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こまどりたちが歌うなら
こまどりたちが歌うなら
寺地はるな/集英社
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総合評価

200件)
3.7
32
84
64
8
0
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    和菓子屋さんの甘くかわいいイメージとはちょっと違い苦味が走る。親子経営、サービス残業、パワハラ、モラハラ諸々など正直、親戚でもこんな会社で働くのは嫌だししんどいと思う。見て見ぬ振りも辛いものだと思うし標的にされたらなお辛い。意外と亀田さんは好きだけど、扱いづらい人ばっかりなところに善哉がいい人過ぎて感動すら覚える。茉子の母の言葉にハッとさせられるものが多く、確かに本を千冊読んだからといって感性や想像力や論理観や知識が蓄えられるわけではなく何の自慢にもならないな…と思えた。茉子が前例になったのが感慨深く、和菓子が美味しそうで食べたくなった。

    19
    投稿日: 2025.11.13
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    仕事への向き合い方や、昔との価値観の違いを考えさせられたが、やっぱり寺地さんの小説は安心して読めて、優しい感じがあるので好きだ

    0
    投稿日: 2025.11.05
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    古い大勢のブラック企業の体制に立ち向かう勇ましい女子と言うありきたりな物語と思いきや、意外な内容と一見勇ましく正しくみえる主人公の迷いに、すごく共感覚えた。 「大丈夫って聞く時は、相手の返事はあんまり信用したらあかんし、大丈夫って答える時はほんまに大丈夫な時だけにせなあかんらしいです」

    5
    投稿日: 2025.11.04
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    親戚の経営する和菓子店に就職した主人公が、古い体質の会社で格闘する。 昭和生まれなので、色々、『一昔前ってこうだったよね』って共感しながら読んだ。令和になってだいぶ緩和されてきたんだろうけど、まだまだこういう考え方が生きている職場も少なくないのだろうとも思う。 正直、ほんきのブラック企業だったら、この程度では変わらないのだろうとは思うけれども、一人一人が自分のやり方で前に進もうとしている姿には素直に感動する。おもしろかった。

    14
    投稿日: 2025.10.19
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    とても面白かった。前向きな気持ちになれた。 色々、みんな自分の立場や考え方もあるけど、歩みよれたり、見方を変えると違う景色がみえる事ってあるかもね。

    17
    投稿日: 2025.10.14
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    仕事がメインの寺地はるなさん作品読んだの、初めて。寺地さんの目線で書くと、こうなるよね。 やさしい文章だし、お話もやさしいんだけど、かなり重ためのテーマもガッツリ差し込んでくる。寺地さんのそういうところが、現実っぽい。 主人公が自分かと思ったという人、意外といて安心した。 「傷ついたり迷ったりするのは弱い人間だけだとでも思っているのか」って、別の寺地作品のセリフを思い出すシーンが度々あった。 自分の意見をはっきり言うの、少なくとも私は「自分の意見を聞いてくれる環境があったから」ではない。「その言葉に従っていたら自分が壊される」という確信があって、そんなことされない権利が自分にあると信じるために自分の意見を言ってきた。流されることのほうが怖かった。聞いてもらったから言えるんじゃない。言わないと死ぬから言うしかない。言わなくても死なない、「流されていれば大丈夫」と思えた人たちのことが逆に羨ましいよ、私は。

    0
    投稿日: 2025.10.13
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    2025.10.9 読了 親戚が経営している会社に行くことになった 茉子。 その会社は 古い考え方が横行している会社で、 それは おかしい、とすら 皆も思っていない。 社長が代替わりし、若い社長(親戚)になったので 変えていこうとするも。。。 あー分かる、みたいなこともあったり 時々 グッときたり 読みやすかった。

    0
    投稿日: 2025.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公が転職した先の小さな会社は、問題だらけ。読んでいて思わずイライラし、モヤモヤ。サービス残業やパワハラなど、今どき信じられないような職場環境に驚いた。 でも、和菓子のシーンはどれも美味しそうで、そこだけは癒やされた。

    1
    投稿日: 2025.10.08
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    寺地はるなさん3冊目。 キャラクターの描かれ方はドライなのに、それぞれがとても愛おしく感じられる。 それぞれの得意なこと苦手なこと、できることできないことに、筆者の「良い」「悪い」の判断基準がいっさいにじまず、一貫してただそこに存在している人として描写されているからかな。 主人公の茉子は「言いたいことを言える」人。ただ、それはある種の「傲慢さ」「残酷さ」と裏表になっている。私自身が茉子と同じタイプの人間なので、耳が痛い部分、ハッと気付かされる部分がたくさんあった。茉子自身も少しずつそのことに気づいて思い悩むが、結局うまく言語化できなかったりしてその悩みが根本的に解決するわけではない。ただ、最終的には茉子のその性質が最後にはみんなが変わるひとつのきっかけになったりする。 「川のほとりに立つ者は」でもそうだったが、持たざる者を主人公にして「物語」を描こうとしないところもいい。現実では、他人にまつわる劇的な「物語」はなく、ただそれぞれが必死に立って生きているという事実しかない。他人に物語を期待すること自体が、傲慢さの現れなのだと、茉子と一緒に私も気がつく。 強くなくてもいい、人は簡単には変わらない。だけどそのままでも一歩を踏み出すことができる。 突き放しているようで、こんなに温かいメッセージはないと思う。 とても大切な一冊になった。

    9
    投稿日: 2025.10.04
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    親戚が経営する和菓子屋さんに再就職した主人公。会社にはその規模に関わらず、いろんな人がいて当然いろんな人間模様がある。取り扱う商品が和菓子なんて夢を感じなくもないが、登場人物がそれぞれよく描かれている。そう、どこで働いても大変なのだ、身内が経営者だったとしても。いや、だからこそなのか。

    0
    投稿日: 2025.09.30
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    前職場で 上司からパワハラをうける後輩のことを“見て見ぬふりをした”という負い目をもつ茉子は親戚の伸吾が社長を務める小さな製菓会社『吉成製菓』に転職する。 もう二度と同じ失敗はしない、という決意だったのだが この会社ではそれは難しいという結論が出た。 人それぞれ 育ってきた環境も 性格も能力も 背負っているものも 当然ちがう。 そんなものが集まってできている会社という組織に問題がまったくおきないわけがない。 「職場ではできる人が、力のある人が、ルールになる」などということを社長自ら言っているような会社は話にならない。 この先 バイトの千葉のような女性がどんどん出世していけるような『吉成製菓』であるといい。 職場の理不尽さというものは なかなか無くならない。飼い慣らされて 理不尽を理不尽とも思わなくなってしまうことが一番コワイのかもしれない。

    14
    投稿日: 2025.09.30
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    和菓子が出てくるのでほっこりするところもあったが、けっこう考えさせられる重い内容だった。 「大丈夫?」って声かけ、わりと日常で使ってしまっていて、違う言葉を使った方がいいのかなぁと思ってしまった。どんな言葉がいいんだろう…難しい 茉子の母が、なんかいいなと思った。

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    タイトルがかわいいので読んでみた。 読んだら季節ごとに相応しい和菓子を食べたくなった。 実は比較的強い人目線からのお話だなと思った 困ってる人に気をかけて、ズバズバものを言える茉子の気持ちもわかるし、伸吾や満智花みたいに自分だけ我慢してやり過ごしたり、何かを選べなかったりする気持ちも共感できた。茉子自身は自分が強いなんて思ってないし、迷いながら意思決定をしていた。強い人もたくさん悩むんだなと思った。 人は場面や場所によって強い人にも弱い人にもなれるんだと思う。 茉子が「私は人を一側面だけで見るのが得意だ…」みたいなことを考えてて、私もそうだなって思う。粗暴な態度な人、時間にルーズな人を見るとそういう人はもうあまり好きじゃない。でももしかしたら何か事情が…みたいな思考になるのは少し難しい。でも一側面で評価しちゃダメだよな。。

    0
    投稿日: 2025.09.20
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    皆が皆、強い訳じゃないんだな。。。 誰しも弱い部分を持っていて、それを堂々と表に出せる人もいれば、出したくない人もいる。 私はよく『だいじょうぶ!』って言ってしまうけど、本当に大丈夫でなければ言わない方がいいにグサッときた。 『だいじょうぶ!』で本当に大丈夫だと思われて、誰も手を貸してくれなくても恨んではいけない。。。だって『だいじょうぶ!』って言ってしまってるのだから。心配をかけたくはないけど、少し手を貸してほしいって素直に甘えられたら楽なのだけど、なかなか性格ってものは変えられないよなー。

