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あなたはここにいなくとも
あなたはここにいなくとも
町田そのこ/新潮社
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総合評価

359件)
3.9
81
156
100
5
0
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    さんぱち
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おつやのよる、ばばあのマーチ、入道雲が生まれるころ、くろい穴、先を生くひと、からなる短編小説。個人的には『くろい穴』の美鈴と栗の対比表現、『先を生くひと』の加代の素直さが好き。長さも丁度良く、読みやすい。

    0
    投稿日: 2025.07.07
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    ちこ(´・ω・)
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    「おやつのよる」 「ばばあのマーチ」 「入道雲が生まれるころ」 「くろい穴」 「先を生くひと」

    0
    投稿日: 2025.07.07
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    itmsbd
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    朝起きた瞬間にときどきふっと漠然と、この先の人生がとてつもなく長く感じることがあるけれど、 自分なりに頑張って、ここまで生き抜いてきた自分を褒めるのいいなと思った。あんたなりにやったじゃない 大丈夫 って。 最後の町田そのこさんのエッセイを読んで思い出したナイチンゲールの言葉。 「物事を始めるチャンスを、私は逃さない。 たとえマスタードの種のように小さな始まりでも、芽を出し、根を張ることがいくらでもある。」 逞しい木になるのか、華やかな花が咲くのか、草むらや苔になるのか…もしかしたらそれが自分だけじゃなくて誰かの支えになるかもしれないなら、おもしろいことだなと。

    0
    投稿日: 2025.07.07
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    固めプリン
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    自分のおばあちゃん、おじいちゃんがいなくなったら。ということを想像して最初は読み始めた。 自分が残りでできることはなんだろうと考えているうちに想像して涙が出ることもあった。もちろん悲しいけれど、ひとりひとりが残してくれた人生や考えを受け取って私はこれからも生きていく。それな気付けるように、意識できるようにしたいし、もっともっと残してくれたものに目を向けていきたいと思った。 そうすれば、きっとその人の人生も報われるし、自分も思い出やその人の人生を忘れずに生き続けられる気がする。いつかは忘れてしまうのかもしれないし忘れるのはこわいけれど、心の中で事実としてしまっておきたい。そして、自分が終わりの番がきたら、今自分が大切な人のためにできることってなんだろう?と勘を大事に生きたいし、形として全ては残せないけど、形を変えて自分と折り合いをつけて存在していく。ばばあのマーチのようにその思い出が誰かの手に届いて昇華できるならそれでいいのかも。 どれもあたたかくてジーンと鼻の奥がなる小説だった

    14
    投稿日: 2025.06.18
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    えみ
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    家族や恋人、人間関係に悩んで立ち止まっている人たちが迷いを断ち切って新しい気持ちで進んでいく姿が描かれていて、どのお話もラストはすっきりとした読後感。 『先を生くひと』に出てくる澪さんというおばあちゃんがとても魅力的だった。 『おつやのよる』『先を生くひと』のおばあちゃんたちの言葉はこれからを生きる人に力をくれるものだった。

    0
    投稿日: 2025.06.17
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    つくね
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    タイトルからイメージして何となく疎外感を感じてしまいスルーしてた作品でしたが、ようやく手に取る機会が巡ってきました。 初版だったので町田さんのエッセイもついてました。 いつか撒かれたタネが発芽してどう育つかわからないけどその人を潤すものになって行くかもしれない それぞれのお婆様が印象的に描かれていて楽しめました。 特に心に残ったのはお婆ちゃんに教えてもらったレシピで栗の渋皮煮詰を作る話。 女の情念がこもっていてゾクゾクしました。 それと、リセット症候群の女。 トランプのタワーを築き上げていくような人間関係から解放されたいってわかる気がする。

    89
    投稿日: 2025.06.14
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    はまひるがお2023
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    R7.6.11読んだのを忘れ再読してしまった。普通なら途中で既読済みであるのを思い出すのだが、完読、まったく印象に残ってないということ。

    0
    投稿日: 2025.06.12
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    chiezo
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    5つの短編集 ままならない人生 悩んだり、迷ったりして人生の迷子になった時、 そっと大事な事を教えてくれるおばあちゃん達 それは主人公の祖母だったり、 近くに住む不思議なばばあだったり 末期癌を患う老婦人だったり。 先を生くひと が好きだった  澪さんの言葉は心にグッときた カバー裏の町田さんのエッセイで 「粋なおばあちゃんになるのを目標としている 誰かの心に種を蒔く『粋』な人になりたいのだ」 と書かれていて このエッセイを先に読んでいたら また違った読後感だったのかも…と思った 再読して『粋』をもう一度確かめたい そして、よく使う『大丈夫』って言葉   改めて力強い言葉だなと思った

    1
    投稿日: 2025.06.10
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    屋根裏のリリー
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    好きな人との関係に悩む女性が主人公のお話5篇の短編集。 1番良かったのは最後の『先を生くひと』幼馴染でずっと友達だと思っていた藍生に恋人が出来た?と思った瞬間自分の気持ちに気付いてしまった加代。 そこからの加代の心情と行動が何とも可愛らしい。相手はどんな人なのか?高校の授業をサボって藍生を尾行した先に待っていたものは…。 予想外の展開とストーリーが良かったです。でも町田そのこさんの作品、個人的には短編より長編の方が好みかな。

    10
    投稿日: 2025.06.05
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    ぽぽな
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    「先を生くひと」が最も印象に残った。 私自身、大好きだった初恋の人と最近別れたこともあり、加代の気持ちが痛いほどわかってしまった。 相手からの断りは、受け取る側からしたら拒絶でしかなくて。 澪さんの言葉に私自身も救われた。 さすが私たちより先を生きてきた人、 澪さんはまさに人生の"先生"。

    1
    投稿日: 2025.05.18
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    きよ
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    短編ほっこり系 誰かの死をきっかけに、話が動き出す。 その人がそばにいなくても、受け取れるメッセージがいっぱいあるだな〜って思った。でも、そのメッセージを受け取るには、生きてる人との交流がないといけない気もした。

    1
    投稿日: 2025.05.16
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    こっふ
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    2話目のばばあのマーチ。涙が出た。 泣く、って、鳴くってことなんだね。 自分は些細な行動だと思っていたことが、誰かの心の支えとなり、その人の人生に大きく影響を与える。そんなことがあちらこちらで起きていて、本人に伝わることって中々ないと思う。 わたしも、私の行動が、誰かの道しるべとなっていたら。と願う。 素敵な話でした。 おつやのよる、ばばあのマーチが分かりやすく良かったねぇと言えるお話。 入道雲が生まれるころはリセット症候群、くろい穴は不倫相手にアクを食べさせるお話。うーん、この2つはよく分からん。 最後の、先を生くひと。はじんわり、しんみりときた。 長く生きてきた人だからこそ重みの出る言葉だよね。安心して傷つきなさい、か。私も言われたかったな。

    2
    投稿日: 2025.05.12
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    とももん
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    短編集で全作品ハッピーエンドかと言われたらうーん、違う気がするな。だけどどの主人公も心の中はスッキリして終わっている気がする。 形に残ってなくても大切な物はどこかにある。 大切なことを教えてくれる作品 「入道雲が生まれるころ」の話が個人的に好きだった。

    0
    投稿日: 2025.05.12
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    坂たあ
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    町田その子さんの作り出す物語の主人公は、いつもどこか陰がある。 今回の本も5つの話の中に、それぞれ後悔・挫折・裏切りがあるけれど、必ずそれを乗り越えるきっかけや、気づきがあって、人は再生できるよと言われているような気がした。 個人的には「おつやのよる」が好き。

    0
    投稿日: 2025.05.11
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    mach-read
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    「先を生くひと」を通して紡がれる言葉は優しくて温かい。死にゆくひとの後片付けをする話が多かったけど、三者三様の人生があり、どの生き方も後悔はあれど素敵だなと思う。私はまだ思い出を形に残しておきたいフェーズだけど、いつか心に仕舞えるときがくるのかな。ファーストシューズはあっさり心にしまってしまったけれど!

