
総合評価
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powered by ブクログオッサンが読むとグッとくるけど…若い人が読んだらどんな気持ちになるのかな?…こんな素敵な出来事は高校生でなかったけどね(笑)…
0投稿日: 2025.11.17
powered by ブクログ最後のあたりからは涙がとまりませんでした。 誰かの行動がいずれ全く知らないひとたちにも繋がり拡がっていく。それとともに自分の気持ちも前向きになる。何歳になってもいつでも、それはできる、叶うもの。
0投稿日: 2025.11.17
powered by ブクログ伊与原新さんのハートウォーミングストーリーですね。 私設天文台をめぐる再生のドラマです。 県立秦野西高校の三年生の夏に、オオルリのタペストリーを空缶で作った仲間が、四十五歳で集結する。 きっかけは、国立天文台に勤務していたタペストリー仲間の山際慧子が、国立天文台を辞して秦野市に帰って来た事だ。友情を温めようと、同じくタペストリー仲間の伊東千佳と種村久志、勢多修の三人が慧子の歓迎会を開いた事から始まる。 慧子は国立天文台の正規の職員ではなく、嘱託職員だったのが契約が切れて退職したと言う。しかし、自分のやり残した研究の為に、手作りの天文台を建てる計画を実行したいと言う。 その話を聞いて、三人は協力を申し込む。 さらに、タペストリーを作った時に起きた謎の解明も含めて、事態は動き出す。 それぞれの思惑と四十五歳という時と十八歳の時が交差して、止まっていた青春が動きだす。 再生の心温まる人間模様が、久志と千佳を中心に語られる構成に胸が弾みます。 作中で慧子が作り上げる「微少カイパーベルト天体探索システム」は、実際にモデルがあるそうです。あとがきに伊与原新さんが示してくれています。 また、天文学以外にも様々な興味深い科学が出てきますので、それも楽しいですね(=゚ω゚=)
48投稿日: 2025.11.15
powered by ブクログこの作品の中心人物たちは、45歳になって人生の折り返し地点に立ち、家族のことや自分のことに関する迷い、これまでの人生を振り返っての後悔など、それぞれが心の中にあるものを同級生の仲間との交流を通して再構築していくお話でした。 「天体観測」というテーマを通していて、ロマンチックに描かれていたと思います。 それぞれが前を向いて生きていくためのかけがえのない時間。 ラストシーンでは涙が出ました。
1投稿日: 2025.11.13
powered by ブクログいつだって、誰だって、何歳からだって青春できる。 見返りを求めず、自分のため仲間のためにみんなで一つのことに向かう姿は、学生であろうと大人であろうとやっぱり輝いていますね。僕はこんな話が好きなんだなと改めて感じた作品でした。 ぜひ多くの方に読んでほしいなと思います。
1投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログまだ自分は社会に出てすらいないので登場人物達の悩みに共感することはできなかったが、なんとなく想像はできる。きっとここまで続けてきた仕事に疑問を持ち始める段階というのがあるのだろう。45歳は人生の分岐点の一つなのかもしれないと思った。天文台ははじめはみんな同情から始まったもの。しかし、作業をするにつれて高校の時に感じていた必死さのようなものに気づき自分のために天文台を作るようになった。それによって抱えている悩みが解決するわけではないが、前に進むことはできているのではないかと思った。読後感がとても良くて、心が温まるような感じがした。45歳になったらまた読みたいなと思った。
2投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ齋藤孝『成熟力』の中で、人生の折り返し地点としたのは、45歳だったでしょうか。 45歳となった高校の同級生たちの今が、とても現実的に描かれています。 そして、45歳はまだ成熟していないようです。 ただ、新しい自分へと行動するならば、チャンスの時期かもしれない。 そんな年齢感覚が、この小説のなかにも確かに流れている。 地球惑星科学の研究者であった著者の知識は、 小型望遠鏡を使った天体観測の描写に確かな現実感を与えている。 夏の夜空を見上げるシーンには、他の作品同様に理系の緻密さと文学的情感が自然に溶け合う。 高校時代の「空き缶アート」は、作者自身の思い出がもとになっているという。 だからこそ、過去と現在を結ぶ仲間の象徴としての説得力があるのだろう。 かつての友人たちが再び集い、知らなかった互いの過去や痛みを知りながら、 それぞれが何かを乗り越えて45歳を迎えている。 そして、再会の夏。 再び同じ空を見上げることで始まる、新たな物語の予感があります。 その穏やかな読後感がこの作品の魅力です。 物語の展開は、ある程度予想のつく着地へと進みます。本作は、それがむしろ心地よい。 人生の成熟期を描く物語として、劇的な転倒よりも穏やかな着地がふさわしいと思うから。
107投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログ高校の同級生が、20年の時を経て、ひとつの目標に向かって走り抜ける。人生の豊かさとか幸せは、自分で作っていくものなんだなと考えさせられた。 物語のなかに、青春、ミステリー、仕事と色々な要素が詰め込まれていて、最初から最後まで大切に読みたくなる物語だった。 自分が主人公の年齢になる頃にもう一度読みたい。
2投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログいいお話。中年になってもう輝かないと思っていた人生も、何かを見つけることはできるみたいな。 しかし人の一生なんて短いのに、後悔は消せないってもどかしいなって思います。精一杯生きるのが大事なんだなって。 ところで千佳の旦那さんどこいった?