    3
    投稿日: 2025.09.11
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    思ったことを口に出せるのが良いときもあるしそうでないときもある。勝手に期待するのも自分のやり方を押し付けるのも良くない。茉子の考え方というか考えを言葉にできるのは羨ましい。昭和気質で大変そうな会社だけど、作ってる和菓子がとても美味しそう。

    0
    投稿日: 2025.09.03
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    主人公茉子に憧れる。しっかり自分の考えを持っているところ。それをしっかり他者へ伝えられるところ。自分の考えは足りていないかもしれないことに自分で気付きながら相手の状況を思いやることができるところ。

    0
    投稿日: 2025.08.31
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    親戚の会社に再就職した茉子。サービス残業や昼休憩中の電話当番、同じ仕事をしていても顔新卒じゃなければ事務職は正社員にしないなど中小規模の理不尽あるあるが一杯。それに声をあげる茉子は煙たがれるけど経営者側も少しは考えないとね。自分にはどうでもいい人だけど誰かの大切な人、と言う言葉には忘れがちなことを教えられた。

    0
    投稿日: 2025.08.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2024年13冊目。『こまどりたちが歌うなら』寺地はるな 読了。 寺地はるなさんワールド全開。 本当に何気ない世界のなかで確かに、力をくれる素敵な作品。 上手く言えないのがもどかしいし、考えさせられてもないんやけど。つまりは、めっちゃ良くて、めっちゃすき。 あの女性はずっとひとりで母親の介護をしていて、何年もゆっくり座ってお菓子を味わうよ うな余裕もなかったと、すこし涙ぐみながら笑顔で話してくれたのだそうだ。お葬式もなにも かも慌ただしくて、泣く暇もなかった。火葬を終えた後で『こまどりのうた」を食べて、その甘さに、ようやく泣けたのだという。 涙はしょっぱい、お菓子は甘い。 お菓子は人を救わない。「こまどりのうた」は茉子の涙をいっとき止めてくれはしたが、祖 父を喪ったかなしみをすっかり癒やしてくれたわけでは、もちろんなかった。さきほどの女性 はお菓子を食べて、「ようやく泣けた」と言う。 そうですか、と紫子は頷く。そうですか、以外の言葉が、なにひとつ思い浮かばなかった。 「あの人、ちゃんと店にたどりつけるかなあ。連れて行ってあげたほうがよかったかも」 正置はしきりに通りのほうを見ている。道に迷ったりしないかと心配しているようだった。 「だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時 は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかんらしいです」 勤め ている今の会社の上司が、虎谷にそう教えたのだそうだ。いい上司にめぐりあえたんやね、と茉子が言うと、虎谷は「 ま、給料は安いんですけどね」とほがらかな笑い声をあげた。 「な、小松さん。あれ、なんていう鳥やろ」 首を傾げる伸吾に「あれはね、こまどりです」と適当なことを答えた。 「いや、ぜんぜん違うから」 「わかるんですか?」 「うん、だって、調べたもん」 伸吾はあのあと検索して、動画でこまどりの鳴き声をたしかめたのだと言う。 「ほんまに、「ここにいる」って叫んでるみたいに聞こえた」 ここにいる。体を震わせ、空にむかって高らかに声を放っていたと伸吾は言う。 わたしも、ここにいる。そう宣言する自分の声も同じぐらい力強いものでありますようにと 願いながら、茉子は深く息を吸った。 #読書記録2024

    0
    投稿日: 2025.08.13
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    おばあさんが葬儀でバタバタして落ち着いた後にいただいた和菓子を食べて、とてもおいしいと感じる話が印象的だった。 忙しい生活の中で、やっと自分の時間を持てた時に食べる繊細な和菓子に癒される気持ちはとても想像できる。 誰かを励ましたい時、気にかけている時に甘いものを贈る話にも確かに!と思って、お菓子のもつ癒しパワーを改めて感じた。 古い体質の会社の「見えないルール」問題は、きっと全国にたくさんあると思う。 吉成製菓は茉子のように発言できる人がいて、社長の伸吾が聞く耳を持っているからいずれ改善できるはず。 私の会社は無理だな、、、羨ましい。 人それぞれのスタンスの違いがあって難しい人間関係など、リアルな内容だけに、激しい展開はなく、単調ではある。

    30
    投稿日: 2025.07.24
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    主人公の茉子は前職での大きな後悔から、 新しい職場「こまどり庵」の和菓子会社では旧態依然とした環境に社員の権利を主張していく。 やがてキャラ強めで頑なな同僚たちも、その主張に救われることになり…。 なにかが大きく変わるわけじゃないけれど、 時にはこまどりのように大きく声を響かせて、 自分のつらさに気づいてもらうこともだいじ。 そもそも会社ってなんなんだー。日々の仕事の中で、なぜか独特の文化を作り上げてしまう。 辞めるわけにはいかないという閉塞感が、 新しい風を取り込むことを拒んで、新入社員には順応することを強要する。 みんなが何となくもやもやした思いを抱えながら、現状維持。 それは日本中、そこかしこにある風景なのかも。 「涙はしょっぱい、お菓子は甘い」 このフレーズがなんか印象的。 涙を流しながら食べたお菓子には、より一層の優しい甘味が感じられる。 世間も会社もしょっぱいことだらけ。でも滋味深い優しさを垣間見ることもある。 そんな「あまじょっぱい」お話。

    6
    投稿日: 2025.07.23
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    和菓子の装丁が可愛らしい。内容も、主人公が和菓子の会社に再就職したところから始まる。 自分が少し前にいた職場と重なるところが多くて、あーこうゆう会社ってまだあるんだなぁと思ってしまう。まさに、手書きの伝票を作ってから会計ソフトに入力…とか、タイムカードを押してから残業とか。諸々の「昔ながら」がたくさんある職場。 中尾さんみたいに、いい人なんだけど説明が上手くなくて実地で覚えろ的な教え方をする人とか。 自分は茉子みたいに、おかしいと思うところを変えていかなくては!とゆう気にはなれず。消耗していって結局去ることを選んだけれど。 正論を言っても受け入れられない、むしろオカシイ人認定されるだけ。職場や家族間でもそうゆう経験をしてくると、何も言わないのが得策だと思うようになる。 親の言葉とか育ってきた環境って、大人になってから影響するよなぁと読みながらつくづく思った。

    1
    投稿日: 2025.07.21
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    登場人物のけったくそ悪くなる描写に、ますます磨きがかかっていると思う(褒め言葉)。 舞台は和菓子の「吉成製菓」。中途入社した茉子の視点で、それまで会社の‘前からそうやった’ことが、少しずつ変わっていく。彼女の正しさが、時にキュッと胸を苦しめる。自分が聞いたことだけで、勝手に他人のストーリーを創るのは止めようと思った。 また、茉子の母の「フィクションがなんの役にもたたんから好きなんや」に共感。あっけらかんとしていて、憧れる。やっぱり、関西弁落ち着くわ。

    1
    投稿日: 2025.07.16
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    涙はしょっぱい、お菓子は甘い。 親戚が営む小さな製菓会社に転職した茉子。 はっきり言って好きになれないし、身近にはいてほしくないタイプ。 でもなあなあにせずキッチリ考えて主張し行動するのは評価に値する。 「他人の期待を、自分の義務にしてはいけない」

    0
    投稿日: 2025.07.15
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    ー 他人の期待を自分の義務にしてはいけない。 と言うフレーズが胸に残った。 人に勝手に期待して、その人が期待に応えるよう努力することが当然と思う上から目線は嫌だなあ、と。 と言いつつ、自分も陥ることあるんだけど。

    41
    投稿日: 2025.07.13
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    Audibleで。 寺地さんらしい。 職場の人間関係。 そして、マンションが同じ幼なじみ。 確かに「強くていいな」と思われている主人公には過去があり「見てみないふりしてたやん」と言われたことにつきまとわれる。 「大丈夫?」と声をかける人は「大丈夫」しか期待していないと言うことに愕然とする。 自分の正義は他人の正義でもない。 痛いほど、人はそれぞれだと言うことがこの物語にはある。 それに、何回となく直面して主人公は省み成長する。 同じように読み手の私も省みる、そんなお話。読後、優しい。 とりあえず、本人の居ないところでの憶測のプライベートは語らず居よう。 と、最後に私は和菓子派 全部食べてみたい(爆)

