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- hazel8483"powered by"
妻の死で気力をなくした推理作家は 目覚めると見知らぬ島にいた。 そこにはデジタルデトックスのセミナーのため 1組の親子を含む8名が集まっていたが 彼らの誰も作家の姿は見えていないようだった。 そして、セミナー2日目、事件が起きる。 作家が探偵役ってことなのかな? と思って読み進めたのですが わりあい傍観者のままというか。 自身の過去の影が見え隠れしたりして。 結局、殺人事件の方の謎は ちゃんと解決されるのですが 物語全体の謎が腑に落ちなかった…すみません。 でも、2番目の殺人の 「なぜ被害者は部屋から逃げなかったか」 の解答なんかは現代ならではで おお〜!と思いました。
0投稿日: 2025.01.29 - 久能整"powered by"
島田荘司先生の「21世紀の『十角館の殺人』」という帯に興味が湧いて読んでみた。デジタル・デトックスのために集められた人々が訪れた島で連続殺人事件が起こるクローズドサークルものかつ密室がメインの本格ミステリーだった。近未来という設定を利用した密室トリックや登場人物のミッシングリンクが魅力的で面白かったが思っていたよりもSFの要素が強く「ポスト『十角館の殺人』というよりはポスト『すべてがFになる』というべき作品かなぁ。」という感想も浮かんだ。また、最後にどんでん返しがあるのも良かった。
3投稿日: 2024.05.19 - tamako"powered by"
島田荘司推理小説賞受賞で著者はマレーシア人。 デジタルデトックスのため、孤島に訪れた人々の中で起こる殺人事件。語り手はすべてを見ているが、なぜか他のメンバーには彼の姿が見えないらしく… デジタル時代のクローズドサークル。無理やり感もあるが、未来ならではのトリックや認識のちがいなどなかなか面白かった。
1投稿日: 2024.02.29 - yoshi1004"powered by"
島田荘司賞は面白いのが多かったのでかなり期待した。が、今作は期待値が高すぎたのか私の読解力がないのか、孤島の殺人事件、しかも密室殺人、でSFぽいのが全く合わなかったのが残念。
2投稿日: 2023.12.28 - yutan2278"powered by"
最愛の妻を亡くし引退したベストセラー作家が、ある日目を覚ますと、そこは見知らぬ孤島だった。やがてやって来たのは「デジタル·デトックス」ツアーの参加者たち。メンバー相互の会話や、視線を合わせること、読書や音楽を聴くこと、メモを取ることまで禁じられ、殺生も厳禁という環境の中でひたすら己と向き合うのだという。しかしそこで殺人事件が発生した。作家はすべてを目撃するが、何故かメンバーの目には彼の姿は映らない…。 島田荘司推理小説賞受賞作とのことで、推薦文にも《21世紀の十角館!》と書いてあり期待大で読んだ作品でした。 設定は面白かったのですが、これはSFなのでは?期待していただけに残念でした…。
0投稿日: 2023.11.25 - hige0519"powered by"
「第7回 金車・島田荘司推理小説賞」受賞作。作者は中華系マレーシア女性作家とのこと。 クローズドサークルの状況下で発生する連続密室殺人。お互いが疑心暗鬼になっていく様や伏線張りが丁寧に描かれていますし、デジタル要素が加わった前代未聞なロジックで解決するところは目を見張るものがありますが、同時についていけない部分もあったのも事実で、良く出来ている割に手放して褒められない感が拭えませんでした。
0投稿日: 2023.11.12 - なぷるぷる"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
21世紀の十角館 文字通り受け取ることはできないが、AIによる物語というパターンは初めて味わった これはこれでアリなんじゃないかな 今後もし誰かの作品で同じギミックを使われたら、二番煎じとして低評価は不可避だけど、個人的には初回祝儀という評価 フルAIによるミステリーで溢れかえる時代が来るのかもしれない。今という時代の転換点にしか出せない小説、その意味では先駆けとして後年評価される、かも ドアの取手の真相は良かった タッチ式の自動ドアの前で立ち止まってしまうのも似て非なるモノか
0投稿日: 2023.10.17 - 放浪者"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
第7回島田荘司推理小説賞を受賞した華人系マレーシア人・王元氏による本格ミステリ。デジタル技術の進化と〈時間〉を題材にしたクローズド・サークルもので、SF色の強いオチからも「新しいミステリを書こう」という作者の熱意が感じられる。ただしトリックの強引さや非現実的なオチは賛否が分かれるところだろう。帯や広告では「21世紀の『十角館の殺人』」と宣伝されているが、流石に比較できるほどの出来ではないと感じた。 物語は最愛の妻を亡くした推理作家が、見知らぬ孤島で目を覚ます場面から始まる。その島では「デジタルデトックス」の集いが催されていたが、奇妙なことに誰も語り手の存在には気が付かない。やがて参加者たちの間で連続殺人が発生し……という内容。 劇中で起こる事件はいずれも密室殺人であり、確かに奇抜なトリックではあるが、悪い意味でバカミスと紙一重に感じる。「証言者はデジタル依存症の〈方向音痴〉なので廊下の右と左の区別すらつかなかった」「被害者は生まれてから一度も普通のドアを見たことがないので、ドアの開け方を知らなかった」というのは、いくら何でもあり得ないだろう。 それに、起きている事件が平凡なわりに様々なアイディア(実は2043年だった、性同一性障害……etc)を詰めこみすぎており、アンバランスな印象が否めない。これだけブッ飛んだ真相を持ってくるのなら相応の舞台と謎を用意してほしかった。また最終章では「語り手の正体が擬似的に再現された故人のAIだったこと」や「それまでに語られてきた出来事がAIによって作られたストーリーだったこと」が明かされるが、これも解決編のカタルシスが薄れてしまうため蛇足感は否めない。個人的な不満を付け加えると、物語の後半、約250Pのうち20Pを割いて瞑想についての哲学的な説明シーンが挿入されていたこともストーリーのテンポを削いでいると感じた。 悪い点ばかりを挙げてしまったが、形状記憶素材を利用した密室殺人やIoTを絡めた推理は〈現代〉と地続きで、「いつかこんなトリックが実現するかもしれない」という可能性を感じられたのは良かった。作者の発想力には驚かされる点もあったので、選考ではそこが評価されたのだろうか。いずれにせよ、マレーシアからも本格ミステリの新たな才能が発掘されたのは喜ばしいことである。
0投稿日: 2023.09.28 - 文藝春秋公式"powered by"
【21世紀の『十角館の殺人』がマレーシアから登場 】デジタル機器に囲まれた日常の疲れを癒すデジタル・デトックスが行われた孤島で連続殺人事件が。島田荘司賞受賞の傑作21世紀本格。
0投稿日: 2023.08.09