔さを感じる(96) •感動には添加物が入っている。作られてないスポーツでさえ演出がある。だから無観客ライブのほうが人の手が加わってない感動を得られる(124) •定価でチケットが入るライブはガバガバでなんの緊張感もない。だとしたら転売されてプレミアチケットになったほうがいい(31) •不調の以内はフェスや番組終わりにエゴサをする。肉体で感じる痛みとは違って、実際の痛みが感じられないことが何より痛い(63) •エセケンに手を握り自分を転売してくれと頼み込んむ。その後ライブ中に口に含んで吐き出した水を「聖水」と呼ばれ、バンドのプレミアの価値が上がる。口の中にプレミアを含んでいた。しかしその後のライブで“転売ヤーなんて水虫になればいい。外のお客さんにまで届くように歌います”発言でSNSで一気に叩かれ価値を下げる。プレミアは民衆によってすぐに変動する。 •エセケンがプロデュースする無観客ライブに特化した音楽グループのボーカルに任命される。ハネダもLIVE IS MONEY で無観客ライブするプロジェクトをしていた。無観客ライブという実際に行くことのできないライブのチケットにプレミアがつく。捻れすぎてライブは本来の形を失う。 •エセケンは有観客ライブを支持するブログリストに媚びていたことで炎上し、ハネダは意図的に無観客ライブにYouTuberを忍び込ませて有観客にしさらなる集客を狙っていたことで炎上してどちらもトンズラする。金を稼ぐ目的の人間が世の中を扇動している。

    0
    投稿日: 2024.12.28
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    インフルエンザで休んでるこの機会に読んだ。 まぁ、転売ヤーまではついていけたが、 無観客ライブとかからワケわかんねー状態、、 尾崎世界観の世界むずかしい、、

    0
    投稿日: 2024.12.13
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    転売への鋭い眼差しがとても楽しく読めただけに、後半の「無観客無配信ライブ」や「転売を音楽にする」といった斬新なアイデアがまとまりきらないのがもどかしい。

    0
    投稿日: 2024.11.22
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    本当にTwitter、Xを読んでいるかのよう 普段小箱でライブをしているけどフェスにも呼ばれるバンド、ファンのほとんどが女性客 このバンドがどういうバンドか容易に想像できて苦しくなるリアルすぎる。 自分の好きなバンドはこの世界だったら転売についてどんな方針で活動するんだろうって気になった プレミアに惑わされない人間でいたい

    0
    投稿日: 2024.10.26
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    著者自身が現役のバンドマンだからボーカルの心情とかライブの現場の描写とか物凄くリアルで…ライブに行きたくなるなあ、もちろん"定価"でチケットを買って。

    0
    投稿日: 2024.10.25
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    転売を野放しにせずにリセールの制度を整えるのは、ファンを気遣っての気持ちだけでなく、アーティスト側が変なところに気が散らないようにするためだったりするのかも。 正規のチケット価格が同じでソールドアウトしてても、転売の平均価格は去年よりも下がったとかだと、なんとなくそのアーティストの価値が下がっているように感じるのは、ファンもアーティスト自身も同じだと思う。 ライブを見にいく機会も多いチケットを取る側からすると、なんだか悲しい気持ちになってしまった

    0
    投稿日: 2024.10.23
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    下北界隈での実像と虚構と尾崎世界観感が入り乱れ、不思議な小説だった!苦渋100%、苦渋200%読後であり、文体の進化に驚き(エッセイと小説の違いはあれど笑)別本も読みたくなった 尾崎さんの喉と耳心配!末永くクリープ聴きたいです

    0
    投稿日: 2024.10.22
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    作品を読み進めている内に、頭に浮かんだのが何故か先日東京都心部を襲ったゲリラ豪雨の映像。 新宿大ガード近くで、マンホールの蓋が打上花火のように噴き飛んだり、地上の入口から雨水が流れ込んで、地下鉄駅の構内が水浸しになっている、あの映像です。 特にラスト前の、ライブ会場目掛けてファンが殺到するシーンは、あの制御不能と化した洪水のようでした

    0
    投稿日: 2024.10.15
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    転売ヤーとプレミアチケットとアーティストの葛藤とプライドと愉悦の物語、なのかなぁ。 その界隈のことを全く知らないのでよくわからないのだけれど、なんだかものすごく歪んだ世界のような気がする。あちこちからぼこぼこにされそうな気がしなくもないけれど、定価で買って普通にライブを観に行くのの何が悪いのかわからない。定価って何?と問いたくなる。

