Reader Store
アイスネルワイゼン
アイスネルワイゼン
三木三奈/文藝春秋
作品詳細ページへ戻る

総合評価

50件)
3.2
5
6
25
8
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    清々しいほどに性格が悪い主人公の表題作 そこまで追い詰められる理由はあるにはあるけど、応援も共感もできない 冷たい雨や雪が読んでる方にも染み入ってくるようで心の通わない主人公に心が冷えた ここまで突き放されてしまうのが気の毒になるほど この先どうするのかなと老婆心ながら心配になる

    0
    投稿日: 2025.11.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    好きではないです。 〇〇の息子、〇〇の夫、という書き方をしないから面食らいました。 読後感、気持ち悪い

    0
    投稿日: 2025.11.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    帯にあった「静かな崖っぷち」という表現がぴったりだと思った。仕事もうまくいかない、プライベートもうまくいかない、でも周りの人たちは結婚して子育てをしていて、自分とは違う....そんな焦りというか、手探りで進んでいるような感覚 暗闇で崖っぷちを歩いているような感じ。いつ落ちてもおかしくない、限界スレスレを歩いて踏み外す瞬間.....読んでてずっとなんとなく緊張感があって、(いい意味で)ストレスを感じながら読んだ

    0
    投稿日: 2025.11.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    プライベートが窮地の時に仕事まで立て込んで、両者にお粗末な対応をしてしまう焦りが手に取るように伝わってきた。 だからふと駅で遭遇した人には親切にしてやって帳尻合わせしようとする… 泣きっ面に蜂の時の描写が苦しかった。

    0
    投稿日: 2025.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    不思議な世界観に引き込まれるけど、どうしても琴音に感情移入できなかった。どこか他人事みたいで、温度差を感じた。音や空気の描写はきれいだし、言葉のリズムも心地いいけど、自分とはちょっと合わないタイプの物語。

    3
    投稿日: 2025.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    アイスネルワイゼンとアキちゃんの二本立て。 アイスネルワイゼンは心情ゼロ。会話ベース。 いろいろ心無いこと言われて、最後は立つことさえできなくなってしまう。会話だけで、その人の考え、心だとは思わないようにしないと。 アキちゃん いじめられたことがある人は共感できそう。普通に女子みたいなイメージで読んでたけど、男の子に産まれた心は女の子の話。でもそれにしたってイジメは最悪だよ。 憎しみについて詳しく書かれていておもしろい。憎しみにもパワーがいるんだよね。カルマとか宗教的なことも書かれていたんだけど、これってアレのことかな?と思ってしまった。

    0
    投稿日: 2025.10.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    コミュニケーションが上手く取れずに他人とすれ違い続けるピアノ教師のクリスマスの1日が描かれた作品 登場人物がみな自己中心的で歪んでいるため 読んでいるだけで具合が悪くなる 会話文が多くかなりライトに読めるためすぐ読み終えたが終始胸がしんどかった 人間の底意地の悪さみたいなのをうまく描いている

    16
    投稿日: 2025.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    静かに嫌味が堆積していく感じ。悪意に気付いてて、でもおバカでピュアで気付かないふりをすることってたまにある。それの積み重ねに耐えられなくなった主人公の話。 二篇とも本ならではのミスリードをされてしまう。ん?ってなった。

    11
    投稿日: 2025.10.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさんが「気持ち悪い話」と紹介していたので、それは読むしかないので読みました。 なんか、とんでもなく大きな事が起きるわけでもなく淡々と物語は進んでいくんだけど、ずっとジメジメとした雰囲気がつきまとっている。こういう湿度みたいなものを文章で表現するのって凄いなと思った。 途中に出てくる子供の話で少しだけウルッとするんだけど、その感動を容赦なくぶち壊していく主人公のどうしようもない言動がすごい。

