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トランスジェンダー入門
トランスジェンダー入門
周司あきら、高井ゆと里/集英社
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総合評価

31件)
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    shutst
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    性別って生物学的な話だから生まれながらの自分の身体的特徴を受け入れられない(違和感を覚える)って、大きく言えば自分は人間ではなく犬である、哺乳類ではなく爬虫類であるみたいな解釈だと思うんだけど。生物学を軽視した考え方に感じる。 ただ中学の同級生がそうで、その子は性転換手術をして、後に自死していて、長年苦しんでいたのは知ってる。そうゆう人がいるのは認識しているのだけど、感覚が本当に分からない。この本も読めば読むほど分からなかった。

    0
    投稿日: 2025.06.12
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    sara
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    あらすじ(集英社より)トランスジェンダーとはどのような人たちなのか。 性別を変えるには何をしなければならないのか。 トランスの人たちはどのような差別に苦しめられているのか。 そして、この社会には何が求められているのか。 これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる、本邦初の入門書となる。 トランスジェンダーについて知りたい当事者およびその力になりたい人が、最初に手にしたい一冊。(https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721274-7) 要点が絞ってあるし表現も平易でわかりやすい。まずはの1冊。 新書なので量もそんなに多くないけど、よく勘違いされやすいこととか、無意識に差別されやすいところとか、日本の法制度、医療制度の課題とか知りたいことがまとまってて良い。 トランスジェンダーに関するニュースを見てなんとなく不安を持ってる人にこそ読んでほしい。 本当に追求すべき問題は何かはっきりしてくるはず。 以下、引用 他方で、そうした身体の特徴に基づく性別の仕分けにあたって、従来男性の医師や学者たちが中心になって定義してきた、生殖器の形や染色体の組み合わせが利用されることはほとんどありません。むしろ、日常生活で他者の性別を理解するとき、そうした生殖器官を互いに見せ合ったり、染色体の検査結果の証明書を提示したりする機会は皆無といってよいでしょう。私たちは、相手の身体のなかから「性的な特徴」とされるものを漠然と選びだし、髪が長いから女性だろうとか、背が高いから男性だろうとか、声が高いから女性だろうとか、そういった仕方で「身体の性」を捉えているのです。だからこそ、そうして推測された性別が当人の実態とは異なることもあります。 (p.30) 法律は、その時代に権力を持っていた人間が作るものです。だからこそ法律はより良いものへと変わっていく必要がありますし、また変えることができます。そうして変わりゆく法律に誰が本物のトランスジェンダー(性同一性障害)なのかを決定するゲートキーパーの役割を任せるのは、トランスたちを分断し、互いの尊厳を傷つけるスタンスです。(p.173) →たまに法律が〜だからっていう人いるけど、それもまた過去人によって作られたものだから法律が絶対正義とは限らんよねという。 たかだか公衆浴場の話をわざわざ性別承認法と結びつけることには、何の合理性もありません。公的書類の性別が現実と食い違っていることに由来する社会的困難は、公衆浴場に矮小化されるような話をはるかに超えています。そのことについては、これまで何度も述べてきました。これはお風呂の話ではなく、人生の話なのです。(p.166) →これ。トランスジェンダーの話になると、やたらとトイレや銭湯の話に繋げられるのもそもそもおかしいよな…と改めて思う。 男性であるにもかかわらず本来得られたかもしれない恩恵を受けられていないと嘆く男性が「より弱い立場にいる女性や性的マイノリティのほうが、いまや優位だ」という錯覚を持ち、男性優位社会を批判的に壊そうとするフェミニズムに反動的になっても、それでは現状(利益を)独占している男性が勝ち続けるだけですから、状況は悪化する一方です。そして、勝ち続けることを強いられて競争から逃れたい男性にとっても、変革は必要です。(p.205)

    0
    投稿日: 2025.05.20
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    tsurf
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    トランスの方々の基本がわかる本。ただ、考え方がトランス側に立ちすぎているのでは?と終えて仕方ない。就労、貧困などなど、トランスの方のみならずシスの方々も苦労しています。