    0
    投稿日: 2024.10.03
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    恥ずかしながら「無観客ライブ」というものがどういうものなのかがイマイチわからず。。配信もないらしいし、(途中の描写からわかることとして)アーティストがその会場にいかなくてもいいらしいし、ほとんど、詐欺みたいなイベントなのか。 芥川賞候補ということで読んでみたが、尾崎の作品としては前作の方がまだよかったかも。(あるいは、読み手側の力不測な問題か。。)

    0
    投稿日: 2024.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ライブチケットの転売が当たり前の世界で音楽の価値がチケットのプレミアで評価され、音楽そのものが空っぽになっていく。前半は主人公の苦悩や思惑が書かれているけど後半は会話だけでどんどん進んでいくところや出来事だけの描写が続く場所があって違和感。だけどその書き方で主人公が周りの動きに取り残されて追い付いていけてない感じがでたかなと思う。下手くそなバンドが金とってライブで恥ずかしいステージを曝すのを見に来てんだろ?これでいいんだろ?なエンディングがカッコいい。

    1
    投稿日: 2024.09.28
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    題材は新鮮だし、途中まであたかもそんな時代のような気にさせる引きの強さだった。言い回しも尾崎さんって感じの世界観で面白かったけど、後半になるにつれ概念的な話になってきてどんどんついていけなくなった…

    0
    投稿日: 2024.09.23
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    尾崎さんが、昔のキーが上手く歌えないと言っていることは知っていた。その事から色々と派生して音楽業界の現状など話を膨らまして書いたのかな。 尾崎さんにしか絶対に書けない切り口だったし、小説にしても音楽にしても自分の思っていることを自分の言葉でここまで赤裸々に紡ぐのってすごい。絶対に出来ない事だよなって思う。だから尾崎さんの作る音楽に私は心が打たれます。勝手に自分を重ねちゃうこともある。 二十九、三十 という曲に何度も救われました。

    0
    投稿日: 2024.09.23
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    人脈や評価やSNSに嫌でも左右されるところ、ライブハウスに出入りしたり演者として出ていたら感じること、単純に音楽をする、楽しむこと続けることがこんなにも難しいことが生々しく書かれていて苦しくさえある。 最後の1ページで救われたような、それでも苦しみが続くような、声のでなさに力み続けた苦しさとはまた違う、ふんわり軽い憂鬱のようなものに変わった。

    0
    投稿日: 2024.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    "プレミア"も"定価"も"無観客"も何かのメタファーなのかな。そこがなんだが漠然と、言語化できないけど分かるような気もするし、やっぱりよく分からないような気もする。それなのに、主人公の懊悩も、話の展開も、するする入ってくるし知ってるような感覚になる。 無観客は仮想通貨みたいなものなのかな。コロナ禍のロックダウン中の一体感に例えるくだり、当時言いようのない価値を感じてしまったことを思い出す。あれの事なのか。

    2
    投稿日: 2024.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    声が出ず自分が作った曲さえ満足に歌えなくなってしまっているロックバンドのボーカルが主人公。 自分のバンドのライブチケットの売れ行き・手に入らなさ(プレミアがつく/つかない)をネットでえんえんチェックしたり、自分達に関する書き込みをネット上でえんえん追い続けたり、で、それに振り回されたり。 観客も入れずアーティストが演奏もしない「無観客ライブ」のチケットを買って、ライブに行かないことをプレミアとする発想が、持てるものの高慢さというか、高みに登って見物というか、斜に構えているというか、そういう今っぽいいやらしさ。 自分が小遣いを握りしめて一所懸命チケットを取ってライブに通っていた頃の心情も思い出された。 バンド側はあの頃どんなふうに思ってたんだろうか。 ネットの時代になって、ファンの反応がダイレクトにわかるようになって、昔よりつらいのだろうな。きっと。知らんけど。

    0
    投稿日: 2024.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作者のバンドも曲も好きだからこそ、演者側の葛藤と悩みが生々しすぎて、自分も痛い客になってたら嫌だなって思った 転売の細かい話が複雑だったのに加えて、後半から主人公の感情が抜けてて怒涛の出来事の連続のみで難しかったしよくわからなかった 最近は曲の良さだけじゃなくて、その背景のほうが重要視されたりとか 価値が変わってきてて、もうそれが逆転しちゃうっていうのはすごい面白かったし、何に価値を求めるかって人それぞれなんだな あと全ての登場人物にモデルがいそう とか偉そうに感想述べる自分も本に出てくるうざい女と同等なのかなとも思う。