    32
    投稿日: 2025.07.11
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    人はひとりひとり性格も考え方も違う。でもみんな懸命に生きている。自分と他人とは違うということを心に留めて、自分の正義を人に押し付けないということを作者は言いたかったのかなと思った。 和菓子の会社で事務員として働き始めた茉子。社長は、はとこの伸吾。入社してみて、パワハラやサービス残業など多くの問題点に気がつく。体調不良で社長を退任した伸吾の父である会長の影響が大きい。気がついたことを指摘して、労働環境を良くしていこうとする茉子。でもなんだか古巣のパート事務員や営業マンと関係がぎくしゃくする。 会社では上司と部下、同僚といった関係でも一人一人には色々な背景があって、必ずしも社長だから、先輩だからといって頼りになる存在というわけではない。でも、それでもみんな一生懸命に自分の力を振り絞っていて、弱くて情けない自分を持て余している。人間は強くて、弱い。 P153『みんな、勝手に他人に期待する。そのすべてをいちいち抱えていたら、いつかはその重さに耐えきれなくなる時が来る。他人の期待を自分の義務にしてはいけない。』この文章が胸に響いた。厳しくて優しい。人はいつも人に傷つき、人に助けられる。

    1
    投稿日: 2025.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    寺島さんらしい分かりやすくて解釈の幅がある小説だった。最後のこまどりは何のメタファー?人間は1人では寂しいということ?亀田さんは何の象徴?能力はあるのに能力を正当に評価されないジェンダーギャップ?小説ならではの対立する人物の背景構造をさりげなく紹介してうまくまとめられているのがよかったですね。

    0
    投稿日: 2025.07.08
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    親戚の会社に入社した茉子はおかしいと思った事をきちんと言葉にするタイプ。会社の古い体質を変えていこうとする。清々しくてスッキリした。 *大丈夫?って聞いた時、大丈夫という返事は信用したらアカン。大丈夫?と聞かれた時、大丈夫じゃない時は大丈夫と答えたらアカン。なるほど!

    1
    投稿日: 2025.06.18
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    親戚が経営する和菓子の会社で働くことになった茉子。 ところが、頼りない2代目社長、常に威圧的で部下に横柄な態度を取る営業、サービス残業が黙認されている実態など、新しい職場には見過ごせない問題が山積していて…。 読みながら、最初は主人公を囲む登場人物たちが好きになれず、茉子と一緒にモヤモヤを募らせていたのですが、だんだんと1人ずつの人生にスポットが当てられていき、その人の背景や苦悩を知ると、最終的には始めよりもみんなのことを好きになって読み終えることができました。 出自も性格も違う色んな人と関わり合いながら働いていくこと、生きていくことって本当に難しいよなぁと改めて。 ラスト、みんながそれぞれ少しずついい方向に向かって動き出せて良かったです。 あと、主人公が勤める会社が経営する「こまどり庵」の和菓子がとても美味しそうで、作中モヤモヤする場面も多い中での癒しでした(^^) 和菓子デザインの装丁もかわいくてお気に入りです。

    2
    投稿日: 2025.06.04
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     おもしろかった!「もやもや図鑑」みたいな物語でした。まわりから見たら、堂々と自分の意見を言えるような人に見えても、どこかに「もやもや」はありますよね。  ギャグ抜きの吉本新喜劇風ですが、出てくる人たちいろいろと「もやもや」してます。  いまどきの「会社」を舞台にした物語ではありますが、「ブラック企業」とか「働き方改革」といった、「会社」をどうにかしようというガチの企業小説とは、ちょっと違うようです。  その会社とは「吉成製菓」。時代に取り残されてそうな「すすけてブラック化」した感じの会社です。  決して、偽装・脱税・社会保険料のちょろまかし・鉄拳制裁などなどの、真っ黒企業ではありません。  主人公の、小林茉子(こばやし・まこ)さんは、20代、女性、会社員、実家暮らし。そんなかたの「もやもや」ならば、あれこれの「人間関係」か「会社」に原因がありそう。たぶん、その流れで「吉成製菓」が舞台なのでしょう。  わたしは読む前、企業小説的な物語と思い込んでいました。  ところで最近読んだニュース記事に「英国で日本文学が人気」というのがありました。  記事の内容は、欧米の小説のように白黒つける「対決」のような話ではなく、身近なことをふんわりと書かれていて、癒されるのが良い、みたいだったかな。  そういう意味では、この物語も「The 日本文学」です。  登場人物たちのそれぞれの「もやもや」を少しづつ、少しづつ晴らすように物語はすすみます。  ところどころに書かれる、作者の寺地はるなさんの言葉がよかったです。その言葉たちが癒しのキャンドルライトのようで、ゆらゆらと道を明るくしてくれて、よい感じです。  四季折々の和菓子たちとお茶で、もてなされたよう。ほんとうに癒されます。  いつもはcaféで珈琲とともに読書されるかたも、この本ばかりは季節の「和菓子」と、いまなら「新茶」をならべ、読書されてはいかがでしょうか。  そんなかんじです。

    84
    投稿日: 2025.05.27
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    この作家さんの本を読むのは、「水を縫う」に次いで2冊目です。 これは、和菓子屋が舞台の物語でした。 「こまどり」という鳥は、大きな声で鳴くのだそうです。 一人ひとりが誰でも何らかの事情と歴史を抱えて生きていて、それを表に出すか出さないかは、それぞれの事情で決めるのでしょうが、でも、言いたい事はちゃんと言わないと、何も変わってはいかないんですよね。 みんなそれぞれ良い方向に進んでいけて、良かったです。

    4
    投稿日: 2025.05.20
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    親戚が営む老舗の大きめ和菓子店で転職して働く事になった茉子。 おかしな事をおかしいと言える子です。 胸の中に溜まっていたモヤモヤを言葉にしてもらった感じ。

    1
    投稿日: 2025.05.19
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    『こまどり』⋯オレンジ色をしています。鳴き声が美しいことで知られ、「日本三鳴鳥」の一つに数えられます。特に、渓流近くで「ヒンカラカラカラカラ…」と力強くさえずるのが特徴で⋯⋯ AIによる概要を読む。 なぜこの本のタイトルが「こまどりたちが歌うなら」なのだろうと思いを巡らせる。 人は、当たり前だが皆違っている。 好きなことも嫌いなことも 得意なことも苦手なことも違っているし 何を言われてどう傷つくのか 何を後悔し、何を背負うのか。 登場人物たちひとりひとりの抱える現実と感情は、色形の違う痛みを伴い、誰に届くわけでもない。 「相手の全部が好きでなくても、『好き』は成立する」 「わたしにとってはどうでもいい人でも、誰かにとっては大切な人なのだ」 何かをいたわるような、痛みに触れたかのような主人公の気づきは、やわらかくくすんだ春色の和菓子を連想させた。 「会いたい人にだけ会う日」 年に一度だけでも「好きなことしかしない日」をつくること。 こんな形で自分を見つめることもできるのか。 自分に自分を気づかせる。 簡単そうで、どこまでも難しい。 だが、なんて幸せな1日だろう。 自分はこれが好きだと思うこと。 その人を好きだと思うこと。 その人を大切だと思うこと。 その人にいなくならないでほしいと願うこと。 その全てがひとりひとりの放つこまどりの声なのだ。 こまどりたちが、からだを震わせながら高らかに響かせるその声は、実際どんなふうに聞こえてくるのだろうか。 今日私は、会いたい人に会いに行けた。 好きだと思う人と時間を共にした。 こまどりたちが歌うなら、 私も、あなたも、 あなたの大切な誰かもきっとここにいる。 そんなふうに思える一日を過ごした今日という日の私は 実は結構幸せなんじゃないかと、 そんなふうに、ふと思うのだ。

    10
    投稿日: 2025.05.13
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    はじめ、茉子はどれだけ偉いのかと、その態度が気にくわなかった。でも読み進めるうちに、色々な人がいて、感じ方、つきあい方など、見方によって良いようにも悪いようにもとらえられるんだと思うようになった。一方的に人を判断してはいけないなぁ。

    0
    投稿日: 2025.05.06
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    読み始めてからずっと主人公を始め、登場人物が好きになれなくて、寺地さんの過去の作品はよかったのになあと思いながら読んでいたところ、第5章からやっと読むのが辛くなくなり、いろいろなことが腑に落ち、ハッとさせられる言葉も次々に出てきて、最後は温かい気持ちになりました。 「意外と覚えなあかんことも多いし、意外と忙しいし、意外とハードやからみんなすぐに辞めちゃう」 パン屋でのパートがまさにこんな感じでした。楽に見ていたことを反省。 「みんなと仲良くできなくていい、嫌いな子がいてもいい、でも他人には敬意を払いなさい。」 「誰かになにか言う時、無意識に欲しい反応や返事を設定している。」 「言わなきゃわからない、伝わらないよ、みたいなアドバイスする人って、恵まれてる人なんですよ、結局。『対話』ってね、言葉の通じる人同士でしか、無理なんです」 「相手の全部が好きではなくても、『好き』は成立するで」 「たいじょうぶとは言わんけど、だいじょうぶじゃなくてもどうにかしてやっていくしかないからねえ」 人間関係で辛い思いをしている人におすすめ。

