
総合評価
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- Kins"powered by"
ヤクルトスワローズ詩集、好きだな。 お父さんとのエピソードが好き。 他のエピソードはあまり記憶に残らなかったかなー。 品川猿とかは村上春樹の短編らしくて面白かった。 あとはクリームは示唆に富む話ではあった(面白いかどうかは別) 他の短編の方が好き!
0投稿日: 2025.06.18 - たか"powered by"
昔、村上春樹が大好きでしたが、おそらく20年ほど遠ざかっていました。たまたま旅行に出るときの駅の書店で見つけて懐かしく、短編集ということもあって手に取りました。 人生の中で大事だけれど取り返しがつかないものが短い話の中にそれぞれの形で表されていて、そんなところに村上春樹らしさが感じ取れて、久し振りに良いなと思いました。
0投稿日: 2025.06.15 - abenatsumi"powered by"
フィクションのようなノンフィクションのような。 「クリーム」がとても好きだった。 「そんなときは何も思わず何も考えず、ただ目を閉じてやり過ごしていくしかないんじゃないかな。大きな波の下をくぐり抜けるときのように」という言葉を大事にしたいと思った。
0投稿日: 2025.06.11 - もあ"powered by"
個々の独立した話が詰め込まれた短編集。ノスタルジックな話もあれば、なんじゃこりゃ的な話もあり。個人的には、ジャズの話が好きだった。
6投稿日: 2025.05.05 - あずき"powered by"
短編だからサクサク読めた。 エッセイ?なようなファンタジーのような不思議な話がたくさん。 だいたい村上春樹が経験してる話なんだろうか。だとしたら、豊富な人生経験が羨ましい、というか経験をここまで(多少真実からは曲げているにせよ)詳細に思い出して書けるのが羨ましいと思う。 自分も人に語れる人生を送りたい。
8投稿日: 2025.04.19 - sagami246"powered by"
8つの短編を含む短編集であるが、私は本書を「職業としての小説家」という村上春樹の「小説家論」と並行して読んだ。 「職業としての小説家」は、ブグログの感想に書いたが、非常に印象に残る本で、それを読むと、村上春樹が、いかに真剣に誠実に小説に取り組んでいるかが分かる。何というか、そういった本と、並行して読んでいた短編集なので、村上春樹に敬意を払いながら、やや背筋が伸びる感じで、本書を読んだ。 内容は、「背筋を伸ばして」読むような短編集ではないのだけれども、真剣に読むことによって、この短編集の面白さを、より発見できたような気がする。
23投稿日: 2025.04.09 - み"powered by"
短編集。記憶に残ったお話をいくつか記録。 ▼ウィズ•ザ•ビートルズ 同じ高校に通っていた、ビートルズのLPを抱えた一人の少女の記憶から始まり、僕の初めてのガールフレンドの話に移る。彼女の家で彼女との待ち合わせまでの時間を彼女の兄と過ごした日。それから十八年経ち、彼女の兄と再会し、彼女が自殺をしていたことを知る。 最初の記憶の中の彼女は現実に存在してたのか?最初のガールフレンドとなった彼女はどうして自殺したのか?答えがこのお話にあるわけもないので、この話は一体なんだったんだろう、と言う気持ち。まあそれを言ったらこの短編集というか村上春樹の小説すべてが、これ一体なんなの?という感想になる気もするけど。 内容があるわけでもないのになんかやけに長かったな、という印象だった。 ▼品川猿の告白 これ面白かった。とある温泉宿に泊まった日のこと、そこで働いている1匹の日本語を話せる猿と出会い、彼の身の上話を聞く。 恋をした相手の名前を盗むことでその恋を自分の中で成就させる猿。旅行から帰り日常に戻るとあの猿の存在は夢だったのかも…と思うけれど、あるとき出会った女性から自分の名前を思い出せない瞬間があるという悩みを打ち明けられ、あの猿のことを思い出す。 村上春樹の小説、絶対にそんな文脈じゃないところでセックスの話題もしくは単語を出してくるので腹立つんだけど、この猿の話も突然「自分の元飼い主たちは仲が良くてだから夜の情事も激しかった」とかマジでいらない情報話出してきてイライラした。 自分は猿なので…と謙虚に装いつつ、他人に迷惑をかけることよりも自分の恋情を満たすための行動を取るあたりがなんだか浅ましさを感じた。実際に恋した相手と結ばれることはないからせめて名前だけを盗む、って結局自分の一方的な感情で相手にめちゃくちゃ迷惑かけてるじゃん。これも一種の性加害なのでは?想いを抱くのは自由だけど、実際に肉体に手を出さなければ何をしてもいいわけじゃないよね。 お話は面白かったけど、この猿結局再犯してるわけだし、性犯罪の再犯率…みたいなことを考えた。
0投稿日: 2025.04.09 - 美丘"powered by"
東京奇譚集で出会った品川猿のことをすっかり忘れていたので、読み進めるたびに「あ、あ、この人(猿)知ってるぞ…!」とワクワク。村上さんのどこまで現実?な世界観が好きです。私もこんな生活がしたい…
1投稿日: 2025.04.01 - tatani"powered by"
最近読書を始めたからおすすめの本を紹介して欲しい、と友達に相談したら貸してくれた本。 ちなみに、村上春樹は初めて読んだ。 この歳になって村上春樹さえ読んだことないの、恥ずかしい…と思っていたので、友達のチョイスはベリーグッド。 それで感想なんですが、 逢瀬の描写が、率直に言って、気持ち悪い。。 文学にすれば、それが尊いものに見えることはあるんよ。その逆。びっくり。下品。 短編集じゃん?一つだけならまだしも、ほぼ全ての作品に、なんかこう、えっちなモノ入れたいんだね、この人は??全然面白くないよ…。素直に気持ち悪いよ…。 とにかく、酷かった… どんだけセックスの話したいんだよ、中2か?!?… 世間では何故認められているの?私には合わなかっただけなの?私の知能が足りていない? ショック。ショックでした。 途中離脱。最後まで読み切れなくてごめんなさい。
0投稿日: 2025.03.29 - やまぐち"powered by"
面白かった。ほいほいと数日間で読んだ。 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」は素敵な話だと思った。音楽が好きな人なら憧れるような体験だ。 「品川猿の告白」は、非現実的で、でももしかしたらそんなこともあるのかもしれないと思った。 「ウィズ・ザ・ビートルズ」も印象深かった。人生にたった二度の交わりでも、人生を変えてしまうような交流って存在すると思う。 人生のクリーム
0投稿日: 2025.03.25 - こうせい"powered by"
なんだかいつもに増して固有名詞が多様されている気がするのか気のせいだろうか。ビートルズやらチャーリーパーカーやら...
0投稿日: 2025.03.24 - こまつな"powered by"
エッセイなのか物語なのか下調べせずに作家さんの名前だけで読みましたが、なかなか難しかったです。 音楽の知識がないので音楽家の名前も難しかった...年齢を重ねて読めばまた違った感想になりそうかな?品川猿の告白が好きでした。
0投稿日: 2025.03.19 - み"powered by"
ひさびさに村上春樹ワールド!!すき! 意味わからないな難しいな、こうかな、って考察するけどそれがあってるかもわからない、みたいな意味の分からなさもすき!!
