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花に埋もれる
花に埋もれる
彩瀬まる/新潮社
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総合評価

55件)
3.5
8
18
23
5
0
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    始めの2作品は、すんなり読めたが 後の作品は読みづらかった 二十三センチの祝福は、2人の今後を応援したいと思えた

    0
    投稿日: 2025.09.10
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    綾瀬さんの本は2冊目。 とても好きです。 日常の中にとても自然にファンタジー要素が織り込まれている。 不思議な読みごこちですが、とても心地よいです。

    0
    投稿日: 2025.07.29
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    冒頭の2話「なめらかなくぼみ」「二十三センチの祝福」はリアリスティックなお話だったが、以降の4話「マイ、マイマイ」「ふるえる」「マグノリアの夫」「花に眩む」はファンタジー要素のある作品だった。 どのお話も人間の持つ持つあまり認めたくない微妙な心理や弱さ、残酷さを表していると思った。 そして、それぞれのお話で象徴的なオブジェ(物体)が登場する。1人がけのソファ、パンプス、カタツムリ、石、白木蓮、ハトムギ…。 どこか視覚に訴えてくるものがある。 特に、最後の二篇が印象に残った。 「マグノリアの夫」 …語り手の陸と夫の郁人は2人とも表現者だが、陸の真っ直ぐな潔癖さと、郁人の器用ながらも繊細で少し脆い気質が対称的だった。花の美しさと不気味さ、ラストの物悲しさがドラマチックで魅力を感じた。 「花に埋もれる」 …人から花が咲き、花に埋もれて死んでいくという設定が面白い。花は現実世界で何に例えられるだろうかと考えてしまう。(癌とか?) もし現実がそのようであれば、日々死の気配を感じて時間をもっと大切にできるだろうか。 植物の匂い、土に還っていくイメージとともに、ひとの温かさのイメージが強く印象に残った。

    0
    投稿日: 2025.06.18
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    普通の短編集だと思って読み進めていくうちに、んん?となりましたが、作者の本を読んだことがあれば慣れっこでしょう。肺に睡蓮が咲くボリス・ヴィアン的快感です。ファンタジー要素があっても、登場人物はみんなそういうものだと割り切っている感じが面白い。 最後に収録された「花に眩む」はデビュー作?作風の源泉がよく表れた、爽やかなお話でした。

    0
    投稿日: 2025.03.23
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    ファンタジーの要素によって、恋愛の生々しさや艶っぽさが強調されている。 著者の言葉の選び方が好きなので、他の作品も読んでみたい!

    5
    投稿日: 2025.03.07
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    前半のリアルな2編、男女の感情の機微が生々しく艶かしいくて、いいなあと読み進めてたら3作目での突然の転調に戸惑った。でも全編の中では、ファンタジーに振っているマグノリアの夫が一番好きだ。狂っていて不穏で尋常でないのに、静謐で切ない雰囲気にワクワクゾクゾクさせられた

    0
    投稿日: 2025.02.11
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    男女の話、少しファンタジー、な短編集。 うまくいかないことがあって、全体として闇を感じながらも、でも嫌な感じでは終わらない、美しさがあった。ちょうど今の気分に合う。

    0
    投稿日: 2025.02.08
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    憧れ、執着、嫉妬__ 恋にまつわる感情が形を持つことで、なんとも言えない幻想的で切ない世界を創りあげていく。妖しげで芳しい香りを放つような短編たち、少しざらっとした読了感が残るのも魅力かなと。装画が世界観にぴったりで素敵