    9
    投稿日: 2025.05.03
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    寺地はるなさんの作品は、登場人物一人ひとりが魅力的だ。 パートの亀田も、息子との関わりでより人間味が描写で感じられたり、1番は満智花。ただ頼りなかったり周りに頼る人かと思ったら、一つ一つの出来事をもとに自分に問いかけながら前に進んでいてすごいなと感じた。

    3
    投稿日: 2025.05.03
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    自分は昭和からある中規模の企業勤め経験しかないので、俗に言う古い文化の中で働いてきた。この本に出てくる会社ほどではないにせよ、昔からこのやり方だから…という言葉は何度も聞いたなと過去とこの物語が結びつきすぎた。 主人公の行動を見ていると、そんな中でも自分の意見が言える場面ってあったのではないかと思うこともあれば、とはいえ言葉が通じない相手という人は存在していて、どうしようもないんだよなと思ったり。 ただ、その“言葉が通じない相手“と自分がカテゴライズしてきた人も、価値観が固められてしまうような経験があったからそうなってしまっただけなんだろう。自分だって、他人からすると“言葉が通じない相手“の可能性だってあり得るし。 この本は一見、古い体質の会社で奮闘し周囲を変えていく女性の物語である。一方、私が感じたのは、幼い頃から植え付けられた価値観が大人になっても解消できず、またそれに気付けない。だけど人との出会いや行動を通して、解消しながら本来の自分を取り戻して行く物語であると感じた。 ひとまず美味しい和菓子が食べたくなった!

    29
    投稿日: 2025.05.02
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    バイト経験(しかも恵まれてる)しかない私からしたら将来がちょっと不安になる作品笑 主人公は若者らしくもありながら情熱のある女性。本当に求められるべき若者ってこういう人なんだろうな。

    0
    投稿日: 2025.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでみて働くって難しい、そう思いました。 いまわたしも働いていてなんでこんな…と思うことがあります。 でも茉子は、悔いたり反省しつつも、前へと進んでいく。どうするべきかを丁寧に考えている。すごく見習いたいと思いました。 読んでいてちょっと辛く思う時もありましたが、最後まで読むとほっとします。 読後に温かいお茶と和菓子が食べなくなる作品でした。

    1
    投稿日: 2025.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の茉子は、人間関係に疲れて、会社の体制に疲れて転職して、なのに、以前自分が居たような職場で。 はとこに頼まれた仕事であるからか、結構強気に何とか体制を変えようとしても、周りに煙たがられるだけでクビにならない。自分もそんな会社に嫌気を刺して辞めるわけでも無い。 自分が(持つ情報が)正義の主人公は、昔の自分と重なってなんかこう、同族嫌悪というか。 また、江島(営業)のような人間は私も大嫌いで、正置みたいにへらへらして笑って誤魔化す人間はもっと嫌いで 中尾みたいに説明下手で見て覚えろみたいなやつも大嫌いで、 みちかみたいにちゃっかりしたやつ嫌いで。 社長の信吾の他力本願なとこも嫌い。 自分ルールのブラック規則をつくった会長も嫌い。 主人公がね、亀田息子が説いた、資質がなくて、なれなかった仕事に対する時間にかけた時間は無駄というところで、自分はそうではないと思う的なシーンがあるの。 才能がみとめられてもなれない仕事はあるみたいな。なんかそこが切なかった。

    0
    投稿日: 2025.04.21
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    私たちはつい女だから男だから長男だから長女だからこうしなければいけないとかこの会社のルールはこうだからと勝手に決めつけて行動していることがある でもそれってほんとうにその行動でいいのかそういう古い考え方は少しずつアップデートしていかなかればいけないのでは 機械がどんどん新しくなるように私たちも少しずつ変化していくことが大切だと改めて感じた またこの小説を読んでとても和菓子が食べたくなったので、仕事帰りに買って帰ろうと思う

    2
    投稿日: 2025.04.16
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    寺地さんらしい、すごくわかりやすいのにすごく深い作品。 刷り込まれた価値観やいまだにはびこっているおかしな常識によってパワーレス状態に陥ってしまうことは、この世の中生きていたらまだまだある。 それをおかしいと思うこと、違うんじゃないかと声を上げることはすごく大変で、でも理解してくれる人が近くにいれば、一人ではないと実感できれば、大変でもできるかもしれない。 そんな希望をあらためて感じられた。 なにより。作中に出てくる和菓子がおいしそう。 

    4
    投稿日: 2025.04.06
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    登場人物のいろんな人に少しずつ共感出来てしまうところが、しんどい。 「要するにあんたは若くて、元気で、自分のために使う時間がいっぱいある、そういうことや」 「疲れるとなんにも考えたくなくなる。考えずにぜんぶ呑みこむ方が楽やって思うようになる」 「ささいなことでも大事なことでも、考える時間と労力が惜しいぐらい、忙しかった」 「前例がない場所では、自分が前例になるしかない」 ても戦おうとすると「この子ほんまにがめついな」って言われる。労働者の当然の権利なのに。 で、被害者なのかっていうと、 「ずっと見て見ぬふりしとったくせに」ってなる。 消極的な加害者? けど他人には厳しいのね。 「そうやって、ずっと「わかる」「わかる」って言い合ってたらええやん」 どれもこれも覚えがありすぎて、しんどい。 高校生の娘が先に読んで、声が大きい人のお話、とまとめてくれた。うん、そだね。 この子が社会に出て、いろんな経験を積んでから読んだら、他にも思う所が出てくるかもしれないけど、分かって欲しいような欲しくないような。 自分自身にも古臭い固定観念みたいなのがあって、小さなお子さんがいるママが子ども置いて飲み会?と眉をひそめたりしてるけど、それもパワハラになっていくんだろう。気がついたら是正するようにしなければ、と思ってるけど、気がつかないことも多いから。 けどきっと 「たぶん、なんでもでぎるよ。わたしたち」 ひとりでは無理だけど。 皆それぞれに何かは、きっと。

    3
    投稿日: 2025.04.04
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    春らしい表紙とタイトルに惹かれて手に取りましたが、内容は仕事や人間についてシビアに書かれた作品でした。 特に「だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかんらしいです」という言葉が印象的でした。  関西弁なのも相まって個人的に読みやすかったです。

    27
    投稿日: 2025.03.30
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    和菓子の製造会社で働きはじめた茉子と、彼女を取り巻く人々の物語。 おかしいことはおかしいと主張する茉子。大事だしかっこいいと思うけど、吉成製菓みたいな体質の会社だと、疎まれたり反発されたりして、やりづらいだろうな。 私も割とおかしいって言いたくなる人だけど、言うこともあれば、まいっかとなることもあるんだよな。小さい会社とはいえ、会長にまでちゃんと意見を言えるのは、偉いな。 なかなかうまくいかなくて苦しいけれど、終わりに近付くにつれて少しずついい変化が見られて、少し安心した。 あと、善哉の人柄がほっとする。

    7
    投稿日: 2025.03.30
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    主人公の感じが、最後まで好きになれなかった。私は私で、間違ってない感が最後までそのままかな、と。 他の人も書いていたけど、タイトルと表紙につられて手に取ったら、思っていたのと違う感じだった。

    1
    投稿日: 2025.03.26
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    正義感が強くて、少し融通がきかない主人公、小松茉子。上から読んでも下から読んでも、こまつまこ。 はとこが社長をする和菓子製造販売会社に転職し、その会社の古い体質に驚き、指摘したら、「はりきってるな」と釘を刺される。息が詰まるような展開だ。 パワハラ、労災をかくそうとしたり、人によって態度を変える風見鶏的な社長にやきもきする日々。 これがいわゆるお仕事小説なら、茉子が古い会社の体質をぶっ壊して、パワハラいやみなベテラン者社員に制裁を加えて、勧善懲悪〜となるところ。 私も、茉子がズバッズバッと周囲の人たちの間違いおかしさを的確に物言う姿を読みながら、あれ?今回寺地さん作風ちがう?なんて一瞬思ったりしました。 しかし、寺地はるなさんの本ですから、そういうことではない。 茉子の同級生が、茉子に「(いいたいことを言って)気持ちいいんやろな」という。 正しいことを言う人は正しいんだから言っていい、正しいことなら遠慮はいらない、という単純な話ではないのだと、はっと気づかせられる。 弱い気持ちであったり、つらい思い出がありながらも、前に進もうともがいてる人を、正しさの刃で切り刻むことは、してはいけないのだ。 茉子が、気の毒な人たちと思っていた人たちも、自力で解決しようとしたり、這いあがって新たな夢をみつけたりした。 茉子にも、自分と違う考え方の人たちを許容する心が生まれた。これは「長いものにまかれろ」とはまったく違う、とても絶妙な変化で、心の成長だ。 なみだはしょっぱい。おかしはあまい。 涙が出そうになったら、私もあまいお菓子を食べたいと思った。