1投稿日: 2025.03.07 - かきのはすし"powered by"
石のまくらに 最後の短歌を理解しようと思ったけどどうしてもわからなかった クリーム 信仰は中心がたくさんあって外周がない円だとは思えなかったけど、クリームの考え方はおもしろかった チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ 夢について色々考えた ウィズ・ザ・ビートルズ ほんの数回しか会ってないのにずっと記憶に残る人っているなあ ヤクルトスワローズ詩集 勝利にこだわらない美徳 謝肉祭(carnaval) 人の美醜って主観だと思ってるから村上春樹の書き方あんま好きじゃないかもだけど、なんか色々考えれそうな文章だった 品川猿の告白 文章って目的ないといけないのかな、と考えた 一人称単数 よくわからなかった、後で考えよう。
1投稿日: 2025.03.04 - masa"powered by"
村上節炸裂です。 しかし若い頃の❓はなく少し笑ってしまう部分も 私も昭和生まれなのかな? そう子供の頃、臭いが苦手で食べられなかった納豆が今ではむしろ好物であるみたいに。 違うか? 初めてのスキーが1日目転けまくって、寒くてもうええわ!と思ったのが、次の日何故か滑れる様になっていてアレ?面白いかもって感じたみたいに!やな。
1投稿日: 2025.02.28 - ゆきとう"powered by"
短編集なので読みやすい。村上春樹の短編は長編と比べて作品の言わんとしていること、世界観がより明確になっているような気がする。
0投稿日: 2025.02.24 - りんかす"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
短編小説集(エッセイも混じってる)でサクサク読みやすい 著者の本は初めて読んだ 言葉の使い回しとか、文章表現や喩えは個人的に好きなのが多かった。 ジャズ、クラシック、短歌、スワローズなど、ウィットに富んだ引用が多くて興味深かった 温泉入ってたら猿入ってきた、とかストーリーだけ切り出すとそこまで捻られたものではないが、猿なのにやたら律儀でかしこまった人みたいな語り口調で話してるのが面白かった。 この本にあるように、なんかその人の名前は覚えてないしもう会うことはないけれど、言われたことや発言はやたら記憶してるみたいなことって往々にあるよな、という感じがした。
1投稿日: 2025.02.23 - くろ"powered by"
のんびりした世界観だが、深く読み込めば面白さが増す作品だと思う。 数年後にもう一度読みたい。 ★印象に残ったフレーズ とりたてて美人という顔立ちではないものの、そこにはうまく完結した雰囲気のようなものが漂っていた。
0投稿日: 2025.02.07 - るんるん"powered by"
やっぱり村上春樹は短編より長編が好きだ‥ ショパンの音楽についてはそれほど恒常的な熱意を抱くことができなかった。少なくとも朝起きて最初に聴きたくなる音楽ではない。 モーツァルトのピアノ•ソナタは美しくチャーミングだが、正直なところさすがに聴き飽きた。 バッハの平均律は見事な作品だが、身を入れて聴くにはいささか長すぎた。体調を整える必要がある。 ベートーヴェンのピアノ•ソナタは時として生真面目すぎるところが耳につく。解釈もいちおう行き着くところまで行き着いている(と我々は考えた)。 ブラームスのピアノ作品はたまに聴くと素晴らしいが、しょっちゅう耳にしているとくたびれる。しばしば退屈もする。 ドビュッシーとラヴェルのピアノ音楽は、それを聴く時刻とシチュエーションを選ばないと、心には届かないかもしれない。 僕らが文句なく素晴らしい、いわば究極のピアノ音楽として選んだのは、シューベルトのいくつかのピアノ•ソナタと、シューマンのピアノ音楽だった。
0投稿日: 2025.02.06 - あかり"powered by"
東京奇譚集で読んだ「品川猿」の続編 「品川猿の告白」が読みたくて手に取った。 東京奇譚集を読んだときにも感じたことだが… どの短編も 読んでいてどこか地に足がついていない…着地していない… というか すこし地面から足が離れている 浮いているような感じがする。 「○○な感じ…」で終わり 結論はなく そこから先は読み手にゆだねられた感じ なんだかふわふわした感じの短編集 読みながら ふと自分のこととして思ってみたり イメージを膨らませてみたり… なんてことなくさらっと読み終えてしまったり… 余韻が残るような 残らないような… ふとした時に また読み返してみるのもありかもしれない。
6投稿日: 2025.01.28 - seesheep2024"powered by"
どの話も良かったけれど、性的な表現が自分はダメになってました。自分が歳を取ったからか、村上春樹が歳をとったからか…。
0投稿日: 2025.01.20 - ぼの"powered by"
「チャーリー•パーカー•プレイズ•ボサノヴァ」と「ウィズ•ザ•ビートルズ」が好き。品川猿は前にも見たことあるなーと思ったら、続編ですねー
0投稿日: 2025.01.18 - 2202986番目の読書家"powered by"
最後の章の一人称単数はよくわからなかった 全体的には面白かった 『チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ』 夢の感覚って不思議。 現実との相違に気づくことはできてもそれをよりリアルに再現することはできない。 そして潜在的な何かから生じているもののはずなのに、一度覚醒し、コンマ1秒でも別のことを考えようものならその内容は一瞬にして忘れてしまう。 ただ何らかのフックによって思い出すこともできれば、どうしても思い出せないこともある。 そもそも思い出そうとしている部分は本当にみた夢なのか?夢とは記憶なのか? 彼の潜在意識としてのCharlie Parker plays ボサノヴァ、その出現の仕方にキュンキュンした。 と 『ヤクルトスワローズ詩集』 このふたつがお気に入りかな お勧めされた謝肉祭も面白かった けどどうしても動物の謝肉祭が頭に流れてきてしまって、それを流しながら読んでいた笑
0投稿日: 2024.12.17 - さやぴ"powered by"
面白い!最後の一人称単数は難しかったけど、ネットで感想見てなるほどなぁと思った。私は謝肉祭とヤクルトスワローズ詩集が好き。
0投稿日: 2024.12.09 - okomoji"powered by"
よく知った近所の道を歩いていたら、いつの間にか外国の知らない町に迷い込んだような気分になる一冊だった。 高校時代や若い時代のエピソードが多かったので、古い本かと思いきや2020年発行と比較的最近のものだったので驚いた。 文中に「やれやれ」が登場した際はひとりにやにやしてしまった。 シューマンの謝肉祭、ジョン・コルトレーン、ジョニ・ミッチェル、ビートルズの”オール・マイ・ラヴィング”など好みの音楽が多かったこともあり、読了後、本書に登場する音楽をYou Tubeで順番に聞いてみた。”Charie Parker Plays Bossa Nova"を聞きながら第三章を読み返した。こんな本の読み方をしたのは初めてだ。 石のまくらに クリーム チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles 「ヤクルト・スワローズ詩集」 謝肉祭 (Carnaval) 品川猿の告白 一人称単数
1投稿日: 2024.11.26 - hiro-9"powered by"
短編集である。いつもように日常性が少し非日常になるところはこの作家らしい。今回感じたのは、まあネタバレでもないのでいっておくとそれなりに年をとったのだなあというものだった。
0投稿日: 2024.11.24 - ヒューイチ"powered by"
個人的に久々の村上春樹! 最近、村上春樹の小説が面白くなってきたのは自分が歳をとったから? 短めの短編でスラスラと行けます! 品川猿って東京奇譚集にもあった作品で本作は続編かなぁ? 相変わらず主人公、何もしてないのにモテ過ぎ! 石のまくらに:昔、一度だけ関係を持った短歌を作る女性の話 クリーム:昔、同じピアノ教室に通っていた女の子からピアノリサイタルの誘いが来る?僕はその会場に行ってみるのだが・・・ チャーリー・パーカー・ブレイズ・ボサノヴァ:主人公が大学生の時に書いた架空のアルバムレコード解説の話。自分が書いた架空のアルバムは存在するのか??? with the Beatles:ビートルズについての話かと思いきや、ビートルズのアルバムを持っていた女の子の話かと思いきや、昔付き合っていた女の子との話! 『ヤクルトスワローズ詩集』:村上春樹がかつてヤクルトスワローズの試合を観て書き溜めた詩集を自費出版で500部作って売ってたそうですがその話の真相は・・・ →本作では詩集に触れるだけです 謝肉祭:主人公と醜い女性の出会いから別れまでの話!?音楽の話で盛り上がる! 品川猿の告白:温泉宿に泊まったら喋る猿が!?東京奇譚集に登場した品川猿の続編か? 一人称単数:表題作 主人公がオシャレして一人でBARを訪れた時の話!?ありそうな話!?あったら自分はどう対応するか?誤解は解くか?悔い改めるか? どの話も良い意味で心に引っかからない、すぐに忘れちゃいそうでいつまでも少しだけ心に引っかかってそうな気がします。 品川猿のように・・・
35投稿日: 2024.11.02 - みんしの"powered by"
村上春樹のこういうところが好きだったはずなのに、短編集になると「まだこの感じをやっているのか」とくどい気持ちになってしまった。 卒論で村上春樹作品を主題に扱ったのだけど、文中に数多く仕込まれるメタファーについては敢えて分析しないと教授へ伝えたところ、それが賢明である(触れる必要が無い)と同意されたことをよく覚えている。 こういうところが好きだったはずなんだけれど。
2投稿日: 2024.10.15 - ブックブックランランラン"powered by"
オーディブルにて視聴。 池松壮亮の不思議な語り口が村上ワールドとマッチしていて、聞き入った。 現実にはありえないんだけど、 あり得てしまいそうな村上ワールド。 温泉宿の猿の話が好きで 人間にも猿にも馴染めず ひっそりと生きて 強く誰かを思ったり、でも孤独で 孤独に耐えながらも 気がつかないような、犯罪とも言えないようなことをしている話がおもしろかった。
0投稿日: 2024.10.13 - ゆ"powered by"
初めて村上春樹さんの本を読んだ。 読んでいて、現実と空想が自分の中で入り混じってすごく不思議な気持ちになる。 「クレム・ド・ラ・クレム」、ビートルズのところ、すごく好きな感じの話だった。あんな体験、本の中で味わえてすごくウキウキ、切なく、いろんな気持ちになった。 また村上さんの本読みたい!