    7
    投稿日: 2025.05.08
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    ぴょん
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    知ってみればそう不思議なことでもなかったり。一歩進んで分かろうと思ったほうがいいな。ウジウジ悩むより。

    0
    投稿日: 2025.04.17
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    はるを。
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    "あなたはここにいなくとも"強く生きていきたい と思っていても縋ってしまう気持ちもわかるなぁ…… 家族、幼馴染、忘れられない人など、色んなテーマがあって色んな角度から読むことができた中でも、最後の章が1番印象に残った

    11
    投稿日: 2025.04.16
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    絨毯
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    軽めのテイスト、だけど人物背景はしっかりとしていて入り込みやすい。読んでいてポンポンと進む展開に、短編の程よい完結さ。 読書初心者の方に読みやすいと差し出す1冊。 目の前にはいなくとも、その人のことを心の中で感じる瞬間は生きていてよくあること。 遠く離れて暮らす家族。 今は疎遠になってしまった友人。 自分のことを深く愛し必要としてくれる恋人。 心の中のあなたは、自由に自分に語りかけることができる。自由に記憶の中で羽ばたき、自由に登場する。 現実世界で訪れる不幸や悩み。悶える自分に手を差し伸べるのは、時に心の中に宿る優しい存在なのかもしれない。今の自分とリンクした瞬間、言葉の真意にハッとさせられる、なんてことも。 そんなあなたは必ずしも背中を押してくれる存在とも限らない。不信感から、トラウマから、心の隙間を縫って入り込んでくる。 ただ、それを乗り越えようとする気持ちや、きっかけが、また新たな心の中のあなたを作り上げていくのだ。 あなたはここにいなくとも、心の中で生き続けている。自分が頼りとする限り。

    12
    投稿日: 2025.03.27
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    たけやん
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    ざっくりあらすじ。繊細な主人公がクズ男に傷つけられながらも素敵な人生の先輩と出会って心が再生していく短編集。町田そのこ作品を読むのは4作目だが、どれも雰囲気が似ていると思ってしまうのは私の感性の鈍いからだろう。『52ヘルツ』も『チョコレートグラミー』も今一つピンとこなかったから本作も同じような感想であった。頭では良い話だなとわかっていても心が感動していない。そんなななか『くろい穴』はちょっと異質なダークさを感じさせて面白かった。

    0
    投稿日: 2025.03.26
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    よーぜふ
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    様々な別れとの、折り合いの付け方と気持ちの持ち方の短編集。おつやのよる、が1番好きだった。 人との別れをただ怖がるのではなく、その人との大切な思い出をずっと思い返せるように、日頃から心の中に片付けて大切にしまっておこうと思った。

    0
    投稿日: 2025.03.14
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    ピン
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    5つの短編集。どれもハッピーエンドとまではいかないけど…良い感じで終わる。町田そのこさんの強さと優しさに溢れたお話たち。

    0
    投稿日: 2025.03.11
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    みどきち
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    5編からなる短編集。 ・おつやのよる ・ばばあのマーチ ・入道雲が生まれるころ ・くろい穴 ・先を生くひと どれも共通しているのは、福岡の北九州市が関連しくること、どんなに忘れようとしても忘れないようにしても思い出や人の思いは物に宿るものではないということ。そしてどれも素敵な話だった。 個人的にはおつやのよるが好きかも。よくある話、少しの後悔が残る切なさがあるけどきれいにまとまるみたいな。 くろい穴は仄暗い、ちょっとホラーな物語。これはこれであり。知らぬが仏、なのが、最高の罰であるような気さえする。

    1
    投稿日: 2025.03.07
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    どのお話もよかった。 いずれ会えなくなってしまう人も、その人との思い出はずっと心に残り続けて励ましてくれる。 大事なものは自分の中に秘めておく。

    1
    投稿日: 2025.02.28
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    ひぽ
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    人との出会いは素敵だなぁと思わせてくれるお話達が詰まっています。 私は、食器をカンカンたたく"ばばあ"と、"死神ばあさん"にぜひ会ってみたい!

    2
    投稿日: 2025.02.19
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    あじの開き
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    しょうもないパートナーとダラダラ関係を続けてる主人公たちにげんなりする物語ばかりだった。すっきりするわけでもないし小さいストレスが溜まってしまった。 別れて良かったあの時の辛い気持ちに打ち勝ちながら別れを決断できた私で良かった…こんなふうになりたくないから。

    2
    投稿日: 2025.02.04
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    ぴっち
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    1話目から泣かされて 2話目で男にムカつき 3話目で理解できず 4話目で男の身勝手さに呆れ 5話目で悲しく切なくでもどこか微笑ましくなり 個人的に1話目と5話目が好きでした。

    3
    投稿日: 2025.02.04
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    みんみん
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    人間関係の上手くいかなさ、こんなに下手で惨めなのは私だけ?という気持ちが軽くなりました。 定期的にリセットしたくなる気持ちがよく分かりました。(入道雲が生まれるころ)恋人の物分りの良さがスゴすぎる。私もいつか、私なりの家を築くことができるのかな。

    7
    投稿日: 2025.02.02
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    かな
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    家族や恋人との関係に悩みを抱える北九州で暮らす女性たちの物語。 1話目の「おつやのよる」は1番インパクトがあった。 家族関係のイザコザがお通夜の夜に爆発する。 この鬱憤は誰にも止められない。 4話目の「黒い穴」が1番好きだった。 主人公の恋人は既婚者。それを知っても尚好きという気持ちを諦められずにいる。 しかし、ある出来事をキッカケにその不倫関係に終止符が打たれる。 渦中にいる時は必死でも、後から思い返せば笑いで吹き飛ばせるようなお話だった。

    9
    投稿日: 2025.01.31
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    ポコポコ
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    色んなしがらみと女性たち。 今まで読んだ町田そのこさんの他作品は読了後も胸のあたりがずしーんと重たい感じがしたけど、今回はスッと切り替えられる感じでした。 澪さんはとてもうつくしい人ですね。こんな慈しむ人になりたいなぁ。物語の終わりどころもよかったです。

    2
    投稿日: 2025.01.29
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    ともこ
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    ままならない状況がキツくって。 一件の事件が明らかになるまでに、どれだけの人たちが泣き寝入りを強いられてきたんだろう、みたいな事を考えてしまった。 読んでいる間は抵抗なく入ってきた物語が、読み終わったら心にほとんど残っていない事に驚いている。

    1
    投稿日: 2025.01.25
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    箸袋
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    今ここにいない人を想う優しい短編集 昔見たドラマの台詞で「いなくなるってことは、"いない"のがずっと続くってことなんだよ」というのがあって、使われていた文脈もあり、それは悲しいことのような気がしていたけど "いない"を物理的な不在と捉えるなら、ふと思い出せるような記憶の中には圧倒的に"いる"人は、本当の意味でいない人ではないのかもしれない 思い出せば思い出すだけ、その不在が寂しさとして際立ってしまうこともあるけど 忘れないでいることを肯定してもらえたような一冊だった

    4
    投稿日: 2025.01.19
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    ksheep
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    生きるのが辛くなった人や、辛い人生を歩んできた人たちの物語5編。 「ばばあのマーチ」は、ちょうど年末に職場の理不尽さになんとも言えない気持ちで過ごしていた頃だったので響いてしまった。もう無理するのはやめよう、と心を決めた。 最後の「先を生くひと」は澪さんの人生にも加代の気持ちにも共感しすぎて、涙と鼻水が止まらなくなった。 特に考えずに手に取った本だけれど…読書の良さとゆうか、必要なタイミングで必要な本と巡り会うものなのかもしれないなぁとしみじみ。

    1
    投稿日: 2025.01.19
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    どのお話も読み終えると、前向きな気持ちが残りました。 最後のお話は、澪さんの言葉がココロに刺さり… 人生折り返し中の自分だけど、まだまだ未来も希望もあるーと思うとワクワク! 大丈夫。と言う澪さんの言葉が私の力になったので、これからも私らしく過ごしていきます。 同時に人生の終い方も、そろそろ興味と共感できるお年頃なので、とても参考になりました。 潔く、悔いなく、限りある時間を生きようと思えるお話でした。

    13
    投稿日: 2025.01.18
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    りーこ
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    町田そのこさんらしい、優しいお話だった。 「おつやのよる」と「先を生くひと」の話が好きだった。 「もしかしたら形としては、いつか捨てる日も来るかもしれん。でも、ほんとうに捨てるってことはできん。ずっと大事にしたい、抱えて生きたいものってどうやっても捨てられんのよ。心の中でかたちを変えて、自分と折り合いをつけて存在していくだけ。」

    1
    投稿日: 2025.01.15
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    Sakura
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    5つの短編集の中で【先を生くひと】がとてもよかったですが、あとはダメ男と付き合っている女性たちが、あることをきっかけに自立していくような話のように思えて、個人的にはあまり好みではありませんでした。

    0
    投稿日: 2025.01.14
  • かなのアイコン
    かな
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    町田そのこさんは門司港になにかゆかりがあるのかしら? コンビニ兄弟の舞台も門司港。 心がきゅっとなるような表現が散りばめてあった。 どの主人公も自分の人生をきちんと考えていて得るものがあった。

    1
    投稿日: 2025.01.10
  • naminamiのアイコン
    naminami
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    おつやのよる、くろい穴、先を生くひと、が特に良かった。けど、ばばあのマーチも入道雲が生まれるころも、よかった。結局5つの短編、どれもよかった。 どれも静かな良い余韻。 どれも題名を「あなたはここにいなくとも」にしてもよいような気がして、本の題名も良いなと感心する。 ここにいなくてもわかる。感じる。気づく。直接的でないからこそ、余計に染み渡る感じ。私も誰かのそういう存在になりたいな、と思った。これは、くらい穴以外の4作に対して。 そういう意味では、くらい穴だけ、少しテイストが違う。ピンと分かっちゃう、女の勘? あなたが摘まんだものはちゃんと食べなさい なんて、もう分かってるからこその言葉だなとゾクゾクしました。男は全くわかってないようでしたが。