    0
    投稿日: 2025.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    浅井リョウさんが、おすすめしていて読んでみた。確かに会話がずっと続いて、、、主人公の気持ちが一切書かれていないことに、歯痒さ、気持ち悪さを感じる。どうなの?どう思ってるの?と思わせる様な、災難や、相手との会話が淡々と綴られて最後、立っていられなくなるくらい泣くと言う終わりかたに、あぁ、やっぱりそうだったんだ。と自分ながらに、主人公の気持ちを汲み取って終わった。うーん、、、まだ続きがあるなら読みたい感じ。 二本立てのアキちゃん。 これは、素晴らしい!!自分も同じ様な経験した事のある!一喜一憂に、同調してしまうくらい、気持ちの再現、表現の仕方が素晴らしい! 小学校の苦い思い出を彷彿とさせる様に、憎しみを心で消化する所の文面が きっと女の人にしかわからない感情なのだろう。 アキちゃんのみなら、⭐︎5つですね。

    0
    投稿日: 2025.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公の暴言が気になった。 自分より、弱者の友達には、相槌をうちながら 優しい言葉をかけながら、 相手の幸せにジェラシーを感じると チクリと意地悪なことを言ったり。 自分と対立する友達には 敵対モードで、暴言。 自分より上の立場の女性には へいへいと、したがって、 なんでもかんでも 謝ったりするけれど 心の中で、「ババア」と言って暴言。 読んで、嫌な感じが残ったんだけれど たぶん、自分達、一人一人にも おおかれ、少なかれ 対応する人によって 言葉や態度 少し変わってしまうような 本質的な、人間の問題があるのかも。 会話が多く それが物語をすすめているので すらすらと、読むことはできました。 哀しみのノクターン というように やはり、主人公には 自分でどうしようもない 哀しみが心の中にあるのかも。 その哀しみが、 自分にとって理不尽だと感じたときに 心が爆発して、暴言、嫌味、皮肉 そんなことを つい、うっかり言ってしまうのだろう。

    8
    投稿日: 2025.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川賞候補とあるから、こういうのが純文学なのだろうか。 普段読まないジャンルの本だが、出版区の本ツイで朝井リョウがおすすめしていて気になった本。 朝井リョウ曰く「めっちゃ嫌な話」。 「主人公の心情が一切書かれない。濃淡なく出来事が描かれ、最後の最後で歩けなくなる瞬間が見られる。」 めっちゃ嫌な話なのに推すなんて気になる!と思い読んでみたら、比喩ではなく文字通り"歩けなくなる"話だった。 主人公の言動が裏表ありまくりな上、気持ちの起伏が激しく態度がコロコロ変わるので、なんか怖い、不気味だな…と思いながら読んだが、最後まで不安定さが落ち着くことなく、急に話が終わってびっくり。 何も解決してなくて怖い。 私には、嫌な話、というより現実に存在していたら怖い話だと思えた。 一方『アキちゃん』ではひたすら憎しみについて描かれている。 主人公とアキちゃんの関係がどうなっていくのか?また、それぞれに意味ありげな同級生達とのやりとりも気になり、ストーリーに引き込まれた。 小学5年生でこんな人間関係怖い…と思う一方で、小学生の独特な視野で見るとこういう世界になってしまうのかも、みたいな。 さくっと読めたし、2作それぞれの面白さ(不気味さ?)があり、自分では選ばない本だったけど、こういう読書も楽しいなと思えた。 他にも朝井リョウがオススメしていた本があったので、順に読んでいこうと思う。

    1
    投稿日: 2025.09.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    対面している人や状況によって言動がコロコロ変わっていく。 その場を上手く乗り過ごそうとしているのかもしれないけれど全てが空回り。足場はどこも不安定で宙ぶらりん。 出てくる人たちみんな嫌なやつ。人間の陰気な部分集めたみたい。でもそれも主人公の捉え方がそうなだけで、良い部分も本当はあるんだろうなと思った。 読んでいてずっとモヤモヤしていた、 読後もうっすら不安感が漂っている。 それは私も同じような状況かもしれないからか。

    0
    投稿日: 2025.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一度読んで、するする読めるのに全然頭に入ってこなくて時間を置いてもう一回読んでみました 主人公、琴音の言動と行動が人によってちぐはぐすぎて そうか、これがよくわからなかった原因か と、思えました 上手くやっていきたいのに、何もかも上手くいかないし、空回りし続ける 確かに、静かな崖っぷちです キャリーケース…重いですね