    8
    投稿日: 2025.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    お洒落で綺麗な雰囲気の文章で、読んでいて気持ち良かったです。 短編の最初の2つがリアルな内容だったから、3作目の「マイ、マイマイ」で急に違うタイプでびっくりしました笑。 身体から石とか花とか面白かったです。 「本当にあったら自分は梅か桃を咲かせたて、実をならして食べたい」と考えています。 一番好きだったのは「なめらかなくぼみ」で、もし特に大きな事件が起こらない人の人生が小説になるのなら、こういう部分が切り取られるのかなと思いました。 母親との確執を多く語りすぎないところは、この作者の上手な表現方法なのかとも思いますが、この主人公の辛いことを振り返らずに、したいように生きるっていう性格も現しているように思いました。 「花に眩む」は、はなとしまのその後の関係がすごく気になります。 一緒にいたいときに一緒にいられるのって凄く良いけど残酷ですね。 しかし、どの作品も濡れ場がすごく官能的で読んでいてドキドキしました。 タイトルから仄暗い話たちなのかなと思っていたら、花は植物の生殖器だからそういうことか、って理解しました。

    0
    投稿日: 2024.12.30
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    久しぶりの彩瀬まるさん。不思議な世界。「ふるえる」が1番好き。石を交換し合うなんて、嫌いになったら、どうするんだろう。あと、振られちゃったら。ストーカーみたいに体から石を取り出すことができなくなって、、などさらに考え進めても面白い。 私の中から石が出るなら、真綿色がいいかな。

    1
    投稿日: 2024.12.13
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    ちょっと不思議な感じの短編集。人体の一部が植物や石がになっていくところが、不思議でした。その不思議さがとても印象に残っています。

    0
    投稿日: 2024.12.07
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    幻想的な世界でありながら、男女の心の機微はリアルに描かれ、胸に迫る。随所に触覚が特徴的に描かれ、しっとりとした妖艶な空気感を作り出している。

    2
    投稿日: 2024.10.12
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    どのお話もじんわり好きだった。 特に「二十三センチの祝福」が良かったな。これからも追いかけたい作家です。

    0
    投稿日: 2024.09.07
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    短編集。恋愛物でいいのかな? 出会い、別れがある。別れの時の主人公たちの 想いが読んでていいなと思った。人との関わりで、自分自身のことを考え、自分がどうありたいのかを気付く。別れの時を迎えても、前を向いて進んでいく姿がよかった。 普通の恋愛物かと思って読んでると、少し変わった話もでてくる。変わった話が不思議と引き込まれた。引き込まれるのだけど、私にはよく分からなかった。最初の2話はよかったんだけど、残りの話が申し訳ないけど私には、??でした。 私は『二十三センチの祝福』が好きです。

    28
    投稿日: 2024.08.19
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    とても妖艶で官能的な短編集。モノが何かのメタファーというか、その不思議な世界の「核」になってた。それぞれが、自分の大切なものが何なのかと悩みながら、小さな幸せを求める感じが良い。 まあ、非現実の話なんだけど、怖い。ゾッとしてしまうほどの表現力だった。俳優の夫が、役に入り込みすぎて木になっちゃうとか。切ないね。

    1
    投稿日: 2024.06.26
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    全編好きだったけど特にふるえるが好きでした 私の石は何色なんだろう、本当にあったらいいのになあと何度も思いながら読みました たまに描写が想像しづらくて、でもいろんな場面で綺麗な画が想像できてそんなところも好きでした 創造のものなのにリアリティがあってたまにゾッとするような瞬間もあり楽しかったです

    0
    投稿日: 2024.06.21
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    短編が6本の構成だが、読後感は何かしっくりこない.「なめらかなくぼみ」はアームソファ ノアールを中心にした物語だが、萌花と礼央くんのやり取り、澄香と啓太の生活、離婚した雅美も出てきて、ごっちゃな感じだ.「マイ、マイマイ」はベーグル店を営む父、翻訳家の母の存在、友梨愛と鈴白くんの付き合いに潜り込んでくるハルヒが登場するがアンモナイトのおはじきが主題だ.「ふるえる」では体から様々な色の石が出てくる.こりゃなんじゃ.「マズノリアの夫」では白木蓮に変身してガラスの鉢に潜り込む郁人の話だが、うまく把握できない.「花に眩む」では体に芽が出てくる.ツリガネニンジンやセンニチュウ、ハトムギなどだがそれを摘まんで食べるのが妙だ.「二十三センチの祝福」が最も普通に楽しめた.天海ルルコの靴を直す加納達夫の話だが、達夫の元妻 芽衣子や娘の美月とのつかの間の接触が虚しい感じだ.ルルコはアイドル活動後故郷に帰るが、彼女からの手紙が話をほっこりさせる.全ての話に花がからむが、それが題名の「花に埋もれる」なんだと、勝手に理解した次第だ.