1投稿日: 2024.10.09 - ななな"powered by"
何を伝えたいのかさっぱり分からない。面白いと思うところもなくて、この人の本は向いていないのかもしれない。
2投稿日: 2024.08.19 - fuuma"powered by"
普通に意味がよくわからない。品川猿だけまあ普通だった。村上春樹の世界観は長編でなんとか輪郭が見えてくるけれど短編だと何もわからないまま終わる
0投稿日: 2024.08.12 - 頼む"powered by"
20代前半、僕が自己形成期間に最も読んだ作家=村上春樹の、「ひとり語り」の作品だけで構成された短編集。 知らない女性と自然な成り行きで夜を共にする感じとか、かつて付き合っていた女性の死をあとから人伝に聞く感じとか、この世ならざるものとの会話とか、ペリー・コモ・シングズ・ジミ・ヘンドリックスとか、随所に「らしさ」を感じられる。 ひとり語り→いち個人の視野の限界→さいごの短編「一人称単数」で身に覚えの無いことで叱責を受ける感じは、表題作の役割としては分かるんだけど、「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」以降「品川猿の告白」まで加速度的に面白くなってきた勢いからの、最後の短編で奈落の底に突き落とされるような、なんともいやーな気持ちで読み終わりました。 好きな作品は、と聞かれるなら、やはり「品川猿の告白」。 いや、春樹の筆力が最も現れるのは、まるでノンフィクションかのようなタッチで書かれたフィクションだが、「かつて書いた『まるでノンフィクションかのようなタッチで書かれたフィクション』をめぐる冒険をまるでノンフィクションのようなタッチで書いたフィクション作品」であるところの「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」も捨てがたい。
4投稿日: 2024.08.01 - だいち"powered by"
初めての村上春樹の作品のため、他と比較したわけではないが、彼の作品は、多くの純文学のように自分の心に照らし合わせて深読みしたり、あるいはミステリーのようにあらすじを後から思い出せるような衝撃的な展開があったりするようなものではない。むしろ、普段生活の中では到底使わないであろうしゃれた表現と、文に漂うリズムを楽しむために読むものに感じた。 いずれの短編も現実には到底ありえなさそうなことが出てくるが、彼の筆致により「そういうこともあるのかもな。」と思わせてくれる。 毎日仕事終わりに楽しみにとって置くタイプの小説ではないかもしれないが、たまにできた夜の一人時間、ラガヴーリンをロックで飲みながら、俺は何を読まされているんだとちょっとメタに読むのが最高に楽しい、と感じた。
7投稿日: 2024.07.30 - ない"powered by"
ずれた女の子の話かと思ってたらなよっとした男の自語りが続いて村上春樹のエッセイと化けていった。 作風に対する批評が本に疎い私でも知っているのは中々面白い感覚でこの本で初めて触れた まぁ女性描写に気持ち悪さは感じず、当初期待していた話ではなかった部分の気落ちはあったが眠れない夜のお供としての役目を無事に終えてくれた。 でも気持ち悪いね!後味スッキリしない!ミステリーと社会小説が割と好きなのでこんな「はにゃ?」みたいな感覚になった。こんな作風の長編読んだら死んでしまうのではないか 後付けの感想・理由みたいな文章が多いのは特徴的だと思うな。なんか心を書くって伝わって欲しいことが思ってるままに伝わるように思っている以上に回り道をするんだろうけどそれがもどかしさにつながる
0投稿日: 2024.07.21 - NEW PEACEFULLY BOOKSTORE"powered by"
この本で感じたのは『リアル』と『虚構』の境界線のあやふやさだ。 村上春樹のエッセイとして読者は読み進める。 しかし誘われるのは村上春樹の妄想による創造の世界だ。 この世界で彷徨う読者をほくそ笑んで眺めているのだろうか。 どの話も終わった後は跡形もなく消えてしまって かわりに余韻だけはずっと心に残り続けるような 不思議な読後感を味わった。 そもそもこの本に興味を持ったきっかけは 『ヤクルトスワローズ詩集』が収録されているからだった。 村上さんがヤクルトファンだという事は噂レベルで知っていたが、 村上春樹という存在とヤクルトスワローズの世界があまりにもかけ離れすぎていて 同じ世界線にこの2つが存在することに現実味を感じられないでいた。 なのに『詩集』って、、、そんなに好きなの? もしかしたらヤクルトが得点する度に傘を振り回し、東京音頭を熱唱する村上春樹に出会えるかもしれない。 あの村上春樹が本当にヤクルトスワローズを愛しているのか明らかにしたかった。 結果、居住の条件は神宮の徒歩圏内、観戦は基本現地というガチファンだった。 そして弱いチームを応援することに独自の美学を持っていた。 とはいえ、これまで実体験と虚構が入り混じる中で 村上春樹の遊びごとにさんざん振り回されてきた。 『ヤクルトスワローズ詩集』が本当に存在するのかも疑わしい。。。 そこで調べてみたらヤクルトスワローズのファンクラブサイトにたどり着いた。 https://www.yakult-swallows.co.jp/pages/fanclub/honorary_member/murakami ここで村上さんがファンクラブ名誉会員として寄稿しているものによると どうやら『ヤクルトスワローズ詩集』は本当に実存するものらしい。 そして同じ村上姓として村上宗隆選手を「うちの宗隆くん」と呼び、まるで親戚の子みたいにひときわ期待を寄せていた。 世界に誇る「2大村上」が人知れず繋がっていたことに興奮を覚えた。 この寄稿が書かれたのは宗隆選手が19歳の頃だ。 私が思うに現在24歳の宗隆選手は日本を代表するスラッガーに成長したと思うが 果たして春樹さんのお眼鏡に叶う「ほんもののスラッガー」になっているのか、その後の宗隆論が気になってしまった。
17投稿日: 2024.07.14 - えみりん"powered by"
品川猿の告白が一番よかった。 古い宿の素晴らしい温泉につかっている時に現れた一見普通の猿。その猿が丁寧な言葉遣いで突然「お寒うございますね」と話しかけてくる。 主人公は驚きながらも、もっと話が聞きたいと思い、部屋でその猿が持ってきてくれた気の利いたおつまみをつまみながら瓶ビールを一緒に飲み、猿の身の上話を聞く。 村上ワールドという感じで個人的には好き。
2投稿日: 2024.07.13 - Janat"powered by"
3月に買って途中で読みかけのまま本棚に放置し、今日やっと読み終わった。 村上春樹の短編小説は初めて読んだが、個人的に長編小説の方が好きだった。 淡々とした雰囲気の話が多く、寝る前に読むのがおすすめ。
1投稿日: 2024.07.12 - セシルの夕陽"powered by"
何のジャンルに入るのだろうか。エッセイのような私小説の8話短編集。 どこか不思議な話が綴られている…春樹氏にかかれば、全て謎めいた話になるのだけど。 ジャズやビートルズ、クラッシックの音楽に絡んだ作品もたくさん。私は疎くて残念ながらも『謝肉祭』はシューマン♪ 謝肉祭♪を聴きながら読んだ。 『品川猿の告白』は「東京奇譚集」にも出てきた話とリンクしていた。『ウィズ・ザ・ビートルズ』が1番好き♡ 今後も春樹氏の文章リズムに時々触れたい。
13投稿日: 2024.07.07 - 本ぶら"powered by"
