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夜露がたり
夜露がたり
砂原浩太朗/新潮社
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総合評価

31件)
3.8
6
11
12
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    著者の作品では初めて読む「市井物」であり、やはり藤沢周平を彷彿とさせる。藤沢作品に比べると、若干ユーモアと朴訥さが足りない印象。

    0
    投稿日: 2025.10.22
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    江戸の下町を舞台に、市井の庶民の日常生活で起こる悲喜こもごもを描いた短編集。最初は少し起伏の無さが物足りなく感じるが、作が進むに連れ、作者の心理描写がさえ渡る。

    0
    投稿日: 2025.05.03
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    著者初の「江戸市井もの」 苛酷にして哀切、いっそ潔く、清々しい                帯より_φ(・_・ 山本周五郎か… 藤沢周平か… わたしには今ひとつだったかな… どこがどうって上手く言えないけど 鋭さが際立ちすぎて哀しさは確かにあるけど 切なさの余韻のようなものが感じられなかった もう好みとしか言えない(*´-`)

    34
    投稿日: 2025.04.09
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    江戸の下級藩士を主人公にした傑作を出してきた作者が町民の世界を描く、といっても基本路線は変わらないだろうと思っていたが、よくありそうな人情物語というのでもなく、現実の世の中を生き延びていくのは辛いという感じを滲み出しているストーリーが返って心地良いというか、うなづける話だったりする。 江戸市井ものを書く名作家は数あれどあまり読んでこなかったので、次の展開があるなら読んでみたい。帯にある表と裏、感情のひだ、江戸の町民の生活は楽ではないし、みんなが人情味溢れる繋がりでもないだろうというあたりが、現代にも通じてくるのかなあ、とも思う。

    12
    投稿日: 2025.02.01
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    短編なのにひとつひとつがしっかりとした一編となっていて、どの話もパターンは違い、辛い→少しの灯り、少しの灯り→やっぱり現実の深み、そして、少し「あっ」という展開。お見事です。そして、なんと言っても、日本語が上手。砂原さんの文章は気持ちよく、絵が浮かんできます。

    1
    投稿日: 2025.01.11
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    図書館でやっと順番が来た。待った甲斐があった。短篇集だけどどれも鮮やかに情景が浮かんできて、時折挟む季節の描写も美しい。最後に「妾の子」を持ってきたのも、心温まる締めくくりでとても良かった。

    1
    投稿日: 2024.11.21
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    これまでとはだいぶ毛色が違って、苦い後味の残る短編集。 女性も強かだったり、男性もサラッと悪人だったりして、またいつもとは違う面白さ。でも、毎回だと寂しいかなぁ。

    1
    投稿日: 2024.10.19
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    後味の悪い幸せで終わる話は1作品だけど、その話すら影がある。あんな淡々と綺麗な描写で残酷な語りをされたら気分が一層沈んでしまう。あっと言うまに読めるがあまりいい時間を過ごせたとは思えなかったけど、やはり語り口調で綺麗な言葉は最後まで読んでしまう。 全作品影が充満していた。

    3
    投稿日: 2024.10.16
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    時代小説短編集 苦い人生を描いた作品で、これがむしろ現実的だと思う 『妾の子』が良くて救われた 自分は矢張り小説から、何某かの幸せを感じたい

    1
    投稿日: 2024.10.06
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    これまでは武家社会を描いていた作者の初の市井小説。 (個人的には、武家ものよりも庶民ものがいい) 武家社会の作品は、清々しい読後感を味合わせてもらっていたが、今作は、どうにも昏く重く、救いのない、夜露のように体にまとわりついて離れない、どうもしようのない後味だった。 だが、それは決して否定するものではなく、人の業や闇、陰の部分に納得させられる。 娘に金をせびりに来るどうしようもない父親に向け、「死んでくれ」と叫ぶ娘。 そんな気持ちになるのは、無理もないとは思いつつ、だが、その娘も、それで救われるわけはないだろうと、暗澹たる思いに沈む。

    2
    投稿日: 2024.10.03
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    「帰ってきた」「向こう側」「死んでくれ」「さざなみ」「錆び刀」「幼なじみ」「半分」「妾の子」の8編。 (2021年~2023年の小説新潮) あまり目新しさはなかった。無難な感じ。 砂原さんには長編を書いてほしいかな。。。