    3
    投稿日: 2025.01.01
  • ちーたんのアイコン
    ちーたん
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    題名からすると、ちょっと怖い話かな…と勘繰ってしまったがニュアンスが全然違かった。 はじめて読んだ作家さんだったけど、優しい文章をかいてる人なんだなと思った。女性の恋愛における気持ちのモヤモヤを細かく表現するのがうまい。 ●短編5話になっており、 主人公にはモヤモヤした気持ちを抱えながら頑張っている。 "無理に今の場所で頑張らなくていいよ"の意味で、"あなたはここにいなくとも"なのかなとも思った。 個人的には『ばばあのマーチ』と『くろい穴』が印象に残った。 どの作品にも、老婆が出てきて個性的。 渋皮煮を料理をしながら振り返るストーリーが新鮮で面白かった。

    17
    投稿日: 2024.12.28
  • ミノタウロスのアイコン
    ミノタウロス
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    タイトルから別離に関係するものだとは思っていたけど死生観についても考えさせられるとはちょっと想定外。形として捨てたとしても心の中でかたちを変えて自分の中で折り合いをつけること、上手に出来るようになるのかなー リセット症候群、まではいかなくとも人と関係性(とくに恋愛)を築いていく過程で挫折することがあったのですごく共感。好意を抱いていてもその先にどうしてもいけなかったり、怖かったり。身近では共感されないそんな気持ちを肯定して貰えたようでちょっと前向きになれました。

    1
    投稿日: 2024.12.20
  • しあかのアイコン
    しあか
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    町田その子の本に私はいつも救われている 具体的にこれとは言えないけれど、読み終わったあといつも1人じゃない大丈夫と思える

    1
    投稿日: 2024.12.18
  • ぐらのアイコン
    ぐら
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    すごくよかった。終活に対する考え方が少し変わった。 捨て活は、「自分が死んでから残された人が物やお金の処理、管理に困らないようにしておくこと」というように、残される人のため、な部分がが強いものだと思っていた。 でも、「自分にとって死ぬほど大事だったものが、見も知らぬ誰かに乱暴に処分される方が嫌だもん。それな。自分の手でおしまいにしたいって、あたしも考えちゃうだろうなあ」で考え方が変わった。

    3
    投稿日: 2024.12.03
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    りんごほっぺ
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    「粋なおばあちゃんになりたい」というカバー裏のエッセイのとおり、素敵なおばあちゃん(血縁関係の有無は問わない)たちが出てくる5編の物語からなる本。 主人公たちはそれぞれ抱えている悩みやもやもやを、おばあちゃんたちの影響も受けつつ、悩んだり傷ついたり迷ったりしながらまた前に進んでいく。 それは直接的な対話による影響ばかりでなくて、おばあちゃんたちの生き方や遺した言葉、レシピやなどを通して、タイトルのとおり「あなたはここにいなくても」繋がっていく温かさみたいなものが残って、何度でも読み返したくなるような優しさが詰まったお話ばかりだった。 特に好きだったのは「先を生くひと」。ザ・青春が詰まっていて、たまらない気持ちになる。あと、登場人物たちがみんな好き。 いろんな人におすすめしたくなるお話だった。

    0
    投稿日: 2024.12.01
  • Karen✲*゚のアイコン
    Karen✲*゚
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    タイトル見たらわかるじゃん!と思ったが、人が亡くなるお話、リセット症候群の女性、終活をする人、など少し悲しいお話が多くて、少しひんやりした気分。残された人々がどのように生きるのか、それを上手に写し取られた作品に感じた。 p.102 ひとと繋がりを築くというのは、トランプで精巧なタワーを作るのに似ていると思う。常に緊張感を強いられ、維持するのにも注意を払わなければいけない。壊してしまえば、楽になれる。ときには、心地よささえ覚える。壊すべきではないものを手放す背徳感、安堵感に解放感。そんなものが体中をめぐる。誰かが私に寄り添ってくれるたび、やさしくされるたびーささいなやり取りで笑いあう時間を重ねるたび、私は自分の背に積みあがっていくトランプの存在を感じた。うつくしい三角を幾つも形成しながら大きくなっていくタワー。私はいつ、これを壊すのだろう。いつ、これを積むストレスから逃げようとするのだろう。そんなことをいつもぼんやりと考えていた。 p.130 だ。 「・・・・・そんなことない。あたしはね、藤江さんは自分との付き合い方を知ってただけだと思 う」 芽衣子は首を横に振る。あたしみたいに過去に縛られて何もできなくなることが愛情深いわけじゃない。未練がましく縋り続けることだけが本気っていうわけじゃない「そうかな。私は冷たいひとだと思う。だって、あんなに簡単に写真を焼けるひとだよ」「お姉ちゃん、ちゃんと思い出してよ。藤江さんの手、震えてたやろう」 え、と呟く。そんなこと、覚えていない。炎の中に溶けて燃える写真ばかりが、印象に残 っている。 「ほんとうに酷いひとならそんな面倒なことせずにまとめて燃やしとると思う。どころか、こうしてゴミ袋に入れて捨ててしまえばいいことやん。藤江さんは震える手で一枚ずつ燃やしてた。燃やすたび、痛そうにしとった。罰を受けとるみたいで、だからあたし、あんまり 可哀相で怖くなったとよ」 「そんな・・・・・・そうだったっけ、だってあんなに」 「自分の足でしっかり立って生きていくためには、持ちきれない荷物は捨てないかん。重くて身動き取れなくなるくらいなら、軽くするしかない。そういう生き方しかできんひともおる。藤江さんはそうも言ってた」 p.229 「待つことをしなくなったって、痕跡を手放したって、これまでのことが消えてなくなるわけじゃない。待ったことも、手にしていたことも、事実として自分の中にある。そして、自分の中に何もかもを収めていくことが、澪さんがいましている、『自分の人生の片付け』なんだよ。広げていたものを心に収めていってる」「心に?」 「そう。好きとか思い出とか、大事な感情は、これまではいつでも手に取れるように物に託して置いていたけど、自分の奥に収納する。しまい込む」この辺りに、と菜摘さんは自分の胸元に両手を当てた。 しかしわたしはやっぱり分からなくて、押し黙る。少しの沈黙があって、菜摘さんがわたしの隣に座り直した。エプロンのポケットからレモンキャンディをふたつ取り出して、ひとつをわたしの手に載せる。 「分かんなくていいんだよ。だってあたしたちはさー、これからいろんなものをどんどん手にして、思いや人生をどんどん広げていけるもん。人生のしまい支度をするまで頑張ってきたひとに心底寄り添おうって、無理だよ。それって傲慢だよ。だから、分かんなくっていい」 人生のしまい支度。それこそわたしには遠い言葉で、寂しい響きだ。レモンキャンディの包装紙を剥いて、口に放る。甘くて、少しだけ酸っぱい。

    1
    投稿日: 2024.11.28
  • シロイトリのアイコン
    シロイトリ
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    いろんなタイプの女性の短編5話 どれも素敵でした おつやのよる、先を生くひとが好きだなぁと思いつつも他の話の女性に共感できるところがあって結局全部好きです

    0
    投稿日: 2024.11.27
  • 知らない街の喫茶店のアイコン
    知らない街の喫茶店
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【あらすじ】 ほどいてつないで私はもう一度踏み出せる。出会いも別れも愛おしくなる物語 恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ――いまは人生の迷子になってしまったけれど、あなたの道しるべは、ほら、ここに。もつれた心を解きほぐす、ぬくもりに満ちた全五篇。 『あたしが、あの人のことが忘れられなくて苦しいって言うと、苦しいって思う時が捨てどきなんよって言うと。寂しいって思っても、えいやって忘れてしまえば楽になれる。そしたら生きていけるやないの、って。』 『苦しい、これからもっと苦しくなる。そう感じた時が別れどきなのだ。好きな人や好きな場所に固執して、その執着に苦しむくらいなら離れたい。身軽でいたい。』 『後悔しないように、それだけを忘れなければいい。大変なことがたくさんあるでしょう。頑張ったからって成果が出ないこともある。でも、どんなに辛いことや哀しいことがあったとしても、大丈夫。やっぱり憂うことはないの。だって、きっといつか何もかもを穏やかに眺められる日が来る。ありのままを受け止めて、自分なりに頑張ったんだからいいじゃないって言える自分が、遠い未来にきっといる。』 【個人的な感想】 「先を生くひと」が私は1番好きな話だった。 私も澪さんのように潔い生き方をしたい、と思った。