これ、書いたのが村上春樹じゃなくて、たとえば町上夏樹っていう新人作家だったら、たぶん、評価はみんな、5割減だったんじゃない?(爆) 『女のいない男たち』、『神の子どもたちはみな踊る』という短編集がよくて。 村上春樹は、むしろ短編の方が小説らしく小説を書くんだなーと読んでみたのだけれど、これは全然小説らしくない。 ていうか。 これ、実は買ってから読み出すまで、数週間かかった。 ていうのも、買ってすぐ、ペラペラめくっていて、1話目「石のまくらに」が例によって、いくのいかないの、他の男の名前を呼ぶからどーとかという話だったからだ(^^ゞ 村上春樹のエッチはてろんとしているから、何のコーフンも呼び起こさないwから、ほぼ、どーでもいいんだけど。 最初に目に入ってきたのが例によって例のごとくの内容なことに、「また、その話なのぉ?」とさすがにウンザリしてしまったのだ。 ていうかー、世のハルキストの方たちが常に村上春樹の小説を絶賛するのは、村上春樹がいつもそれを書くからなんだろうか? まぁ、自分も去年の暮に『みみずくは黄昏に飛びたつ』買って読んで以来、村上春樹の小説ばかり読んでいたので、一応はファンの端くれなんだろうけど。 村上春樹の小説を礼賛しまくるファンが村上春樹の小説のどんなところを評価しているのか、未だにわからない(^^ゞ てことで、★は本来なら2つ。 一つ増やしたのは、村上春樹はこれを書くことで、今の日本人に問うてるんじゃないのかな?という気がしたから。 いや、そうなのかはわからない。 たんに、そういう風にでも思わないと、ツマンナすぎてやってらんないからかもしれない(^^ゞ というのも、3話目「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」の出だしはライナーノーツなのだ(ただし、空想のレコード)。 ライナーノーツって、大嫌いなんだよね。 自分が買ったレコードのそのミュージシャンがいかにスゴイか、そのアルバムがいかに傑作か、ズラズラ、ズラズラ書いてあって。 それを読むことで、「あー、やっぱり、これ大傑作なんだ。俺って、やっぱりセンスがよくてカッコイイよなぁー」と、一人悦に入るためのものって気がしちゃってさ。 ていうか、あかの他人である音楽評論家のツマンナイ興に無理やり付き合わされているようで、ハラが立ってくるのだ(爆)←なら読まなきゃいいだろ!w 1話目、「石のまくらに」は上記にも書いたように、ペラペラめくっていて目に入ってきた「またこれ?」な内容にウンザリしちゃったんだけど。 読んでみると、「またこれ?」でありつつ、ビミョーに違うようにも思えるお話。 例によって20歳の学生の主人公が、バイト先の年上の女性の送別会(のようなもの)の後、いつものごとく、するするとエッチに至るというお話wなんだけど、その後がなぁ〜んか違う。 余韻かな? 違うのは。 たぶん、その余韻は、送られてきたその女性がつくった短歌の歌集が影響しているんだろう。 どうでもいいことだけど、著者はエッチの場面で女性の胸とソコについては書くけど、それ以外の部位についてはほとんど触れない(描写しない)。 もちろん、そういうのは人それぞれだから、それをとやかく言うことではないんだけれど。 ただ、村上春樹のエッチシーンにウンザリする人が多いのは、そういう即物的に感じる書き方にあるんじゃないのかな? 2話目、「クリーム」は意味深。 ただ、お話としては面白くない(^^ゞ 浪人中の「僕」が、昔同じピアノ教室に通っていた女の子から独奏会の招待状を受け取る。 行くんだけど、そんなものは開かれていない。 そんな「僕」は公園で老人と話をすることになって……、 みたいなお話。 つまり、その老人の話の内容というのがいろいろ示唆に富んでいるという、よくあるパターンのお話だ。 そういえば、社会人になって、すぐの頃。 上司から「これについて考えてこい」出された課題を数日後に見せた時、「キミは考えるということがどういうことなのか、わかってないんじゃないか?」と怒られたことを思い出した(^_^;) 3話目、「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」は、上にも書いたように冒頭が空想のレコードのライナーノーツになっていて。 ライナーノーツを読むのが大嫌いな自分としては、それだけでウンザリ。 というか、さすが村上春樹。 そのライナーノーツを、まさにライナーノーツって感じで書いている(爆) 個人的な興にノリまくって、たかがレコード一枚のことを世紀の大事件みたいに浮かれまくって書いているだ(^^ゞ 自分も音楽はかなり好きだから、そう書きたい気持ちはわからなくないけど。 ただ、自分は音楽ファンがそういうノリや興をあらわにしているのを見るのが好きじゃないのだw お話そのものは、収録曲まで架空で作ったアルバムを主人公はある時……、 みたいなお話。 そういえば、中古盤屋巡りをよくしていた頃、グラム・パーソンズのバーズ加入前のバンドである「インターナショナル・サブマリン・バンド」のアルバムを3種類見つけたことがあった。 その内一枚は、ジャケットからして私家盤ぽかったこともあって。 「もしかしてライブだったりする?」と、ワクワクしながら3枚とも買ってしまったなんてことがあったが(^^ゞ それを踏まえると、これって、音楽ファンあるあるなお話なのかもしれない。 4話目、「ウィズ・ザ・ビートルズ」は、例によって、魅力的な女の子が出てくるシーンから始まるwのだけど、お話の本筋にその人は関係ない。 そのガクっとする流れは結構好き(^^ゞ お話そのものはその女の子ではなく、最初に付き合った女の子とのデートの約束の行き違いで始まる、その子のお兄さんとのおしゃべりのお話だ。 18年くらい経って、そのお兄さんとバッタリ会った主人公は思わぬことを聞かされる……、 みたいなお話。 これも、意味深。 そういえば、アマゾンのレビューとかに「その時代にパナソニックはない」と書いていた人がいたけど。 それを見た時は、「どーでもいいじゃん。フィクションなんだもん」と思ったんだけど、実際読んでみると、「パナソニック」の文字(というより、その音感かもしれない)にすごく違和感があった。 そう考えると、さすがは村上春樹。さり気なく時代の空気まで表現しちゃっているってことなのかな?と、ちょっと感心したんだけど。 ただ、その後で、その頃、スニーカーって言ってたのかな?と再び違和感を覚えたのも確かだ。 5話目、「ヤクルト・スワローズ詩集」は村上春樹信奉者以外は、ほぼどーでもいいお話(^^ゞ 野球を観に行くのが好きで、ヤクルト・スワローズが好きで。 あの時はどうこう、この時はどうこう…。 村上春樹だろうが、名のない一般庶民だろうが、人はみな、その人ながらの愉しみを楽しむことで日々を暮らしている。 そういう意味で、この本のテーマに、ちゃんと沿っているお話なんだと思う。 6話目、「謝肉祭」はこれまでと違って、引っかかるという意味で小説らしいお話。 恋愛感情抜きで楽しいおしゃべりが出来る、ある女性の回想(?)のようなお話なのだが。 似ている価値観に基づいて語り合う音楽のおしゃべりの場面が心地よい。 ただ、その女性が……、 みたいなお話。 前から感じていたけど、村上春樹って、女性の外見にすごくこだわるよね。 身も蓋もない言い方しちゃうならば、ブスは徹底的にこき下ろすみたいなさ(^_^;) ま、男にしても、女にしても、誰だって、心の中に多かれ少なかれ、そういうこだわりはあって、その価値観で他人を切り捨てたりしているっていうのはあるんだろうから。 世間で今言われているキレイゴトや正しいっぽいこと言って、「俺/わたしは偉いよね?」と思うことで気持ちよくなっているよりはマシなんだけどさ。 ただ、思うに、学生の時、村上春樹が身近にいたら、絶対仲良くならなかった気がするなぁー(^^ゞ ていうか、ジャズファンって時点で「アイツ、ダセぇよ」と陰口叩き合う仲だったと思う(爆) このお話の中に出てくる、“仮面”という例え。 あるいは、“幸福というのはあくまで相対的なものなのよ。違う?”という言葉。 それらを読んでいて、初めて、「あ、つまり、著者はこの短編集をそのテーマに沿って書いたのかな?」と思った。 これは、あくまで自分が感じた、いかにも自分っぽい想像wだけど。 著者がこの短編集でしたかったのは、SNS等ネットの中にある幸せや楽しさを、幸福や興の価値観(スケールと言った方がいいかもしれない)としてしまっている現在の世の中に対する、皮肉を込めた問いかけなんじゃないのかな? 毎日、ごきげんにビール飲んで試合に一喜一憂することが楽しいヤクルト・スワローズのファンの人が、SNSでたまたま見た、どこの馬の骨とも知らない他人の一年で唯一の(なおかと、盛りに盛った)イベントを見て、「俺/わたしって、ツマラナイ人生おくってるんだなぁー」と意気消沈。 粛々と不幸せを消費している……、 今って、なんか、みんなそんな感じじゃない?みたいに(^^ゞ このお話のその女性のその一件も、無駄に他人を羨むことで粛々と不幸せを消費した果ての結果なんだとしたら哀しい。 