    1
    投稿日: 2025.04.23
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    あみ
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    入り口として丁寧に説明していただいた印象です。 分かっているつもりで全く分かっていないことばかりでした。 過去別の本で読んだ日本の社会にある「人間教」の考え方を思い出しました。 多数派の過ごしやすさによって、その枠から様々な事情で該当しないとなった人達が生きること自体に難しさを感じなければならないことは悲しい その一方、自分自身も多くの差別をしてしまっていると思うと実現できるのか、自分ごととしてどこまで考えられているのかは不安になりました。 書籍の構成上仕方ないのかもしれませんが、様々な状況に対して、現在の状況について、強い批判のみで書かれていると感じる部分があり、分かりやすいと思う一方どうして法整備や受け入れの実現が難しいのか、という視点でも状況が書かれていると良いと感じました。

    0
    投稿日: 2025.03.01
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    ak
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    トランスジェンダーへの理解のための考え方や直面している問題点がわかりやすくまとめられている。 それらは誰しもにとって無関係ではない。 差別をされたり或いはしたりしないために。

    0
    投稿日: 2024.09.10
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    fuku0
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    断片的な知識はあってもあまりよく知らなかったトランスジェンダーのこと。 たとえば、FtM/MtFという表現がもはや好ましくないことは知らなかった。また、性自認と性的指向は別物だという知識はあっても、性的マイノリティというときにトランス女性のレズビアンやトランス男性のゲイという存在は想定から抜けてしまっていた。 第二章では、ある架空のトランスの人の性別移行に当たって直面する課題が物語風に描かれ、当事者の人生を想像する助けとなる。また、トランスジェンダーの議論となると公衆浴場やスポーツといった直感的・扇情的な議論が取り上げられがちだが、著者らのいうように、当事者が人生の中で対峙する障壁に比べればそんなことはあまりに些細なことだと切に感じる。 法的な性別変更くらい厳格な要件を満たさずとも可能となる社会を実現しなければならないと思う。

    2
    投稿日: 2024.03.18
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    すずのき
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    別の著者の本(たしかフェミニズム系の本だったと思う)で「差別主義者の最大の特徴は、自らが差別主義者だと自覚していないことだ」と書かれているのを読んだことがあり、自分が誰かを無意識のうちに差別することがないように、自分のよく知らないトランスジェンダーについて書かれたこの本を読んでみた。 著者は、「トランスジェンダーのことをきちんとわかりやすく書いた本が世の中にないので自分でこの本を書いた」と述べている。 私は専門外なのでこの本に書かれていることがどれほど正しいのかは判断できないが、少なくともこの本を読んでトランスジェンダーの方たちの気持ちを以前よりはるかに理解したり想像したりすることができるようになった。 それはつまり、トランスジェンダーの方の立場になって考えることが(完全にではないだろうが)できるようになったということでもあると思う。 この、別の人の立場になって考える、ということが私はとても大事だと思っている。それが世界から差別をなくす一歩になると信じたい。 時間のない人でも、第一章だけでいいから読んでほしい。

    2
    投稿日: 2024.03.03
  • トランスを通して見えてくる、マジョリティをも含む社会課題

    トランスのみならずジェンダーについて、自分がいかに無知だったかよく分かった。そして、まだよく分かっておらずグルグルと考えている。 トランスの人は「出生時のラベリング」と「ラベル付けられた性らしさを求められること」の2重の違和を抱えている。後者は私自身にも付きまとってきたが、シスでヘテロというマジョリティでも抱えている課題へも多く言及されていて、社会や制度の不備や直す手立てなど様々な角度からの手がかりが得られてよかった。

    0
    投稿日: 2024.02.24
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    horinagaumezo
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    トランスジェンダーとはどのような人たちなのか、性別を変えるには何をしなければならないのか、トランスジェンダーの人たちはどのような差別に苦しめられているのかなど、トランスジェンダーについて、様々なデータを用いて現状を明らかにするとともに、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる本邦初の入門書と謳われている。 LGBT理解増進法の制定等によりトランスジェンダー差別的な言論をよく目にするようになり、改めてトランスジェンダーについて知りたいと思い、本書を手に取った。そもそものトランスジェンダーの定義やトランスジェンダー差別の実態、トランス医療、性同一性障害特例法のことなど、トランスジェンダーについて理解が深まった。 ただ、著者の主張の部分が強いように感じ、また、なぜトランスジェンダーが生まれるのか(先天的なものなのか、後天的なものなのか、生物学的にはどのように捉えられているのかなど)といった知りたかったことに触れられていない部分もあり、入門書としてもう一つと思うところもあった。