    1
    投稿日: 2024.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なかなか読むのに時間が掛かった。 遣る瀬無さとか救いの無さとか読んでいて辛くて途中で何度も中断した。 もう読了しないで良いやとも思いながら結局最後の物語まで読んだ。 それは貧困とか、しがらみとか、生まれとか、育ちとか、狭い枠の中で生きるしかない人達が、その中でさえささやかな幸せをもこぼれ落としてしまう様が悲しくて仕方が無かった。 中には光明の見える物語もあったが、記憶に残るのは遣り切れない物語なんだろうな。 Amazonより これまで歴史ものと武家ものを描いてきた著者初の「市井もの」で、本作で砂原浩太朗氏が「山本周五郎、藤沢周平の衣鉢を継ぐ」時代小説作家であることを大いに共感、ご賛同いただけると思います。「市井もの」と言えば、温かい人情、涙、ほっこり系の元祖といったイメージもありますが、江戸のリアルは必ずしもそれだけでも、そうでもなかったはず。町人や浪人、男女、子どもらは貧しさや苛酷な現実にあえぎつつも、したたかに冷徹に生き、周五郎や藤沢周平がそうであったように砂原氏も狡さや弱さ、愛らしさ、絶望と光などを活写しています。本作はまた、ハードボイルドやミステリの味わいもあり、会話の妙、秀逸な内面描写、予想外の展開と結末を堪能できます。

    26
    投稿日: 2024.08.06
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    安定の砂原浩太朗。読み終わった後もやっとするような、やれやれと開き直るようなそんなお話が多く人間臭い感じがよかった。

    6
    投稿日: 2024.07.05
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    町人ものの8つの短編集。神山藩シリーズ?で清涼な風のような物語を紡ぐ作者ですが、この短編はなかなか一筋縄ではいかない、心苦しくなるけど自業自得だよな、とかハッピーじゃないけど最悪ではないよな、とか微妙な感情にさせられる物語が続きます。ここらへんさすがの仕掛けだな、と思いつつ読み進めると、最後の最後で。。。あとは読んでのお楽しみ。

    11
    投稿日: 2024.07.04
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    短編集8篇 江戸の貧乏長屋の風景、人情が生きにくさの中できらりと光る。短編なのに最後まで分からない捻りの効いた落ちが面白い。「妾の子」が幸せなラストで良かった。

    0
    投稿日: 2024.06.10
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    砂原さんを追って、6冊目。一時、だれた感無きにしもという作品、箇所もあるにはあったが。 これはよかった。若い頃、時代物にはまった後、定型的人情噺に厭いて、離れた(特に女流作家ものは) 近年の雑誌連載物をまとめているが概ね、江戸期に底辺の男女愛と行方を綴っている。 士農工商ががっつり社会の骨に組まれていた当時の社会。 幕末社会の風俗写真を見ても臭ってくるような時間だったことは想像に難くない。 まして長屋住まいなどは。 砂原氏はお家騒動、跡目もの、道場藩校と士族の日常を出しており、そちらも面白かったが、今回は「創造とはいえ、リアルに眼前に情景が見えてくる」ような作品揃いだった。 最期の「妾の子」はよい。 終始、湿り気を帯びた救いのない惨めな流れでの作品の終わりが、これでシャント着地で来た・・江戸の時間も捨てたものじゃない事もある。

    0
    投稿日: 2024.06.07
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    砂原氏の描く懐の深い老武士が好きなので、市井物もなんとなくじんわりと余韻を味わえる作品を想像していた。見事に救いのない結末を迎える作品ばかりで呆然としてしまったが、「市井物だからこそこうなのか」という他の方のコメントを読んで納得した。最後の作品は砂原氏から読者へのお詫びなのではないか、と思ってしまった。

    4
    投稿日: 2024.06.05
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    長屋住みの人たち。産まれも育ちも貧しくて、抜け出せない。貧しさが人を蝕む。岐路に立っても、ダメな方の選択肢を選んでしまう。

    0
    投稿日: 2024.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暗くなる話ばかりで途中で読むのをやめようと思ったが、書き手の上手な話の運びについつい読み進めてしまった。 そして最後の「妾の子」がハッピーエンドで本当にほっとした。繁蔵が良い奴でよかった。るい、幸せにねー!

    1
    投稿日: 2024.05.02
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    勧善懲悪ではなく、江戸の暮らしの中で「人間の業や理不尽な運命」に翻弄される庶民の姿。醜い心持ちにげんなりだけど、そこは砂原さん、最後はなんとなく肯定。後味はそれほど悪くない。

    1
    投稿日: 2024.04.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【収録作品】帰ってきた/向こうがわ/死んでくれ/さざなみ/錆び刀/幼なじみ/半分/妾の子 生まれや環境からは逃れられないのか。救われない、これが現実。人の悪意や自分の努力だけではどうにもならない事実をつきつけられる。 これは江戸時代だから、ではない。今も変わらぬ現実である。確かにうまいけれど、辛い。 「あたしはあたしのもんだっ」と叫べたおみのに希望を見るけれど。