    0
    投稿日: 2025.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2作品とも、読みながらどこか不自然さというか、歪さを感じてて、現実で起こりそうな内容だった。読後感の後味があんまり良くない感じ嫌いじゃない笑

    0
    投稿日: 2024.12.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    仕事先で理不尽な要求されたり、馬鹿にされたりする不条理な話だと思ってたのに、端々に主人公の毒を吐き出すシーンが出てきて、ラストには暴れちちらかして元に戻るのが不可能な所まで突っ走る爽快な終わり。 どんどん面白くなっていくあんまり感じたことのないワクワクを体験出来た、主人公が1番狂っている人だということははじめ分からないので徐々に本性を表してからがめっちゃ面白いです。 もうひとつ短編が付いてますがこっちは普通かな。

    54
    投稿日: 2024.12.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表題作もよかったけど、「アキちゃん」がめっっちゃくちゃ面白かった。読了後の昂った気持ちでブクログに登録しにきたら評価低くてびっくりした。「アキちゃん」は近いうちに絶対読み返す。

    1
    投稿日: 2024.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    座り心地の悪い小説。 ヒロインの性格に難あり。 まぁ、ニンゲン誰しもそういう感じかな。 芥川賞候補ということで興味を持って読了。 もう一遍が女の子なのかと思いきやというオチでびっくり。 ちょっとこうかんしゃく持ちなタイプっていたなと思いつつ主人公も性格余り良くはないのよね。 なんとなくこういう人っているなーという。 これで何かしらの爽快感があると直木賞になるしモヤッとしたまま救いきれないものを感じると芥川賞になるのかしらん。

    0
    投稿日: 2024.06.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    わかりやすい起承転結はないけど 逆にどうしようもない人間関係の複雑さが じわじわ読み取れてなんとも言えない気持ちになった。登場人物それぞれに人間の嫌な部分が見えてきて1人でイライラしながら読んだ。

    0
    投稿日: 2024.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    優しいお話なのかなと思って読んでみました。 ですが…私は登場人物に感情移入できませんでした。親切にしてくれる友達に悪態ついたり、どんどん悪い方に事が転がっていく…だんだん腹が立ってしまった…

    0
    投稿日: 2024.05.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    仕事では不得手なことを任され悔しい思いをして、好意でプレゼントすればかぶるし、妊娠かもって不安を煽られるし、恋人とはうまくいかないし、発表会にゆあなちゃんを出させようとするお母さんにマンガ教室をすすめるのは、こじれた小林に再度連絡とりたくないからだし、亡くなった加藤美咲との思い出にビッグマックを買おうとすれば販売してないし、あれもこれもうまくいかずなかば自暴自棄になって人生が追いつめられていく感じで読んでてツラかった。 ラスト。 キャリーケースの中身を空っぽにして髪形も変えて心機一転やり直そうと決意したとき、 そこで不意にアイスネルワイゼンのメロディが鼻歌になって出てきた。 もう亡くなったかっちゃんに弾いてもらうことができないことを痛切に実感し、助けてほしいのに素直に助けを求められない自分自身のままならなさ、不安定な将来とか。 そういった感情に押し潰されるように、人生を生きる重みに耐えられなくなって涙あふれて立てなくなる。 そんな主人公の琴音は、職場の知り合いとか友達の友達にいてもおかしくないようなリアルな女性だった。 優が話す遺伝性の視力の病気からだと思うけれど、映画のダンサー・イン・ザ・ダークの雰囲気を思い出しました。

    2
    投稿日: 2024.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    第170回芥川賞候補作『アイスネルワイゼン』 いろんな話が交差して気持ちが溢れていく描写が上手だった。 文學界新人賞受賞『アキちゃん』 残酷。自らのカルマを清算したという言葉が印象に残った。 良いことをしたら良いことが、悪いことをしたら悪いことが返ってくる。

    7
    投稿日: 2024.05.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登場人物の状況や特徴とかを直接的な言葉で書いてないし会話も噛み合ってなかったりして物語的には分かりにくいんだけど現実ってこんな感じかもと思った 多分誰かと不倫して仕事やめたんだろなとか彼氏とか言ってたのに付き合ってないやんみたいな、断片的なセリフからその人を推測していく感じが今までに読んだことない感じだったしリアルに近い感じして面白かった ずっと現実的なお話しだったのにラストは急に物語チックになった気がする 解釈が合ってるかわかんないけど現実が嫌になって何もかも重すぎる感覚は共感できる