    0
    投稿日: 2024.02.11
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    ヨッシー
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    この本を読み終えて、自分の中にフィルターが一枚生まれた気がした。それは過剰な忖度だったり、厚みの分だけ他者との距離を生んでしまうものではなくて、考えや思いを口にしたり文字で発信する際に、無意識に誰かを傷つけてしまうような表現をこしとってくれるようなもの…であったらいいなと思ってます。 正直なことを言うと、半分くらい読んだ時点ではトランスジェンダーの人たちの辛い体験や困難を想像して神妙な面持ちになりつつも、文章の端々から滲み出てくる言葉の強さに「なんかすみません…」と書き手のお二方に頭を下げたくなるような圧を感じてしまったのも事実でした。本書に出てくる表現でいうところのシスジェンダーにとって、トランスジェンダーの人たちの「生きづらさ」は想像しようと思ってもなかなか想像できないもので、でもだからこそ本書を手に取ったりして歩み寄りたい、できる範囲で理解させてほしい、と思って読み進めていったらすごい勢いで感情に訴えかけられてきて面食らうというか…。 でも、4章の「医療と健康」を読み進めるにつれて「命に関わるレベルで困ってるなら、必死になるのも当然だな…」と思ってからは、言葉の強さがそのまま生きるための強さにも感じられて、腑に落ちたような気がしました。

    3
    投稿日: 2024.02.01
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    読生
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    人間としてのあり方の問題だけど、生物としてのあり方の問題でもあるのだろうか。 主に当事者の立場で書かれています。 相当困ってる。 社会のあり方があまりにも社会的な性の影響を受けるから。 ただ、生物的な性との関係性についての記述はあまりないような気がする。 何がどうなってそういうことが起こるのか。 「生まれた時に割り当てられた性」という表現がこの本には出てきますが、そもそもなぜそういう言い方をしなければならないのか。 染色体というものがあります。もちろんこの本でも触れられていますが、それはすごく少ない。 そこが大事な気がするのですが、そこにはあまり触れていない。 つまり、私たちの考えている「性」のほとんどが社会的な性であって、そこにズレが生じた場合のほとんどの問題は、社会的な性の問題であるということなのでしょうか。 この辺り私もうまく理解できているか分かりません。 本能というものもあります。 性自認が生まれた時に割り当てられた性とズレてしまった人は、つまりその本能もズレているのだろうかと。 ただ、その「本能」自体が社会的な性なのかもしれない、そうするとこれはもう人間だけの問題ではなくなるのだけど…。 「なぜズレが起こるのか、なぜズレがズレであると判断されるのか」 その辺りがよく理解できていないのです。