1投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログタペストリーを作った、のような大きな出来事があるわけでもなく、部活も勉強も大して頑張っていなかったのに、なぜか学生時代の夏を毎年思い出す。 青春時代は美化されるよな〜と思っていたけれど、青春だから思い出すのではなく、昔のことだから思い出すのだ。 いつか今が十分な青い春であることをきっと思い出すんだろうな。
1投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
綺麗で読みやすい作品でした 千佳と久志の2人の語り手からなる物語。人は誰しも完璧じゃない、ひとつの星を見つめて歩いてる。 星食の時期があって星の光を見失ってるかもしれない。それが短いか長いか分からないがいつか星食は終わり光はまた輝く。 大事な人の死、自分の知らないところで友達仲間が何かを思って何かをしていた。多種多様な6人の物語。何かを目指し行動してる姿は周りに伝播する。とにかくやれることをやらなきゃ、だれもが何者かになれるわけではない、幸せホルモンの振れ幅は関係ない。 人にはその人の役割がありパズルの形がある。ぴったりハマらなくてもうまくっつくように出来ている。 あとがきを見て、物語序盤の彗子は時系列でいうと逆なんだろうと納得した。綺麗な作品でした
0投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分たちで天文台を建てるというそれだけでわくわくする話ではあるが、前半はむしろ45歳の現実が重苦しく語られる。そしてそれが天文台を通じて劇的に解決するわけでもないが、それぞれに少し希望の光が見える。 若いころよりも選択肢はあるはずなのに、閉塞感を強く感じ彼らがすこしだけ成長する姿が、近い年代となってリアルに感じられる。大きな困難を乗り越えても劇的に何かが変わるわけではないが、確実に成長はしていると感じさせる話であった。
0投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ高校生の輝かしい青春の思い出で止まったままの中年の大人達が再会して、あの頃の青春を取り戻すように何かに向けて動き出す物語が、年齢が何かを諦める理由にはならないんだと思った。
1投稿日: 2025.10.03
powered by ブクログ一気に読んだ。伊与原氏の小説は2冊目だが、科学も本格的ながら人の心の機微も描かれていてとても面白い。天文台に行きたくなった。
1投稿日: 2025.09.25
powered by ブクログ個人的にすごーーく好きだった。 いろんな視点でいろんな話がすすむのはそこまで好きなわけではないんだけど、そのかたちだからこそ、それぞれの人の生き方とか価値観に触れられた気がする。みんなの気持ちが少しずつわかる気がしちゃうのも、ままならない現実もリアルにえがかれていたと思う。良い本読んだな〜って気持ちで本をとじられた。
0投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ45歳の彼らが高校生の夏を振り返り、第二の人生に向かっていく青春物語というお話でした。 もともと、天体観測や星が好きというのもありますが、天文台ができていくワクワク感と、建設を進めるごとに増えていく仲間との温かな関わり合い、今、45歳になった彼らが抱える困難、あの夏に各々が思っていた思いへの答えが徐々に紐解かれていく感じもとても好きでした。最後の章は思わず涙が出そうになりました。 まだ45歳という年齢は遠く感じますが、今だからできることがあるという彼らの言葉を胸に日々を過ごしたいと思えました!
12投稿日: 2025.09.22
powered by ブクログ日帰りで、また1泊ぐらいで遠く離れてしまった学生時代の友達に会いに行きました。 何十年ぶりなのに、一瞬でその年齢に戻れて。 いつか、いつかと思っている事に、そっと背中を押してくれる本でした。
4投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ18歳の夏に一緒になってひとつのことをやり遂げた仲間たちと、45歳の夏にもう一度集まって天文台作りに挑む、大人の青春物語という感じ。かつての仲間の1人だった恵介の過去の謎がミステリ要素として上手く織り込まれているのも面白かった。 18歳でもそれぞれに悩みや葛藤を抱えているのは勿論だけど、大人になっても自分と比べて友人が羨ましく見えたり、未来への希望を失ったり、色々あるよねぇ..と久志や千佳に共感したり。でも自分で何も行動はせずに家族や今いる環境を言い訳にするのは違うよね。千佳の「この夏を28年前と比べる必要などない。」というセリフが印象的だった。
13投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログこの夏愉しんできた伊与原新さんの作品も、7冊目になりました。(もう秋ですね、暑いですが汗) 今回は今まで読んできた中でも、また一味違った味わいがありました。 長編作品では化学ミステリの要素があるものや、短編集では人間味ある温かな作品を読んできましたが、今作では過去、現在、そして未来へと続いていくような、温かなヒューマンドラマになっていました。一気読みでした。 登場する主な人物は、高校三年生の夏に文化祭で出展する作品を一緒に作った仲間六人です。作品は空き缶で作った“オオルリ”のタペストリー、青春の思い出ですね。 そこから皆大人(45歳)になり、それぞれ人生に悩みを抱えながら折り返し地点を過ぎようとしていたころから物語は始まり、慧子の帰郷をきっかけにまた皆の青春が動き出しますー。 語りは「序(章) 晩秋」彗子。ひとり天体観測の場面が描かれています。 続く「Ⅰ~Ⅶ 章」は、久志と千佳の交互の語りで物語は進行していきます。 “天文台を建てる”という目的のもと、皆が青春を取り戻していくように繋がっていきます。それぞれに人生に悩みを抱えているところも丁寧に描かれていて、等身大の悩みとして伝わってきます。 そして、止まっていた過去の出来事が紐解かれていきますー。 ネタバレになりそうなのでこの辺で控えたいのですが、大好きな一場面だけご紹介させてください。 終盤に、仕事を辞め引き籠り続けていた仲間の一人が自身のラジオ番組でリスナーに向けて、仲間たちがジャコビニ流星群の観測をする時間帯に、“部屋の明かりを消して“もらうようお願いするシーンがあります。思わず、胸が熱くなりました。 私も流星の放つ音を、聴いてみたくなりました。 温かな感動をありがとうございました。(*´ω`*)