ていうか。 最後まで読んで思ったんだけど、冒頭にある、その女性の容姿の否定的な言及は全く逆なのかもしれない。 つまり、その女性の容姿というのは、一見して普通にキレイ、あるいは、人目を引くほどキレイだった。 ただ、そのキレイさというのは、今の最大公約数的なキレイさ、つまり、今(現在)、世間にあるキレイの流行りを集めて作ったみたいなキレイさで(ナンチャラ姉妹みたいな?w)。 その人本来持っていたキレイを、今のキレイの基準通りに化粧等で塗り潰したような顔だった。 あるいは、そこまでいかなくても、取り繕った顔を普通の顔として見せている? そう、営業スマイルが地の顔になっちゃった人と言ったらわかりやすいのかもしれない。 その人本来持っていたキレイを化粧等で塗り潰した顔、営業スマイルが地の顔になっちゃった人、いずれにしても、主人公はそれが「仮面」ように感じて、その無機質さに嫌悪を覚えたことで「醜い」という、かなりキツい言葉で表現したということなのかもしれない。 つまり、その人が「仮面」をつけているのは、裏にその理由(ネタバレになるので書けない)があったからということになるんだけど。 ただ、個人的には、主人公とその女性の音楽をめぐるおしゃべりが面白かったこともあって。 その女性は容姿にすぐれなかったからこそ、魅力的な感性を磨いた。 でも、その一方で……、みたいに、女性の豊かな感性と裏にあったことは、誰もが多かれ少なかれ持つ二面性と思いたいかなぁー。 7話目、「品川猿の告白」は、にっぽん昔話みたいなお話。 寓話なのかな? ただ、何を寓しているのかわからない。 個人的にはこの短編集は、6話目の「謝肉祭」に出てきた、“幸福というのはあくまで相対的なものなのよ。違う?”という問いかけが一つのテーマになっているような気がすることもあって。 こんなことだって、人々の愉しみを楽しむ幸せなんだから、それを楽しむことで満足する。 それこそが幸せなんじゃない?ということなのかと思わないでもないのだが。 ただ、なぁ〜んか違う気がするかなぁー。 ていうか、これ、落語にしたら面白そうだ。 お話は、ある温泉地を訪れた主人公が温泉に浸かっていると、猿が「背中をお流しましょうか?」と話しかけてくる。 猿の話の面白さに、主人公が仕事が終わったらおしゃべりしにこない?と誘うと。 猿はやってきて、ビールを酌み交わす。 その後、猿は奇妙な自らの愉しみを話し出す……、 みたいなお話。 どーでもいい話だけど、村上春樹の小説に出てくる猿だけあって。 猿が以前、飼われていた家の夫婦の夫婦生活を話しだしたところでは「猿よ、お前もか…」と大笑い(^^ゞ 8話目、「一人称単数」は意外や意外、結構面白かったw お話は、ある春の宵、きまぐれでスーツを着た主人公がバーに入る。 すると、そこに居合わせた50歳くらいの女性客が「失礼ですが…」と話しかけてくる。 読んでいた本がつまらなかった主人公がそれに応じると、その女性はいきなり「そんなことをしていて、なにが愉しい?」とからんできて……、 みたいなお話。 なにが面白いって、世間にある著者の小説のエッチシーンの不快さを訴える人の多さを思えば、これ、実際にあってもおかしくないかも?wと想像できちゃうところが面白い(^^ゞ (ただ、お話の中で女性が言うそれはウィキペディアにある、女性作家の村上春樹評と似ている気もする) いや、著者の小説に(アホな)エッチシーンは付きもの(憑き物?w)なんだから。 それはわかりきったことなんだから、なにも世の流行りに素直に従うことなく読まなきゃいいじゃん!って話なんだよね。 とはいえ、つい読んじゃって。 やっぱりそこにあるエッチシーンに不快さをもよおすというのが一般庶民というか、消費社会というものなんだよね(爆) ただ、著者はいくらなんでもそういうお話としては書いていない。 たぶんw それは、お話にその女性が登場する前、バーの鏡に写っている、普段着ないスーツを着ている自らを見ていた時、それが自分でないような気がしてくるシーンがあるのを見てもそんな気がする。 その女性が、主人公が思うように(その女性が知っている)誰かと勘違いしているのか。 その女性が言うように、知り合いの知り合いとして一度会っているのかはわからない。 ただ、その女性が言う、「(前略)よくよく考えてごらんなさい。三年前に、どこかの水辺であったことを(後略)」という言葉は妙に意味深だ。 だって、その女性は主人公を責めているのだ。 であれば、「どこか」みたいに曖昧な言葉を使ったり、水辺みたいに抽象的な言葉を使わないはずだ。 もちろん、「どこかの水辺であったこと」に主人公が関係しているのであれば、当然それがどこかはわかるはずだから、「どこかの水辺」とあえてぼかして言っているのかもしれないが。 ただ、だとしたら、「あの川」や「あの湖」、「あの岬」みたいな言葉を使うんじゃない? (とか書くと、「あれはメタファーだ」とかなんだとか、ハルキストにバカにされるんだろうけどさw) おそらく、このお話というのは、6話目の「謝肉祭」に出てきた“仮面”というテーマを引き継いでいる(そして、それは7話目の猿も同じなのかもしれない)ような気がするんだけど、その入れ繰りはわからないなぁー(^^ゞ ていうか、この本。 8話目の「一人称単数」を一話目に持ってきてたら、全然印象が違った気がするんだけど?
8投稿日: 2024.07.02 - hazukibooklog"powered by"
最後の一編にいろんな意味でぞわぞわした。 作品の好みで言うなら品川猿の告白が1番好き。謝肉祭も良かった。 本人の身に本当に起こったことなのか、そう見せかけた物語なのかはわからないけど、登場人物が違っても8編全てが地続きになってる感じが良かった。 ヤクルトスワローズ詩集も久しぶりに読めて嬉しかった。
1投稿日: 2024.06.13 - nekobeck"powered by"
品川猿の告白が、妙な話だけどいい。 昔読んだカエルくんの話を思い出した。カエルくんは、今どうしているのだろう? 後は、読後に妙な嫌な感じを残していく短編が多かった。村上春樹さん自身の体験を思い出して書いたのか、そのままではなく別の話に置き換えたのか? ぐさっと嫌な感じを残すわけではないので、村上春樹本を読み慣れている人は楽しめると思う。
2投稿日: 2024.06.01 - sono0621"powered by"
フィクションなのかノンフィクションなのか、小説なのかエッセイなのか?そんな短編集 若い頃、村上春樹の本を夢中で読んでいた時期があったけど何を思っていたのか全く記憶がない。 村上春樹を読んでいる自分にちょっと酔っていたのかなぁ〜 感想はなかなか言葉にしにくいけど品川猿はちょっと面白かった。
6投稿日: 2024.05.27 - メガネカイマン"powered by"
クリームの中のクリーム。自然界には決して存在しないもの。それは人為の業である。而して芸術とは鑑賞と理解に努力を要求するものだ。
1投稿日: 2024.05.20 - シフォン"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
今までに比べて村上春樹の世界観の良さは残りつつ初めてでも読みやすい本だと思った。ただ、謝肉祭の女性の話がどうしても苦手だった。美人な女性は男性にチヤホヤされ、同性に羨望の眼差しでみられ、人生で得することが多い的なことが書いてあったが、いかにもおじさんの考えだなと思った。女性の目線から見れば、チヤホヤされるのも羨望の眼差しでみられるのも、全く良いことではない。 また、醜さを彼女はたのしんでいたというのが、そんなわけないだろ!と思ってしまった。 今回は私にはあっていない本でした。
2投稿日: 2024.05.10 - 月食"powered by"
品川猿の話はなかなか面白いと思った。 どうにも一編読んでから次を読んでいく気になれず、読破までかなり時間がかかった。
0投稿日: 2024.04.29 - セゾン猫"powered by"
村上春樹のいつものモヤモヤ短編集。が、ヤクルトと品川猿は面白かった。短編小説と認識して読んでいたら、ヤクルトでいきなり、エッセイとなりまた幻想の世界に入って行く。ウイズザビートルズは、オーディブルで聴いたので、ナレーターの下手くそな大阪弁が耳障りで頭に入らなかった。これは本で読み直しが必要。村上春樹の本は短編集よりエッセイがいい。