    1
    投稿日: 2024.11.25
  • 柊のアイコン
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    人生における沈んだ瞬間ですらも愛おしい日々なんだ、と思えるような短編集。 「おつやのよる」恋人に紹介できない家族 「ばばあのマーチ」会社でのいじめによる対人恐怖 「入道雲が生まれるころ」リセット症候群 「くろい穴」弁えていたはずの不満 「先を生く人」幼馴染との別れ

    1
    投稿日: 2024.11.24
  • mineponのアイコン
    minepon
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    よかった。 コンプレックスや悩みを抱える5人それぞれの短編集。 個人的に「ばばあのマーチ」「先を生くひと」が好きだった。 登場人物1人1人の抱える感情が非常に巧みに描かれていて胸にぐっときた。 それぞれが抱えるものの重さ、そしてそこから一歩踏み出す姿にあたたかな気持ちになる。 悩みの根っこになるのも人間ならば、そこから引っ張り上げるのも人間同士のつながりなんだなと思った。 個人的には同著者の長編の方が響いたので ☆3.6

    1
    投稿日: 2024.11.22
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    yukiru
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    安心して読めるお話が5つ。ひとつめのおばあちゃんがイケすぎてて素敵。いつか世を去る時が来たらこうありたい。

    6
    投稿日: 2024.11.17
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    ゆきちょん
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    タイトルの通り。 あなたはここにいなくとも あなたを感じることが出来る。思い出すことが出来る。あなたがいなくても大丈夫。そんな短編集でした。 涙あり笑いあり、とても良かった。 個人的にはおつやのよると先を生く人が好きでした。おつやのよるは父を思い出して泣けました。先を生く人も30分位で読める話なのに、恋愛模様もあり人の温かさもあり笑えて泣けました。「いく」が「生きる」の文字なのも凄く素敵。 「安心して傷つきなさい。」この言葉がとても印象的でした。 いつかどんな思い出も、そんなときがあったねと笑えるように生きていきたいです。

    11
    投稿日: 2024.11.14
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    みんと
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    町田そのこさんの作品はどれもみんな優しい。心が温かくなる。けど読み続けたら刺激が欲しくなるのでしばらくお休みにしよう。

    1
    投稿日: 2024.11.12
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    いちご大福
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    短編集。1番最後の「先を生くひと」が1番心に響いた。遠い先の未来で、全部を受け止めて待っていてくれる人がいるだけで、安心して傷ついたり、安心して生きていける。全部を受け止めて抱きしめてあげる、そんなふうに伝えてあげられる人に、そう言えるように歳を重ねていけたらと思った。

    18
    投稿日: 2024.11.08
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    とまと
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    本のタイトルに惹かれて図書館で借りてみた。 短編集で全てに共通することは先を生きる人(おばあちゃん)と今を生きる人(若者)が対象的に描かれていた。 人生は思う通り行かなくて恋愛や家族関係、仕事などで悩む人たちの背中をそっと先に生きる人たちが後押ししてくれる作品。 本の中であるおばあちゃんが「あなたたちは可能性に溢れている。どんなことだってできるから最初から諦めなければいけないことなんてない」という言葉がとても温かみがあり、心に残りました。 辛く、苦しいことが多い世の中だけど、まだ自分が動けるうちに少しでも後悔しない生き方ができたらいいなと思います。

    37
    投稿日: 2024.11.07
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    no-chindayo
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    じわる すごーく印象に残るというより じんわり切なく 最後の先を生く人がよかった 幼馴染に抱く恋心がまっすぐで強くて、明るい。人生の先輩である澪さんや菜摘さんの存在感がよい。 年をとって、ここにいなくなっても先を生きた人たちの温かい余韻がある。

    0
    投稿日: 2024.11.07
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    デイジー
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    表紙裏にあるエッセイ、すごく良い。 最後の物語。いくつになっても、 人は恋をすると好きな人の前では 可愛くありたいって気持ちが可愛かった。 人の死は避けられるものではないし、 それがいつなのかなんてわからない。 後,断捨離してる気持ちみたいなものが書かれていたけど、以前思い切った断捨離をした時の事を思い出した。 その時、私は過去を懐かしむより今とか先の事を想う事の方が好きだったり、向いてると思った。 今も家の中のもの捨てちゃいたいくらい。 収集癖があると思ってたけど、違った。 若しくは変わったのかな。 おそらく、歳を重ねて断捨離して収集してもしかたないとわかったんだろうな。 今ネット見たら色々あるし。

    0
    投稿日: 2024.11.06
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    あかんぬ
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    このレビューはネタバレを含みます。

    共感することが多く夢中で読んでしまった。 短編で、色んな立場の人が登場するが、それぞれにそれぞれの人生があって、とてもよかった。 特に「おつやのよる」「ばばあのマーチ」「先を生く人」が心に残った。 ・おつやのよる 私も小さい頃から、友達を家に呼んだことがなくて、私は家族が好きだけど、大きくなるにつれて他の家と違うな、と思うこともしばしばあった。 だから晴陽の気持ちがすごくわかる。 この作品でも、「先を行く人」でも同じような表現があったけど、遺品の片付けをするのに、「人の人生を捨てるってしんどい」って思うのもとても共感。 「しあわせな顔をみせてちょうだい」って言葉も素敵だし、それを見ておれが行かなきゃ、とおもった章吾もすてきだ。 あと、お父さんも、おばあちゃんに叱られてちゃんと禁酒してえらい。 きっと素敵なおばあちゃんだったんだろな。 まさに「あなたはここにいなくとも」というタイトルがぴったりで、ちょっとうるっとして温かい気持ちになれる。

    1
    投稿日: 2024.11.03
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    いろんな人生が詰まった短編集。 家族や近所の人、幼なじみ、不倫。 優しい文体だけに主人公達に共感するほど苦しくなる。 でも「あなたはここにいなくとも」タイトル通り、最後はすっきりと前を向ける。 リセット症候群、、よくわかる。

    13
    投稿日: 2024.11.01
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    むぎこ
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    5つの話どれもしんみりとくる、好きだなぁ。1話目のおばあちゃんの家族を想う気持ちにはほんとうに泣ける。よく耳にするようになったリセット症候群、わかってしまうのが切ない。身動きが取れなくなるくらい重くなり待ちきれなくなった荷物を捨てて軽くしていく生き方は孤独で寂しく見えるのかも知れないけど、そういう風にしか生きられない人もいる。誰もが持つ色んな辛さや悩みの先にちょっとした明るさを見つけられるような物語。澪おばあちゃんのあったかくて優しい言葉に包まれて本を閉じる時に、読み終わりたくない寂しさもほんのりと残る。

    10
    投稿日: 2024.10.29
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    キキ
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    タイトルからして切ない印象を受けましたが、想像と違った意味で切なくなりました。 短編5作品が収められています。 1話目の「おつやのよる」は電車の移動中に読んでいたのですが、思わず涙がぶわっと溢れてきてしまって。 このまま読み続けたら、止まらなくなる!と思い、途中で止めました。 他人が自分の事を、自分が思っている以上に考えてくれているストーリーに弱いのです。 (わかりずらくてすみません) そこに時間の取り返しのつかない死が絡んでくるとなおさらです。 いくら身内とは言え、なんでこんなに他人の事を考えられるのだろう。 わたしにとっては永遠のテーマなのかもしれません。 そして、3話目の「入道雲が生まれるころ」。 主人公が昔の自分に似ている。。。 「リセット症候群」なる病名が出てくるのですが、まさにそれだったのです。 一つの職場で仕事も人間関係も慣れてくると、ある日突然、捨てて別の場所で新たに始めたくなるのです。 慣れるというのはいい事なのですが、刺激がなくなるというか、人間の嫌なところが見えたり見られたりで人間関係が面倒になったりと、「あーーー!全部棄てたーーーい!」とちゃぶ台をひっくり返したくなるのです。 別の理由もありますが、それは置いといて。 若い頃にフラフラしていた原因って、これも一つの原因だったな、と思い返しました。 人間関係が深く狭くな人間なので、風通しのよい人間関係を築くのは苦手です。 そんなわたしが共感できたフレーズがありましたので、紹介します。 ”ひとと繋がりを築くというのは、トランプで精巧なタワーを作るのに似ていると思う。常に緊張感を強いられ、維持するのにも注意を払わなければいけない。” 自分の発言が他人の地雷をうっかり踏んでしまっていないか。(後々面倒な事になりたくない) 自分が辛辣な発言をしてしまう人間なので、うっかり辛辣発言が出ていないか。 (自分では普通な事が他人も普通とは限らない) 自分の言葉で他人を傷つけていないか。 (他人を不快な気持ちにさせてしまった自分に嫌気がさす) 人となりのわからない他人との付き合いは、まさにトランプのタワーを作るようにスリリング。 かなり神経使ってます。 まあ、そんな事を繰り返してきたからこそ、今があるともいえます。 歳取ってきたせいか、一から人間関係構築する大変さとか身に染みてわかっているので、今はできない。笑 今ある人間関係をキープする事に力を入れています。 (細心の注意を払って) フラフラするのも時期がありますよね~。 できるうちにフラフラしておくのもいい経験かもしれないですね。 人との出会いと別れは、自分でコントロールできない事の一つですよね。 いつでもここにいるって思っているとありがたみがわからないものですが、いなくなってそれに気づくことは結構あるものです。 今繋がっている人間関係を大切にしていこうと思いました。