    3
    投稿日: 2024.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    わかるようなわからないような話だったな。 主人公のバンドマンはエゴサーチして話題にのぼっていたり、転売され高値で取引されることに価値を見い出している気がした。まぁ確かに話題になることはバンドマンとしては嬉しいことだと思うけど、転売による高値取引はなぁ…見に行く方としては転売は困る。でも、チケットが即完売したらファンとしても嬉しいとは思う。そんなプラチナチケットを手に入れられたら嬉しいとも思う。 よくわからない部分については、無観客ライブ。無観客だから見に行けないし、音楽を聴くこともできない。だけどプラチナチケットだから売れる。という話だったんだけど、さすがに無観客ライブのチケットは買わないなぁ…でもそういう時代が来るのだろうか。バンドを見ることも音楽を聴くこともできない、だけどプラチナチケットであるという価値がある。一体何のためのライブチケットなんだろう。でも、手に入りにくいからという理由で買ってしまうことって少しあるかも。例えば、 『これ最後の一つです』とか。価値とは何なのかを考えさせられる話だった。

    7
    投稿日: 2024.09.12
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    ライブチケットの転売価格が人気のバロメーターな世界。 観に行きたいライブに高額な金額を支払う。そうまでして観に行きたい。わからないでもない。いや、もし最推しバンドの一夜限り復活ライブとかなったら、どうしても行きたいかも。と考えると転売価格にプレミアがついているアーティストになりたい。 と言うのはわかる。 でも、無観客ライブになるとエセケンの話に全く付いて行けなくなった。 ライブ楽しいよね!!

    4
    投稿日: 2024.09.11
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    僕たちはプレミアです!っていって売れたら苦労しないし、プレミアがついたからといって安心材料になる訳でもない。 表現者だからこその苦悩を言葉に、声にしてくれた気がした。

    2
    投稿日: 2024.09.07
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    チケットなどの転売が合法化され、しかも転売されることがプレミアとして評価される世界を描く。転売の功罪はあるので、この物語を否定するつもりはないし、完全に同意することもない。あくまでも転売が受け入れられた世界を「if」で語ったのだと思う。本作品の著者はミュージシャンであり、だからこそ書ける小説なのだろう。需要(欲しがる気持ち)と供給による価値については、一般人の気持ちからかけ離れているわけではなく、きちんと共感できるのがよかった。でも、なんだか無観客ライブの価値については個人的には理解できない。身近な問題を扱っているためか、読みやすいのだが、何かが少し足らない感じがした。

    1
    投稿日: 2024.08.26
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    設定が面白い。サブスクも出たての頃は音楽関係者の批判的な意見を良く見かけた気がするけど、今や当たり前のメディアになった。 転売肯定なんてありえないように思うけど、数年後こうなってる可能性もゼロじゃないかも。

    1
    投稿日: 2024.08.24
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    第171回芥川賞候補作品。主人公の名前が「以内(いない)」という語呂合わせの偶然。現役のバンドマンが転売ヤーを描いた小説。転売が一定の市民権を得た世界が舞台のファンタジー小説と呼ぶ方が適切か。転売のインフレが起こり無観客ライブ(会場は押さえているがライブは行われないし配信も無い)の価値が最も高くなってしまうというクライマックスはもはや物の価値をめぐる哲学的な境地に。買う側としても売る側としても転売に関わったことの無い自分は「プレミアチケットは買うが絶対に行かない」とか「無観客がいるかどうかが重要」とか理解の域を超えていたwでもその不条理文学みたいな感じも面白い。

    1
    投稿日: 2024.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    音楽ライブのチケットがプレミア化する事でアーティストの価値が高まり、それによって生じる様々な現象を描いていて、なるほどと感心する所もあればよく分からない事もあった。 ライブにおける観客の在り方を問うような話とかは、なるほどそれが本職である作者にしか書けない事でとてもリアリティを感じたし、転売やエゴサに関する考えとか、生々しい本音(?)が綴られていて面白かった。 一方で、転売がメインの会社が出てきて、もはや転売こそが正しいという考えはいまいちピンと来なかったし、無観客ライブがエスカレートして、ライブ自体やらない配信もしないというのはギャグみたいで面白いなと思いました。

    0
    投稿日: 2024.08.21
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    世界観、小説の文は一文が長めで読みづらい。 しかしGICCHOの既視感よ。 一言発するたびにキャーキャーいう女客、水の飲むだけで興奮する客、バラバラの手拍子、ひねくれたボーカル。そしてフォーピースバンド 一体ナニープハイプなんだ?