    1
    投稿日: 2024.05.28
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    ちょっと妖艶で不思議な世界の女性視点短編集。拘りのアームソファ、体に潜るカタツムリ、体に埋まっている石、皮膚から生えてくる草等々、寓話的に読むのか、視覚、触覚的に感じとるものののか。

    0
    投稿日: 2024.05.16
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    彩瀬まるさん ベストアルバム的短編集とのこと ストーリーの中に メタファー的(だと思うのだけど)モノや身体変容を独特に差し込んでいる 多少不思議系でもある この短編集集は、ベストと言われるだけあり モノと人、ストーリーがとてもしっくり 「なめらかなくぼみ」 小説新潮2021 選りすぐったソファの肌触りを愛する女 …というより 自分の愛でるモノを尊重してくれるパートナーが良いんだよね 「二十三センチの祝福」 文芸あねもね2011 同じアパートに住む女の傷んだ靴を直す男 安く傷んだ靴は彼女そのもの 都会で傷つき疲れた女性を優しく送る大人の男 「マイ、マイマイ」 オール読み物2018 大学生同士のそれっぽい恋 好きだったような気がする男の子 いろんな側面を見切ったらさよならでも良いらしい 「ふるえる」 文藝2022 イギリス文芸誌「GRANTA」掲載 誰かを愛しく思うと体内にできる石 石の幻想的な存在と 石について語る登場人物の現実的な言動が相まって面白い あくまで恋愛は現実にある 「マグノリアの夫」 小説新潮2022 マグノリアは木蓮 世界的音楽家のカクシゴの夫 演劇に生きるが裏切られた父親への憧憬と固執 感動的な木蓮の役を演じたあと 木蓮そのものとなる かなり勇気ある設定だけど 木蓮がその生態で語ってくる これが一番好き 「花に眩む」 小説新潮2010 第9回 女による女のためのR-18文学賞 読者賞受賞作 これは この受賞作の中でも異質ですよね わかるようなさっぱりのような 身体に植物が生えるという(全員ね、家族によって植物が決まる)世界観 それが何を著そうとしてるのかわからんかった まあ次行きます

    78
    投稿日: 2024.05.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間の身体から石や植物が芽生える不思議な世界。毛穴から植物生える系は、話の内容どうこうではなく、リアルに想像したらゲー吐きそうで生理的に無理だった。笑 恋すると石が生まれて交換できたら成就という話「ふるえる」が1番よかった。石を取り出して恋を終わりにできたら楽でいいよな。

    0
    投稿日: 2024.03.27
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    「花に眩む」 一緒にいたい、一人になりたい、一つになりたい。 矛盾をいつも、抱えている。 けれど、どれも私のほんものの気持ちで、どれも大事に抱いていたい。私たちはいつだって本当はひとりで、溶け合える日は決して来ない。だからこそ、不意に触れ合う温度に心が踊る。 その刹那を夢見て、今日もひとり、矛盾を慈しみ、生きていく。

    1
    投稿日: 2024.03.27
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    人間だとか、恋だとか とても幻想的に描かれているのに 胸に迫ってくるのは、リアルで飾り気のない 人の心だ。 自分の心や身体を持て余したり、コントロールできなくてもがいても 花も人もいつかは枯れて、大地へと帰っていく。 耽美的な世界を漂うように、ゆらりゆらりと物語を楽しみました。

    8
    投稿日: 2024.03.10
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    短編集。嫌らしくない官能小説、だけどちゃんと艶かしくて惹かれる、描写が好き。あと、人の弱さとか脆さとか愚かさの表現が好き。ちゃんとして見える人も一皮剥ければそんな聖人みたいな人はいなくて人間でしかないのだなあと思う。「マグノリアの夫」がとくにうつくしくて好きでした。切なくて残酷で。