    35
    投稿日: 2024.10.25
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    emippo62
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    全てがハートウォーミング 我が家の常識が世間と違うと感じた子供の頃 恋人に自分の家族を会わせられないと悲観する主人公の話、「おつやのよる」他、感情移入出来る短編集でした。 ちょっと笑えてウルっとする、好きです。

    4
    投稿日: 2024.10.22
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    ぴず
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    心が震える短編集 家族って多かれ少なかれ愛憎が入り混じるものだけど、憎に傾きがちなバランスを愛に戻してくれたおつやのよるのおばあちゃんと、女子高生を暖かく包んだ先を生く人の澪さんに泣いた 思い出が宿る品を処分しても思い出は心に残る、と言いつつも無意識に惜しんでしまう姿が切なくて人間らしくてとても好き 他人の分まで背負い込むばばあのマーチも良かった

    1
    投稿日: 2024.10.19
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    よんじょ
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    大好きな町田その子さんの短編集。登場人物が魅力的だから短編は寂しい。やはりこの作者さんは長編の方が好き。

    0
    投稿日: 2024.10.15
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    つばめ
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    どのお話も町田そのこ先生らしさ溢れるハートフルなお話ばかりで良かった。いちばん好きなお話は「ばばあのマーチ」。泣いた。

    0
    投稿日: 2024.10.10
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    asami-to
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    「遠い先の未来で私が待っていてあげる。頑張ったねって言うわよ。だから安心して傷つきなさい。安心して生きなさい。後悔や心残りだけはないように頑張りなさい。」 「たくさんのおばあちゃんたちから受け取った何か、そうして種を収穫し、蒔く側にならなくてはいけない、それが種を継いだ者の責任だ。」 優しい。どこまでも優しいばあちゃんたち。 「先を生くひと」って考え方が好き。

    0
    投稿日: 2024.09.26
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    みかん
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    いろんなおばあさんが出てくる短編集。 「おつやのよる」がいちばん好きだな。とんでもない家族だけれど、それも含めて愛してくれる恋人。その恋人をなぜだか呼び寄せてくれたおばあちゃん。好きな展開。 他の章もそれぞれ面白かった。怖かったり、ムカっとしたり、素敵だなと感じたり。 カバー裏に書かれた町田そのこさんの、粋なおばあちゃんになりたいという文章にも、共感。 誰かにいい影響を与えられるような素敵なおばあちゃんになれたら、そんな素晴らしい人生はないなぁ。

    5
    投稿日: 2024.09.24
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    かわい
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    少し込み入った事情のある主人公たちの話。 最後に少し報われそうな感じが残っているのが良い。 メンタル落ちているときに読むとちょっと辛いかもしれないので、元気で気にしないときに読むと良いでしょう。

    17
    投稿日: 2024.09.23
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    chiko2bk
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    短編集 この作者さんの作品には毎回泣かされてます。 「先を生くひと」の澪さんが素敵。頑張ったら、遠い未来に、ありのままを受け止めてそのとき頑張った自分を認めてあげられる自分がいる、というような言葉が良かった。 お話としては「おつやのよる」がいちばん好きだったかな。

    0
    投稿日: 2024.09.21
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    るみ
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    ネガティブな意味合いの短編集ではないけれど、やはり【⠀人と別離⠀】は悲しく寂しい。 おつやの夜 と 先を生くひと が好き。

    11
    投稿日: 2024.09.19
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    タクボン
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    暗くない。明るくて前向き。 いや、そんなことないのかな?暗い中から明るい方へって感じかな。それでも暗い中を彷徨ってるより、良い方向に進めているんじゃないかって気になる。 あなたはここにいなくても、ってステキなタイトルで内容と噛み合っていて、良かったなって思います。

    0
    投稿日: 2024.09.10
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    けん
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    先を生くひと。短編集で話の繋がりはないが、最後にこの話しを持ってきたのが素晴らしい。それこそがこの本のテーマなんだと。先を生くひとから、今を生くひとへ。まさに想いのバトンを繋ぐような、そんな一冊だった。

    2
    投稿日: 2024.09.04
  • ひろみのアイコン
    ひろみ
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5話の短編集。 最後の「先を生くひと」がとても良かった。 断捨離は「自分の人生の片付け」で人生のしまい支度。自分の中に収めていくこと。

    5
    投稿日: 2024.08.31
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    フリージア
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    自分がいなくなってしまうことをを悟ったときに、私なら誰に何を伝えたいだろうか。タイトルを見て、ふと思った。 読み進めると、思っていたような死別を扱った物語ばかりではなかった。生きていても色々と別れはあるんだったと思った。 「おつやのよる」 ばあちゃんがさりげなく言っていたことは、家族の一人一人が生きやすいように、うまくいきますようにという願いがこめられていたと思う。 清陽のように、まるごと受け止めてくれる人と、出会えた人は幸せだなと思った。 「ばばあのマーチ」 浩明のように、あなたのことを考えているのは、自分しかいないんだと押し付けてくる男性は、怖いと思った。彼も自分に押し付けた責任感の中で苦しんではいたが、香子は離れてよかったと思う。 過去を成仏させてくれるばばあと呼ばれている女性が近くにいたら、うるさいと思うか、その思いをくめるか、私はどっちだろうかと思った。 「入道雲が生まれるころ」 「誰かの人生を捨てるって、辛いね」と言った芽衣子の気持ちが、すごくわかる。実家の断捨離を、親と一緒にやったときには感じなかったあの気持ちと同じだ、と思った。形としては捨てても、自分の心の中で形を変えて、自分と折り合いをつけて存在させればいいことを教えてもらい、なんだかほっとした。 他「くろい穴」「先を生く人」

    23
    投稿日: 2024.08.29
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    しま
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    「夜空に泳ぐチョコレートグラミー 」でもリセット症候群とおばあちゃんはキーワードだったように思うのですが、町田さんの経験の中にあるものなのかな? リセット症候群、共感はするけど、そうは言っても動けないなあ

    1
    投稿日: 2024.08.29
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    はっちとさくら
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    人の死を絡めて、周りの人たちの話が短編でおさめられてて、遺してくれた言葉など、もう一度読みたいと思った。

    4
    投稿日: 2024.08.24
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    マリちゃん
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    短編集。北九州が舞台。どれも優しいけどタイトル通りちょっと淋しい。「先を行くひと」の心にためて物を手放す、人生のしまい支度があんなに美しくできるかなー。物欲まみれだから。

    1
    投稿日: 2024.08.22
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    Mor^^
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    そろぞれ違ったおばあちゃんが出てくる、5編の短編集。何もかも上手く行くわけないけど、未来に希望がもてる、町田その子さんらしいお話しでした。

    40
    投稿日: 2024.08.08
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    momo0707
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    ままならない恋や人間関係。そんな中を生きている女性たちを描いた短編集。 全ての作品に北九州が絡んでいる。舞台だったり、引っ越し先だったり。方言で話したりしてる場面を読むと親しみが湧く。 あけすけな家族を恥ずかしく思い恋人に紹介できないでいる女性、いじめで会社を辞めてからうまく生きて行けなくなった女性、「リセット症候群」の女性、上司との不倫に悩むOL、幼馴染に好きな人ができて落ち込む女子高生。 それぞれ悩みを抱えつつその人らしく生きている姿が描かれている。 どの女性にも惹かれる何かがあって面白かった。

    1
    投稿日: 2024.08.06
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    しろ
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    強く、だけどどこか儚いお婆さんが毎話登場します。自分の抱えている何かを晴らしてくれる、そんな道標となってくれる人にいつか出会ってみたいと思う。町田その子さんらしく、繊細で美しい作品でした。

    2
    投稿日: 2024.08.04
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    みやきょ~
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おつやのよる…祖母の通夜、酒乱で嫌いだった父の意外な一面 ばばあのマーチ…庭先で食器を叩くばばあ、思い出深くでも捨てられない食器 入道雲が生まれるころ…リセット症候群、謎の藤江さんの遺品整理、捨てることに安堵を見出す姉と捨てられないと嘆く妹 くろい穴…栗の渋皮煮、くろい虫食い穴、灰汁と悪意、浮気相手と病床の奥さん 先を生くひと…幼馴染、人生の片付け、 先で待ってる。