    3
    投稿日: 2025.03.26
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    ゆるっと読めるお仕事ストーリー。 和菓子の蘊蓄に、ん?なんか知ってるぞ?と思ったら、和菓子のアンシリーズで履修済みだった。 和菓子の表現は前述作に及ばず。美味しそうではあるが、愛しくはない。

    7
    投稿日: 2025.03.21
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    寺地はるなの作品はいつもタイトルと表紙に騙される。和菓子を愛でながらほのぼの進む物語かと思いきや、思いっきり『お仕事小説』だった。 老舗の中小企業にありがちな旧態依然とした職場や社員に物申していく主人公の茉子が、普通なら痛快なはずなのに、何故か絶妙にモヤモヤさせるキャラで、読んでいくのが少々苦しくなってくる。どうしてなのかと思っていたら満智花と虎谷さんが見事に言語化してくれてなるほど、これが言いたかったんだな、と腑に落ちた。 誰しもこういう言動はしてしまうな、と自身を振り返りたくなった。 可愛い表紙からは想像できない物語だった。

    0
    投稿日: 2025.03.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公が強いなあ、と思いました ただ、強くても、悩むこと考えることは、人間らしいなと思いました どちらかと言えば、私は弱い人間です、主人公のように発言出来ません きっと周りの人も眩しく見えると思う人もいる。 少しずつ会社関係が変わるのが良かったです 劇的変化!ではなく、多少の変化が良かった 特にパワハラされていた人物が、こうした着地になったか〜と驚きつつ、良かったなあ うん、全体的に良かった

    3
    投稿日: 2025.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

     好きな映画や味や、楽しめるものが違っても、それでもやっぱり、わたしはあなたに会いたい。その気持ちを伝えたかった。でもなかなか言葉にならなかった。どれほど時間がかかっても、ちゃんと言おうと思った。言わなければきっとなかったことになってしまうから。(219ページより引用) 「でも、相手の全部が好きではなくても、『好き』は成立するで」(219ページより引用)    私は「人を好きになる」ということがどういうことなのか、正直よくわかっていません。なんとなく、「自分と共通項が多い人には親近感がわきやすいのかなあ」という認識を持っているぐらいでした。  この場面を読んだ時、「そうか、こういう『好き』もあるのか」と大きな気づきを得られたような気がしました。  お互いの好きなところ、そうじゃないところに真摯に向き合い、思ったことを必死に言葉にして伝えようとする茉子ちゃんと善哉くんの姿を見ていると、なんだか少し泣けてきました。全然悲しい場面ではないのですが。  私は思ったことを言葉にして伝えることをおろそかにしがちなので、少しずつ丁寧に、自分の思いを伝えることに取り組んでみようと思いました。

    1
    投稿日: 2025.03.10
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    思ったより面白かった そんなに大きな事件が起こるわけではないが、ちょっと大変な日常、主人公の影響で会社の雰囲気が変わりつつある

    0
    投稿日: 2025.03.08
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    茉子ちゃん 話せばわかると思える人は、そんな幸せな家庭に育った、っていう言葉が心に残りました。知らない間に人を不快にさせてるのかもと、思うこと多しのさいきんだったので余計にでした。まあ、でも、そういうのも背負いながら、自分が思うことを伝えながら生きたいです。

    3
    投稿日: 2025.03.06
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    会社は色んな立場の人で成り立っている。 立場が違えば意見も違うし、経験値や世代によってそれは同じ。 誰かが声を上げて「新・働き方改革」を提示しないと意外と会社は昔のままのルールのことが多い。 でもその声を上げる人が若い新人だったりすると一瞬で叩かれる。これは難しい。 柔軟な考え方が出来れば一番良いんだろうけど、なんせ決定権がある立場の人の質による。

    2
    投稿日: 2025.03.03
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    いや〜。 わたしは主人公の茉子に1ミリも共感できない(笑) 茉子がイライラしながら、登場人物に共感しちゃう 物語の世界観は大好きなのに〜。 この私のモヤモヤは最終局面で判明! 小松さん(茉子)は何か不満あったら、すぐに言葉にできるだけの反射神経があって、なおかつ今までの人生で、それを周囲にちゃんと聞いてもらえてきたひと そ、それだぁ〜!!って思いました 物語の世界観は、本当に好き♡ 和菓子が食べたくなりました♡

    7
    投稿日: 2025.02.22
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    今はやりの「働き方改革」がテーマの作品でした。 小さな会社に長年勤めているとそれが当たり前だと思って都合のいいように使われていたのですが、もう令和の時代ですもんね。サービス残業にセクハラ、パワハラどんとこい。マニュアルないから見て覚えろとか、ほんとは言葉で伝えるのが苦手なだけで、自分もそうやって覚えたのだから仕方ないのかも・・ 特定の人がいなくても会社が回っていく環境を作ることがよいことだと思うけど、存在理由があるから頑張れるというのも否定できない。 言いたいことがはっきり言える主人公がバサバサなぎ倒してゆくところが気持ちいい。同じ経理で働く年輩の亀田さんは社員以上に仕事をこなしているのにパート扱いで給料少なく有休もないのに不満を押し殺してマシンのように働いている。 こんな不条理が幅を利かせてよいものなのだろうか。 私も声の大きい人とか苦手で委縮してしまうのですが、正論よりも根性論がまかり通って風通しがなかなか良くならない。もう一人、千葉さんも理路整然と物申しすることができてカッコよかったな。 ズバッと物申したいけどその時は会社を辞める覚悟で言わないといけない雰囲気とか暗黙のルールが労働基準法よりも重視されるなんて雇用関係とゆうより主従関係に近い形態なんですよね。働いてるとゆうよりも生活してるて意識なんだと思うから、うやむやに済ませてしまう感じも強いのかな。 はとこが3代目の社長を務める和菓子会社も魑魅魍魎が支配する村社会の様子でした。 茉子もコネの子と呼ばれながらもその関係を大いに利用し改善していこうと振舞う姿がよかったですけど懐柔されてるような感じも受けたりですが、大きな会社がいいってわけでもないし、茉子自身、人間関係や職場環境に疲れて転職したのだからそこそこに折り合うてんはあるわけだと頭を悩ましますが、甘いもの食べて糖分補って頑張らないとね。 四季折々の和菓子が彩を添えてくれました。

    98
    投稿日: 2025.02.17
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    おかしいと思ってもそう簡単には変わらないこと変えられないことはある。 今の時代に合わないローカルルールの中で自分なりにできることをして懸命に生きて働く茉子の姿にパワーをもらった。 生きることも働くこともしんどくても悪くない。

    4
    投稿日: 2025.02.14
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    言葉というものは、発する人の背景も含んでいる。だから同じ言葉を使っていても、「話が通じない」という事が起こってしまう… 自分では相手の事を思って言っているつもりでも、相手にとっては負担にしかならなかったり、何の救いにもならなかったりする… 言われてみれば当たり前ですが、日頃はそんな事を忘れて無神経な言葉を発しているのでは?と考えさせられました。

    14
    投稿日: 2025.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    和菓子の会社にコネ入社した茉子。 正しいことを口にしたらめんどくさいことになる。 でもおかしいものはおかしい。 みんなこうやって言えたらいいのにな笑

    0
    投稿日: 2025.02.10
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    親戚が営む和菓子製造販売の小さな会社にコネで転職した茉子。 残業はタイムカードを切ってから。 それ法律上間違ってるし、それはパワハラでしょう。 古い体制の会社だとあるあるだよな。それが当たり前になってまかり通ってるんだよなと思う事に茉子はらひとつずつ抗議していく。 だからといって劇的に状況が変わるわけではないけれど、少しずついい方向に向かっていく。そんなお話し。 それはそうと、働いている人がうちのお菓子が1番美味しいと自信を持って言えるのっていいなぁ。幸せな職場だよなぁと思う。なかなかない気がする。

    1
    投稿日: 2025.01.26
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    大丈夫って訊くときは相手の返事をあまり信用してはダメ、大丈夫って答えるとは本当に大丈夫な時だけ。 このことば、あぁホントそうって思った。 実際いままで考えた事なかった。 これを読み終えた後すぐにこまどりのさえずりを検索しちゃいました。

    8
    投稿日: 2025.01.22
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    茉子が入社した吉成製菓のような会社はまだまだたくさんあるのだろう。 この世の人みんな多様な側面を持っていることを丁寧に描いている