    0
    投稿日: 2024.05.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「アイスネルワイゼン」誰もが他人の全てはわからない。会話の中で思い込みや偽善、ひとりよがり、無関心が露わになっている。精神的に不安定な琴音の言動が危うい。 結果的に気持ちが沈む読後感だったが、先が気になりどんどん読み進められた。 「アキちゃん」憎しみと好奇心が混ざった小学生の感覚を思い出したがこれも沈むものだった。

    0
    投稿日: 2024.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生きてると上手く行かない事の方が圧倒的に多い。それは自分の振る舞いのせいでないことも沢山あるが、自分の心掛け次第で避けて通れる不運を、主人公の性根の悪さから引き起こしていることをなかなか自分自身ではわからないんだよねと言う事がいいたいのかな。

    0
    投稿日: 2024.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作の中編1篇、短編1篇 どちらも人間関係をうまく築けないその人間性の欠陥をうだうだと描いている。

    0
    投稿日: 2024.05.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイスネルワイゼンは、芥川賞候補作(第170回)。 こんな嫌な気持ちになる小説は、なかなかないと思うくらい イライラする小説だった。(それも狙いだろうけど) セリフと状況説明(表情とか行動とか)だけで 主人公の心情描写がないのが特徴的。 よって説明されず、たぶんこうなのかな?という予想の部分が多い。 アキちゃんも芥川賞候補作(第163回)で、 今まで書籍化されておらず気になっていたので 併録されて、読めたので良かった。 こちらも子供の頃の嫌なことを思い出す小説。 そして驚きもある。

    2
    投稿日: 2024.04.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表題作より「アキちゃん」の方がソリッドで勢いがあって力強さを感じた。一点を除いて誰でもある程度の経験がある話だからだ。単純な人にも共感を生みやすいのだろう。

    1
    投稿日: 2024.04.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて読む作家だった。 二篇の異なるストーリー。 アイスネルワイゼン、クラシックの曲名のようだけれど、これ自体は造語。ツィゴイネルワイゼンをもじっている、 琴音は、実はアルコール依存症だったんだろうか?心の有り様がコロコロ変わるなぁと思って読んだ。 アキちゃんは、アキヒロが実の名前だった、と分かった時も、結構驚いた。

    0
    投稿日: 2024.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んでいる内に、なぁんかイヤ〜な気分になってしまい、「なんでかな~?」と考えてみたら、 「このヒロイン、かなりの根性悪やん」と気が付きました

    0
    投稿日: 2024.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    32歳の琴音の友だちとのやりとり、元彼⁇とのやりとりに気持ちがついていかない…。 彼女、しんどくないなのかな⁇と思ってしまう。 哀しくて息詰まりそう…と感じてしまう。 「アキちゃん」も最初はよくある小学生同士の揉め事かなって思いながら読み始めたけれど、アキちゃんって実は男子だったの⁉︎と。 アキちゃんがどういう大人になったのか、知りたいなぁ。

    50
    投稿日: 2024.04.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2023年下半期の芥川賞候補作品。一緒に収められてるのは文學界新人賞受賞作品。いや、どっちも私には合わん。いつも思うけど、芥川賞は私にきっと合わないんだ・・・

    0
    投稿日: 2024.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    女同士の電話のやりとりや 密やかなおしゃべりを わざわざ聞かされているようで そこには嘘や駆け引き 見栄、嫉妬みたいなものが むせるほど渦巻いているから ずっと息苦しくて落ち着かなかった。 主人公を含めた女の人たちみんな 幸せそうではなく 情緒不安定な感じで ときどき感情を爆発させながらも それぞれの関係は なんとかバランスを保っていて それがいつ、どのように崩れるのか 最後まで緊張感があった。 PTSD→PPAP 人間じゃない→人間味がない 友人の言い間違いに吹き出していたら 主人公の鬱屈や焦燥の中 もがき、苦しみ、怒り、あきらめ… いろいろな感情をぶつけられた。