    1
    投稿日: 2024.01.02
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    mayuharu21
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    性同一性障害ということばは誤り。「障害」ではない。 ジェンダーアイデンティと性自認と性同一性は同義。 そもそもこのことからしてわかっていない「知識人」が 多数いるのではないか。日本に。 「知識人」としたのは、政治家に対する皮肉だ。 特に自民党の一部。 この新書は、トランスジェンダーにとって、 この日本がいかに生きづらい国であるかを綴っている。 トランスジェンダーは人口の1%もいない、という。 出生時に割り当てられた性と、ジェンダーアイデンティティが異なる人。 従来はこれらの人々は「いないもの」にされていた。 それこそ「障害」「異常」とされていた。 しかし時代は変わり、少数派を尊重することが当たり前の世の中になってきた。 考えてみれば、以前は、そして今も、左利き、すら差別されてきた。 それは道具に代表されよう。 はさみ、スープをすくうお玉、自動改札機、、、 10%いる左利きですら不便な世の中。 様々な技術でようやく改善されつつある、まだその途上。 ましてや1%もいないトランスジェンダー。 「効率化」からすれば無視したくなる、というのも理解できなくもない。 しかし、 トランスジェンダーを認めないときの事例はいつも 「トイレはどうする」 「銭湯はどうする」 ばかり。 既に欧米では男女トイレを区別しない国も出ているという。 銭湯は、、今日日銭湯を日常的に利用する日本人がどれだけいるというのか。 問題のすりかえ。 些細なことを咎め、本質的なトランスジェンダーの生きづらさに向き合わない。 なんて偉そうなことを言うが、私もつい最近まで、 LGBTのうちT、トランスジェンダーは理解できない、と言っていた。 なぜ性転換手術(このことばもいまや使わないそうだ)をしてまで姓を換えるのか、と。 今はそれが誤った考えだとわかる。 中には好んで体にメスを入れる人もいるかもしれないが、 大半の人は、生きづらさから逃れるためにやむを得ずに手術を選んでいるのだ。 そもそも法律がそれを強いている。 生殖能力が無くならなければ戸籍上の性別を変えてはいけないと。 それは「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」 名称だけでもアウト。2003年成立時点ではやむを得ないとしても速やかに変更すべき。 内容もだ。 要件は 一 十八歳以上であること。 二 現に婚姻をしていないこと。 三 現に未成年の子がいないこと。 四 生殖腺せんがないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。 五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。 この四が憲法違反であると最高裁の判決が2023/10に出た。 世の中は確実に変わってきている。 変わらないのは自民党の一部。 いや、もっといえば日本の官僚制度だろう。 明治維新で作られた薩長政権の考えは敗戦を経ても変わっていない。 戸籍がその最たるもの。たかだか150年の歴史、変えればいいのだ。 廃止すればいいのだ。そのためならマイナンバー義務化も理解されよう。 ・・・そもそもカードじゃないけどね、今の時代。 色々絡まる。 キックバックの安倍派を干すことで自民が割れれば、今の官僚制度も変わるのか? トランスジェンダーなどマイノリティに目を向けた国になるのか。 いずれにしても多数派が少数派を切り捨て、効率化を求める時代ではないのだ。 それが通用しないことはこの30年で誰しもわかっているはず。 変えねば。変わらねば。

    1
    投稿日: 2023.12.13
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    Y
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    勉強のため そもそもこの本を手に取るまで、トランス関連の本が少なくて驚いた。噛み砕かれていて入門にふさわしく分かりやすかった

    0
    投稿日: 2023.12.05
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    eu_rasia
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    一度体系的に学ぶべきだな、と簡単そうなとこから読んでみました。FtM、MtFって今言わないのか。用語の印象に引きずられる注意がいるというの含め考え方の基本はつかめた気がします。最近話題になってた公衆浴場の利用に関する議論についてもきっぱりつっぱねててよかった。

    1
    投稿日: 2023.11.27
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    oukayuka
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    『トランスジェンダー問題』を読んだときも感じたが、彼ら活動家寄りのトランスジェンダーは自分たちが住みよい社会イコールシスジェンダーも住みよい社会と無邪気に主張しすぎなのでは。 移行先の性別に見えない、溶け込む気のない人たちを、彼らの望む待遇で受けいる社会的コストを軽く見すぎている。それを人権侵害だ差別だと正論で押し通すのは、面倒な人たちだと腫れ物扱いを招く。 シスジェンダーだって社会の性別規範と折り合いをつけて生きているわけで、そこから外れれば人から見下され疎外される。 トランスも社会と折り合いをつけて生きている人のほうがおそらく多いのだろうが、どうにも一部の特別扱いを求める声の大きい人たちが最近目立つ。

    0
    投稿日: 2023.11.22
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    夜田わけい
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    読むのが辛かったけど、とても勉強になった。ノンバイナリーの人の自殺率の高さはなんとかならないものだろうかと思う。性同一性障害という言葉は、もう現代の医療では使われず、性転換手術をする方が良いという見解になっているらしく、その常識はわりと衝撃的だった。虫の医療を考えている私にとってはものすごく深い内容で、今年読んだ中で一番ぐらいに良い本だった。 自分で選択した性を生きるって、素晴らしいことなのかもしれない。