    2
    投稿日: 2024.01.27
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    不思議な世界観。 ふわっと時空を飛び越える感覚がある。 5篇からなるベストアルバム的短編集 ・なめらかなくぼみ ・二十三センチの祝福 ・マイ、マイマイ ・ふるえる ・マグノリアの夫 ・花に眩む 特に『マグノリアの夫』『花に眩む』が好き 何の物語を読んでるんだっけ?主人公は一体何なんだっけ?と何度も確認したくなる不思議な感じがどちらもある。 当たり前な事を当たり前として読み進めているとハテナがいっぱいになるので、素直に受け入れて読み進めるのが大事。 それがおもしろい! 人間の感情って見えない物なんだけど、もしも見えたらという視点でこんな表現で書けるのは本当にすごい! 綾瀬まるさんが表現する人間はいつも生々しく艶ぽい。 でも綺麗な生々しさで、嫌悪感なく読めるから好きです。 個人的に、村上春樹みたいな空気を感じる SF空想的な村上春樹って感じ 淡々と進んでいく感じがどちらも好き

    1
    投稿日: 2024.01.11
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    読み進めるたびに不思議な世界に入っていくような、本当に不思議な短編集でした。 二十三センチの祝福は、普通にいい話だなぁと言う感じだったのですが、マイマイ、マイから「おやおや?」と言う何とも言えない世界観に引き込まれ、マグノリアの夫、花に眩むは温かくもどこか寂しい感じがして、ゆっくりともう1回読んでみたいなぁと思う。1回では咀嚼しきれない感は否めない笑

    1
    投稿日: 2023.12.17
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    人に薦められて、彩瀬さん初読み。 第158回と第166回の2回直木賞候補になったというが、この短編集に関しては独特の世界観があって、どちらかというと芥川賞っぽいな、と。 「ベストアルバム的短編集」ってあまりピンとこない表現だけど、素晴らしい作品をとり揃えた短編集ということなんだろう。 確かに、収録された6編は全編捨て駒なし。息つく間もないほど濃密だ。 最初の2編はジャブ。でもパンチが思いの外重くて焦っていたところ、3編目「マイ・マイマイ」で目にも止まらぬ速さのストレートが飛んできていきなりダウンさせられた。 そのあとは4連続ダウンでもう立てません。 なす術もなくノックアウトです。 とくに「ふるえる」と「花を眩む」が好きだな。 恋心を「石」で表したり、花はがんみたいに人の寿命を短くしていくものだったり。 奇抜な発想のようだけど、すごく的を射ているというか、「ああそうだよね」としっくりきてしまうところが素晴らしい。 ソファー、靴、カタツムリ、石、花と人。 フィット感。安らぎと艶かしさ。 すごい才能だわ。 彩瀬さんの他の作品も読んでみたい。 ♫Save Me/Aimee Mann(1999)

    73
    投稿日: 2023.11.26
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    だんだんと不思議な世界が強くなってくる短編集。少し切ない感じ、でも優しく穏やかな気持ちになる。これまで読んだ彩瀬まるさんの本は現実的な話が多かったので、こういう不思議な感じのも読めて嬉しかった。

    9
    投稿日: 2023.10.19
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    彩瀬さん初読み。始めは世界観に浸れず、突然おはじきやカタツムリや、石が出てきて戸惑った。私は、なに読んでるんだっけって感じ。後2編で慣れてきて、楽しくなった。「マグノリアの夫」が一番切なくてお気に入り

    1
    投稿日: 2023.10.14
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    けっこう好きな若い作家さん。 いろんな毛色の短編集で、個人的には二十三センチの祝福、ふるえる、マグノリアの夫が良かった。 本が増えてしまうので、基本的には図書館で借りて読む派ですが、今回は買ってもいいなって思えた短編集。