    0
    投稿日: 2025.01.02
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     主人公の小松茉子(後ろから読んでも「コマツマコ」)は、縁戚の「吉成製菓」の事務職に転職。権利意識も強く、職場ではハキハキと発言する。頼りない2代目世襲社長は、子どもの頃からの幼なじみの親戚にお兄さん。同じ職場で働く上司や先輩、同僚達の理不尽な数々に疑問を投げかける。一方で、趣味多き茉子と両親や近所の幼なじみの人間関係も見え隠れして、読み進める=採用からの経過=季節の移り変わりで変化する、季節の和菓子、茉子、同僚達の変化や揺れ。前職での辛い思いをしていた同僚への自責の念。ヒューマニズムあふれる群像劇にぐいぐい引き込まれるお仕事小説。職場での勧善懲悪ではなく、登場人物の変化の成長を丹念に綴った物語だが、どこかで起きていそうな内容。読み終わったら、翌日からの職場の風景が違って見えるかもしれません。お仕事小説を綴った「過酷な残業、安い賃金、不当な解雇、パワハラ、セクハラという労働問題のロイヤルストレートフラッシュみたいな会社」は、昨今の世相を反映した、著者の軽妙な問題提起として受け止めたい。

    1
    投稿日: 2024.12.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    親戚の会社で働く茉子(まこ)が、パワハラとか職場環境について指摘するのだが、後輩を守ってあげられなかった過去の苦い経験に基づくことがわかり、といった筋でやや説教臭く感じたがまあまあ楽しめた。満智花や善哉などの周辺のキャラクタがちょっと薄かったの残念。

    0
    投稿日: 2024.12.27
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    労基法違反の事例集みたいな小さな和菓子の会社に就職した茉子。おかしいことにはさらっと意見できるのがカッコいい。思ったことを口に出せる人も、そうではない人もいるけど、みんなそれぞれの想いを抱えて生きてるってことに思いを馳せられました。

    11
    投稿日: 2024.12.12
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    こんな会社世の中にはまだたくさんあるんだろうな〜 今の自分は茉子と同じような正義感で行動するタイプだけど当事者からみたらかなり迷惑な人に思われてたりするんですよね、 若い頃は我慢して周りに合わせなきゃいけないと思ってたけど やっぱり良くないことは良くない、おかしいと思ったことは声に出して訴えるべきだと思います。 かわいそうな人だから、会社に必要な人だから、お世話になった人だから、そんなの言い訳にすぎない、誰でも面倒な事は避けたいけど少しでもみんな平等に幸せに生きていける世の中になるといいな〜と感じた1冊でした。

    7
    投稿日: 2024.12.09
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     美味しそうな表紙に思わず目が釘付けになってしまいました!  物語の舞台は、和菓子を製造する製菓会社「吉成製菓」。主人公は小松茉子(27歳)、前の職場は人間関係や職場環境に悩まされ退職した経験がある。そんな茉子に、うちの会社に来てほしいとアプローチしたのが親戚の伸吾だった。茉子は「吉成製菓」に勤務することになったが、サービス残業やあからさまなパワハラなど悪しき状況が常態化しているにも関わらず、社長である伸吾は頼りなくパートの亀田さんも我関せず状態…。何とか、現状打破を図りたい茉子が周囲の人々を巻き込みつつ、奮闘する内容です。  今まで読んできた寺地はるなさんの作品とちょっと違う感じかな。でも寺地はるなさんの作品って、結構心に響く言葉が綴られてるんですよね。 「…相手の全部が好きではなくとも、『好き』は成立する…」 「だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答えるときは、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかんらしいです」  茉子が入ることによって、少しずつですがいい感じになってきたという希望を感じられたエンディングでした。「こまどりのうた」をはじめ、和菓子の描写はとっても美味しそうで、ちょっと幸せを感じちゃいました。

    61
    投稿日: 2024.12.09
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    古くさいブラックな零細企業って宗教みたいだな。 うちにはうちのルールがあるから、って何の理屈にもなっていない。 変わらないと新しい人特に若い人は入ってこず廃れていくだけだよ。 主人公は正しいけど、どこか傲慢なところがあってそれがまた作品の面白さになっている。 サービス残業もパワハラもおかしい。それは間違いないけれど、不満を主張したり反発するにも勇気がいること、それは誰にでもできるわけじゃないことが主人公には分からない。 間違いは指摘する、正しいことを突きつける。それだけじゃ解決しないこともある。難しい。

    0
    投稿日: 2024.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いとこが社長をする和菓子屋に就職した茉子、その会社の旧態依然とした組織と就業体制に違和感を感じ声を上げても「コネの子」として相手にされず疎まれ、出来るパートのおばさんには「見え過ぎても流された方がラク」とまで言われる…。 ベテラン営業の江島やら先代社長やら、ブラック企業の象徴的なキャラがやってることの一つ一つに心当たりがあって胸が痛い。俺もこうやって人に言われて言うて働いてたなぁ、その結果自分は潰れ、多分他人も傷つけてきたんやなぁ、それが正しい道と信じて。 間違ったことは間違っていると言える茉子の態度は素晴らしいけど、「残酷」ともいわれる。この小説では正しい道を進んでいるように見えても、この「残酷」さが先の時代では間違ったこととされるのかもしれないなぁ。 そうやって修正を繰り返して進んでいくのが「社会」なんだろう。 普遍なのは、それでもパンをかじってた茉子の姿勢。キツいことがあっても食えるのは素晴らしい。そういえばおばちゃんは慰める手段としてちょっとした食べ物を差し出す、という描写もあったな。

    2
    投稿日: 2024.11.30
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     正直こんなテーマで、小説が成り立つのだなぁと感心した。温かいお仕事小説ではない。恋愛でも、友情でもない。トンガッてしまう心を隠さずに表すための作品。  かなり昔のおじさん達の苦悩していた作品を、現代の置き換えたような趣を感じる。   しかし、大丈夫という言葉を用いずに、相手。気遣うのは、なかなか大変やな。

    0
    投稿日: 2024.11.18
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    ストーリーとは関係ないが、普段無自覚にやってしまいがちな考え方を言語化してくれる表現に多く出会えた。 ・人になにかを尋ねる時には、無意識に自分がほしい返答を期待してしまうことが多い。 他人は基本自分がしてほしい話はしてくれないもの。綺麗なストーリーを期待しない方が良い。 ・規模の大きい会社だから良い就職先で、小さな会社だから高学歴の人間が入ると人生の失敗だという発想。 魅力ある人間がどんどん出世していって、その会社を大きくしていく可能性も大いにある。 ・だいじょうぶかと訊く時は、あまり相手の返事を信用してはいけないし、だいじょうぶと答える時は本当にだいじょうぶな時だけにしなくてはいけない。

    7
    投稿日: 2024.11.14
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    言わなきゃわからない、伝わらないよ、みたいなアドバイスをする人って、恵まれている人なんですよ、結局。対話ってね。言葉の通じる人同士しか無理なんです。p205 大丈夫って聞くときは、相手の返事をあんまり信用したらアカンし、大丈夫って答えるときはほんまに大丈夫な時にだけにせなアカンらしいです。p206 相変わらず寺地はるな氏の言葉は、心に響きます。 身近な世界を描いた優しい物語、この作品も大好きです。

    3
    投稿日: 2024.11.06
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    大丈夫って聞くときは、相手の答えを信じない。大丈夫って答える時は、本当に大丈夫なときだけにする。何かに対して、物語を期待しない。自分に期待して、相手に期待すると疲れる。結局、茉子と善哉は付き合ったのかな、付き合ったんだろうな

    2
    投稿日: 2024.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【あらすじ】 前職の人間関係や職場環境に疲れ果て退職した茉子は、親戚の伸吾が社長を務める小さな製菓会社「吉成製菓」に転職する。 父の跡を継いで社長に就任した頼りない伸吾、誰よりも業務を知っているのに訳あってパートとして働く亀田さん。やたらと声が大きく態度も大きい江島さん、その部下でいつも怒られてばかりの正置さん、畑違いの有名企業から転職してきた千葉さん……。 それぞれの人生を歩んできた面々と働き始めた茉子は、サービス残業や女性スタッフによるお茶くみなど、会社の中の「見えないルール」が見過ごせず、声をあげていくが――。 一人一人違う”私たち”が関わり合い、働いて、生きていくことのかけがえのなさが胸に響く感動長編! 『みんな、勝手に他人に期待する。そのすべてをいちいち抱えていたら、いつかはその重さに耐えきれなくなる時がくる。他人の期待を自分の義務にしてはいけない。』 『「あきらかに素質がない」のに「夢にしがみつく」時間は、無駄に過ごしたことになってしまうのだろうか。なりたかったものになれなかった人生には、全く意味がないのだろうか。』 『許されると楽になるが、許してもらうために謝ったのではないことを、忘れてはいけない。』 【個人的な感想】 ぼんやりとしていたことを明確に言葉にしてくれる寺地さんの作品が好きです。 最後にはみんなで会社をよくしていこうという方向にまとまってよかった。