    1
    投稿日: 2024.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんとも言えない読後感。 救いがない、けれど大きな絶望もない。現実を的確に小説に落とし込んだ感じ。 主人公の琴音は現実に、きっとどこにでも溢れてると思います。 周囲との関係、仕事の悩み。 鬱屈した日常への不満。 それはたぶん、本人にも原因があるんだろうなと琴音を見て思いました。

    0
    投稿日: 2024.02.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2024年1月 32歳、経済的に崖っぷちな琴音。生きるって大変だ。わたしも32歳くらいのころはわりと崖っぷちだったなぁとか思う。 好きな文章だった。 併録の「アキちゃん」がめちゃくちゃよかった。

    1
    投稿日: 2024.02.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文學界10月号でアイスネルワイゼン読みましたが、最後まで読むのが苦痛な作品でした。 最初は普通に思えた主人公が、私には理解不能な言動を続けるので、なんで?なんで?意味が分からない?と思いながら読みました。他の登場人物の言動にもイライラさせられてモヤモヤが残ります。

    0
    投稿日: 2024.02.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイスネルワイゼン 琴音の、苛立ち、揺れ、仮面、悪意、不本意な選択…。上手くいかない日常に潰されそうな、どうしようもない状況。 このどうしようもなさを諦めず超えるには大きな苦しみを伴う。完全に壊れてしまわないように自分を大切にし、時間をかけて超えて欲しい。そして、苦しんでいるからこそ、彼女の弱さや、脆さ、浅はかな行動が、優しさ、強さ、思慮深さにいつか繋がって欲しい。でもやはり、できれば全てをそのまま包み込んでくれる信頼できる人に出会えることを祈る。 アキちゃん 「人を憎むということは、ほとほと疲れ果てることなのだ。 それは火柱を遠くからながめることではなく、自らを燃やして火柱をつくることなのだ。燃料さえも自足しなければならず、そうしなければほんとうに憎しみ抜くことはできない。こんなに邪魔くさく、気の滅入るものはないだろう。憎しみはつねに憎む対象への情熱をためしている。そして習慣的に人を憎んだことのあるひとならわかってもらえると思うが、ほとほと疲れ果てる憎しみを習慣にしだすと、憎しみの根本である怒りや悲しみはもはや怒りや悲しみではなくなってしまう。それは虚無になりさがるのだ。」 身体と心、家の状況、兄のこと、アキちゃんのたくさんを知り、蔑みや見下しも気持ちをコントロールすることである程度をかわしている。そして憎しみを持ちつつ気になって仕方がない。 人と関わりを持つあり方は様々だけど、憎しみに支配されないようにはしたい。

    13
    投稿日: 2024.02.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表題作の「アイスネルワイゼン」は、差別的表現かもしれないが、女性の振る舞いの怖さを表現しているように感じた。本音と建前を越える本能的な行動のように思え、そこに人間の業を感じる。私には刺激が強すぎてクラクラした。著者が文學界新人賞を受賞した「アキちゃん」も収録。こちらは、途中からの違和感が最後にすっきりするわけではなく、こちらも救いがない作品だった。悪い意味ではない。記憶に残る作品だった。

    7
    投稿日: 2024.02.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作と、「アキちゃん」の二作。 表題作は芥川賞候補作。 読んでいて、ずっとイライラするような、嫌な気分になるようなお話。 お客さんのおばさんはムカつくし、仕事を紹介してきた友達も話が違うし、めちゃくちゃストレスがたまる。でもこういうことって、生きていればあるよな…って思うけど、それだけではなくて、主人公はどこか変。遠距離の恋人とは、もう別れている感じなのに、事前に行くことも言わずにクリスマスに高速バスで来ちゃうし、結局会えずにすぐに他の友達?との約束を取り付けてまた新幹線に乗って戻るし、貯金カツカツなのに美容院の予約(しかも結構高い)しちゃうし。 持ち物も置いたところに置いてきちゃうし。 稼いだお給料も、こうやってすぐ使っちゃうんだろうな。何かの病気なのだろうか。 最後まで、え…なんで?って感じのザワザワした小説だった。 「アキちゃん」 アキちゃんはムカつく女の子だと思ってたら、実は男の子とわかったところは、え!?っと驚きがあった。こちらも、読んでてずっとイライラ、ザワザワするような小説。