    2
    投稿日: 2024.07.22
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    ぴこ
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    最後の章の「先を生く人」だけ読んだ。すごく良かったしすごく心に響いた。 p,240の澪さんがかよに語る人生の話が一番印象的だったけど、恋を自転車と例えてるのも凄く印象的だった。 上手く乗れる子もいるし、何回も転ける子もいるし、自転車にこだわりがある人もいる。恋は自転車と一緒。という部分がたしかに!!って思った。 あと、澪さんは大好きな夫が行方不明だが、かよが好きな幼馴染みは福岡に引っ越すだけであって、会いたかったらいつでも会いに行けるし話せる。 から叶わなくても恵まれた恋愛だと感じた。

    1
    投稿日: 2024.07.19
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    tomojuju
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    どの話も自然と涙が溢れてきた。 すごく私と相性の良い作品なんだと思う。 今の自分と思い込んでいた世界。そこから誰かと関わることで新しい世界がひらけて、少し変わっていく自分。どれもその軸がある。 見え方がかわる、視界が開ける、という物語の集まりなのだが、どれもその過程が丁寧で、共感しやすい。 おつやのよる、先を生くひと、は特に響くものがあった。 おつやのよる、は、嫌いな人に自分の知らない一面がみえた、ときの変化が共感。 先を生くひと、は登場人物がみんな強みも弱みもある人間らしさと物語全体に漂う思いやりにやられました。 2024.7.12 100

    6
    投稿日: 2024.07.12
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    笑々福
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    町田そのこさんの世界観に浸れる事に間違いない本。「おつやの夜」にもう涙が滲む。今はいない母父を想う。人は、どうしてその時には気づかないのか…。悔やまない人生はあるのか…。私が、もっと若いときに読んでいたら周りへの優しさも違っていたのかもしれない、と思わずにはいられないから。後悔が走る時、少しでも優しさを伝えたいから、明日は少し優しくできるかもと思って、やっぱり読んでしまう。

    6
    投稿日: 2024.07.10
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    おちゃこ
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    読み終わりましたー! 久々に本読んだって感じです笑 町田そのこさんのおはなし。 やっぱりすごく好きです。 語彙力がないのでうまく言えないてますが おつやのよるに 先を生くひとのお話が好きでした。 断捨離の意味改めて 考えさせられました... いつになるかわかりませんが 自分の死が近くなった時 自分のものを自分の手で 綺麗にしたいなと思いました。

    7
    投稿日: 2024.07.01
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    つるあつ
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    このレビューはネタバレを含みます。

    心がほわっとする5章の短編小説 元々短編小説は好きではないのですが 読みやすかったので読み終えました。 私は2章の婆ちゃんの想いやりに涙しました。 5章はなんとなく断捨離てそう言う事か考えながら読んでました。私は断捨離苦手で 使いわない物、思い出の物を捨てる時 愛情持って捨てたら後悔しないやろな‥と思った。 少しづつ断捨離頑張ろ( ◠‿◠ ) 図書館

    3
    投稿日: 2024.06.27
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    ゆみゆみ
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    町田そのこさんと言う事で、身構えたが 読みやすく、あっと言う間に読めてしまう 連作ではない短編集 皆んなそれぞれ応援したくなり、私自身もいつの間にか勇気づけられる感じ

    1
    投稿日: 2024.06.26
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    muto
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ブクログのおすすめにあったので読んでみた。 亡くなった・亡くなる前の人の話って泣かせようとしてくるみたいでちょっとずるくない?と斜に構えていたのだが、結論、どの話もとーーーっても良かった。この本大好き。あまりにも良かったので、感想をたくさん書きたいような、自分の言葉にすることで安っぽくなる気がして書きたくないような、大切すぎて誰にも言いたくないような、でもやっぱりこの気持ちを共有するために伝えたいような、複雑な気持ち。 ・おつやのよる スーパーばあちゃんが亡き後も周りの人間関係を上手に修復していく話。なんとなくサマーウォーズのおばあちゃんみたいだと思った。 ・ばばあのマーチ 思い出の詰まった食器をお箸で演奏するばばあの話。割れたワイングラスにもうなかなくていいんだよと声をかける姿に思わず涙ぐんだ。 ・入道雲が生まれるころ リセット症候群の姉とその妹が親戚だと思っていたおばあさんの身辺整理をする話。何を選んで何を捨てるか。残したものたちによって今の自分がつくられているような気がする。 ・くろい穴 不倫相手の奥さんに栗の渋皮煮を作る話。栗の虫食い穴からどんどんアク(悪)が出てきているんじゃないか、捨てればいいのに捨てられない、この穴のあいた一粒を入れてやろうという悪意、全てがじっくり煮詰まっているようで良かった。 ・先を生くひと 高校生の加代が幼馴染の藍生と死神ばあさんの家に通うようになる話。死神ばあさんなんて恐ろしい名前のイメージとは全く異なる素敵なマダムの澪さん。一緒に住んでいる菜摘さんも超いい人。加代が藍生に自分の気持ちを打ち明けて玉砕した後、澪さんと菜摘と加代の3人の食事シーンの澪さんの台詞で泣いてしまった。この台詞は一生心に刻む。こんな素敵な言葉をかけられる大人になりたい。澪さんと菜摘さんみたいな人に憧れます。

    3
    投稿日: 2024.06.25
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    りょか
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    5/100 リセット症候群。わたしもーとおもって。寂しいよ、それでもそれを正解にしていくしかないんだという気持ちが痛いほど、痛いほどわかって。苦しい。でもそれではこの先の人生が同じことの繰り返しだと年末に気がついて、とにかく1人の人と向き合ってみようと思ったんだったなって思い出すきっかけをくれた本だった。 あなたはここにいなくとも、強くなれると思いたくて読んでみたけれど。やっぱりそれでもわたしはあなたがここにいて欲しいと思ってしまうんだよなあ。前に進むのがいいのか、ずっとわからないけど、時間を数ヶ月無駄にしたって、誰かを真剣に愛したって、いいんではないかと思うところに落ち着く。どうせすぐそわそわしちゃうんだけどね。笑 入道雲が生まれるころが好き。 おつやのよる。

    2
    投稿日: 2024.06.25
  • のみえのアイコン
    のみえ
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    幸せの足枷になりそうなものを抱えている女の人(子)が、おばあさんから、幸せの兆しをもらう短編集。 最後の『先を生くひと』が一番好き。 それにしても、どうしてみんな女なんだろう…。 やっぱり女が一人で幸せになるのは、困難なイメージがあるからかな? 完全に一人じゃ幸せになれない(と思う…)のは男も同じなのに。 私もこの本に登場するような、幸せの兆しを見せてあげられるような、おばあちゃんになりたい。

    2
    投稿日: 2024.06.14
  • yumiのアイコン
    yumi
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    恋人に会わせられない家族、職場でいじめを受けて退職し、モヤモヤしながら続けるモラハラっぽい彼氏との関係、突然、人間関係や状況をリセットしてしまうリセット症候群、会社の上司との不倫、、幼なじみを好きだと気づいた女の子、、それぞれ現実にありそうな辛さやモヤモヤを、そこにいない人が繋いだり気づきを与えてくれる短篇集。 一見普通に暮らしている人や、変わっていると思われるような人々にも等しく人生があり、誰かと誰かが様々な形で繋がっている。 そばにいなくても、もういなくても。 そう思えた良作でした。 「お通夜の夜」と「入道雲が生まれるころ」が特に好きでした。

    10
    投稿日: 2024.06.14
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    霞草
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    2024.6.10 優しい短編集だった。 確かに“あなたがここにいなくとも”だった。 勝手に固執していたものを捨て、それでも強く生きていく人たち。 「待つことをしなくなったって、痕跡を手放したって、これまでのことが消えてなくなるわけじゃない。待ったことも、手にしていたことも、事実として自分の中にある。そして、自分の中に何もかもを収めていくことが、澪さんがいましている、『自分の人生の片付け』なんだよ。広げていたものを心に収めていってる」 「菜摘も、覚えておきなさい。あなたたちは、可能性に溢れているのよ。恋も、友情も、夢も、何もかもがこれからなの。そして、どんなことだってできる。最初から諦めなければいけないことなんてない。絶望しないといけない障害なんてない。だから何ひとつ、憂うことはない。後悔しないように、それだけを忘れなければいい。もちろん、大変なことがたくさんあるでしょう。頑張ったからって成果がでないこともある。でも、どんなに辛いことや哀しいことがあったとしても、大丈夫。やっぱり憂うことはないの。だって、きっといつか、何もかもを穏やかに眺められる日が来る。ありのままを受け止めて、自分なりに頑張ったんだからいいじゃないって言える自分が、遠い未来にきっといる。私は後悔をたくさん残してしまったけど、たらればに思い悩んできたけれど、いまは、ここまで生き抜いてきた自分のことを褒めたい。あんたなりにやったじゃない、って思ってる。だから大丈夫よ。この私が、保証する」 静かに紡がれる声が、やさしくわたしに届く。まっすぐに、心に響く。澪さんが続ける。 遠い未来が想像できないのなら、私を思い出しなさい。遠い先の未来で、私が待っていてあげる。私はあなたたちのぜーんぶを受け止めて、抱きしめるわよ。頑張ったねって言うわよ。 だから安心して傷つきなさい。安心して、生きなさい。後悔や心残りだけはないように頑張りなさい。