24投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
終盤にかけて胸に迫り来るものがあり目頭が熱くなった。 人生の中盤にさしかかり、このままで良いのだろうかと思い悩む45歳の大人達の物語。人生の轍を見つめ、こんなはずではなかったと思う瞬間がある。 決してなだらかでない轍。しかしその轍こそが、人生に深みを与える。人に語れないような悲しい出来事もあった。だけど、何かに夢中になれた、輝いていた時間も確かにあった。悲しみを抱いたままでよい。その思い出を超えられるぐらいの記憶をつくるのだ。いつからだって、また星を探せる。ほかの誰のためでもなく、自分のために。 ページを巡っては寝落ちし、休みの日の午前中に集中して読了。
8投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログ夏の終わりに星空関係の小説を中心に読んでいる。 この小説は青春の美しさと儚さを描いていて、歌で例えるとミセスのライラックのようだと思った。 また、流星電波観測というのがあるのを初めて知り、気になったのですぐに流星エコー音を聞いてみた。鐘鈴のような凛とした美しい音色だった。 今年のジャコビ二流星群(りゅう座流星群)は10/6あたりから観測出来るそうだが、月明かりが強く観測には向いていないそうだ。なので電波観測にて楽しむのもいいなと思った。
17投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いつまでも夏という季節を大切にしようと思えた作品。 途中、恵介と慧子の関係について「ん?」となったものの、2人とも完璧ではない普通の人として、そういうことは起きるものだと思えた。
1投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
青春はいつだって取り戻せるし、年を重ねてからも夢中になれることだってできる! 青春時代を共にした仲間と天文台を作るなんて、なんてロマンのあることだろうなと思いました。 青春時代のお互いに知らなかったことが明らかになったり、現在抱えている問題から1歩先に進むことができたり、前向きになれるような物語でした。 最後の方にFMラジオで流した松任谷由実の「ジャコビに彗星の日」を実際に聞いてみたら、歌詞の中にもFMラジオが出てきたりと、物語に共通するワードが出てきて、、、良いクライマックスになったと思います。
0投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログ伊与原さんの理系と絡まってくお話が美しかった。 45歳定年制とか、 自分たちは「星食」のときを生きているようなものなのかもしれない、 そう言ったフレーズが好き。 まだこの年にはなってないけど、こういう大人の青春も素敵だなと思った。 物語が急に加速したんだけど、大人にこそ読んでもらいたい一冊だった。
1投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログ青春の一コマ 誰もが持っている思い出 それは大きなことばかりでなく ほんの些細なことかもしれない 主人公たちの心の中に燻っているものが また、動き出す物語 45歳という、なんとも中途半端な年齢 生活に疲れ、すべてがうまくいかない ただ惰性で流されているのかもしれない日々 あるきっかけから何かが変化した やり残したことがあった 聞きたいことがあった 今なら、今だからできることがある 一念発起というほどのことでもなく なんとなくできることをしてみる 気持ちがスッキリと晴れやかになる そんな、素敵な、心が軽くなる 読書体験となった 「45歳になった今の自分たちは『星食』のときを生きているようなものなのかもしれない。それを頼りに歩いていけばいいと思っていた星が、突然光を失い、どこにあるかわからなくなってしまった。その星と自分たちとの間を、別の天体が横切っているのだ。 けれど『星食』は、いずれ終わる。その時は、見失った星をまた探してもいいし、別の星を見つけて生きていってもいい」 今夜晴れていたら星空を眺めてみたい。 なにかが変わるかもしれない
98投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログ高校3年生の文化祭で、有志で作ったオオルリのタペストリー。その主メンバーであった久志、千佳、修、彗子が45歳で再開した。和也と恵介はいないけど。引きこもっている和也がやっているミニFM、言い出しっぺなのに途中で抜けてしまって後に自死を選んだ恵介。個人的な天文台を作りたいという彗子。昔のことを思い出しながら慧子の天文台づくりを手伝う久志、千佳、修たち。やがて、恵介の抜けと自殺の真相が明らかになり、引きこもったままながら和也がミニFMで呼びかけたことによって、旗野市全体が反応してくれたし、慧子が和也に頼んだことも天文台開きの日の流星群の観察に役立って、フィナーレを迎える。
9投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログワクワクした。そして切なくて涙が出た。 彗子と恵介、完璧にみえた2人でも、やはり19歳では幼すぎたのだろう。 「無知だと、常識にしばられるしかない。若い頃は、研究者として生きるには大学なり研究機関なりに所属しなきゃならないって、当たり前のように思い込んでた。今は、物事にはいろんなやり方があるってことを知ってる。」 彗子の思いが感じ取れる1言。きっと、後悔で押しつぶされそうになるんだろうなと。 天文台が完成したことで、みんなの一歩になったらいいな。 切ないけど、前向きになれる本でした。
2投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大人(45歳)の青春物語…? 高校時代にタペストリー作りに取り組んだ6人の物語。語り手は2人だけだが、6人にスポットが当たるので全台的に薄っぺらい印象 恵介の突然の受験勉強も自殺も理由が唐突。他のメンバーもそう感じた〜と纏めているが、ちょっと無理矢理感が強い 再生?再起?の物語なのかも知れないが、ご都合主義に感じてイマイチ入り込めなかった 45歳でみんなそんなにふわふわしとって良いんか。天文台作る人の目標を手伝うって言うより乗っかってる感じが気持ち悪く感じたのかな 天体観測にまつわる話はワクワクした。 無知だと、常識にしばられるしかない。…今は、物事にはいろんなやり方があるってことを知ってる。歳を重ねた分、知識もあるし、知恵もついたから この彗子のセリフ好き