0投稿日: 2024.04.29 - すすす"powered by"
どの話もパッとしない、ボンヤリとしていて印象に残らない。特に自身の野球に関する思い出の話はつまらなかった。
0投稿日: 2024.04.22 - pedarun"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
【記憶に揺さぶられる今の自分とか。】 8作の短編からなる。 主人公の多くが過去を回想する―記憶を語っている。いろいろな設定で。勝手にあえて語る、ふと思い出したきっかけの出来事があり、語る、後日談と共に語る … 記憶って、何をいつまで覚えているかも、思い出すタイミングも、思い出すかどうかさえも、 自分で選べない不思議。 その時どれだけ印象深かったか、みたいなのが因子なのだろうと思うけれど、その印象強さ自体が、一般化も出来ず、自分がコントロールできない域にあり、それが人間。 行ったことない場所を一人歩いていて、 ふと、旅先なんかで歩いた道とか、地域を思い出したりする。そしてその偶発性を楽しむかのように、またどこかに出かけてみるのかもしれない。 未知なものへの好奇心も、そんな記憶から生まれるのかもしれない。 内面が映し出される、意図せずに。
2投稿日: 2024.04.12 - 触媒"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
個人的に、非常に満足度は高い。読めば読むほど考えさせられる。何というか、得られる栄養素の多い短編小説集であった。 本書では一貫して、「自己」について問われていたように思う。 特に最終話、表題にもなっている『一人称単数』では、”私”は「自分というコンテントが、今ある容れ物にうまく合っていない、そこにあるべき整合性がどこかの時点で損なわれてしまった」感覚に陥っている。 SNSが普及し、自らを”魅せる”機会が増えてきたこの時代、他者からの評価や話題性を原動力の源泉とし、自己の粉飾に勤しむ人も多い。しかし、バーチャルな世界での粉飾した”私”というコンテントが、容れ物としての、三次元に生きる肉体としての”私”と乖離し始めたとき、私という概念が、多重性を持つようになる。 ”私”という一人称が、”複数”の意味を持つようになる。 これはSNSに限らない。社会において、絶対的な ”私” は存在するのだろうか。 単数としての ”私” はどこにあるのか。そもそも、 "私" は単数なのか。 何が仮初めで、何が本質か。―――「いったい、私は誰なのか。」 "私" という自己について、考えを巡らせる手掛かりを得られる一冊だった。
0投稿日: 2024.04.08 - きりんぴよ"powered by"
現実なのかそうじゃないのか、メッセージ性があるのかないのか、どこか曖昧でハッピーエンドというわけでもない結末でモヤモヤが残りました。 村上春樹先生の本を初めて読んだのでこれが村上ワールドか!と知りました。 様々な解釈ができ、自分について考えるきっかけになる本です。
0投稿日: 2024.04.04 - mich"powered by"
エッセイ的な小説が多かった。改めて思うのは、この人、やっぱり話がうまいなぁということ。 「『ヤクルト・スワローズ詩集』」や「品川猿の告白」なんて、話の持っていきかたやとじ方に面白さを通り越して、感心する感じでした。 気軽によめる村上春樹という感じで、これはこれでいいのではないでしょうか。
0投稿日: 2024.04.01 - よつ"powered by"
初めて村上春樹作品を読了した。「ノルウェイの森」がなんとなく合わなくて途中で読むのをやめた。今作は短編集だったこともあり、もう一度読んでみようと思い、読んだ。 面白かったし、なんとなく村上春樹の読み方みたいなものが分かった気がした。でもやっぱり、女性描写の湿度の高さが合わないなとも思った。 本当なのか創作なのか分からないのが面白い。「品川猿」の異質感も良かったし、「ウィズ・ザ・ビートルズ」のお兄さんとの会話や時間が印象的だった。人づてで聞いて存在は知ってるけど全然親しくはない人との不思議な時間ってあるよな〜と思った。
2投稿日: 2024.03.19 - ム"powered by"
人生には分岐点がある。 とある出来事(他人の言動や何かしらの経験)がその後の人生を分けたり、はたまた長い時を経てその意味が後から分かることもある。そのような出来事は誰しもいくつか経験しているだろう。 この本を読んで、他人の(筆者の)「人生の象徴的な出来事」を走馬灯のように振り返っているような気持ちになった。もっと詳しく言うと、夢の中で他人の人生を断片的に見させられているような不思議な感覚に包まれた。 物語を読んですぐ自分の経験とシンクロし共感することもあるだろうし、読んだ時はイマイチよく分からなくても後の人生のどこかのタイミングで思い出し、「あの本のあの一説はこのようなことを言いたかったのかもしれない」とこの本を思い出すこともあるだろう。 手元に残してまたいつか読み直したいと思える作品だった。
2投稿日: 2024.03.13 - etsu*"powered by"
久々の村上春樹作品。やっぱり素晴らしい。 心に留まる言葉や文章。更に深読みして考察が次から次へと頭の中で交錯して、いくらでも語れてしまう。 今まで長編も短編もエッセイもほぼ網羅してきた私としては、ここに来て、すごいの出してきたな、という感想。 若き時代から年老いた今までを思い返している。 エッセイを読んでいる人ならば、誰もがこの主人公「僕」や「私」が村上春樹本人であることは間違いなく明らか。 これは、エッセイ?自伝まとめ?私小説的終活?と不安に思えてしまうほど、リアリティがあり、非現実的な不可思議さもあって、物語に入り込んでしまう。 「石のまくらに」 「クリーム」 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」 「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」 「『ヤクルト・スワローズ詩集』」 「謝肉祭(Carnaval)」 「品川猿の告白」 「一人称単数」(書き下ろし) 以上の8編で構成されており、リアルと非リアルの狭間で、どこからフィクションなのか境目が曖昧で戸惑う感覚に陥る。 「僕」がおそらく意識せず知らぬ間に、当時の彼女達を傷つけたであろう後悔や懺悔的なものを感じさせる。 そんな自分を戒めるため、最終編で、70過ぎた自分が気取ってる訳では無いが、ネクタイを締めスーツを着て1人でバーで酒を飲んでいると、見知らぬ女性に「恥を知りなさい」と責め立てられ、自虐的に締め括られている。 ●石をまくらに 一夜を共に過ごした、名前も忘れた彼女の短歌の歌集だけが手元に残る。 歌集に収められていた短歌の多くは死(斬首)のイメージを追い求めていた。 ”石のまくら/に耳をあてて/聞こえるは/流される血の/音のなさ、なさ” “たち切るも/たち切られるも/石のまくら/うなじつければ/ほら、塵となる” 死んでしまって、そのうち忘れ去られても、それらの言葉達は、身を切り、血を流して、何かの形で後世残される。 当時の僕は、彼女を助けられなかった。 ●クリーム 公園で過呼吸になった自分に老人から「中心がいくつもあってやな、いや、ときとして無数にあってやな、しかも外周を持たない円のことや(中略) そういう円を、きみは思い浮かべられるか?」と訊ねられる。 これは暗喩で、全ての村上春樹が生み出した作品の事では無いだろうか。 小説の核が幾つもある。それらから膨らんだり、合体されたりして、数々の短編や長編の作品となっている。 中心となる核は沢山あるけれど、そこに外周は持たない。 ”でもそれはおそらく具体的な図形としての円ではなく、人の意識の中にのみ存在する円なのだろう。