    0
    投稿日: 2024.08.14
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    普段からバンドマンが抱えている葛藤が可視化されて、よくライブを観に行っていた人間としては少し辛い物語だった。

    2
    投稿日: 2024.08.12
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    尾崎世界観さんのファンです。 犬も食わない以外の小説は私にはわかりにくく、 毎回読むのが困難。 歌詞はすごく好きだけど、小説は難しい。

    0
    投稿日: 2024.08.12
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    フィクションだけど尾崎さんにとっての本心も書かれているのかなあって想像した。バンドマンが失敗のプロという表現やそれにプレミアがつくという捉えかたも面白い。弱さを見せれることってかっこいいと思う。尾崎さんの書く文章も歌詞も素直な感じがして好き。

    0
    投稿日: 2024.08.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    クリープハイプの尾崎世界観と作家としての尾崎世界観は分けて考えているけれど、これはクリープハイプの尾崎世界観がないと書けない文章だなー。ライブについての価値観を色々考え直した。ステージに立つ人からしか分からない考え、面白い。

    0
    投稿日: 2024.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『俺を転売してくれませんか?』 クリープハイプの尾崎世界観さんが綴った『転売OK』の世界。 第171回芥川賞候補作。 面白い!尾崎さんが見てきた世界を血生臭い言葉で、生々しく書いている。さらに「転売OKの世界」という要素が加わることになり、どこまでも想像の向こう側に連れていってくれる。 あらすじ。 主人公の以内右手は、ロックバンド「GiCCHO」のボーカリスト。 転売OKの世界では【Rolling→Ticket】という会社が台頭し、転売アプリ【Rolling→Voice】(通称「転の声」)を使って転売されたチケットは、ミュージシャンにキックバクが入る仕組みが存在する。 まだ「定価」でしか売れたことのない以内は、絶対にプレミアになりたい。しかし転売を批判する声も多く、自分のスタンスや心のうちを世の中に公開できていない。おまけにボーカリストとして致命的なのは、声が思うように出なくなってきたことだった。 自分の声の評判、チケットの売れのこり、転売でのし上がってきたバンドLIVE IS MONEYのこと、何もかもが気になり以内右手はSNSでエゴサーチをしまくる毎日を過ごしている。 感想。 設定が面白いのはもちろん、やっぱりバンドマンが見ている風景の解像度が高い。特に夏フェスのシーンと、主催ライブのシーンの描写が心に残った。別のバンドのタオルを目の前で掲げるファン、新幹線の出口で出待ちしてサインをねだる転売ヤー、不本意にも始まってしまう手拍子。めちゃくちゃ細かい描写のひとつひとつ、それを表現できる文才があることが羨ましい。それでいてかなり悩んで、苦しんで書いただろうなあとも伝わってくる。ミュージシャンの叫びのようなものがある。 また満たされない毎日を悶々と過ごす以内右手を追うと同時に、「転売OKの世界」の設定自体が進化していくのも面白かった。 ・実力のある転売ヤーが出てくる。 ・転売ヤーも有名になり、有名転売ヤーのファンなども出てくる。 ・転売ヤーに会えるカフェとかもある。 ・プレミアで行っても定価で行ってもライブはライブだから、プレミアで購入して「行かない」ということが本当のプレミア、価値の保存なのではないか、というところまで行き着く。 ・「無観客ライブ」の向こう側 ここからは読んでのお楽しみ。転売OKによって狂っていく世界がめちゃくちゃ面白かった。 ———紹介(公式より)—— 第171回芥川賞候補作。 「俺を転売して下さい」喉の不調に悩む以内右手はカリスマ”転売ヤー”に魂を売った⁉ ミュージシャンの心裏を赤裸々に描き出す。 主人公の以内右手は、ロックバンド「GiCCHO」のボーカリストだ。着実に実績をつみあげてきて、ようやくテレビの人気生放送音楽番組に初出演を果たしたばかり。しかし、以内は焦っていた。あるときから思うように声が出なくなり、自分の書いた曲なのにうまく歌いこなせない。この状態で今後、バンドをどうやってプレミアムな存在に押し上げていったらいいのだろうか……。 そんなとき、カリスマ転売ヤー・エセケンの甘い言葉が以内の耳をくすぐる。「地力のあるアーティストこそ、転売を通してしっかりとプレミアを感じるべきです。定価にプレミアが付く。これはただの変化じゃない。進化だ。【展売】だ」 自分のチケットにプレミアが付くたび、密かに湧き上がる喜び。やがて、以内の後ろ暗い欲望は溢れ出し、どこまでも暴走していく……。 果たして、以内とバンドの行きつく先は? 著者にしか書けない、虚実皮膜のバンド小説にしてエゴサ文学の到達点。