0投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ個人的には思ったほどささらなかった。自分が無知なこともあり、天文台を作る描写(大工さん的なこと?)が想像しづらかったり、天体に関する単語が読み進めにくく感じた。物語としてはまとまりがあって読みやすかったけど、特に新鮮味は感じなかった。
0投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ高校三年の夏に文化祭の出し物として、三年Ⅾ組の有志六人が集まって巨大なオオルリの空き缶タペストリーを作った。その時に写した写真を久志は見ていた。そこには、久志と千佳、修、彗子、和也の五人。本当はもう一人空き缶タペストリーを作ろうと言い出した張本人の恵介がいるはずだった。恵介はタペストリーが完成する前に仲間を抜けていた。恵介はその一年後、十九歳の夏に死んでしまった。 実家の薬局を継いで四十五歳となった久志のもとに修が訪れて、久志に国立天文台に入った慧子が地元で見かけたという情報から物語は動き出す。 物語は月ごとに久志と千佳、交互にそれぞれの目線で進んでゆく。 慧子が帰ってきた理由が分かると、久志と千佳、修の三人は慧子の夢に協力してゆく。 しかし、今は高校三年の夏の時とは違う。和也と恵介がいない。 和也と恵介がいない理由も明らかになってゆく、ミステリーの要素もある物語。 星食や流星電波観測といった方法を分かりやすく書かれており、望遠鏡以外にも新たな星をみつけ方法を知ることができた。 四十五歳になれば責任も増えて葛藤や不安を常に抱えて生きている。その反面、四十五年生きてきた間には苦しいことばかりでもなく、楽しい思い出も心の中にはある。 最後まで読み終わった後に初めの序章を読み返すと、慧子の言葉が心に落ちる素敵な物語でした。
5投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ人生の折り返しを過ぎて、自分の人生こんなもん、とか、いや、まだまだやれる、とか、そんな人が登場人物の誰かしらに共感できるのではないかと思う。 高校生の頃だってそれなりに自分の出来に見極めはついてるけど、それでも未来はどうにでもなるっていう希望があって そんな時代の仲間が中年になって天文台を作るって言う夢を現実のものにしようとしていて、仲間の現在、過去、皆の文化祭のオオルリ空き缶アートがうまく合わさり、ストーリーに引き込まれた。 天文についても専門的で面白かった。
3投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ高校3年生の文化祭で1万個の缶を集めてタペストリーを展示した学生達。中心となった6人が集まったのは18年後。ただ集まれたのは4人だけ。来れない2人は自殺(?)、引きこもりだが、集まった4人にもそれぞれ重い事柄が降りかかっている。 秦野という、自分も良く行く場所が舞台となっていて、あそこかなという場所が多数出てくる。 そこに私設の天文台を作るということで、色々な問題を乗り越え同級生が協力し合う。広がる同級生の輪、それが秦野市全体にも広がる。 各人の重い人生のトラブルに気は重くなるが、何とかラストの成功が見えていて、一気に読み進めができた。
78投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ登場人物が年代的に近いこともあり、後半に進むにつれて高揚感が高まっていきました。野口聡一さんの帯の『第2段ロケット』という表現がぴったりです。解説にある通り読了後に序章を改めて読むのは効果的です。
1投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログ理系小説といえば、やっぱり伊与原新作品。 高校時代、空き缶タペストリー制作に関わった男女が、40代になって、再び天文台を作るという計画に一緒に携わるお話。 過去に謎の死を遂げた同級生の話や、引きこもってしまった同級生の話など、なかなか重い話題も飛び交う。 40代となると、人生の折り返し。 なぜあの時もっとこうでなかったのか、そういう思いすら持つことも…。 けれど、こうした中年たちにも、夢や希望を与えてくれるのが、伊与原新作品のいいところなのだ。 青春は、若者だけの特権ではない。 何かに打ち込むことの素晴らしさや、自分たちで作り上げていくことの喜びを感じられれば、そこに青春は宿る…。 ラストの展開にも涙が溢れた。自分の人生を諦めない。 また退屈な日々が戻ってきても、今自分に与えられたこの場所を大切にしよう、そう思わせてくれる作品だった。
1投稿日: 2025.06.26
powered by ブクログ自分の学生の頃を思い出したりしながら 大人になってこんなに一生懸命になれること 少なくなったな、って感じながら読んでました 伊与原新さんの作品は読後感も良く、 たくさんの発見もあって、こんな世界もあるんだと視野を広げてくれる素敵な作品が多いです。
10投稿日: 2025.06.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんだか最近張り詰めた日々が続いていて、ふと読んだ物語が響いてホロリと泣いてしまった。そんな一冊。 45歳定年制、最高すぎる。自分もそれを目指してとりあえず進もうかな。
0投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログ大人の青春らしく 少し爽やかだけでは終わらない物語 物語に出てくる人物たちのモヤモヤが天文台の完成に合わせて少しずつスッキリしていく過程もよかった 最後は想像もしなかった地元のみなさんの協力が これからのオオルリ天文台の未来が明るく見えるような気がした
5投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログ人と人の繋がりって良いなぁと改めて思わせてくれる小説。 作家のやさしさが全編に流れています。 途中の設定が若干無理くり感が否めない。 それでもお勧めな一冊。
1投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログ自分も40歳になり、先日中学の同窓会があって久しぶりに会ったのにこんなに楽しく喋れるんだなーって思って。今はみんな別々の場所で暮らしてても、あの時一緒に過ごした時間は確かにあって、同級生っていいなって思った。そんな時に読んだ本だったので、もう刺さりまくりでした。伊与原さんの作品を読むのは、月まで3キロに続き2作目です。私は全然理系じゃないけど、伊与原さんの作品好きです。