(中略)たとえば心から人を愛したり、なにかに深い憐れみを感じたり、この世界のあり方についての理想を抱いたり、信仰あるいは信仰に似たものを見いだしたりするとき、ぼくらはとても当たり前にその円のありようを理解し、受け入れることになるのではないかーそれはぼくの漠然とした推論に過ぎないわけだけれど。” ● チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ 自分の空想のなかでしか無いはずのものが、現実に存在した。しかし、入手し損ねた。まやかしにあったような出来事。 ● ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles 好きでも嫌いでも、常に耳にしてきた、ビートルズ全盛期時代。 当時の彼女の家で、何故か引きこもりの彼女の兄と2人きりになってしまい、僕は芥川龍之介の「歯車」の「飛行機」を朗読した。 「歯車」は芥川龍之介の最後の作品で、自死後に刊行されている。心を病んで、不眠症になり、薬が手放せない。そんな「僕」が主役の私小説。 最後は、「誰か僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?」と締め括られている。 「歯車」を読めば分かるが、今回の短編集の作風が、この「歯車」に寄せてきている、もしくは意識している気がするのは、私だけだろうか? 「僕」が死と向き合う私小説と言う意味合いで。 その数年後、元彼女の自殺を兄から聞かされた僕は、処女作「風の歌を聴け」や「ノルウェイの森」を描くキッカケとなったのでは無いのだろうか。 彼女を理解し救う事は出来なかった僕。 ● 「『ヤクルト・スワローズ詩集』」 野球に詳しくないけれど、今までのエッセイから、作者が生粋のヤクルトファンであることは知っている。 “人生は勝つことより、負けることの方が数多いのだ。そして人生の本当の知恵は「どのように相手に勝つか」よりはむしろ、「どのようにうまく負けるか」というところから育っていく。” “僕も小説を書いていて、彼と同じような気持ちを味わうことがしばしばある。そして世界中の人々に向かって、片端から謝りたくなってしまう。「すみません。あの、これ黒ビールなんですが」と” こんなところが、皮肉めいて好きだ。 ● 謝肉祭(Carnaval) 50代の僕が40歳の女性F*とクラシックの演奏会で知り合う。 僕は彼女のことを、「僕が記憶している中でももっとも醜い女性だった」としつこく形容する。 どこがどうと直接的な説明をしないのは、作品を読んだ誰かが不快に感じたり悲観したりしないよう気遣いであろうか。 それともテーマとなる「謝肉祭」の素顔を決して見せない「仮面」を意識しているのかもしれない。 (荒っぽい逆の意味で)その醜さを美しさの象徴である「ヴィーナスの誕生を想起させる」とまで形容された絶世の醜女F*は、話が上手で頭の回転も速く、音楽の趣味も良い、演奏の出来や演奏者の体調までも的確に指摘する程の鋭い感性の持ち主で、服装の好みが良く、身に着けているジュエリーも完璧で、実に魅力的な女性なのだ。 代官山の緑に囲まれた瀟洒な3LDKのマンションに暮らし、アキュフェーズのハイエンドのプリメインアンプにリンの大型のスピーカーとCDプレーヤーまで揃えている。 僕とF*は、無人島に持っていくピアノ音楽をひとつだけ選ぶとしたら、シューマンの「謝肉祭(Carnaval)」を選ぶ、と言うことで意見が一致し意気投合する。 「シューマンはもともと分裂的な傾向があり、その上、若い頃に罹った梅毒により、頭がだんだん正常でなくなった。謝肉祭は初期の作品だから、彼の内なる妄想である悪霊たちははっきりとは顔を出してはいない。 が、至る所に陽気な仮面をかぶったものたちが溢れている。 でもそれはただの単純に陽気な、カルナヴァルじゃない。 この音楽には、やがて彼の中で魑魅魍魎になってゆくはずのものが次々に顔を見せているの。 ちょっと顔見せみたいに、みんな楽し気な仮面をかぶってね。 あたりには不吉な春先の風が吹いている。そしてそこでは血の滴るような肉が全員に振る舞われる。 謝肉祭、これはまさにそういう種類の音楽なの 」 「私たちは誰しも、多かれ少なかれ仮面をかぶって生きている。まったく仮面をかぶらずにこの熾烈な世界を生きてゆくことはとてもできないから。 悪霊の仮面の下には天使の素顔があり、天使の仮面の下には悪霊の素顔がある、どちらか一方だけということはあり得ない。それが私たちなのよ。それがカルナヴァル。 そしてシューマンは、人々のそのような複数の顔を同時に目にすることが出来た─仮面と素顔の両方を。なぜなら彼自身が魂を深く分裂させた人間だったから。仮面と素顔との息詰まる狭間に生きた人だったから」 と彼女は語る。 数々の謝肉祭を聴き、「ルビンシュタインのピアノは人々のつけた仮面を力尽くで剝いだりしない。彼のピアノは風のように仮面と素顔との狭間を優しく軽やかに吹き抜けていく」と僕は結論付ける。 実際、彼女には別の裏の顔があり、最後には高齢者を狙った資産運用詐欺事件の犯人としてハンサムな夫と共に逮捕される。 そして、僕が詐欺に引っ掛からなかったのは、彼女自身を見た目では判断せず、仮面の裏の素顔を見透かされてるようなそんな気がしたからでは無いだろうか。 本当は「容姿端麗の仮面を被った女性だったけれど、素顔(本性)はとっても醜かった」ということを皮肉を込めて言いたかったのかもしれない。 ● 品川猿の告白 ”テーマ?そんなものはどこにも見当たらない。ただ人間の言葉をしゃべる老いた猿が群馬県の小さな町にいて、温泉宿で客の背中を流し、冷えたビールを好み、人間の女性に恋をし、彼女たちの名前を盗んでまわったというだけのことだ。そんな話のどこにテーマがあり、教訓があるだろう?” 嗚呼やっぱりこれらは、フィクションか、と言う確信と共に安堵しながらも、挑戦的なものを感じる。 そして、なるほど、そうか。 自分が「僕(私)」主人公になって、今までの人生の様々の苦難に手を加えてフィクションに仕立て上げ昇華させる方法があったか。と目から鱗。 ノンフィクションは特定の誰かを傷つけるけれど、フィクションは誰も傷つけようがない。 私も何か残せれるのでは無いかと僭越ながら思ってしまう。 ●一人称単数 村上春樹と言えば、洒落た格好をしてジャズの流れるバーのカウンターでひとりギムレットを飲む。そんな気取ったイメージが一人歩きしている。 見知らぬ50代の女性から「恥を知りなさい」と身に覚えのない口撃を受ける。 何とも自虐的な締めくくりである。 ただ、一人称単数に回帰したことで、新たな村上春樹が生み出されるのではないかと期待も持たされる。
11投稿日: 2024.03.11 - わたあめ"powered by"
表題作の短編「一人称単数」はかなり私小説っぽい。そういう意味で興味深かった。他、「クリーム」が面白かった。
0投稿日: 2024.03.10 - km"powered by"
久しぶりの村上春樹。 長編はいくつか読んでいるけど、短編は初めて読んだので新鮮だった。 作中で、「象徴的示唆などない」と書かれていたが、どの話もそれを表すように特にオチもメッセージ性もない(と自分は思った)。 ただ、村上春樹というのはただ文字をなぞっているだけで心地好い。 なんでもない穏やかな休日に、またはゆったりした夜の時間に、お酒片手に読みたくなる本。
1投稿日: 2024.03.03 - kazuhisachiba"powered by"
自伝とも感じられる,過去の自分をちょっとだけ変化させる切っ掛けとなった日常の8つの出来事を切り取った短編集.フィクションなのかノンフィクションなのか,小説とはその境目が曖昧模糊なものであり,如何様にも人生を捉え変革しうる可能性があることを示唆する,ある種の人間賛歌なのかも知れない.
1投稿日: 2024.03.01 - 雷竜"powered by"
村上春樹の短編小説はあまり面白くないのが多いのだが、これは面白かった。村上春樹は長編小説で不思議な世界を描くことが多いのだが、品川猿なんていうのは騎士団長並みに面白いと思いました。
23投稿日: 2024.02.28 - Miz0508"powered by"
完全に時代錯誤でタブーな表現とかが満載で、それが村上春樹やから許されてるんやとしたらなんか周りにイエスマンしかおらん大物芸人みたいでダサいなぁと思った。あれ?この人ってもっと偉大な作家じゃなかったっけ?って思えるくらい、チー牛感溢れるエッセイ?妄想?でした。あー、つまらんかったー!