    0
    投稿日: 2023.10.10
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    ん?あれ?そうだっけ?と思うようなリアルな描写。 匂いと湿度。 短編集だけれど、徐々に空気や世界に飲まれていく。

    0
    投稿日: 2023.09.03
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    綾瀬さんはまだ数冊しか読んでないけど、なんだか分かったような分からないような読後感。急にディストピア?みたいな。 今作は「女による女のためのR‐18文学賞」受賞作の「花に眩む」も収録された、帯曰く「ベストアルバム的短編集」と。そう、女性向きの作風かなと感じる。そのディストピア感は村田沙耶香さんっぽさも。黒いソファの話から始まり、靴修繕の話、アンモナイト化石、恋をすると芽生える石、白木蓮、体から植物…と各物語の断片だけを切りとると、訳が分からない。 物語的には、どの話もじんわり綾瀬ワールドを堪能させてもらった。

    1
    投稿日: 2023.08.21
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     彩瀬まるさんの最新作であるこちらを読んでみました。ベストアルバム的短編集ということで、6編のそれぞれ独立した内容になっています。 ソファをこよなく愛する女性、身体から出た石を交換することで愛を交わす恋人たち…どこか、歪んでしまっているけれどそこには純粋な愛がある…それがこの作品のテーマなんだと感じました。「なめらかなくぼみ」と「二十三センチの祝福」はよかったのだけども、そのあとの作品が…この世界観、キライじゃないけど…私の読解力と想像力が追いつきませんでした。修業が足りないのかしら(;・∀・)あくまで個人的な感想です。

    37
    投稿日: 2023.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「なめらかなくぼみ」と「二十三センチの祝福」が好き。 「なめらかなくぼみ」は、 主人公が子どもの時、久々に母親に抱っこされて嬉しかった時、クレヨンで家の壁に落書きしたのを母親が見た途端、母親は主人公を床に落とした。 「きっとみんな、確かだと思っていた腕からすべり落ちた経験があるのだ。だから安心して体を預けられるものが欲しくなる。」ってところが、ハッとさせられた。 私も子育てしていて、愛情を持って子どもに接していても、落書きとか嫌なことをされたら、嫌な態度を取ってしまうかもしれないな…と思った。 「二十三センチの祝福」は、 主人公の元妻が、妊娠中に具合が悪くて、ひどい態度を取ったことで、主人公は傷ついて、産後に妻の症状は回復して謝られるけど、やっぱり忘れられなくて別れることになるってところが、怖かった。 私も妊娠中体がつらすぎて旦那にひどく当たったことがあるから、それで別れられたらきついな…と思った。でも、この主人公の気持ちもわかるし、自分が旦那側だったらすごく傷つくだろうから、余計恐ろしいなと思った。 産後は、「憑きものが落ちたように穏やかになった」と書いてあるけれど、実際は産後も、妊娠中以上に体つらいよ…。産後の方が旦那にきつく当たった気がする…。そこがリアリティがないなと思ってしまった。 それ以外のお話は、ファンタジーが入っているものが多くて少し苦手だった。特に「花に眩む」は、体から花の芽が生えてくる設定が、気持ち悪くて無理だった…。実際は芽は生えなくても老いて病気になったりするから、それを比喩しているのはわかるけれど、芽をついばむ描写は生理的に受け付けなかった…。

    0
    投稿日: 2023.07.27
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    なんかすごい不思議な!はなし! 人の身体を生々しく感じる表現が多くて 子供は見ちゃいけません!って感じの 大人の優越感さえあるような、 禁断の本棚に置いてありそうなベストアルバム。

    1
    投稿日: 2023.07.14
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    艶っぽく、ちょっと怖さも感じるような短編集。 かなり不思議な世界観だったけど、気がつけば引きこまれていた。 「二十三センチの祝福」「マグノリアの夫」が好みだった。

    13
    投稿日: 2023.07.06
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    不思議な世界に入り込んだみたいでずっと読んでいたかった。 特に白木蓮の話が好きだなあ。 ほんとにどの話も好きだった。