    0
    投稿日: 2023.11.05
  • yamabon1980のアイコン
    yamabon1980
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    LGBTという言葉はずいぶん浸透してきた気はするけれど、その中でもT=トランスジェンダーについてはなんとなく理解しているようでそうでもなかったということに気付けた。なかなか当事者と接点を持ってということが難しいだけにこうした本があるということは、お互いの理解への第一歩となるという点で貴重な一冊だと思う。

    1
    投稿日: 2023.10.29
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    人生≒読書
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    私が当事者の方々とお付き合いを始めた、この20年の間にも変化や進化があったことを本書で知る。特に「ガイドライン」の功罪については驚きを持って学んだ。 最近、最高裁の判決で、特例法が違憲とされたので、そこの記述は変わってくるだろう。喜ばしいことだ。また、LGBT理解増進法も制定された。完全ではないが、ここから漸進させていけるはず。

    2
    投稿日: 2023.10.27
  • Anonyのアイコン
    Anony
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    感想 MtoFとFtoMすら区別しない。トランスの人々とどこが違うのか共通点は何か。当事者の心と主観、社会の側からの法律と規範。

    0
    投稿日: 2023.10.21
  • nobuimamuraのアイコン
    nobuimamura
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    LGBTQについて、いかに自分が性的マイノリティ、特にトランスジェンダーについて無知であったか分かった。本書はトランスジェンダーについての分かりやすい入門書であり、彼らが、どのような社会的状況に置かれ、特に日本で彼らを取り巻く状況は世界の中でも最も遅れている状況であるかもわかった。国際的にも人権意識が遅れている我が国であるので、特に驚きはしないが。法的な問題については、明治以来の戸籍の問題がネックになっていること、またフェミニズムや男性学との関係、ノンバイナリーについて、分かりやすく整理されて書かれている。本書を通読して思うのは、世界の人権意識や差別問題は進歩している中、わが国だけが逆流している印象を受ける。トランスジェンダーの問題は、トランスジェンダーだけの問題だけではなく、すべての人にとっての問題あることが理解できた。すべての人が生きやすい世の中にしていくには共に運動をしていくことが重要であることが示唆された。

    0
    投稿日: 2023.10.04
  • 9696doseiのアイコン
    9696dosei
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    トランスジェンダーの人がどのように自覚をするのかという初歩の初歩から丁寧に説明をしてもらえるのがとてもありがたかった。 ●誕生時の性別を引き受けること●誕生時の性別らしく生きること、という全ての人に課せられる課題のうち、前者に躓くのがトランスジェンダーという説明は、「女らしい格好をしたい男性としては生きられないのか?」という疑問のアンサーになっており、わかりやすかったと思う。 また、性別の変更に関する日本の要件を一つずつ説明していたのもありがたかった。日本の法律の何が問題なのか説明する文章としてこれ以上のものはなかなかないと思う。 性別分けを過剰に意識した制度や区別をなくさなければトランス差別は無くならないが、「性別分け」をなくすことはトランスの人だけではなく「性別らしさ」の押し付けと戦う全ての人に利益をもたらすという本書の結論は、トランスの問題が実は多くの人と関連のある問題なのだということを導く良い結論だと思った。

    0
    投稿日: 2023.10.03
  • mishuranmanのアイコン
    mishuranman
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どっちにしても簡単じゃないよ、ということなのだろうけれど。そんなにリソースがない時どうするかではある。気持ちも。

    2
    投稿日: 2023.09.29
  • hifumi1232001jpのアイコン
    hifumi1232001jp
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    自分たちの声を「代表する」人たちが「少なすぎる」「過少代表」問題は、様々な差別解消の決定に関わっていないことによる状況改善の遅れになる。宗教、菜食、健康上の理由による特別機内食はなぜ運用出来ているのかなと。航空機で国を行き来する人は多様という想定を、学校、職場、各種サービスにも工夫してつなげないといけないと感じました。

