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奄美でハブを40年研究してきました。
奄美でハブを40年研究してきました。
服部正策/新潮社
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総合評価

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     奄美の自然と暮らしとがおもしろく、楽しい!そして、読みやすい!コロナ禍に、著者がZoomで話したことをライターの栗下直也さんがまとめられたからでしょう。スラスラ読めますが中身は濃いです。自然にしたしむため、奄美のガイドとしてもとてもよい本でした。  半分ちょっと、ハブの話です。研究っぽさはなく、ハブの自然史です。島に暮らすひとの視点で書かれています。  ハブがいる島といない島があるし、どんな時にかまれるか、かまれたらどうする?もし出会ったら⁉など。  わたしはハブ毒の話がおもしろかったです。ヘビ毒は神経毒と学校で習った記憶がありますが、ハブのは消化液が進化したものとは知らなかったです。  著者の服部さんは、正しく用心するために小学校などで「ハブの安全教室」をやられていたとか。2018年までは生きたハブを持って行って、その場で毒液を絞り、それを飲むパフォーマンスが大受けだったようです。  万が一咬まれたらとにかく吸い出せ!そのための「ポイズン・リムーバー」が必携らしい。血清は完璧ではないので初期対応がとても大切とのことです。  著者の服部さんは稀有なひとです。島根県に生まれ、浜田高校から東大へ。8年過ごし教授に勧められるまま奄美にある「東京大学医科学研究所奄美病害動物研究施設」で40年勤められた元准教授の獣医さんです。  服部さんは現地採用ではないので、普通なら人事ローテーションで移動になるのに、40年間移動がなかったそうです。その理由を服部さんはいろいろ述べられています。  しかし、わたしが思うに、これは服部少年が焚火で食べたオオサンショウウオの祟りではないでしょうか。  そのなわけで40年間、服部さんは平日は研究室、週末土日は奄美の山に行くナチュラリストだったのです。  後半では、ナチュラリストの服部さんが、奄美の自然、食べ物、風習をガイドしてくれています。  奄美では野生のアマミノクロウサギを見るのは比較的たやすいそうですよ。夜、アマミノクロウサギは林道のわきに生えている草を、車が来ても逃げることなく食べているそうです。ガイドつきのナイト&デイのツアーがおすすめらしいです。  そして、ハブといえば「ハブ vs マングース」。その真実も語られていました。  奄美のほうに行かれるかたは、必読です!

    60
    投稿日: 2024.11.27
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    ご縁あって40年もお仕事で奄美暮らしをされたという著者。ハブの研究を主としていながら、奄美大島の多様な自然文化そして人々の暮らしを素敵なイラストと共に綴られている。自然相手、生き物相手の研究者からは結構耳にするとんでもエピソードも程よい。 これから奄美大島、奄美群島に行ってみようと考えておられる方には特に読んでいただきたい。そして私も再訪したくなりました。

    1
    投稿日: 2024.08.28
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    奄美大島でハブの研究をしていた著者。 ハブについての話はもちろん、奄美の生態系や文化、そしてお勧めの観光スポットついても書かれている。 ユーモラスな語り口で、とても面白かった。 思っている以上に奄美の生態系は独特だった。 また、過去の選挙の話など、想像を超えた内容で面白かった。 また、奄美には人間よりもハブの方が多く生息しているというのも驚きだ。