    0
    投稿日: 2023.07.04
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    短編集。 全体的に好きな雰囲気ではあるが、人間が植物になったり、身体の中の石を交換しあったり不思議な世界観。 好きになった人と石を交換しあい、結婚する。相手にその気がなければ、石を手術で取ってもらうか相手に取ってもらわなければならないらしい。 相手が石を取るのに手馴れてれば、あ、そういうことかってなるわな。 この世界観に自分が存在するとしたら、自分の石がどんな石なのかには興味ある。誕生石がトルコ石(サファイアが良かった)なので、青っぽい石だといいなと思う。 ソファの座り心地が良すぎて恋人と別れた経験のある女性の話も面白かった。そんなことでと思う人もいるだろうが、誰にも侵害してほしくない自分の場所を持つ人には通じるところがあると思う。

    1
    投稿日: 2023.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても不思議で艶かしい世界観だった。 人も花も草も、全てがこの地球上で同じ時に生を受けた同じ"生き物"。 生きとし生けるものは、最終的には土に還るのみ。 彩瀬さんの創造の世界は何故かいつも説得力があって、自分の肌にも花の芽が出てくるのではないか、とつい腕を見てしまいそうになる。 地球上で生きていくことは楽しいことばかりでなく、辛いことも多い。 「忘れたということは、それほど覚えておきたいことでもなかったのかもしれない」 そんな風にやり過ごしていければ。最後はみんな土へ還るのだから、と思うと不思議と妙な安心感も生まれる。 芳香の強い花々に埋もれて息苦しくなるような短編集。安らかな眠りを誘うのは、やはりもっと柔らかでほのかな香りのものがいい。 今の私にはちょっと刺激が強すぎたみたい。酔ってしまいそうだ。

    34
    投稿日: 2023.06.18
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    色々な愛の形があるけれど、現実的ではなく乾いてるのに、どれも湿度高め。お花も人間も潤いないとね。最後の「花に眩む」は想像すると生理的に怖かった。

    0
    投稿日: 2023.06.17
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    ファンタジー色強めの短編集、結局1番楽しめたのは以前別のアンソロジーで読んだ二十三センチの祝福だった。私の好きな彩瀬作品はこういうのではない…

    0
    投稿日: 2023.06.06
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    「なめらかなくぼみ」と「マグノリアの夫」が好き。彩瀬まるさんが描く恋愛は切ないけど生き生きとしていて読んでいて心地いい。

    0
    投稿日: 2023.06.06
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    最初の2編は好き。 特に「二十三センチの祝福」は良い。 ファンタジー要素が強くなるとついていけなくなる。

    0
    投稿日: 2023.05.31
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    石とか花とかが身体に入ったり、身体から出て来たり、なんとも不思議な短編集。ファンタジー要素が強めなのであまり共感出来ず。 自分好みではなかったけれど短編なのでサクサク読めた。

    0
    投稿日: 2023.05.30
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    なんて艶かしくて不思議なお話しでしょう! 短編集だけど、どれも不思議のお話しで次はどんな不思議だろう?と思ってしまいました。

    1
    投稿日: 2023.05.15
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    ソファや靴や石、そして花。 女性たちに寄り添うそれらを通して、ひそやかな彼女たちの心情を艶めかしさを添えて繊細に描き上げられた短編集。 ソファのくぼみや、足のかたちに沿う靴、皮膚の亀裂から生まれた石など、本来は体温を持たないそれらを官能を持つ存在として際立たせた語りの巧さが堪能できました。 とりわけ「マグノリアの夫」が好みでした。非常識が覆いかぶさってくる世界を冷徹で常識的な見識を持つ主人公が受け入れ、耽溺し、自ら裏切りを呼び起こしそして再生していく。その過程での、常識/非常識がひっくり返りながらもリアリティを損なわない絶妙なバランス感覚が素敵だなと感じました。 リアリズムと幻想のあわいを自在に行き交う柔らかな筆致と表現が存分に味わえる作品ばかりなので、作者の作風を知るにはぴったりの一作だとも思いました。とても好きです。