    0
    投稿日: 2024.07.26
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    ●なぜ気になったか 第171回芥川賞候補作は無条件で読んでみることにしている。最近は芥川賞でも内容紹介をみると読んでみたくなるものが多い。だからといってわかりやすくておもしろかった!、とならないのが芥川賞絡み、本書はどうであろう? ●読了感想 やはり芥川賞絡みはこうゆうの多いな、と思わされた。まったくおもしろくなく、入りこむこともできず、言葉の表現の巧みさを楽しめるわけでもなく、読み飛ばしから読了あきらめ。転売が受け入れられるテーマはおもしろいと思っただけに残念 #転の声 #尾崎世界観 24/7/11出版 https://amzn.to/3XZDdJk

    6
    投稿日: 2024.07.21
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    最初から最後まで何を読んでいるのか分からなかった。 エゴサをしたり、周りの声を気にしたりしてきたけど、実際は自分の等身大に価値があるのだって言いたかったのかと思ったけど、付随する話の必要性が分からなかった。 もちろん小説としてフィクションを書いていると捉えられるが、過去のクリープハイプと重なる部分があり不快になった箇所もあった。 この本が芥川賞の候補に選ばれたのは、何かよく分からないけど何かが書いてあると感じられるものを美化しすぎた結果なのではないかと思えた。

    1
    投稿日: 2024.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。 最初は受け入れ難い概念だった無観客ライブが(冷静に考えれば最後まで受け入れ難いものだが)、段々丁寧にほどかれていった。 そもそも少ない全体の文章量の中で、社会の不気味さに大きな焦点を当てているがゆえに、後半の以内右手の心理に関する描写は物足りなさを感じた(無観客ライブを活かすためには仕方のないのかもしれないが)。特にラストについて。

    0
    投稿日: 2024.07.20
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    転売で価値を上げるのか…。 これを小説と呼んで良いものか甚だ疑問であり、これを芥川賞候補にする感覚が分からない。 この数年「芥川賞だからつまらない」という経験を何度もしていましたが、それでも「もしかして…」と期待していたのに又々裏切られしまった。 文章として読みにくいこの本からは、作家としての熱意が感じられなかった。

    0
    投稿日: 2024.07.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うーんん。クリープパイプも好きなだけに、こうやってステージから観客をみてるのかな?いや小説だからそれはないのかな?と何か近すぎていろいろ考えさせられました。ただ小説としてどうかと言うと他の人もおっしゃってるのと同じく驚くような展開も期待するような展開もなく、やっぱり私には芥川賞自体がよくわからないものになりつつあります とにかくこの本を読んだ後にこんな無観客の転売ヤーが通用しない熱いライブをみんな楽しんでほしいと心からそう願います

    4
    投稿日: 2024.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    発売日に買った。 設定は面白かったけど、尾崎世界観自身が無観客についてどう考えてるのか知りたくなった。 無観客の無演奏なんて誰に需要あるねんって思ったけど、ほんとにチケットを買うことがステータス、価値のあることになったら、ほんとにそうなるの…?ちょっと現実味薄いけど。

    1
    投稿日: 2024.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文學界6月号より アーティストである尾崎世界観がアーティストならではの、そして独自の視点から歌唄いであることの価値を問う。正直、彼の描く小説は3作目、祐介、母影、そして今作。彼のエッセイは非常に好きだ。だが、小説は全くと言っていいほど肌に合わず、母影は子供の視点で表現する言葉がグサグサ突き刺さったが、いやはや今作は読んでいて1ミリも面白くなく、もう苦痛でしかなかった。まったくもって評価のしようもなく、星もなし。ただ、他の方の考察含め楽しみである。

    10
    投稿日: 2024.07.06
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    【第171回芥川賞候補作】「俺を転売して下さい」喉の不調に悩む以内右手はカリスマ“転売ヤー”に魂を売った ミュージシャンの心裏を赤裸々に描き出す。

    0
    投稿日: 2024.06.24