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数学嫌いな人のための数学(新装版)
数学嫌いな人のための数学(新装版)
小室直樹/東洋経済新報社
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総合評価

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  • yasudonのアイコン
    yasudon
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    本書は、数学の解き方を学ぶ本ではなく、宗教、資本主義、経済学などを交えながら、数学の論理と面白さを学ぶための一冊です。 論理こそ数学の生命、として、本書はいきなり古代イスラエルの話から始まります。 論理とは論争のための方法であり技術でもある。 神の言うことを聞かないイスラエル人は、預言者モーセを通して神との論争に挑むのですが、神をも論破して従わせるという感覚は、我々日本人には想像も出来ないものです。 また、アリストテレスが完成させた形式論理学では、同一律・矛盾律・排中律が確立され、曖昧な結論を許さない。これこそが論理の極意か! この形式論理学をもとに、背理法(帰謬法)が威力を発揮して、数学の更なる発展にもつながったとのことであり、本書に示す背理法の凄さはよく認識しておきたいと思いました。 かつて数学の授業でなんとなく聞いた覚えがある「対偶」、「必要条件」、「十分条件」にも紙幅が割かれており、文系の私でも理解を深めることが出来ました。 これらの技術は思考を深める上で、また、議論を行う上で有益なツールになりそうです。 そして、一番驚かされたのが、経済学における方程式と恒等式との違い。 経済学の数式Y=C+Iについて考えます(※Y:国民生産又は国民所得、C:消費、I:投資)。 これが方程式Y=C+Iである場合と、恒等式Y≡C+Iである場合を見ると、前者はケインズの有効需要の原理、後者はセイの法則という正反対の論理の数式になる! 小室先生の著作で両者の違いは理解していたつもりですが、数学で現すとこんなことになるのか、と感嘆せざるを得ませんでした。 論理が苦手で、曖昧とか中庸とかが大好きな私でも、数学の効用の凄さを感じることが出来た驚異の一冊。 いつもながら小室先生は凄い!

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    投稿日: 2025.03.09
  • ミジンコ帝国大統領のアイコン
    ミジンコ帝国大統領
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    論理の核となる数学の歴史と経済学の繋がりを説明した本(のように私は感じた)。 第5章の経済学の箇所は理解できたか怪しいので、時間を置いてもう一読する。 とりあえず、同一律、矛盾律、排中律と必要条件、十分条件くらいは論述の中で使いこなしたい。

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    投稿日: 2025.03.03
  • nobu2kunのアイコン
    nobu2kun
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    『#数学嫌いな人のための数学(新装版)』 ほぼ日書評 Day766 20年くらい前の本の新装版らしい。正直、難解…というか、ロジックについていく体力がない。 一例。 対偶(Contraposition)という概念を持ち出して、何を言うかと思ったら、アンチ古典派(新古典派を含む)の論理展開。 「自由主義経済は全て良し」(命題)に対して、「良からぬことが起きるのは市場に自由でない部分があるからだ」(対偶)を置く。この"自由でない"部分を徹頭徹尾排することが"古典派"のドグマであり、そうした主義者は執拗に規制撤廃を解く。彼らが目の敵にした"規制(自由でないもの)"が、経済恐慌期の労働組合であり、1980年代アメリカの預金保険制度であった。 要は、数学とか究極の論理であり、ユダヤ教以下の一神教においては、神の存在を証明する(人が神に対峙する)ためのツールであった。それは法の世界においても同様だが、対極にあるら我が国では、むしろ判決を出さない(和解する)方が好まれるのは、そうした文化を背景に持たないがゆえ…ということだそうだ。 https://amzn.to/49ZozEM

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    投稿日: 2024.03.05
  • 千葉経済大学総合図書館のアイコン
    千葉経済大学総合図書館
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    配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10275832

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    投稿日: 2024.03.04