    2
    投稿日: 2024.11.04
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    最近、和菓子の美味しさにようやく気づけた私にとって、カバーからしても買わずにはいられない本だった。 職場での様々な人、そして職場での、その様々な人たちの対人関係のお話。 社員一人一人にストーリーがあって、みんなそれぞれ違うものを抱えながら、同じ職場で関わっている。 主人公は正しいことを言うけど、「いや、その言い方。もう少しスマートに言いたいこと言えないかな?」と終始思った。 主人公も、他の登場人物と一緒で不完全なところが、あえて描かれているのだと思う。主人公は自分のダメなところにも気づきつつ、少しずつ成長を遂げていく姿が良かった。 私も全て自分軸で考えて、自分が正しいと思うように行動したり、発言したりしているけれど、他者からしたらダメなところが沢山あるのだと思う。でもそれに普段気が付けていない。

    1
    投稿日: 2024.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公は前の会社で後輩をパワハラから守れなかったと後悔していて、次の会社では同じ後悔をしたくないと間違っていることは間違っている、規則・法律は守るべきと真っ直ぐというか堅いというか空気が読めないというか…間違っていることを見て見ぬふりはいけないというのはわかるけど、理想論だけでは会社では生きていけませんよねって思う。茉子のようにはっきり言うことはしないけど考え方とか自分と似ていて読んでいるのがしんどかった。 少しずつ会社を変えることに成功はしたようだけれど小説の世界だけだよね…って「よかった、よかった」とは思えなかった。

    0
    投稿日: 2024.10.27
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    好きなことばは二つ。 ここでなにかごちそうになる時も、なんか映画でも見ようかってなった時も、どれがいい?って訊いえくれましたよね。私はいつも選べなかった。でもどれがいいかって何度でも訊いてくれた。私も自分自身に訊ね続けるうちに、すこしずつ分かってきたんです。自分がもともとなにが好きだったか。どんなものに憧れて、どんなことに興味をもっていたか。すこしずつ思い出していったんです。 だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかん。 うーん、いい言葉。

    1
    投稿日: 2024.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ちょっと正義感が強くて正しいことにこだわる傾向がある女性会社員が主人公。 「正しいことだけがすべてではない」みたいなことが言いたいのかな?と思いつつ読み進めたが、そこまで重いメッセージ性のある小説ではなく、主人公がほんのり成長して終わり、ぐらいの感じだった。

    12
    投稿日: 2024.10.23
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    従兄弟が社長を勤める和菓子の会社へ事務員として入社した茉子は、昔ながらの社風にそれはおかしいと意義をとなえていく。皆んなそれぞれ違うから口を挟まない。という風潮に風穴をあけていくけれどその分茉子も傷つき悩む事になる。こんな風に仕事をするのは難しい事かもしれないけれど、羨ましく思う。

    5
    投稿日: 2024.10.14
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    みんなそれぞれの事情を抱えながら必死に生きているだなぁとしみじみ。お仕事が大好きすぎる人ほど思い入れが強くなってぶつかることも多いのかな。一面だけを見て人を判断してはいけないことはわかっているけれど、ボタンの掛け違いでお互いに苦しんでしまう様は他人事とはとても思えず。察するとか本音を語り合うことの難しさを改めて痛感した。こまどりと和菓子の組み合わせはほっこりしたなぁ。やはり寺地さんの作品はいいなぁ。

    9
    投稿日: 2024.10.13
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    がつんとくるフレーズがてんこ盛りでした。 勝手に他人のことを、やんごとない事情があるに違いない、と決めつけていないか? 大丈夫そうじゃない人に、「だいじょうぶ?」って声をかける時、自分の体裁だけを気にして発言していないか? 本や映画を大量に摂取して、人より感性や想像力が高い人間になっていると思っていないか? 主人公の茉子は、自分がおかしいと思ったことは、「おかしい」と言える、いわば強い人。 それは、今まで茉子の周りの人たちが、彼女の声に耳を傾けてくれたから。 そんな茉子とは対照的に、声を上げることを諦めた人たちが、この本にはたくさん出てくる。 茉子を羨ましくも疎ましくも思う人たち。 そんな人たちを、茉子も快く思わない時がある。 でも、完全に分かり合えなくても、少しでも「いいな」と思えるところがあれば、必要な時に手を貸し合える。 唯一無二の親友にはなれなくても、仕事では支え合える仲間になれる。 ほっこり心温まるストーリーを期待するなと釘を刺された一方で、でもこんな関係性も悪くないじゃない?と別の方向から光を提示してもらえた気がした。

    13
    投稿日: 2024.10.10
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    好きな作家さんの1人。読み慣れているせいもあるけど その文章や言い回しにストレスを感じないので 物語に没入出来た。 昭和のパワハラ?とか 情けない社長 時代錯誤な会長とかいろいろあるけど みんな 和菓子を本当に愛してる 会社 社員が1つの家族のよう。 そんな中 芙子は 悩みながらも自分の意見をハッキリ言えるしっかり者。 「他人に認めて貰たい でも他人に求めるのはキリがない 自分で自分を認めてあげる」とか 何気なく口にしてしまう「大丈夫?」とか「話してくれなきゃわからないよ」ってセリフ 考えさせられました。 「こまどり庵」で和菓子買いたい〜。 検索:コマドリってこんな鳥でこんな鳴き方するんですね。

    11
    投稿日: 2024.10.10
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    全六章から成り立つ、ヒューマン・ビジネス小説。 登場人物それぞれの人生や、職場での人間関係の複雑さが、とても細かく描かれていて面白い。 主人公の小松茉子(こまつまこ)(27)は、前職での人間関係や環境に疲れ、親戚が社長を勤める製菓会社に転職。 彼女が、そこで成長していく様子には、共感できる部分が多く、思わず考えさせられた。 茉子は新しい会社での見えないルールや慣習に対して、ある行動をとるのだが、そんな彼女の姿に、勇気をもらう。 そして、同時に職場の複雑さや、人間関係の厳しさも感じさせられた。 茉子が、前職でのある出来事に心を痛め続け、新しい職場で奮闘する姿は印象的だ。 茉子の頑張る姿勢はヒヤヒヤもするが、思わず応援したくもなる。 しかし、その一方で周りからは、彼女に対して否定的な意見も多く… この微妙な人間関係の描写はとてもリアルで、共感を呼び起こすだろう。 さらに、作中に出てくる和菓子の美味しそうな描写が、物語に温かさをプラスしていた。 読み進めるうちに、思わずあんこやお団子が食べたくなり、実際に買いに行って、それを味わいながら読書を楽しんだ。 和菓子は、物語の人たちの絆を象徴する要素にもなっていて、その点も特に心に残った。 読後は、他の人の気持ちを理解することがどれだけ大事か、より深く感じられるようになった。 そして、互いに支え合って成長することの大切さが、こういう人間関係の中で、見えてくるものがあった。 全力で頑張る中で、時には自分の限界をちゃんと理解することも大切で、そうしたバランスの取り方を学べる、そんな貴重な一冊だと思う。 職場でのリアルな人間関係に共感できて、成長する勇気をもらえる作品だ。 特に職場の人間関係で悩んでる人にはオススメ。 きっと共感できることや気づきがあるはず。 実際に和菓子を食べながら、この物語の世界観を楽しむのもありですね。

    11
    投稿日: 2024.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    わたしには合わなかった…主人公の職場環境がいやな感じすぎて、そんな職場を主人公がビシバシ変えていくのかと思ったらそんなこともなく、疲れてしまった

    2
    投稿日: 2024.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    *前職での環境に疲れ果て退職した茉子は、親戚の経営する「吉成製菓」に転職する。 頼りない二代目社長の伸吾、スキルが高いのに訳あってパートとして働く亀田、パワハラ系の江島と怒られてばかりの部下・正置たちと働く中、茉子はサービス残業や女性スタッフによるお茶くみなど、会社の中の「見えないルール」が見過ごせず、声をあげていくが――。 一人一人違う”私たち”が関わり合い、働いて、生きていくことのかけがえのなさが胸に響く感動長編!* 若い頃にこれを読んだら、旧世代的な親族会社の内情に一方的に怒っていただけだったかも。 ひと歳取った今は、小さな社会ならではの弊害も温情もわかるし、人は見えている一面だけではないともわかっているので、それぞれの立場からの視点で見てしまい、少し切なく思いつつ読みました。 違う立ち位置にいるとしても、少しずつ歩み寄って思いやれたらいいのにな…何事も。