    6
    投稿日: 2024.04.27
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    江戸の長屋で慎ましく暮らす人々を描いた八篇の短編集。行間に漂う、しめやかな冥さと心の機微が秀逸。恨みつらみに気が鬱ぎつつも、彼らの生への執着や人情に微かな希望が見えた。

    1
    投稿日: 2024.04.03
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    江戸市井物の短編集 氏の長編が大好きなのだがこれはこれでたいそう面白かった 通り一遍の人情物と思わせて一捻りがあったりなかったり 短編集としてのバランスが実に良い

    1
    投稿日: 2024.03.30
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    市井を描く八篇からなる短編集。 砂原浩太朗さん、そう来たか! 長屋に住む人々の物語。 どういう展開になるのか楽しみにしていた。 腰高障子を引けば全てが見渡せるほどの狭さ。 井戸端でのかしましい声。 全編を通して伝わる、長屋のじとっとした空気が重苦しい。 「幼なじみ」 P183 〈いちど裏長屋に生まれたら、ふたたび表通りは歩けない〉 「錆び刀」は、浪人に落ちた者の話。 どうしようもなく自分の想いに流されてしまうが 清々しさも感じられる一編。 武士の矜持を描いた物語も読み応えありだが 精一杯生きる市井の人たちも良かった。 今作が初めてという読者のみなさん。 既刊もぜひ。

    1
    投稿日: 2024.03.25
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    江戸の市井の 決して裕福ではない人々の営みを ありのまま描きながら 奇をてらうでもなく 誰にでもあるような気持ちの裏側を さらっと見せるのがうまい。 情景や人物たちの様子が 淀みない言葉によって ありありと浮かび上がってくるから その中へ入り込んでいるような気になる。 いつまでも過去を引きずってしまう男より 気持ちだけでは生きてはいけない と突っぱねられる女の方が 昔も今もしたたかでたくましいものだなー。

    1
    投稿日: 2024.03.23
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    江戸下町の長屋に生きる訳ありの人々の姿を通して、人の心のうちにある昏い部分を描き出す8つの短編。 夫婦、幼馴染、親子、友達、好いた女、昔の男。共に長い時間を過ごしても互いに明かせない思いがある。好きな相手だからこそ言えない思い。相手を思うが故に苦しむ主人公たちのやるせない思いが伝わってくる。 どうにもならない思いを抱えながら、それでも食べて、生きていかなければならない切なさは今も昔もなんにも変わらないんだろうなぁとしみじみ。 どれもなかなかダークな物語だけど、それでも終わりに少しの希望が見える「半分」と「妾の子」に救われた。

    3
    投稿日: 2024.03.17
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    市井物の時代短編集。8編「帰ってきた」「向こうがわ」「死んでくれ」「さざなみ」「錆び刀」「幼なじみ」「半分」「妾の子」 初期のどうしようもなく暗かった頃の藤沢周平を思い出します。 まあ、砂原さんご自身が「デビュー直後から藤沢周平への私淑を公言していた。」とおっしゃっているので影響を受けているのは間違い無いようです。 そうは言っても「焼き直し」ではありません。短編ながらストーリーのヒネリがやや強く、クルリと反転する感じは周平さんと少し違います。また、最後の一編を除き、主人公が闇に堕ちて行くところは似ていますが、その闇は初期の周平さんの様な漆黒ではなく、やや月明かりが差す闇の様です。 暗転ではなく、暗から明に転回する「妾の子」を最後に置き、少し晴れ晴れとした読後感になりました。

    6
    投稿日: 2024.03.11
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    市井の人を題材とする時代小説で、これまでの架空の神山藩の侍とは違っているのですが、砂原さんの文章のファンの方には楽しめると思います。短編集なのですが、8編通して「夜露がたり」ですね。

    1
    投稿日: 2024.03.04
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    冒頭の「帰ってきた」以外は粒揃いで、流石砂原作品は市井ものも面白い。ただ神山藩シリーズのような傑作とも思わなかった。武士(浪人だが)が出てくる「錆び刀」はラストの展開含めやはり面白いので、武家ものがあってると思う。短編タイトルに込められた一筋縄でいかないストーリも良い。

    1
    投稿日: 2024.03.04
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    時代物小説ながら勧善懲悪ではなく、人間の業を肯定する結末に満足できた。人の心の理不尽さを描くことで、登場人物への感情移入を容易にしてくれた。 8編の中でも「死んでくれ」「さざなみ」「錆び刀」「妾の子」が好みだ。 砂原浩太朗作品は追いかけていきたい。

    1
    投稿日: 2024.02.23
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    「予想外の展開と結末を堪能できます」とあるが,個人的にはやりきれない結末が多い。 朝のラジオで紹介されていて読んでみたくなってジュンク堂書店で購入

    3
    投稿日: 2024.02.22