    1
    投稿日: 2024.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「アイスネルワイゼン」 「アキちゃん」 二話収録。 苦手な芥川賞系の作品だが、非常に読みやすかった。 芥川賞候補作となった表題作はかなり強烈。 主人公は32歳のピアノ講師・琴音。 仕事も恋愛も上手く行かず、友人から頼まれたクリスマスイブのバイトでは散々な目に合う。 冒頭から不穏な気配が漂っていたが、途中からは悪意に次ぐ悪意で胸やけがしそうだった。 友人間で繰り広げられる非難の応酬。 辛辣な言葉のラリーに恐怖さえ覚える。 自暴自棄になり、琴音の軋んでいく心が不協和音を奏でているようでザラリとした印象を残す。 最後の場面は切ない。

    2
    投稿日: 2024.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    情景描写や心理描写がほとんどなく、ほぼ会話だけの展開に面食らって、正直、流れがあまり頭に入ってこなかったです。 「アキちゃん」は嫌だなぁと思いながらも、先が気になって読み進みましたが。

    1
    投稿日: 2024.02.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    芥川賞候補作の「アイスネルワイゼン」では、諸事情あり会社を退職したピアノ講師・琴音が主人公。生徒、友人、仕事先、それぞれの相手と厭な含みを感じさせる会話のやりとりが巧みだと思った。適当に生きているように見える人も、実は重たいものを一人で抱えながら地獄を歩いているのだろう。ラストは急に安倍公房みたいでちょっと笑ってしまった。 文學界新人賞受賞のデビュー作「アキちゃん」は、小学5年生時のクラスメイト・アキちゃんに対する主人公の恨みつらみが綴られていく。性格の悪いアキちゃんのサンドバッグ的役割を担わされた、転校するまでの暗黒の1年間。叙述トリック要素があってやや驚かされた。 二作とも盛り上がりやカタルシスには欠ける坦々としたストーリーなのであまり言及できるところが無いのだけど、この静かな狂気を感じさせるテイストはとても好みなので今後も新刊がでたら読んでみたい。

    5
    投稿日: 2024.01.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    仕事も恋愛も上手くいっていない。人間性が最悪な仕事相手と会い、世にも美しい家族愛に遭遇したりする。最悪な失恋をしてもドラマのように直後に新しい恋は始まらない。友だちの嫌な部分に無性にムカつき、過去の親の仕打ちに急に腹が立ってしょうがなくなる。 何も持っていない空っぽの人生なのに、それはどうしようもなく重い。 精神的に追い詰められ、いっぱいいっぱいになっていく主人公─── ほぼ会話文で進む話で、主人公の感情は全く語られない。その中でたまにズレた発言や行動をする主人公の人物像が浮かび上がってくる。主人公をヤバい人間だと思う読者の方が多いのかな…でも、人ってこんなもんじゃない?と思う自分はズレてるのだろうか…。 会話が小説として作られた感じではなく、現実の会話文を文字起こししたようなリアルさで面白い。会話の噛み合わなさに苛立ったり、話してる内にどんどん怒りが膨れ上がっていって自分でもコントロール出来なくなる様が上手い。 収録された『アキちゃん』も面白かった。アキちゃんみたいな女子っているよな…と思いながら読んでいたら、思わずえ?!っと声が出そうになった。ちょっとミステリ的な企みがある作品。

    0
    投稿日: 2024.01.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    嫌な感じ(孤立する人間性、孤立させる己の傲慢さ)を徐々に浮き彫りにする手腕はそのまま、やっぱりどうしてもキャリーバッグのくだりが腑に落ちず。。 怒りの矛先がわからなくなる、急に大きな声を出す、在処のわからない強い感情をぶつけてしまう、そんな彼女がマックで若い女の子に「ただの良い人」として認定されるその一瞬、彼女は自分の感情の名前がわからなくて泣ける。 彼女のわからなさ、自分は何と戦っているのかわからないが故の不気味さと苦しさを、個人的には物理的な重さにたとえてほしくなかったけど、しかし移動するキャリーとその中身がずっと伏線(中身が軽くなるほど行き場がなくなる)としての小道具であるし、彼女自身、外郭のない苦しさに自覚的でなかったから、最後に出すとしたら物理的な重みでやっとわかる。。そういう使い方にはなるよなあ、など。。