    1
    投稿日: 2024.09.30
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    他人が何を考えて生きているか 分かってるつもりになりがちな 傲慢な自分の頭をコツンとやられたよね。

    1
    投稿日: 2024.09.28
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    お菓子の出てくる優しいお話かと思ってたら、ぜんぜん違った。 社会人が読むとめちゃくちゃ重たい。 主人公の茉子が最後まで好きになれなかったなぁ。

    0
    投稿日: 2024.09.22
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    素朴で愛らしい和菓子の装丁に癒される。物語もその世界観を保ったまま、複雑な人間関係の心の機微を描いたとても面白い作品だった。ブラック企業とまではいかなくても、その会社オリジナルの悪しき慣習はある。親戚が経営する和菓子会社に入社することになった茉子はそんな長いものには巻かれない。結構ドライな感覚の茉子に個人的には非常に共感できたし、ある界隈では「残酷な人」と思われるのを自分の事のように胸が痛くなった。しかし関西弁の会話には茶目っ気があり、空気を重たくせずストーリーを進めてくれて温かい気持ちで読み終われた。

    5
    投稿日: 2024.09.22
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    ダヴィンチ・プラチナ本から。舞台は、こじんまりとした街のお菓子屋さん。そこにそれぞれの家庭事情とか、ハラスメントとかが絡んできてッていう、仕事小説にはありがちな結構。とはいえ、最終章でのカタルシスが抜群で、読後感は素晴らしい。

    0
    投稿日: 2024.09.18
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    親戚が経営する小さな和菓子会社でパワハラやワンマン経営と戦う女子社員茉子のお話。 戦うと言っても上司相手に喰って掛かるとか労基に訴えるとかではなく、人と交流し会話を重ねながらいろんな気づきがあり少しずつ変わっていく感じ。 少し物足りない気もするが、『こまどり庵』の季節限定や定番の和菓子の話を織り交ぜながら、こういう温かくてゆったりした展開もいい。

    1
    投稿日: 2024.09.17
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    お仕事小説。 登場人物みんなそれぞれが不器用で、その人なりに必死で日々を生きている。「○○すべき」が万人に当てはまるわけないって頭でわかっているはずなのに、決めつけたり、押し付けたり。自分に該当する部分を見付けてはうう…と恥ずかしくなる。 言葉にならないけど心にもやっと陰をかける出来事や感情を文章になっていて、「そう!!それなんよ!」と霧が晴れたような気持ちになった。 ●「言わなきゃわからない、伝わらないよ、みたいなアドバイスする人って、恵まれてる人なん ですよ、結局。『対話』ってね、言葉の通じる人同士でしか、無理なんです」 ●「だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかんらしいです」 この先ずっと忘れないようにしたい言葉。

    4
    投稿日: 2024.09.15
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    寺地はるなさんは大好きな作家さんのひとり。 今回の作品は11作品目。 表紙の美味しそうな和菓子は、主人公小松茉子の転職先、吉成製菓を連想させる。 茉子が親戚が社長をしている会社の古い体制に疑問をいだきながら奮闘していく小説。 茉子 「大丈夫?」 伸吾 「頼りないと言ってるのと同じだ」 茉子 「大丈夫?」 虎谷 「大丈夫です」と答えつづける。でも大丈夫ではなかった。 私も職場でよく「大丈夫?」と声をかけるが、ダメなのかな!と考えこんでしまう。 他にも「考えること」を投げかけてくれる深い小説だった。 茉子の職場の感じが悪い人も……それだけでは終わらない寺地さんの優しさを感じた作品でもあった。

    79
    投稿日: 2024.09.15
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    うーむ しみじみする〜。 なんて素敵な小説なんでしょう… あたしも主人公と一緒に、満智花ちゃんのことイラッとしてたけど、引越し前日のご挨拶で、ものすごくうるっと来た。 江島のことは、オバタリアン(死語?)通り越した今のあたしなら、主人公よりももっとギャンギャン言うと思う…と、共感できるところもたくさんあって、なんか普通の日常の悩みとか、考え方とか、とてもとても理解できて、そして最後はしみじみできた。 寺地はるなさん、偉大だ‼️‼️

    19
    投稿日: 2024.09.10
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    寺地はるなさん、やっぱりとてもいいなあ。 大団円できもちよく〜HAPPY END〜ってならないところに良さがある。 このひとの本は定期的に読みたくなる読み心地。

    0
    投稿日: 2024.09.07
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    無性に和菓子が食べたくなる。言うことは言って主張しないと相手には伝わらないよね。言い方は気をつけた方がいいと思うけど。言いたいことを言える、相手の話を聞ける状態でありたい。

    1
    投稿日: 2024.09.04
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    登場人物が、だいたい不器用だけれど懸命に生きてる人。みんなの行動にはそれぞれ理由がある。人の想いを知ることも想像することも難しいけれど、知ろうとすることを諦めてはいけないと思った。主人公の両親が素敵。

    1
    投稿日: 2024.09.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ほのぼの和菓子小説のはずが…働くことをテーマにしたシビアな内容でした。 パワハラやサービス残業など古い製菓会社にある暗黙のルール。おかしいと思ったらはっきり言う茉子は正しいんだけど、はっきり言う人って亀田さんが言うとおりこういう場所では嫌われちゃうよね。泣き寝入りするのはもちろんダメなんだけど、「言っちゃえ茉子!」と「茉子、今は黙っててー」が混じり合った複雑な読書時間でした。 会長は手強いし社長は優柔不断で弱気だし、まだまだ問題がある吉成製菓が変われるかどうかは前途多難ですが、期待できそうかな?という終わり方も寺地さんらしくて良かったです。 「だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時にせなあかんらしいです。」 ↑この言葉、響きました。

    2
    投稿日: 2024.08.31
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    日常の中で、今まで気づかなった大切なことに気づかせてくれる… 寺地はるなさん、この本でもたくさんのメッセージを込めているなぁと思う。 大きな事件も起きないし、どこにでもあるような日常生活を綴っているような小説。でも登場人物一人一人がなんとも素敵な言葉を残してくれる。 ちょっと苦手だなと思う人でも、それぞれに抱えるものがあって、彼らなりにそれに対峙しているという現実を知ると、その人に対する見方がまるで変わってしまう。 ほとんどの登場人物がそんな感じで、愛おしく思えてしまうのだから、寺地マジックはすごい。 私が印象に残った言葉は、 「言わなきゃわからない、伝わらないよ、みたいなアドバイスする人って、恵まれてる人なんですよ、結局。『対話』ってね、言葉の通じる人同士でしか、無理なんです」 「だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかんらしいです」 という虎谷のセリフ。 苦しい時、ちゃんと話し合いするようにアドバイスされることは多いけど、それができないから苦しい事がほとんどだ。 そして、苦しんでいる隣人に対して、私自身も安易にだいじょうぶ?と声をかけていることがなんと多かったか! 話し合いをすることは難しい。 でも、茉子が虎谷にも会長にも勇気をだして、想いを伝えたことは相手にキチンと伝わっている。 話し合いができなくても、伝えるべき時に想いを伝えるその勇気こそが尊いのだ。 茉子は『ここにいる』と声を高らかに歌うこまどりのように自分の声も力強くありたいと願う。 私も、茉子のように、こまどりのように、声をあげられたら…と願う。

    19
    投稿日: 2024.08.30
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    前職の人間関係や職場環境に疲れ果て退職した茉子は、 親戚の伸吾が社長を務める小さな製菓会社「吉成製菓」に転職。 そこにはサービス残業や女性スタッフによるお茶くみなど、あたり前になっている見えないルールがあった−。 たくさん存在している見えないルール それをおかしいと思いながらも 声に出さない、出せない人たち。 これを言ったら気まずくなる。嫌われる。 自分が我慢をすればいいと 気持ちを押し殺してしまう。 茉子みたいに、おかしいと思ったことをはっきり言葉にして言える人ばかりではない。 でも、茉子のような人に憧れるし、 いてほしいなとも思う。 みんな不器用で、言葉足らずで、 素直な気持ちはなかなか言えない。 そんな登場人物たちの言葉のひとつひとつが 私自身に刺さることがたくさんあり、 やっぱり寺地さんの本は 言葉にすることが難しい想いを 掬い取ってくれるな〜と思うのでした。

    5
    投稿日: 2024.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「関係が終わっちゃっても、大切なわたしの歴史」 そうだよね、無理に忘れなくてもいいよね。 「他人なので、自分がして欲しい話はしてくれないものだと思ったほうがいい」 他人に期待せず自分がどうしたいのか考えます! 「好きなことしかしない日」 そういう日をつくって自分で自分を認めてあげよーっと。 いくつかのフレーズがささりました。 覚えておきたいなーっていうフレーズが

    1
    投稿日: 2024.08.30