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びんの悪魔
びんの悪魔
R・L・スティーヴンソン、よしだみどり、磯良一/福音館書店
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総合評価

18件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何でも願いを叶えてくれるけれど、 奇妙な決まりのあるびん…。 貧しいが勇気と行動力をもつ男、ケアウエ。 彼はある日サンフランシスコの港町を散歩しているととある老人に出会う。老人は立派な家に住んでいるのに大きなため息をついていた。その理由を問うと、何とか小さなびんを所有していることが原因だという。 実はそのびん、奇妙で厄介なルールがあり、色々な人の手を渡ってきたものだった。 そのルールとは… ーこのびんは必ず、買った値段より安い値段でしか売ることができない。買ったときと同じ値段で売ったら、もとの持ち主のところへ戻ってくる。 そしてびんを売る前に持ち主が死んでしまうと、その人は永遠に地獄の炎で焼かれるというとてつもなく恐ろしいもの。ー ケアウエは若干騙されたかたちで老人からびんを譲り受ける。そのびんで立派な家を建て、すぐにびんを友人に売る。そしてその後運良く美しい妻も手に入れて、順風満帆に見えたケアウエの人生に翳りが見え始める… 果たしてケアウエの運命はー? 感動したシーンは、夫妻のお互いを想って密かに行動し合うシーン。 ケアウエはびんを売り妻を得て幸せの最中、伝染病を患い、びんを再び買うために在処を探し続ける。そしてたどり着いたびんは、既に価格が下落し1セントでしか買うことができなくなっていた…つまりもう他人に売ることはできない…それでも愛のためにびんを買う。この後夫妻が背負ってしまった災難をお互い責め立てることもなく、受け入れ、解決策を探し続ける姿勢に胸が熱くなった。 他人を思いやる優しさを子どもに教えるときに、 おすすめしたい1冊

    3
    投稿日: 2025.11.02
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    ボードゲーム『ボトルインプ』の元ネタということで一応読んでおかなくちゃなくらいの気持ちで読んだ。買った時より安く売らないと地獄に落ちるっていうことしか知らなかったけどまさかのラブストーリーだった。瓶の力で富を得て、その後最愛の人と結ばれるが、不治の病で死ぬか、もう一度瓶を探し求めるか。今がどんなに幸せでも将来に不安があれば心のどこかでずっとそのことを考えてしまう。 書き出しの”実は、この男は今もハワイ島に住んでいるので、本当の名前を明かすことができない”ってのが素敵すぎる。挿絵もよくてこのままボードゲームにしてもいいような絵ばかり。

    0
    投稿日: 2023.02.06
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    ハワイが舞台だと聞いて読んでみました。 百ページで小学生でも読みやすい童話。 スティーブンソンの書いたものにはずれはありませんね。日本語に訳されて良かった。良い物語でした。

    0
    投稿日: 2021.06.06
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    ハワイ島に住んでいる男、話の中ではケアウエと呼ばれる水夫の世にも不思議で力強い物語。 彼はサンフランシスコで、美しいお屋敷に住む男から一ぴきの小鬼が入っている瓶を買った。その瓶は、寿命を延ばす以外は持ち主の願い事をなんでも叶えてくれるという。ただ一つの欠点は、瓶を売る前に持ち主が死ぬと永遠に地獄の炎で焼かれるということである。しかも、自分が買った時より安くしなければ売ることが出来ない。 瓶のおかげで、ケアウエは、ハワイに庭付きの立派な家を持ち、その後、瓶を水夫仲間のロパカに売って、幸せに暮らしていた。ある日、ケアウエは友人宅からの帰り、浜辺で美しい娘コクアと出会い、二人は恋に落ち、結婚する約束に。はしゃぐケアウエだったが、お風呂に入って自分の体に、伝染病ーそれも不治の病ーの印を見つけしまう。ケアウエは愛するコクアと結婚するために、小鬼が入った瓶を探しに出かけて・・・ この後は、とても面白い展開になっていく。 短編なのに、読み応えがあった。 後半は、ケアウエとコクアの愛ゆえの行動の力強さと、一方で不安に押し潰されジリジリしていく人の弱さが描かれる。 新型コロナウイルスの報道が連日続くこの頃、私はケアウエとコクアの不安と孤独をヒリヒリと感じた。