    0
    投稿日: 2023.09.23
  • 吉田和月のアイコン
    吉田和月
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    知ってるつもりで読み始めましたが、、、 知らない事だらけでした(>人<;) 多方面に簡単じゃないことだらけ。 何ができるかな? 考えさせられます。

    0
    投稿日: 2023.09.23
  • マッティのアイコン
    マッティ
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「身体の性」は、生物学的な特徴で外性器のような客観的な要素をイメージされやすいが、実際には外性器をもって他者の性別を理解することはまれで、背の高さや髪の長さなど「身体の性別特徴」によって判断される。よって、「身体の性」とは複合的な概念である。 男性の性的特徴がある人が女性ホルモンを投与し、睾丸を摘出しても、「男性でない状態」に近づきたいだけで、「女性化」したいとは限らない。 トランスの人々は厳しい社会的現実によって、メンタルヘルス不調に陥りやすい。 トランスジェンダーの法的な性別商人は権利の問題で、公衆浴場やスポーツなどの局所的な場面の話は別である。それらの話は、それぞれの事業者や団体が個別運用の次元で対応すべき。

    3
    投稿日: 2023.09.10
  • eccoleseratteのアイコン
    eccoleseratte
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    ◆目次◆ 第1章 トランスジェンダーとは? 第2章 性別移行 第3章 差別 第4章 医療と健康 第5章 法律 第6章 フェミニズムと男性学

    1
    投稿日: 2023.09.09
  • Saya831のアイコン
    Saya831
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    生まれた時に性別が「割り当てられる」という感覚への違和感や、LGBとTの違い、ノンバイナリーやAセクシャルの存在など、知らなかったことや理解不足がたくさんあった。性別は生きる上で大きな固定概念であり、縛りになってるんだなぁ。 「女性らしさ/男性らしさ」というこの「らしさ」に苦しめられる人が多いように、性別の問題に拘らず固定概念は厄介。いろんな物事の捉え方があるということを知るために、またさらに自由な生き方を促進し多様性を受け入れるためにも、本書は早い段階で教育現場に導入されてほしい。 誰もが自分を大切に、相手の自由も尊重した生きやすい世界になるといいなぁ。

    1
    投稿日: 2023.08.29
  • 葎花のアイコン
    葎花
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    いる人をいないことにしてしまうのは、「だれかを踏んでおいて居直るのと同じ。いっちゃん始末悪い」こと(引用はべつの、好きな漫画から)。

    1
    投稿日: 2023.08.17
  • おかにゃんのアイコン
    おかにゃん
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    肯定的なレビューが多くてビックリ。 言いたいことは分かる。トランスの人たちを取り巻く困難も分かる。でもだからといって、女性もいっしょくたにマジョリティにカテゴライズしてしまうトランス当事者の方たちの言い分が、一方的に通るのかといったら疑問が残る。 トランスの人がなんと言おうと体格や体調に性差があるのは事実だし、その性差を受け入れつつ自分の性別を受け入れている私には、いろいろと理解しかねることも多い。

    1
    投稿日: 2023.08.11
  • かっきーのアイコン
    かっきー
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    自分のように今まできちんと学んでこなかった人間にとっては、入門書として読みやすい内容であった。諸々の議論については他の文献をあたる必要があるが、その基礎固めにはなったと思う。後半に進むにつれて語気が強くなり、やや首を傾げる部分もあったが、著者らの熱意のあらわれと思いたい。 フェミニズムだけでなく、男性学に触れられていたのも興味深い。日頃から何気なく男性/女性でカテゴライズしている場面に遭遇することがあるが、それがいかに無意味な行為であり、その無意味な行為に苦しめられている人がいるということを考えさせられた。トランスジェンダーの同性婚・異性婚も個人的に興味を惹かれる内容であった。

    1
    投稿日: 2023.07.24
  • yonosuke2023のアイコン
    yonosuke2023
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    基本という感じでよいのではないか。たしかにわかりやすくて重要で、いまどきのここらへんの話についていきたい人は読んでおくべきだと思う。

    1
    投稿日: 2023.07.23