    1
    投稿日: 2024.08.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても読みやすい本。絵も大変お上手だ。 ハブの研究の話が半分以上を占めるが、それだけ奄美にハブがいる、ということだ。ハブとの戦いもしくは共存があるから、40年も奄美にいることになったのだろう。 写真は白黒だったが、ハブに噛まれてパンパンに腫れた足が写っている写真が掲載されていた。これはカラーだったら、目を背けたくなるものだったのではないだろうか。白黒でも少し背筋が寒くなった。木の上からもハブが来ることを考えたら、本当に注意するしか方法はないのだろう。 まったく関係のない話だが、ハブを一匹捕まえるごとに報奨金が支払われるという。そして小遣い稼ぎ?でハブを捕まえる人がいるという。1メートルを超える大蛇になるハブもいるが、1匹いくら、なので小ハブを詰め込むほうが稼ぐにはコスパが良い。それでケースに沢山の小ハブを詰めて持ち込む人がいるという。ハブにはこれが認められるのに、ヒグマだと嫌がらせをする人がいるのはおかしい、を私は感じる。どちらも人間には害を与える存在ではないか。どちらも命懸けなのだから、ヒグマを捕らえて嫌がらせを受けるのは理不尽なのではないだろうか。「小さくても命」なんでしょう?と皮肉を言いたくなる。 奄美の以前の選挙の話も怖かった。私にとってはハブより怖いかもしれない。今はそんなことはない、ということだが、政治をそこまで身近に感じないでいられるのは都会の特権?なのだろうか。 私の母は鹿児島の離島出身だが、灰汁巻きの写真を本書で見たときは懐かしく感じた。

    1
    投稿日: 2024.07.15
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    糖添加のアルコールは奄美大島のみで特例として製造可 奄美大島しか黒糖焼酎は造れない 9/11は田中一村の命日 鶏飯(けいはん)は奄美大島の特産

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    投稿日: 2024.06.24
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    奄美大島の東大の研究所で異動もなく40年間ハブを研究してきた筆者。専門のハブから奄美独自の生態そして文化、観光スポットまで。 現在は退官され故郷島根で暮らすが奄美大島に対する愛が満ち溢れた一冊。

    0
    投稿日: 2024.06.21
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    ブクブク仲間、松田さんオススメ(新聞切り抜き)本。 まだ、3分の1しか読んでない状態で紹介したが、 面白さは伝わっただろう。 私の祖先のお墓がある奄美の事とハブの生態を知りたくて本書を購入。 『BOOKSデータベースより』 内容紹介 守護神はハブ。ガラパゴスで何が悪い? まか不思議な「最後の秘境」へようこそ! 獣医資格があるばっかりに、一切異動ナシ。 限りなく豊かでユニークな人生を歩んだ東大の名物研究者が生物の楽園を愛情たっぷりにご案内。2万年前のハブは今の2倍の大きさ? 30年生きた例も? クロウサギの素顔とは? 世界自然遺産を軽妙に味わい尽くす面白蘊蓄エッセイ。 【推薦 山極壽一&解説 養老孟司】

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    投稿日: 2024.05.19
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    ハブは怖い。毒が怖い。でも「森の守護神」なのだ。 そんなハブを奄美で研究した、40年のエッセイ。 ・はじめに I部 毒蛇ハブ、確かに奄美にいます II部 奄美で自然まみれ III部 文化と自然 ・おわりに ・この道一筋――解説にかえて 養老孟司 コラム1~4、奄美大島関係の地図有り。 東大医科学研究所の助手採用から始まり、ハブの研究を 手伝ったのが運か?不幸か?いつの間にか勤務は40年に! そんな著者が語る、ハブの話と奄美の自然、文化のエッセイ。 奄美の何処にでもいる。その生態、毒、玄人でも咬まれる。 ハブ捕り名人との交流とハブ買い上げについて。 ハブ捕りの秘密兵器。ハブの罠開発は紆余曲折の20年。 ハブって美味しい?ハブ対マングースの真実等々、 ハブだけで本の半分を占めます。 続いて、世界自然遺産の奄美の自然と生物の多様性。 希少動物や固有種のアマミノクロウサギ、リュウキュウアユ、 ウケユリやマングローブ林等について。 ナイトツアーやエコガイドツアー、ナチュラリスト。ヤギ。 文化は、奄美の食文化と酒文化、選挙、宗教、気候、 旧暦の風習、相撲など。 世界自然遺産決定とその後。マングース・バスターズ。ノネコ。 40年の奄美の暮らしの中での、様々なエピソードが テンコ盛りで、奄美推しが溢れています。 だからこその、奄美の暮らしと調和した、環境の保護の提言。 自然とヒトの生活に折り合いを付けることが大事という、 言葉が真摯に感じられました。 うん、自然の素晴らしさに惹かれ、奄美には行ってみたくなる。 でも、やっぱりハブは怖いなぁ。

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    投稿日: 2024.05.13