3投稿日: 2025.05.08
powered by ブクログ45歳人生も半分過ぎた時に1人欠けていたとしても、仲間と再開し、天文台を一から作り上げる仕事や家庭で悩み老後も近いときに、何かをやり遂げられるのはうらやましいとかんじた。
14投稿日: 2025.05.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
45歳。第二の人生を意識する年頃。 年齢ではなくて、その人の気持ち次第で若くもなれるし、歳をとってしまうものだと思っていたけど、年齢は絶対的なものかもしれないと思った。年齢が近くなければ分かり合えない感情があるんだよ。たぶん。 まさに今の自分の心境に近かった。つい自分だけがと思いがちだけど、みんな何かしらの傷を負いながら、不安を抱えながら生きているんだよね。 幸せを感じる尺度は皆違うと思うけど、この小説のように私は皆で力を合わせて何かをすることに幸せを感じるんだと思う。 スイ子の「理屈だけで生きていけるんだったら、どうしてわたしはこんなに苦しんでるの」っていう言葉に泣かされた。
10投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ今回もとても良いお話でした。いま思うと、45歳なんてまだまだ若いから悩みが多いのですよ。そして振り返ると、それがとても素晴らしいことだったと分かります。もっとやっておけば良かったと後悔ばかりですが、それでもあの頃は1等星のように輝いていました。数十年後に今を振り返ると、もしかすると2等星くらいには輝いて見えるのかもしれませんが。
11投稿日: 2025.04.25
powered by ブクログ登場人物たちが自分とまあまあ年代が近いこともあり、気持ちがよく理解できた。 大人はいろんなしがらみの中で生きている。 でも誰かのことを思い出すとき、ほかの誰かが自分のことを思い出しているかもしれない。 自分が見て見ぬふりをしているだけで、周りの人はそっと気にかけてくれているかもしれない。 心の奥が暖かくなるような本でした。
1投稿日: 2025.04.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
直木賞受賞作はまだ回ってこないので、その前のを読むことにした。ドラマ化された「宙わたる教室」と似たテイストで、少しずつ丁寧に人間関係を描きながら目的に向かうってことですね。 ドラマの原作としてはいい作品だと思います。みんないい人たちだし。まあ、私のようなひねくれものにはちょっと物足りないかなあ。
1投稿日: 2025.04.09
powered by ブクログ著者の伊予原さんが理学系の研究者だったからでしょうか、語り口が整然としていて読みやすく感じました。 また、ストーリー展開の中で時々差し込まれる70〜80年代の日本の音楽(当時はニューミュージックなどと呼ばれていた)が絶妙な効果を醸し出していました。もちろん該当曲を再生しながら読みました。 天体観測をモチーフにしている話としては、辻村深月さんの『この夏の星を見る』を思い出します。本作にも辻村作品にも、星や宇宙のことを心底愛してやまない大人や子供たち、そして彼らを支える人々が登場します。みんなを応援するような気持ちで最後まで読みました。
6投稿日: 2025.04.04
powered by ブクログ過去を振り返ると、たくさんの後悔があって、その時に戻れるなら、やり直したいと思うことが多々あります 言わば、生きていくのは辛いことの積み重ね 辛さをうまくやり過ごして、折り合いをつけて、みんな何とか今を生きている 物語では、青春とも呼べる一瞬の輝きを共有した仲間たちが、もう一度集結して、仲間の夢を叶えるために手を貸す しかしそれは自分への救済の行為でもある 夢を実現するために、みんなが力を合わせていく工程は楽しいしワクワクする どんな夢だっていい 夢に向かう前と後では何かが変わってる そう信じて生きていけたらいいよね
17投稿日: 2025.04.02
powered by ブクログどなたかの本棚で紹介されてたので 読んでみました。 天体ものの話しは苦手だけど、 同級生たちが集い、これまでの人生を 振り返ったり、葛藤、諦め、苦み… いろんな思いを募らせながら それぞれが少しずつ前に進んでいく様が 眩しいくらいにキラキラと 描かれていて爽やかな読後感でした。 45歳の青春グラフティ。 同級生のひとりになった気持ちで 読ませてもらいました。
6投稿日: 2025.03.27
powered by ブクログ高3の文化祭で、巨大オオルリを作った仲間たちが、45歳で再集結して天文台を作る。内容は表紙の絵の通りですが、絵に描いたような完璧な青春物語。自分のため、愛する人のため。読んで少し若返りました。
27投稿日: 2025.03.22
powered by ブクログどなたかが評されていましたが、中年達の青春を描かれています。理系を題材にした小説は珍しいので直木賞受賞も納得です。内容的には「月まで3キロ」、「八月の…」の方が良かったかな〜
4投稿日: 2025.03.20
powered by ブクログ無職のまま天文台を建設するという彗子の無謀な行為には、若干、違和感を覚えたものの、物語中盤からはすんなり物語に入り込めました。 そして、最後の解説にもあるように、唯一、彗子の心のうちを描写した、序章のたった2ページのラスト3行・・・ 物語を読む最初の時と、読了した後で再度序章を読み直した時とでは、印象がまるで違ってくるのと同時に、ラスト3行の真の意味に気づき、胸に迫るものがありました。 これは、最後まで読了した者の特権ですね。 本作品は、ミステリー要素はかなり弱いですが、中盤以降の登場人物の心理描写には心打たれるものがあると思います。
4投稿日: 2025.03.13
powered by ブクログ何歳になっても青春を送れるのかも? そう思えるような小説でした。 みんなの気持ちの変容が見られて、大人でも子どもでも悩みはあり、なにかに向かって進んでる気がした。 どんな45歳になってるかな。
1投稿日: 2025.03.13