    1
    投稿日: 2023.05.06
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    章が移り変わるごとに現実からはかけ離れた物語になっていく。 だけど違和感はなくするっとその世界に飲み込まれる気持ち良さがある。 愛や恋と断言できるものばかりではなく名前の付かない曖昧な部分が丁寧に描かれていて、こういうことを感じながら生きていきたいなと夢から醒めたばかりのような心地良い倦怠感みたいなものに包まれている。

    2
    投稿日: 2023.05.06
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    ベストアルバム的短編集って言葉がピッタリな、全部の話がそれぞれにおもしろい短編集。 性的な描写が物語の中で自然な流れとしてあって、全然いやらしくない。むしろそれがあることで物語を際立たせているような。 身体から石が出たり芽が出たり、花になったり、設定はとんでもないのにしっくりくる。まさにベストアルバム的短編集。 「ふるえる」と「花に眩む」が特に好き。

    2
    投稿日: 2023.05.02
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    世界観がすごく好き。劇団員を旦那さんの話と石の話が好きだなぁ。ほとんどこういった話の短編集なので、つまりは全部好き。 身体に花が咲いたり身体から石を取り出したりって話なので、読み手を選ぶ感じはするけど、痛みより官能の雰囲気が濃い短編集でした。 あ、石は胆石じゃないです念のため

    1
    投稿日: 2023.04.24
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    6編収録されている短編集で、特に『ふるえる』、『マグノリアの夫』が好み。日常の中に少し不思議な出来事が入り込んでいて、それが自然にも違和感にも感じられるようで心地良くもざわざわする。人に想いを馳せる瞬間とか残酷になる瞬間が唐突に現れて溢れる感情に惹きつけられる。素晴らしい短編集。

    0
    投稿日: 2023.04.12
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    「なめらかなくぼみ」 「二十三センチの祝福」 「マイ、マイマイ」 「ふるえる」 「マグノリアの夫」 「花に眩む」 六話収録の短編集。 一行目から彩瀬まるワールド全開。 それぞれの物語は独立していて何の関連性もないけれど全話から男女の満たされない思いがひたひたと迫って来る。 自身の欠乏している部分を埋めるかのように、人やモノに縋り生を紡ぐ。 時折、美しい文章の中に隠れ潜む狂気に気付きゾワッとする瞬間が存在する。 リアルな現実と幻想的な光景が融合されて不思議な空間へ導かれた。 芳醇な花の香りに包まれながら不思議な世界観に浸れる一冊。

    0
    投稿日: 2023.04.12
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    よかった。好みの感じ。 どの作品も、ちょっとエロくて、可愛くて、変な設定ってところが、これまた好みでw 「マグノリアの夫」のラストの驚きが、なんか新鮮だったw 装画も、装丁も素敵で◎

    0
    投稿日: 2023.04.12
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    贅沢することや欲を満たすのと違った、共感とか時間の共有といった緩やかで穏やかな時間の大切さに気付かされます。 短編のなかでも『二十三センチの祝福』が好きでした。

    0
    投稿日: 2023.04.09
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    ベストアルバム的短編集ってすごくいいキャッチだなってくらいまさに、な短編集だった。 デビューされた作品は当時まだ受賞される前にWEBの方で読んだけど、こうして今の作品と並べると根本が同じなんだなと嬉しくなった。彩瀬さんと花はとてもよく似合う

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    投稿日: 2023.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短編6作 ゆっくりと時間がたゆたう くぼみや質感、重ねる部分に僅かなぬくもりを求める心 そういう濃密で細やかな描写と少しの狂気 記憶に紐づいた香りが鼻先を掠めていく

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    投稿日: 2023.04.07
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    憧れ、執着、およそ恋に似た感情が幻想を呼び起こし、 世界の色さえ変えていく…。女による女のための R-18文学賞受賞作「花に眩む」も収録した、ベスト アルバム的短編集。

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    投稿日: 2023.03.20