    2
    投稿日: 2024.06.11
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    ちみる
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    再読。 5つの心温まる短編が収録。 初回限定特典として表紙裏に書き下ろしエッセイが付属。 各物語にさまざまなおばあちゃんが登場する。 おばあちゃんたちは主人公たちに経験や知恵を共有し、感動的なストーリーが展開されていく。 おばあちゃんたちの行動は感動を呼び起こし、人間関係や支え合うことの尊さについて考えるきっかけとなる、心に染みる一冊! 私は「おつやのよる」のおばあちゃんが一番好きでした。 しかし、ラストに清陽(きよい)の恋人がおばあちゃんについて感想を言ったとき、そうかも!とクスッと笑ってしまいました。 同じ感想を持つ人が多いかもしれません…

    27
    投稿日: 2024.06.05
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    mari
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    恋人に紹介できない家族、職場の人間関係に始まる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなるリセット症候群、不倫、幼馴染との別れ…不器用で何かに行き詰っているそんな女性たちの物語。方言で描かれる物語は心にしみた。 悩みなんて人それぞれ、行き詰っても大丈夫と言ってもらえた気がした。 一番印象に残ったのは「入道雲が生まれるころ」。 ″人とつながりを築くというのは、トランプで精巧なタワーを造るのに似ていると思う。常に緊張感を強いられ、維持するのにも注意を払わなければならない。壊してしまえば、楽になれる。″ そう思う萌子の気持ちが、わかりすぎるほどにわかった。年齢と共に私のリセット症候群は緩和されつつあるので、見守る感覚で読んでしまった。わかるなぁ… 普通に生きている人がリアルに描かれていて共感する部分多々。 どの話にも登場する人生の先輩たちに魅力を感じた。 さらっと読めるけれどなかなか濃厚な女性におすすめの短編集。

    3
    投稿日: 2024.06.03
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    オリ
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    出てくる女性が不憫で読んでいてしんどいなと思うことが多かった。この気持ち、ONE PIECEで良い人が痛めつけられて、最終的にルフィが助けてくれることはわかってるけど、理不尽すぎてストレス溜まって見ていられない!ていうのと同じ心境なんですけど、わかる人いませんかね。 虐げられる女性、言いなりになる女性、その描写がどうもしっくりこない。でもそれは、私が恵まれた環境に育ったからかもしれない。それに、いざ自分が好きな人から酷い扱いを受けたら、言い返せる?当然言い返せる!ほんとに?みたいな、自問自答をしながら読んだ本だった。 最初の方の話がしんどかったから、途中で読むのをやめようかと思ったけど、最後の「先を生くひと」で明るく温かいラストを迎えられるので、最後まで読んだ方が良いよ〜

    1
    投稿日: 2024.06.02
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    kiko
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    人との付き合いに感じる生きづらさと人との付き合いの中で影響を受けて前に進む主人公たちに共感しながら楽しく読み進めました。 最後のお話ではコミカルもあり、町田さんの色々が味わえる良い作品だと思います

    1
    投稿日: 2024.05.30
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    各章ごとに新しいお話がある本でした。 少しうるっときた場面もありましたね。 だけど、どんなお話だったかは思い出せなくて、その時その時、心が温かくなったのは確かだったと思います。

    0
    投稿日: 2024.05.18
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    歩く感傷
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    この本を読んで、私は「ああ、実家に帰ってきたなぁ」と感じた。当の私は実家暮らしなのだが。 この本には、5つの女性の物語が描かれている。そして、もう1つ軸となるのが、九州の訛りだ。その訛りが、まるで古い巣を思い出させる温もりを感じた。私の実家は九州ではないが、「昆布締め食べるけ?」と聞く祖母の声を思い出した。しかし、同時に田舎の残酷さも感じずにはいられなかった。世間体を気にせずにはいられない窮屈さ、「あの家は本家で、うちは分家やから」みたいな常に付き纏う上下関係、「人が為ってない」と正論という建前の水面下で面白がられる絶えないゴシップ…「田舎っていいよね」と言われるたびに感じてきたモヤモヤが言語化された気がして、救われた。そして、つらいだけじゃない、現代を生きるちょっと前向きな最後に私も少しでいいから顔を上げてみる心の余裕をくれた。

    7
    投稿日: 2024.05.17
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    たるしん
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    あんまりおもしろくなかった。 1発目の、おつやのよるには面白かったけど、その他の話はあまり。 何より登場人物に嫌気がさす。 考え方や発言、あえてそう描いてるのかなと思うくらい。 各章みんな鬱陶しいなと思える人物が出てくるので、読むのがしんどい。 最後の章の主人公ですらすごい可愛げがないから感情移入できない。 52ヘルツや宙ごはんとか面白い作品ばかりだったので、かなり残念に感じた。

    5
    投稿日: 2024.05.16
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    lmil♾️
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    やたら死別がある短編集だと思ったらタイトルの意味がわかった。「先を生くひと」、「入道雲が生まれるところ」が良かったです。

    5
    投稿日: 2024.05.16
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    みちょはちゃ
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あなたはここにいなくとも 町田そのこ ∞----------------------∞ 全部におばあちゃんが出てくる。私が読んでももちろん面白かったけど、若い人に向けて、みたいな雰囲気のある本だったかも。 -おつやのよる- 実家が喧嘩や言い争いばかりしてて、主人公は恥ずかしくて彼氏に紹介出来ない。そんな折、おばあちゃんが亡くなって実家に行くと、やっぱり言い争いが始まった。 家族はなんだかんだ亡くなったおばあちゃんを仲介に仲良くなるのだけど、この彼氏はなかなか素敵で、自分のことを愛してくれてると言うのもちゃんと伝わる安心出来る人だった。 -ばばあのマーチ- いじめで会社を辞め、喋らなくてもいい工場で淡々と作業をすることが合ってると気づく主人公だけど、彼氏はそれは未来のない意味のないことだという。更には結婚して欲しいがそれを逃げ道にするなと言われる。ちょっとモラハラっぽい。 近所では食器を並べてオーケストラをするばばあ。そこには知り合いの食器もあって、食器は誰かの思い出だったりするのだと知る。彼氏に貰ったマグカップは丈夫すぎていつ成仏出来るか分からないけど、ばばあに託して実家に帰ることにした。 自分は忘れてても、その自分のした事で恩を感じてくれている人がいるっていうのは強みになる。 -入道雲が生まれるころ- 主人公は苦しい時にふと人生をまっさらにしたくなるリセット症候群。親戚のおばあちゃんと思っていた人が、亡くなってから実は人生をリセットしてやってきた人だと分かる。おばあちゃんの遺品を片付けながら、忘れたいのに吹っ切れない過去もあれば、忘れたくない楽しかった良い思い出もあったことに気付く。 -くろい穴- 不倫相手の妻から、以前もらった渋皮煮が美味しかったからまた作って欲しいと頼まれる。おばあちゃんに習った渋皮煮。面倒な工程の中で脱落していく栗たち。アクを出すくろい穴の空いた栗は欠けることもなく最後まで残り続け、不倫相手の妻には悪意を込めてそれを入れる。しかし本当に悪意を込めるべきは不倫相手だった。 -先を生くひと- 幼馴染で好きな人が最近怪しい行動をしている...と後をつけていくと、その家には綺麗な女性とおばあさんがいた。幼馴染の彼はおばあさんの初恋の人と似ていて、自分は末期ガンであるという。元気付けるために通っていたのだった。年老いた分だけ思い出は多くあって、断捨離はするけど大事な思い出はちゃんと心にしまっておく。 2024/05/12 読了(図書館)