powered by ブクログ物語に入り込むのに少し時間がかかりましたが、読み進めると一気に加速。 高校時代の仲間たちと、大人になった彼らが偶然が重なり合って集い、協力しあって作り上げる。大人になったからこそ語り合えなかった当時のことも話せて、長い時間の中で、大きく環境が変わって、人生思わぬ方向に進んでしまった人も、迷っている人も、変わらなきゃ、ともがいている人も前を向かなきゃ、前を向けるかも…と動き出すきっかけとなるひと夏のできごと。 たまたま、昨年、同じような時間を過ごしたので、妙に感動してしまいました。
1投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログ大人の青春が鮮麗に、時にはアツく表現されてた1冊でした!続きが気になりすぎてスラスラ読めました! わたし自身も45歳になった時にもう1回読み直したらまた違う視点で見れそうだなと思いました(ノ´ヮ`)ノ
1投稿日: 2025.02.27
powered by ブクログ懐かしい仲間と小さな一歩で少しずつ皆んなが前向きになっていく ちょっと羨ましいなぁと思いながら読んでいた
0投稿日: 2025.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
よく知っている舞台だったのもあり、 とても読みやすかったです。 中盤くらいからどんどん引き込まれました! 登場人物がみんな素敵で 特に 和也の言葉に胸がギュッと苦しくなりました。
7投稿日: 2025.02.03
powered by ブクログ文体が自然体で読みやすい文章だったが、都合が良すぎる展開に辟易した。また、45歳で仕事や家庭があるにも関わらず、高校時代のことを未だに引きずっている人物たちが全く合わなかった。
2投稿日: 2025.01.13
powered by ブクログこの作者さん、結構好きなのだが、今回は私にはちょっと合わなかった。 45歳になる薬局の店主・久志が、チェーン店の出現で店の売上が減ってきたにもかかわらず何も手が打てず、幸せホルモンがどうたらという話から始まるが、のっけからこんなかったるい話、読みたくないなと躓いた。 物語は、高校3年の夏に文化祭に出す巨大タペストリーづくりに励んだ仲間で東京に出て行った彗子が戻ってきたところから、彼女が計画する天文台づくりをあの時のメンバーで手伝う話に進む。 彗子が戻ってきた謎(と言うほどのことでもなかったが)や言い出しっぺの恵介が突然タペストリー作りから抜けた訳(真相を聞いても何か納得しにくかった)や和也が引きこもりになってやっていることの謎(ほとんど出てこない彼が最後にいいところを持って行ってしまった)などを塗して進む話は、なんかよくあるTVドラマみたい。 かつての仲間たちと日焼けするまでして天文台づくりに取り組む姿は微笑ましくはあるが、とは言え、45歳にもなって家業や司法試験や教員の仕事をほったらかして何してるのかいなという思いのほうが勝ってしまい、悪い話ではないのだが、ファンタジーにしか感じられなかった。 最後の、流星をラジオで聴く、ってのは良かったけどね。コーン。
65投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログドラマ「宙わたる教室」が面白かったので読んでみた。ドラマ同様ストーリーは淡々と進み、盛り上がるわけでもなく、どんでん返しがあるわけでも無し。天体に興味もなかったので期待せずに読み始めたが、人物描写が秀逸で、たいした展開もないけどワクワクさせられる筆者の力量はさすがです。
0投稿日: 2025.01.08
powered by ブクログまさに大人の青春。 なんとなく日々を生きている大人たちがまるで学生に戻ったみたいに「やろう!」って力合わせて進めていくのが、なんだか輝いてて素敵だった。 私もなにか目の前のことから始めてみようかなって思わせてくれました。 星が好きな人にもおすすめです。
1投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ高校3年生の夏に空き缶タペストリーを作り上げた6人。特別な夏を過ごした彼らは45歳を迎え、家庭を持ったり職についたりそれぞれ抱えるものがあり、様々な葛藤を胸に生きていた。 そんななか、手作りの天文台の建築に臨むこととなる。6人すべてが集まることはできないが…。 高校時代の濃縮されたきらめく思い出と、中年を迎え思い悩み立ち止まる日常。その対照的な日々に大人になる、年齢を経ていくということを感じさせる。 諦観の境地に至る中、天文台を建てるという目標ができ、高校時代の輝く青春から、葛藤や不安も含んだ大人の青春へ時が進んでいく。過去に残された謎が今になり明かされていく。 20代の私は、高校時代の友人と過ごした青春を想い、45歳になっても再び青春の日々を始められると知り、そして今の私にも特別な日々が待っているとわくわくする。人の温かく弱い部分を包み込むような物語だった。
0投稿日: 2025.01.02
powered by ブクログ以前、「月まで3キロ」を読んでいましたが、 幅広い作品を刊行されているのに驚き。 書店で見つけた本作の帯に、 ------------------------- #40代編集部員が選ぶ、 誰かと語りたい本 No.1 ------------------------- とあって、思わず手に取りました(もうすぐ40代) 同じ高校時代を過ごした仲間が40を過ぎて集まる。 本作は久志と千佳という二人の目線で物語が進みます。 高校時代にオオルリのタペストリーを空き缶で作成した。 その思い出は今も大切な記憶。 同じ場所にいたはずなのに 年月を経て、それぞれ違う場所に。 当時の記憶と、今に対する不満や不安、葛藤が描かれ、 そこに彗子という同級生が帰郷しているという知らせが。 彼女もタペストリー作りに関わっていたけれど、 明らかに他とは違う能力を携えていて、 天文学者の道を進んでいたはず。 その彼女が。 なぜ。 嫉妬や羨望、不安や戸惑いを抱えた40代。 優秀だったはずの彼女だって、普通に人間で。 みんな迷いながら戦ってるんだなあと。 物語終盤は通勤中に読んでましたが、 不覚にもうるうるしてしまいました。苦笑