    0
    投稿日: 2020.03.05
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    books A to Z http://www.fmyokohama.co.jp/onair/program/steps/books/index.html の紹介から読んでみました。 久しぶりの短編だったけど、面白くて朝の通勤電車でイッキ読み^^ びんにまつわるスリリングなおとぎ話と夫婦の愛情がステキなお話。 最後は、、、どうなるでしょう?! とても楽しかったです。

    0
    投稿日: 2019.05.04
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    どんな願いでも叶うびん。びんの中には悪魔。 ①誰かの不幸と引き換えになっている場合もある。 ②買った値段よりも高く売らなければならない。 ③そのびんを持ったまま死ぬと、永遠に地獄の炎で焼かれる。 そのびんの最後の持ち主に自分がなれば、愛する人が救われる、それしか助ける方法はみつからない――だとしたら、どうするだろう。 自分の子どもの変わりになら、なれるかと思う。 でもそのほかのだれかのためには、とてもできないな。 やってしまったら、恨んで、自分が悪魔になってしまいそう。

    0
    投稿日: 2019.02.26
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    はらはらしながら読み進められて楽しかった。所要時間1時間半ほど。 読んだ直後は「あーよかった」だけだったが、最後の訳者あとがきでこの物語の奥の深さに気づくことができた。 宝くじを当てて人生が狂う人と同じように、主人公もおかしくなるかと思ったが人への愛情のためにそうはならなかった。これは自己犠牲、隣人愛の精神によって地獄行きから免れることができるということなのだろうか。 話の途中、咳をしている老人との売買契約の際に、老人の願い事によって小鬼の呪いが消えたのではないかとも考えたがどうだったのだろう。またびんを手にして願い事をかなえ、びんをうまく手放した人たちはその後どうなったのだろう。幸せになったのだろうか。誰かとディスカッションしたくなる本だった。

    0
    投稿日: 2018.06.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何か教訓がありげな謎めいた雰囲気の本でつい手に取ってしまった。物語の鍵となる瓶は何を象徴してるんだろう?と考えさせられる。最後の展開は、教訓というよりも願望なのかなあと思った。

    1
    投稿日: 2018.06.11
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    ハワイに住むある男が、船乗りになって生活していたが、ある時、こんな素敵な家に住めたらなぁ。と思うような立派な家の窓に、沈みきった顔の主人を見る。それが、運命の始まりだった。 家の主人は、小さなびんがどんな願いも叶えてくれ、この家もこの豊かな暮らしも手に入れることが出来たのだという。しかし、びんの中には悪魔が入っていて、このびんの持ち主のまま死ねば、天国へは行けず、地獄で火あぶりにされてしまうという。このびんを手放すには、買った値段よりも安く売らなくてはならない。勿論、どんどん値は安くなり、次に売れないほど少額になってしまう。どこかへ置いてこようとしてもすぐに戻って来てしまい、叩き割ろうとしても、絶対に割れることはないのだ。豪華な家で豊かに暮らす夢を見ていた男は、このびんに入った悪魔に翻弄されながらも、本当の幸せは何かを考える。ハラハラしながら読める。小学校高学年から。