    2
    投稿日: 2024.05.12
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    Funya
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     愛する人とともに過ごす幸せに、浸りきれない自分がいる。新しい一歩を踏み出すために必要なことは?  自分の今を見つめ直して、新たな生き方を選択する女性たちの姿を描くヒューマンドラマ短編集。           ◇  我が家のごちそうは「すき焼き」で、私は鶏皮が大好物だと言って教室中で大笑いされる小学生時代の夢を見た。  その頃、すき焼きは鶏肉でするものだと信じていた。特に甘辛く煮込まれた鶏皮に白菜を巻いて食べるのが好きだと言って皆に笑われたことで、私は初めて知ったのだった。我が家の常識は世間の常識とは大きく違うということを。  初恋の人である福元くんにまで「貧乏くせぇ」と嘲笑われただけでなく、小学校卒業まで「トリカワ」というあだ名で皆に呼ばれたことは大きなトラウマになった。  それ以後、人に自分の家の常識を話すことに私は慎重になったのである。  久しぶりにその頃の夢を見たのは、実家にいる祖母からの葉書が昨日、届いたからだろう。そう言えば祖母は私が恋人を連れて帰省する日を待ち望んでいたなあ。  そんなことを考えながらベッドを出てカーテンを開けていると、後ろでガタンと音がした。  驚いて振り返ると、寝室を覗く章吾の顔がある。私の寝坊を見越して合鍵でマンションの部屋に入ってコーヒーを入れ、私が起きるのを待ってくれていたらしくリビングからはいい香りが漂ってくる。  ニヤけつつリビングに移動してコーヒーをひと口飲んだところで、スマホから着信音が聞こえた。見ると「母」からだが、なぜか嫌な予感がする。急いで出てみると、「清陽、おばあちゃんが亡くなったよ」という母の静かな声が聞こえてきた。     ( 第1話「おつやのよる」) ※全5話。       * * * * *  違ったシチュエーションの5つの話。どれもおもしろくて退屈しませんでした。各話とも簡単に紹介しておきます。 第1話「おつやのよる」  祖母の葬儀に伴い、手伝いも兼ねて門司の実家に急遽帰ることになった清陽は、恋人の章吾が申し出た挨拶がてらの同行を激しく拒絶。結婚を視野に入れた真剣な交際のつもりでいた章吾は傷つき、2人はケンカ別れしてしまう。  実は清陽は、世間とはズレた常識がまかり通る実家や、粗野で下品な実家の人たちを章吾に見せたくなかったのだった。  酒癖の悪い父。パチスロ狂いの母。下品なモラハラ男の叔父。祖母という重しの取れたあの人たちを思うと……。   ☆大学・就職と東京で生活拠点を築き、実家の低俗文化の呪縛から逃れられたつもりでいた清陽。優しく育ちの良さそうな彼氏と恋仲になったまではよかったのですが、相手が良識のある人ならば当然、家族との顔合わせは既定路線でしょう。さあ、どうする清陽 ⁉  ということで個人的にはイチオシの第1話です。 第2話「ばばあのマーチ」  前職で同僚からのイジメと上司からのセクハラに遭い、メンタルを傷めて退職せざるを得なかった香子。対人恐怖の症状が出ているため、人と接することが少ない仕事しかできず、アルバイト暮らしとなっている。当然ながら生活は苦しく、気分は一向に晴れない。  それでも香子には彼氏がいて、普通はその彼氏が救いになるはずなのだが……。 ☆こんなせせこましく器量の小さい彼氏では精神が癒やされることなどないでしょうね。心ではわかっていても、彼氏から離れる決心がつかない香子の気持ちも理解できます。  そんな彼女の救いになるのが、近所でも変人で有名な「オーケストラばばあ」と呼ばれる老女です。 ( あだ名の由来は読んでお確かめください。)  儀式めいたことが立ち直りのきっかけになるということはよく耳にするので、なかなか興味深い展開でした。 第3話「入道雲が生まれるころ」   その朝、海斗を起こさないようにベッドを抜け出した萌子は、手速く身支度を整えると「別れましょう。今までありがとう」と走り書きしたメモを残して海斗の部屋を出た。  実は、自分の生活圏での人間関係をすべて捨ててしまいたいという欲求が起こることが萌子には定期的にある。  その欲求を抑えるのは難しく、結果として勤務先ばかりか居住地も変え、顔見知りが1人もいないところで新生活を始めるということを、萌子は繰り返してきた。    歩いているとスマホに実家の母から電話があり、親戚の藤江さんが亡くなったと知らされた。ちょうど次の生活拠点を探そうとしていた萌子は、故郷に帰る決心を固めたのだった。  そのあと海斗からも電話があり、躊躇したものの覚悟を決めて出た萌子は……。 ☆生きていくためには、人間関係を作り上げていくことが必要になります。  人間関係は相手を理解し、自分を理解してもらうところから始まります。そして、その「理解」の内容を互いに維持し続けることで「信頼」が生まれ、円滑な日常生活に繋がるのです。  でも、「理解」や「信頼」を維持することに、何か虚しさというか物足りなさみたいなものを感じて、すべて投げ出してしまいたくなるときがある。  この「リセット症候群」と萌子が呼ぶ衝動はよくわかるだけに、テーマとしてはこの第3話がもっとも印象的でした。 第4話「くろい穴」   美鈴は八百屋で栗をふたカゴ分買った。栗の渋皮煮を作るためだ。  祖母直伝の渋皮煮は美鈴の得意料理だ。入社2年目に会社に持っていったことがあり、誰からも好評だった。その頃から不倫関係にあった上司の馬淵もひと瓶持ち帰ってくれている。それから5年。  今回、渋皮煮を作ることになったのは、馬淵に頼まれたからだ。  甘いものが苦手な馬淵だが彼の妻が大好物で、市販のものよりも美鈴が作った渋皮煮をどうしても食べたがっているということだった。  美鈴との関係を続けながら妻と離婚する気配も見せず、美鈴の部屋に来てもすぐに自宅に帰る馬渕。自分を都合のいい女としか思っていない馬渕への不満を抑えつつ買ってきた栗の選別を始めた美鈴は、「くろい穴」のあいた虫食いの栗が1つ混じっているのを見つけ……。 ☆中盤までのぞっとする展開。なかなかでした。終盤の着地点もすばらしい。  多くは語りません。不穏なホラーサスペンスのテイスト、ぜひ味わってください。  それにしても、女の勘( 妻の勘?)の鋭さはモチーフとしても十分ですね。 第5話「先を生くひと」  高校生の加代は最近、同じマンションに住む幼馴染の藍生の様子がおかしいことに気がついた。朝早く家を出るし帰りも遅い。もしや彼女ができたのではと思った加代は、自分は藍生のことが好きだったのだと知る。  おまけに藍生が「死神ばあさん」と呼ばれる老女宅に出入りしているという噂を耳にした加代は、いてもたってもいられなくなり行動を起こすことにした。  ある朝、藍生を尾行した加代は、一軒の古びた家の玄関先で藍生を迎える若い女性を目にする。かなり親しそうに話す2人の姿。  死神どころか美人じゃないか!  そう思った加代はたまらず門扉に突進して行ったのだった。 ☆それまでの、大人のめんどくさい愛憎を描いた話から一転。ジュニア小説のような展開です。だから登場人物もわかりやすく魅力的に描かれています。  生真面目で誠実な藍生。  激情家で一途な加代。  可愛らしい「死神ばあさん」の澪さん。   その姪孫で若いながら賢くてステキなお姉さんの菜摘。  死を目前にした澪さんが加代たちに贈ることば。そのひとつひとつが、高校生のこれからの人生へのよい餞になっていました。  加代の一途な想いは藍生に伝わるのか。そのあたりも楽しみにお読みください。    人生や恋愛で行き詰まり、悩みを抱える若い女性たち。  そんな彼女たちにそっと寄り添い背中を押してくれるのは、年老いた女性たち。  年輪を重ねた彼女たちが、その生きざまや何かの形で遺してくれたメッセージを紐解く展開が、心を温めてくれます。  そして、含蓄に満ちたそれらを咀嚼し、自身を見つめ直し新しい一歩に繋げていく若い女性たちの姿がとても素敵でした。

    68
    投稿日: 2024.05.09
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    ユリ
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館の本⑯ 5篇から成る短篇集。「くろい穴」、「先を生くひと」が面白かった。 ④「くろい穴」 5篇のなかでいちばんドロッとした話。不倫相手に「奥さんが食べたがっているから」と頼まれて栗の渋皮煮を作るが、それに黒い穴の空いた栗もさりげなく混ぜ合わせる。やっていることは魔女みたいだが、この少しの悪意に共感できる私はきっと性格が悪い。思考や行動が似ている気がして、スラスラ読めた。辛い恋、追いかけるばかりの寂しい恋愛の経験がある人には沁みる話だと思う。 ⑤「先を生くひと」 ハートフル系。「物を捨てる」ことは思い出を捨てることではなく、「自分の心にしまい込む」こと。人との関わりであたたかい気持ちと、恋愛要素も含めたもどかしい気持ちを感じる。澪さん、菜摘さん、加代、藍生のどの視点から見ても『あなたがここにいなくても』の題がよく合っている作品。 印象的なフレーズ 「はっきりと、動揺していた。こんなに手間をかけて大事に作っても、必ずしもひとの記憶に残るわけではない。だから、自分の特別が誰かの特別になる、というのはとても価値のあることだ。滅多にあることではないと思うべきだ。」 「自分の足でしっかり立って生きていくためには、持ちきれない荷物は捨てないかん。重くて身動き取れなくなるくらいなら、軽くするしかない。そういう生き方しかできんひともおる。」

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    投稿日: 2024.05.09