12投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログミドルエイジクライシス、中年の危機。人生折り返して残りの寿命と幸せについて考える。 幸せホルモン出てない、変わらない毎日など共感ポイントが多過ぎて逆に気分も落ち込んでくる。 久志のスイ子が何かに熱中して取り組んでいる姿に羨ましく妬む気持ちになるのがわかってしまう。充実してないんだな。 それでもまた集まれる仲間がいる。約30年経っても思い出が共有できているのは恵まれている。自分も高校時代の部活仲間を思い出さずにはいられなかった。そんなん簡単にはあつまれんよなあーと僻む気持ちもなくはないけどね。 ラスト2ページで涙が出た。もういなくなったり、出てこれなくなった面々がいても確かに6人集まったんだ。 これからもしょうもない1年を繰り返しても、残りの時間のなかで脳内物質のメーターを振り切れる一日でもあればやっていけるんだと、背を押してもらった。自分にとってはなんなんだろう。
22投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログ40代の青春ストーリー ミドルエイジクライシスと呼ばれる仕事や育児がひと段落した40代の主人公達。 高校3年の夏、文化祭の展示作品を作った6人。 あの青春の日々を思い出しながら停滞していた日々が動き出す物語だった。 ミステリー要素は少なめのかなり現実的な内容。 小説が苦手な方にもお勧めできる作品でした。
0投稿日: 2024.12.17
powered by ブクログ#読書記録 #オオルリ流星群 #伊与原新 この年齢になると、流砂に足元が沈んでいくような気分になる時がある。久志の心境に共感している。皆が新たなスタートラインに立つまでの様子を、涙を煽るような物語でなく、淡々と描く。「清潔感」のある感動作だ。 #読書好きな人と繋がりたい #読了
7投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
楽しめた。 あんな高三の夏、こんな45歳の夏があったなら、と思う。(でも、「たぶんそんな時は来ないだろうな」と思った中学のあの日を思い出してしまった) 確かに「手の届くことから始めないと、やる気は出てこない。手と足を動かしてみないと、いい考えも浮かんでこない(p.316)」と思う。たっぷり汗を流さなくては! ただ、恵介と彗子の18才の時の結果は、自分にとっていらなかった。そんなわかりやすい結果で恵介を語ってしまってよかったのか?、と思う。
0投稿日: 2024.12.07
powered by ブクログ「青春はいつだって何度だって始められる」 そういうメッセージを感じたけど、はたして本当にそうなのだろうか。主人公の久志も千佳も、高校の時とは違って、家族がいて、責任も増え、時間も限られ、状況が全く違う。受験勉強を放棄して好きなことを仲間とやり続けた高校生の時のようになりふり構わず一生懸命...なんてできるほど純粋じゃない。家族のこと、仕事のこと、現実的な問題からは逃げられない。 それでも、仲間と一緒に何かを追い求めるのは素晴らしいことなのだ。久志も千佳もあからさまに活力を得ていた。 あの頃と同じ青春ではなくても、いまそのときにできる青春をしてみればいい。それがきっと人生の活力になる。私はそう受け取った。
4投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ミドルエイジ症候群ということでこの層にはこんな想いが生まれてくるんだな、というのはわかったが、芯に迫る感動は覚えられなかった。 設定も展開も今の自分ではあまりこの作品に寄り添って読むことができなかったかなという感じ。
0投稿日: 2024.11.07
powered by ブクログ幸せの総量には上限があるから始まりの幸せホルモンの数値化、数値化した言葉が文章になるって、凄いことだと激しく思う。今までいなかったんじゃないかこんな凄い作家さん、しかも本業ではなくて、だから。読みやすいし広瀬の奥さん、久志の家族、千佳の旦那と両親が嫌な雰囲気だなと思いきやなんてことないから。高校生の仲間ってやっぱ特別なんだね、それが息づいてて繋がっている 正直羨ましい。ラストでの4人以外の集まり方も素敵だな ってすいこの登場から全てが始まったんだなあ。オオルリ天文台も想像するだけでワクワクする物語。あともっと伊与原新さん読まないとダメってこと
22投稿日: 2024.11.05
powered by ブクログ登場人物それぞれに共感できるポイントがあって、自分の学生時代を思い出したり、これからの生き方について考えたりしながら読んだ。 終盤にかけて、天文台の出来上がりがどうなるのかはもちろん、5人と1人の関係や5人と周りの人たちとの関係、1人1人がどう変わっていくのか、どんどん惹き込まれていった。 45歳、人生の折り返し…。そうか。 家族も仲間もだけど、自分も大切に生きなくてはと思う。
3投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログ高校時代の文化祭で巨大タペストリーつくりあげたメンバーが45歳になって、天文台をつくりあげる話。自分が45歳になった頃には、子どもは高校生中学生あたり。やりたいこともなく、残りの人生について悩みそうな気がする。登場人物それぞれが彗子のためでもあり、自分のためでもあったのが良かった。19歳で亡くなった恵介や引きこもりになった和也も、天文台に向かっていた4人もみんな悩んでてしんどくて。生きるってしんどいよなー。大人の青春っていう言葉の通り、生きてて良かったと思える出来事がこの先の人生でありますように。
1投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログ☆3.7 読みやすかった。 学生時代の夏のように、大人になってからまたみんな集まって、最高の夏の思い出づくりをしてたのが素敵だなぁと思った。
1投稿日: 2024.10.25
powered by ブクログ天文学者の彗子の天文台を建てるという計画に協力しようと高3の夏に巨大タペストリーを作った同級生たちが集う。 45歳という人生の折り返し地点を過ぎた彼らの葛藤が痛いほど伝わる。 それぞれが抱えていた悩みを乗り越え一歩を踏み出す姿に心打たれる。
11投稿日: 2024.10.08
