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センス・オブ・何だあ?
センス・オブ・何だあ?
三宮麻由子、大野八生/福音館書店
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総合評価

13件)
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     4歳で視覚を失った著者の暮しの中で出会う鳥の鳴き声、雨の音、キッチンの音、匂い、足の裏の感触、手に触れる質感。ひとつひとつが様々な情報を伝えてくれていることを改めて思い出させてくれる。  外に出たら、音や匂いや風に意識を向けてみよう。いつも見過ごしてしまっている素敵な出会いに気づいていきたい。ホントだよ。

    1
    投稿日: 2025.11.05
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    4歳の時に光を失った作者が、触覚、聴覚、嗅覚などで感じることの大切さを綴ったエッセイ。視覚ばかりに頼りすぎ、多くのことを見過ごしてしまいがちな日常を振り返るきっかけをくれる。"失敗や間違いを肝を据えてそのまま受け止め、細かくしっかり感じとることも同じく「センス・オブ・ワンダー」に欠かせない「大切なデータ」“という最後の一文は特に心に響いた。

    13
    投稿日: 2025.10.04
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    【きっかけ】 こどものともの絵本のコラムに、『センス・オブ・何だあ?』のタイトルを発見し、その言葉のセンスに感電した。これほど上手いもじりある??? 本屋B&Bで書籍を見つけて買った。 普段の本屋なら絶対見かけなかっただろう。本の配置の仕方がよかったよ… 【感想】 『センス・オブ・何だあ?』のコラムを書いていた人は目の見えない人だったことに大変驚いた。 苦労したこともたくさんあっただろうに、この本で書かれていたことは、匂いや音を感じ取る楽しさばかりであった。 また、改めて子どもの「感じる」力の強さが分かった。 トンネルで大声で「あーーーっ!!」と叫ぶこと。 葉っぱをおもいっきり蹴飛ばしてガサガサ音を立てること。 どれもつい、恥ずかしいから、迷惑がかかってしまうから、と大人の都合で止めてしまう。 なんてもったいないことをしてしまったのだろう。 子どもの楽しさ発見アンテナは天才級である。 自分も子どもに教えてもらうことがたくさんありそうだ。 ところで、子どもって「音」の描写がめっちゃ好きだよね… こぐまちゃんのホットケーキなんか、ずーっと「ぴちぴちぴち、ぷつぷつ…」のページを何回も何回も読んでいた。 【心に残ったところ】 ◉“私は四歳の終わりごろ、目の手術によって光と完全にさよならしました。麻酔から覚めたら、さっきまで見ていたはずの窓の外の光も身の周りのものも、両親の顔も、すべて目の前から消えていました。眼帯を取ったときの感触を、うっすら覚えています。目を開いても開いても、何も見えませんでした。そこで四歳の私は、おぼえている限りの「見える」記憶を頭の引き出しにまとめてフリーズドライしたようです。おかげでいまも、「見える」というのがどんな感じか思い出すことができます。…(略)…この状態を、私は「シーンレス」と名づけました。” ◉“子どもたちに豊かな「初めて」を見逃さない暮らしを心がけたいものです。そうすれば、子どもたちの「初めて」にも自然に心が届き、一緒にワクワクしながら発見、冒険することができるのではないでしょうか。” ◉“「正しい道を何度往復しても、本当には頭に入りません。間違いをどんどん経験してください。その感覚がわかってくれば、正しい道順に自分で軌道修正できるようになっていきますから」” 【あらすじ】 季節の変化は匂いでわかるし、料理のできあがる過程は音の変化で楽しめる。四歳の終わりに目が見えなくなり、「シーンレス」となった三宮さんが語る、身の回りの様々な情報を全身で感じる楽しさを味わう一冊。

    2
    投稿日: 2024.12.26
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    あたりまえのようにあるこの世界。目が見えない三宮さんは、それをシーンレスといって、楽しむ姿がある。何でも見えている気になっている自分が何かを「レス」することを恐れている気もする。自分自身を見つめ直すきっかけになる一冊。

    0
    投稿日: 2024.05.29
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    これを読んで「味わう」ことを疎かにしていたなと反省した。つい隙間時間はスマホを触ってしまう。 でもなんにもない時間にこそ豊かさはあるのだと教えてもらった。 音を聞く、匂いを嗅ぐ、感触を楽しむ。もちろんご飯もたっぷり味わう。 大事なことを教えてもらった。

    2
    投稿日: 2024.05.09
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    「センス・オブ・何だあ?」の感覚を、まさに息子と(息子の感覚を通して、といった方が正確か)体感しているからこそ、面白い一冊だった。 一歳をすぎて、ぐっと活動量が増えた息子と、よく近所の散歩に出かけるようになった。 いろいろなことに気づき、「ん!ん!」と指さし教えてくれるが、その細やかな感覚に、感心せずにはいられない。 最近は、風に揺れる葉っぱがお気に入りのよう。風の吹き方、吹く方向によって、葉っぱの大きさによって、ゆらゆら、バサバサ、ゴーゴー… 一言に「風に揺れる」といっても、さまざまな揺れ方があるんだな〜なんて、独り身のときには、気にも留めなかったことに、妙に感心したり。 息子と共に観察していると、今までは目にもくれなかったささやかなことに、たくさんの発見があり、楽しいと感じる。 もちろん、育児は目まぐるしく、時間勝負のときもあって、だから、毎日毎日ゆったりとした気持ちで過ごせるわけでもなく、急いでいるときは、足早に駆け抜けていってしまうことも多々ある。うわ、ちょっといま、そこに葉っぱはやめてくれ!と心の内で叫んでいることも。笑 が、無駄にスケジュールをいっぱいにして、いらんことに追い立てられるくらいだったら、日々のこうした時間のほうが、よほど豊かで、大切にしたいと思う。読んでいてその気持ちが一層強くなった。