    1
    投稿日: 2016.03.26
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    R.L.スティーブンソンのびんの悪魔を読みました。 びんの中にすむ悪魔を題材にしたファンタジーの童話でした。 ハワイに住む青年ケアウエはひょんなことから悪魔の入ったびんを譲り受けます。 このびんを持っている人間はびんの悪魔の力を借りて何でも望みが叶います。 しかし、このびんを持ったまま死んでしまうと、地獄で永遠の業火に焼かれてしまうのです。 しかも、買ったときより1セントでも安い価格で別の人に譲らないと、そのびんはいつの間にか戻ってきてしまうのでした。 この本を題材にした、 The Bottle Imp というカードゲーム(変則トリックテイキング)を気に入っているので、買って読んでみました。 ゲームは原作に忠実に作られていて、カードには物語のイラストなども描かれていたので、再度確認してニヤリとしてしまいました。

    0
    投稿日: 2013.12.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    19世紀末、船の時代に南太平洋の島々を舞台に書かれた話。ハワイはまだ独立国家でした。そのハワイにケアウエ(仮名)という男がいた。彼は船乗りで、サンフランシスコに立ち寄った際に美しい瓶を50ドルで買った。その瓶には悪魔が入って降り、持ち主の言うことは何でも叶えてくれるという。ただし、欠点がある。瓶の持ち主は瓶を売る前に死ぬと永遠に地獄の炎で焼かれるという。そして、瓶は自分が買うより安く売らねばならない。売り買いは硬貨でしなくてはならない。売るときには瓶のルールを説明しなくてはならない。 びんの悪魔をめぐる物語。なんでも願いが叶うからといって、幸せになれるものなのか。 「宝島」でおなじみのスティーブンソン作。昔に描かれたからこそ、という気もします。

    0
    投稿日: 2012.03.29
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    評論文の教材の中で紹介されていて気になったので図書館で借りて読みました。 ケアウェやコクアの様な事はきっと中々できない事だからすごいと思いました。

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    投稿日: 2011.09.06
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    ハワイの水夫ケアウエはカリフォルニアの立派な豪邸に住む男から50セントであるびんを譲り受ける。そのびんの悪魔は願い事をかなえてくれるが、その代償に・・・というお話です。 最後のオチがいいですし、こういうゆったりしたお話を読むのはたまにはよいと思います。 小学校中学年向け。

    0
    投稿日: 2011.07.28
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    ちょっぴり怖くて、だけど最後は・・・、 最新のおとぎ話のような感じだった。 おもしろかった!

    0
    投稿日: 2011.07.10
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    図書館でふと目にとまり、表紙の絵と題名になぜか惹かれて借りた。ちょっと怖いような不思議な話が始まり、途中で止めれず一気に読んだ。久々に面白い本に出会えた気がした。作者の方を調べると宝島を書かれた方だと分かり、まだ読んだことがないので、そちらも読みたくなった。ストーリーと挿し絵がすごく合っている作品でした。

    1
    投稿日: 2011.05.26
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    磯良一さんの不思議な絵が内容にマッチして、独特な雰囲気が醸し出される興味深い本。 よくある、望みを叶えるというビンの中の悪魔の話で、意表をつく少し不可解なラストではあるが、読み進むにしたがって切迫感がつのる怖さがなんともいえない。 主人公ケアウエの夢にまで見た外観も中も美しい〈輝く家〉には思わずあこがれてしまったが、作者(「宝島」などを書いたスティーブンソン)は、実際に南太平洋のサモアでそんな居心地の良い家に住んでいたそうだ。

    0
    投稿日: 2011.04.07
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    広告であらすじを読んだときは最後どうなるんだろうと期待に胸を膨らませていたんですが、あまりひねりのないオチにがっかり。 悪魔とじかに取引をしていないせいか、生死をかけた緊迫感がないのも拍子抜け。

    0
    投稿日: 2010.09.14
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    中編でも、読み応えあり! かきわけるように、物語のなかに進む・・・ ときどきは、こわくなって、同じ場所で何度も足踏みしながら、 進むのをやめられない。 登場人物の行動におどろきながら、 自分のこころと照らし合わせる。 物語って、こうでなくちゃ。

    0
    投稿日: 2010.06.23