powered by ブクログかつて国立天文台に勤めていた高校時代の同級生・山際彗子との再会から、彼女の天文台作りを手伝うことになった種村久志・勢田修・伊東千佳の3人。 引きこもりになってしまった梅野和也、すでに他界している槇恵介を含めた6人は、高校時代に同じ目的のために夏休みを共に過ごした仲。 そんな青春時代からの縁で行動を起こす彗子・久志・修・千佳の4人だが、なんと年齢は45歳! 作中で使われている言葉を引用するなら、「青春」ならぬ「青秋」小説といったところだろうか。 本作は久志らの同級生である彗子がなぜ東京から地元に戻ってきたのか、そして槇恵介がなぜ亡くなってしまったのかという謎を残しつつ進行していく。 旧友の天文台制作を手伝うことになった久志たちだが、家庭を持つが故に自由に行動できない場面が多々ある。これは青春小説ではあまり見られない障害と呼ぶべきものだろう。守るもののために、何かを犠牲にしなければならない大人の歯痒さがひしひしと伝わってきた。 また、学生時代の思い出と現在の変わり映えのない日常を比較する登場人物を見ていると、自分と重ね合わせてしまい、ついため息が漏れてしまう。 人間という生き物の人生中盤を描く本作は、20代の私にもいずれ訪れるその鬱屈とした日々を指し示しているのかもしれない。 中盤から徐々にアクセルがかかり始め、終盤に差し掛かる辺りで作中における2つの謎が解き明かされると、登場人物の心境は次第に揺れ動いていき、順風満帆だった天文台作りも雲行きが怪しくなっていく。 明かされた衝撃の事実を噛み締めながらも、色を失った夏を乗り越えるため、かつての恩人に恩を返すため、自らの道しるべをもう一度見つけるため、4人はそれぞれの目的のために天文台制作に打ち込んでいく。 過去に自身らが体験した最高の夏を、それを超える夏で上書きするべく天文台作りに勤しむ45歳たちは、20代の私から見ても若々しく、輝いて見えた。何歳になり一度輝きを失っても、輝き直すことができると教えてくれた小説だった。 読了後に表紙を眺めて見ると、読み終えたからこそ心が熱くなる仕掛けがある。そして左下には巣箱でひっそりと羽を休めるオオルリが。 読後の余韻に追随するように不思議な懐かしさと切なさに駆られ、喉がグッと締めつけられた。 私が45歳になったとき、変わり映えのない日常の中で、この小説のことを思い出すことができたらいいなと思う。
23投稿日: 2024.10.04
powered by ブクログ終盤の終盤に、怒涛の勢いで感情が押し寄せてくる。 笑顔や、冷静な態度の裏にある本心は、近しい人ほど気づきにくく、少し距離があるからこそ聞ける本音もあるのかもしれない。 胸を張れる大人の夏休み工作。 こんなはずしゃなかったのに、と、 いや頑張ろうの繰り返しで毎日が続いてる。
2投稿日: 2024.09.22
powered by ブクログ途中、読むのをやめようかなーと思ったけど、最後まで読んでよかったかな。 学生時代の友だちって何年経ってもあの頃に戻れるから不思議。 だけど、今の生活もあるし、なかなかうまく付き合い続けるのも難しいところもある。 なんでこうなっていくんだろうな。
1投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログ初めての、伊与原新さん。★は3.5です。 ちょうどタイムリーに『ミドルエイジ・クライシス』特集をしていた番組があり、 子育てや仕事、介護などに遭遇する40代の人達が「これからどうするか」という不安を抱くそうです。 今回の物語、神奈川県秦野市の高校時代の同級生が、 天文台を作りに戻ってくることを知った、当時高校最後の文化祭で 『オオルリのタペストリー』を作ったメンバーが集まり天文台を作っていき、 40代の人生折り返しになった彼らに新たな一歩を踏み出すきっかけになっている。 彗子の天文学に対してより深く研究したいという思いが強いが その強すぎる考えが、周りの人達を傷つけてしまっている切なさ。 仕事が理由で引きこもってしまった和也とのやりとりが、 高校卒業して20年以上経って紆余曲折あっても 繋がっていると実感させられた展開で心が温かく...。 持つべきものは『友達』なんだなと。 こういったストーリーになる展開がリアルにあるのかっていうと なかなかないのだけど...。 読んでいくうちに高校時代の部活や文化祭・生徒会でやってきたことを思い出し、 そういう機会があるのであれば、またみんなに出会いたいな...。
7投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログ文中にもあった通り中年たちの「夏休みの工作」。楽しそうで良かった。 後味すっきりで気持ちよく読めた。
0投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログ40〜50代のミドル期には特にグッとくる一冊。 かつて文化祭で協働した仲間が人生の折り返し地点で再会。それぞれ悲喜交々あった人生の中間地点で、天文台を建てるという目標のもとで団結する。流星群やオオルリを探す過程で人生の大切なことも探している。そんな気持ちになる大人の青春小説でした。
10投稿日: 2024.08.31
powered by ブクログこの人の本は絶対読みたい。 とても心温まる。 青春時代を共にした友だちってたとえ疎遠になっていても鮮明に思い出されるし、かけがえのないもの。 いつの時代も没頭できるもの、仲間に出逢って、 また離れてもやってしたりして、 また出逢って... ぐるぐるぐるぐる... でも星食だと思えばまた光が見えるのかも。
3投稿日: 2024.07.21
powered by ブクログ月まで三キロが良かったので、こちらも読んでみた。理系の作家さんなので、それなりに期待はしていたのですが、今回は理系の話しより、第二の青春小説、人生に焦点を当てたようで、ちょっと思ってたのとは違った。もっと天文学の話しとか宇宙の話を絡めてくるかなと思ったのですが。でもスライマックスでは、さすがにウルウルきました。星と鳥が巡り合わせる数奇な物語。
7投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログここまで皆で久しぶりに会った同級生を手助けするってこと実際あるのかな?笑と思ってしまいました。地元ならではかな。 そして家族も文句とか出そうだな…と笑
4投稿日: 2024.06.26
powered by ブクログ期待してたんだけどなー。 まだそんなにこの作者さんの本は読んでないけどハズレがなかったので面白いに違いないと思ってたんだけど。 大人の青春ではあったけど、うーん、スイ子がイマイチ好きになれなかったせいかなぁ。
7投稿日: 2024.06.22
powered by ブクログ大人の青春ストーリー。 ストーリー自体はよくあるような感じがしましたが、文章編成など、とても読みやすい本でした。 何をしたいのか分からず、周りの目を気にしながら流れに任せて過ごした感覚がある自分の青春時代を思い出しました。 読み終わった今、気持ちが昂る経験をしたいと思うのは今からでも遅くないんだという気持ちで少し前向きになっている自分がいます。
5投稿日: 2024.06.19
