
総合評価
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powered by ブクログ久々に読んだ宗像教授。タイトルにある通り『源氏物語』に関連したお話を集積した巻となっています。『源氏物語』と『竹取物語』『浦島太郎』の関連性について独自の論陣を張りつつ、宗像教授自身の人生と恋愛がオーバーラップするという構成は面白くもあり、男の理想みたいな臭さもあり、なんだかとっても味わい深いです。この味わい深さは星野之宣独特の「省略の仕方」とか「場面転換の仕方」とかから来るもので、なんつうか登場人物との間に起こる情緒は希薄、というかはっきり言って下手です。登場する女性キャラは設定ありきで似たような顔の人、似たような性格の人ばかりですし、基本みんな宗像教授に好意を抱いてます。ある意味でこの巻で語られている「桐壺更衣、藤壺、若紫が三人で一人の女性を象徴している」という説と似たようなもんとも言えるかもしれません。いま思いついた単なるこじつけですが。まあ宗像教授シリーズはその「奇想」を楽しむのがメインの漫画なので、こんなもんで良いと私は思ってます。そして何より『源氏物語』を読んだ後だとかなり面白い奇想だなーと感じました。そんなわけあるかーい、と切り捨てるのは簡単ですが、説としての面白さを強調する話の持っていき方が上手いので読んでられます。やっぱこういう考古学系の漫画って楽しいなあ。宗像教授のダンディーな見た目は好きなのでまた絵を描きたくなりましたし。 あと、本編とはあまり関係のないシーンですが、夏祭りの場面で浴衣着たり半袖の人がたくさんいる中、一人だけ黒いスーツに黒いマントを羽織ってる宗像教授の姿がかなり浮いてて笑いました。宗像教授って夏でもずっとあの恰好なんですかね。だとしたらすごいな。 ちなみに、諸星大二郎と星野之宣は合作したこともあり、実際仲良しだそうです。なんだかほっこりしますよね。
7投稿日: 2024.05.04