    1
    投稿日: 2024.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    センスオブワンダーをもじった著書。「ワンダー」=「感じる」ことと、「何だあ」と疑問をもつことを大切にしようというメッセージを、目の見えない著者ならでは具体例を通して描いていく。 裸足で足の裏の感覚を楽しんだり、音で「地図」を描いたり、匂いで季節が進んでいくかんじを掴んだりと、視覚以外の感覚をフルに働かせて豊かな世界を楽しんでいる著者の姿が印象的だった。 何も見えない「シーンレス」な世界に比べて、感覚を働かせて周囲を豊かに感じることができる世界を「シーンフル」な世界と著者は呼んでいる。この「シーンフル」な世界を生きることの幸せを細やかに描いている。 この本を読むと、目の見える自分がいかに「シーンレス」な世界に生きていたのかということを感じさせられる。仕事の生産性を上げることとか、自分の能力を高めることとかばかり考えていたなあと、反省した。仕事のことや、自分の向上心を休ませて、自然と溶け込む時をもちたいなあと思った。 紡に味合わせてあげたい世界も「シーンフル」な世界で、世界を「シーンフル」に捉えていくことのできる感性を育ててあげたいと思った。 この本は小学校高学年くらいから読めるし、子どもたちにも読んでほしい。けれども、各章の最後の文章が子をもつ親に向けて書いてあるために、子ども自身が読むと「自分に向けて書かれていない」と感じてしまうかもしれない。そこが惜しい点。読者を意識して書くことはよいけれど、それを明示してしまうと、その読者層以外は排除されたような感覚になってしまうんだなということに気づいた。

    0
    投稿日: 2023.11.22
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    この地球に住んでいる一つの生命体として、一人の人間として、一人の日本列島上に暮らす人として、豊かに感じ、気づくことのできる人生を送っていきたいと改めて思えました。 自分はこれまで、自然の音や空気の匂いを敏感に感じるようにしている方だと思ってきましたが、著者の例示のレベルとは桁違いで、「感じる」幅が広がった気がします。センス・オブ・ワンダー入門編(もしくは姉妹編)と副題をつけたい。笑

    3
    投稿日: 2023.02.19
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    エッセーも絵本も大好きな三宮麻由子さんがこれまた大好きな『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン著)のオマージュのような本を書かれた『センス・オブ・何だあ?』 カーソンは「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要でないという。 自分の感じ方が、いかに視覚に頼っているのかが、三宮さんの感じ方を知ると分かる。 五感全てで感じたい。そして「何だあ?」で世界を広げたい。

    8
    投稿日: 2023.01.24
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    4歳の後半から光を失った著者。 それまでの記憶と、そこからの体験によって、聴覚 嗅覚 触覚やピアノのレッスンによって得られた集中力によって、感じる感覚が研ぎ澄まされた。 200種類の鳥の声の聞き分けや、季節ごとの香りなど、その感覚は大変豊か。 ご本人の、何だぁ という好奇心や、役に立つ、立たない関係なく、ご家族の何でも体験させてあげるという姿勢があるからこそだと感じた。 子どもと接する機会がある方はすでにわかっているかもしれないが、小さいころの豊かな体験の大切さを改めて感じた。

    1
    投稿日: 2022.09.20
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    盲目(シーンレス)の著者によるエッセイ。光を失うまでに、周りの大人により与えられた感覚体験が今の著者を作ったというようなことが書かれてた。 私にも3歳の娘がいるので、本物に触れさせることの大切さを感じた。 いろいろな習い事をさせられたけど、そのどれもが楽しむ、感じることを最終目的としていて、将来に役立つかなどという尺度はなかったというところが素敵。この方のご両親を見習いたい。

    0
    投稿日: 2022.08.10
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    とても素敵な本だった。 作者の三宮さんは、目が見えない。 でも、いや、だから、かとても感じる力が細やかで、するどくて、やさしい。 目が見えないということを私たちは、きっとハンディだろうと想像する。 おそらく、ハンディになるシーンもすごくたくさんあることと思う。 でも、この本を読むと、むしろ目がみえることによって、逆に感じる機会を逸してしまっているのではないかとさえ思う。 そのくらい、三宮さんの「センスオブワンダー」が、美しい。 目が見えることがノイズになっていることに、気づいていないのかもしれない。 感覚を研ぎ澄ます。じいっと聞き入る、またそっと触ってみる、肌で感じてみる……人の感覚には、目で見る以外にもたくさんあるのだということを気づかせてもらえる。 また、その感じていることを言葉にし、伝えるということは、人間の根源の部分に関わる大切な、本当に大切なことだと気づかされる。

    0
    投稿日: 2022.06.23
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    子どもが小さいころ何度も読んだ絵本「でんしゃはうたう」の作者三宮さんのエッセイ。何気なく手にとっていいなと思い、しかも名前が一緒で発行日が誕生日だったので運命にこじつけて即購入。視覚障害の三宮さんの日々はセンスオブワンダーでできている。匂いや音、手触りや足の裏の感覚など全身で世界を感じている。こんなにも世界は豊かなのに、自分がいかに目に頼りきって、視覚に偏った世界で生きているかがよくわかる。視覚以外の感覚を日々どれだけ使えているかどうか。感じることを味わいたい。子どもと一緒に。

    1
    投稿日: 2022.03.27