    0
    投稿日: 2024.01.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    第170回芥川賞候補作。 タイトル「アイスネルワイゼン」は「ツィゴイネルワイゼン」のもじり。本筋に関連あるようなないような微妙なワード。 とても居心地というか座り心地というか読み心地が悪い小説。そういう意味では芥川賞候補作っぽいと言える。 面白く読めました。 主人公が性格悪いんですよ。 でも、読み始めはわからない。いかにも普通の人のふりしている。 だんだん本性が現れて嫌われていく人いるじゃないですか。まさしくそんな人。 主人公の視点で小説を読んでいて最初は感情移入しているから、途中から違和感が急上昇。あれあれあれ…って。 読んでいて、「自分ってそんなに無垢で純粋で正しくないんだー、悪いやつなんだー」と思い知ってショックを受けた若い頃を思い出した笑 併収されている「アキちゃん」も秀逸。 実は〇〇ではないアキちゃん。 感情というものがじぶんのものでありながらじぶんのものでないことをよくわかっていないと、けっこう、やっぱ大変だよね。 ♫蝶々(グリーグ)

    86
    投稿日: 2024.01.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公の行動に驚かされるが、読み手の中にも多かれ少なかれ共感できる部分はあるかと思う。 主人公が何かしらの障害を持っているかは読み手に任せられるがところどころの行動や言動で暗に触れている。 行間に隠されてる部分が多いが、意味合いが想像できれば素晴らしく面白い作品である。

    1
    投稿日: 2024.01.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    文學界10月号掲載 ⚫︎受け取ったメッセージ 大人の対応も限界あり。 いい人、悪い人って単純に決められない ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 第170回芥川賞候補作。32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わぬ方向へ転がっていくーー。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作。そして選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。 「すべての結果としてこの作品は、新人離れした堂々たる手腕を示すことになった」(川上未映子氏の選評より) ⚫︎感想(ネタバレ注意) 最後まで一気に読める。ほぼ会話と思考で表現されていて、読みやすい作品。琴音は、嫌だと思うことがあったり、言われたりしても、我慢して大人の対応をするのだが、もう限界となったら、本音を言う。その落差が印象的。彼女は一度も人生で本当に「愛すること」「愛されること」がなかったのかな、という印象も受けた ありそうなマウント取り、厄介なシチュエーションやらが満載で、大人は大人の対応してるけど、実際はイラッとしてたり、きっと他人にさせたりしてるよなぁ〜なんて思いあたることがあり、程度の差こそあれ誰もが共感できるところがあると思う。 言いたい放題してくる小林、周りくどい感じの優、母にもついにキレる、ピアノ教室に通う子の母にも決別。恋人にも取り付く島もない。最後にほんの少し救いの兆しか、気持ち回復の兆しがあってほしかったなぁとは思った。

    14
    投稿日: 2024.01.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ままならないことが積み重なり次第に怒りをコントロールできなくなる主人公。おそらく悪いのは周りだけではなく自分にも原因があるとわかってるだけに余計に抑えられない感情に潰されていく過程が面白い。

    2
    投稿日: 2024.01.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文學界10月号より ほぼ、会話形式で進むので、非常に読みやすく、サクサク進む。感想としては登場人物達にほぼ共感できないようで、気づいたら共感してしまっている自分がいた。 終始不穏な空気の中、物語は進み、足場の崩壊寸前な感覚に、ハラハラした。 主人公の幼児性もさることながら、出てくる人達にまともな人は少ない。 でも、文章でみる危うさは、至って普通の日常であることに気づく。 凄く面白かったのは、間違いないが、佳作感は否めない。

    10
    投稿日: 2024.01.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【第170回芥川賞候補作】32歳女性の「静かな崖っぷち」。新鋭作家が奏でる、おかしさに彩られた哀しさの夜想曲。絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作を併録。

    0
    投稿日: 2023.12.18