1投稿日: 2024.02.25 - tobuxu"powered by"
純文学を読みたくなり又吉直樹、村上春樹と続けて読んだ。 情景や感情の表現に理解できたりできなかったりしたが、様々な表現や描写の仕方に驚きや共感を感じることも多かった。 梶井基次郎の檸檬や桜の樹の下は好きで何度も読み返したが、やはり純文学の感情を言語化した描写は好きだなぁと思ったし、自分もそんな表現ができたら素敵だなと思った。 一人称単数の中では「ウィズ・ザ・ビートルズ」と「謝肉祭」が特に好きだと思った。
7投稿日: 2024.02.20 - イナバくん"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
村上春樹読みにくいって嫌煙してたけど、この短編集はめちゃ読みやすい 石のまくらに 二度と会わない取るに足らない女性の短歌を暗記してるのが男のキモさ全開で共感した。 クリーム 奇妙な出来事の真相が結局明かされないままでモヤモヤする。 人生のクリームについての問いを投げかけられた気分。 謝肉祭 クラシック聴く習慣が無いから、演奏についての議論が新鮮で面白かった。 ブサイクだから性的な関係に発展しないのではなく、仮面の下を覗きたくないから友人に留まったのが新しい視点だった 品川猿の告白 猿が上品に人語を喋ってて、主人公がそれに順応してるのが笑える。 一人称単数 普段着ないスーツ、鏡に映る自分、見知らぬ街並み。 とにかく不安になる。 ウィズ・ザ・ビートルズ 一度しか会ってないのに忘れられない女性の記憶エモいな〜 他人の自殺の理由は永遠に分からない ヤクルト・スワローズ詩集 野球のルール分からないしビールも飲めないけど、球場でビール飲んで野球観戦するの楽しそうだな〜〜って思った
3投稿日: 2024.02.05 - つづき"powered by"
ひさしぶりの村上春樹。単行本で読んで以来、3年以上ぶりの再読だけど、なんだかとても記憶に新しいように錯覚した。 収録されている8篇とも、まるで春樹さんの実在の記憶ように感じられてしまう短編集。こういう話だけ聞いていたい時もある。むしょうに本作のあとがきが読みたかった。 それと、3月に催される『春のみみずく朗読会』に行けることになった。今のいちばんの楽しみです。
4投稿日: 2024.01.29 - haruna"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
「一人称単数」という題に惹かれ手に取った本。主人公がある1人の人間(猿)に出会った話。読み終わってから思えば全編日常のようで非日常の話だったなと思う。短編集で読みやすかった。
2投稿日: 2024.01.15 - うぐいす"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
初めて触れた村上春樹作品でした。 感じ取れることがかなり抽象的な作品がほとんどの短編集で、自分には面白さ、良さがあまり理解しきれませんでした。 ただ、作品自体はどの作品も音楽と官能表現が多く、そういったことがひとつ軸としてある短編集なのかと感じました。 中でも「ウィズ・ザ・ビートルズ」のガールフレンドのお兄さんが1番好きで印象に残っています。 これに懲りず、他の村上春樹作品も読んでみようかなと思います。
2投稿日: 2024.01.14 - yuuuuuuuuu"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
(おそらく)短編集だがほぼエッセイなのではないかと思われるものもいくつかあった。ヤクルトスワローズ詩集なんかは村上春樹がヤクルトファンであることからすればエッセイとして書いたものだろう 『品川猿の告白』 村上春樹の世界では珍しい挑戦的な作品と感じた。未知のよくわからない生物ではなく、はっきりとした猿が登場し、流暢に喋る。未知の力ではなく、念力と明言をして名前を奪う。
3投稿日: 2024.01.11 - モーリ"powered by"
タイトルから言って村上春樹自身が語り手と思っていいのだろうか。だとするといつものように現れる、少し不思議な出来事も喪失感もより私小説的だなと思う。作風を自己模倣と呼ぶか、主題の反復と捉えるかで受け取り方はずいぶん変わるような気がするけれど、個人的には村上短編好きです。人生の全てに因果があるはずがなく、自分が抱えて生きていくしかないこともある。 装画、なんか見たことあるような…と思ったら漫画家の豊田哲也さんだった。装丁のカラーリングも扉の猿の絵もいいですねこれ。
2投稿日: 2024.01.09 - K"powered by"
いただきもの。自分では選ばないタイプの本だからこそ読んで良かったかも。硬くなっている頭を少しでも柔らかく。
1投稿日: 2024.01.06 - koba-book2011"powered by"
▼かなり以前に読み終わり、感想を書きそびれていたもので、だいぶ忘れてしまっていますが。 ▼おもしろかったー、といちばん思ったのは「品川猿」。抱腹絶倒だった気がします。人語を喋る品川猿の思い出話。その他好みの凸凹はあれど、それなりに満足できました。ビートルズが好きだった女の子のはなしとか。あと、「謝肉祭」だったか、「不美人だけど魅力的な女性」とのお話。何かにつけて、村上さんもですが、「彼女は美人というのではなかったが、魅力的で・・・」という女性キャラが出てきますね。その十八番の切り返しとでも言うべき一編でした。どうして、「彼女は美人だった」ではあかんのでしょうかねえ。まあアカン気もしますが。
10投稿日: 2024.01.05 - あやぼ"powered by"
特にテーマのない短編を読むのも面白いと思った。村上春樹の短編は、特にフィクションなのかノンフィクションなのか分からず、混乱しているうちに読み終えてしまう。が、この感覚が不思議で虜になってしまいそうだった。 まだ村上春樹の小説を読めるほどの読者ではないことを痛感。みんなのレビューを読み、ここまで考えられている人がいるのか、と感心した。もっと深く考察ができたら、面白さが倍増すると思う。いつかは村上春樹の小説をしっかり考察できるまでになりたい。
1投稿日: 2023.12.31 - あんこ"powered by"
うーんよくわからなかったです。 村上春樹の作品は初めて読みましたが これを初めに読むべきではなかったですね。 何冊か読んでからまた読み直すと 評価が変わりそうな作品でした。
2投稿日: 2023.12.25 - はや"powered by"
正直、村上春樹は自分には難しい。 難解な表現があったりとか、難しい漢字がたくさん並んでいるとか、そういわけではなく、むしろ表現は優しい。けれども霧の中にいるような気分にさせられる。 五里霧中、といった表現がしっくりくるだろうか。読んでいるうちに霧の中にいて、霧の中手がかりを得るために一生懸命進み、ふと、一瞬の瞬きの間に霧はきれいさっぱり無くなっている。 よくわからないけれど、するすると目は文字を追うことができてしまう。それが自分の中の村上春樹である。 今回は短編集というのもあって、長編よりは霧は深くはなかったが、やっぱりそれでも霧にまかれてしまった。 これ以上深くは考えないことにする。深く考えたら考えたで、ずっと霧から出られなくなりそうだから。
2投稿日: 2023.12.24 - summer"powered by"
初めての村上春樹作品です。現実と虚構を行ったり来たり。どこかの誰かの話かもしれないし、妄想の話かもしれない。そんな不安定さがまた面白く、想像してたよりもエンタメ性があったので読みやすかったです。
1投稿日: 2023.12.24 - hocca"powered by"
つまらない。あるいは理解できない。 いずれにしても、自分が読む意味はないと感じた。 物語性はなく、何も起きず、示唆に富むとも言い難く 理解したいとも思わないけど、理解できたなら、現在の自分との違いが一番の趣
1投稿日: 2023.12.18 - キムチ27"powered by"
ハルキ氏の自叙伝風、回想風な味わいを持った8編が載っている。 2018~20年という事は70歳になる前の時間、現役時代から一歩退いて行く時間の心境だったのかな。 最新作の匂いも同じテスト。 枯れているわけではないが、ぎらつく、迸るエネルギーが抑えられ、しみじみとした述懐風なニュアンス、読んでいる当方の心も落ち着く。 読み易く、車中の友として、往きの電車で読了。帰りの車中では頭の中で余韻を楽しみつつ、自分の一人称の世界との合わせ鏡的思いで楽しむ・・ほぼ妄想的と言えそう。 生きている人の数だけある一人称単数、切り口がを違えると、算術的莫大な数になっていく。 路で行きかう人の目はぽっかり空いていてもその奥にある複眼の存在を思い浮かべると、何やら不気味。 ハルキ氏が事の真贋は別として、人生街道ですれ違った女性を取り上げてモノローグする感触が8編たゆとう。 一番心に残ったのは謝肉祭。 稀代の悪質詐欺師夫婦の片割れと一杯の音楽芸術論をかわしたその先で浮かぶ思いは。。空中に放り出された感じ。 ウィズ.ザ~のビートルズの曲に纏わる青春時代の一コマもよかった。思春期に軽やかに走っていた乙女が物患う泥炭に足を踏み入れ、自死~傍観者として通り過ぎたわが身に去来する想いは・・・ 国語の問題風に「設問」になっているのはなんか笑えてしまった・・ソウね、幸福って相対的。間違いとは言えない類の回答しか他人には答えられない。。。意識の、魂のずっと奥の深い場所で勝手に怒ったり怒らなかったりすることは、個人の力では変更しようのない出来事との下りに思いが入った。
1投稿日: 2023.12.15 - うどん"powered by"
若い時、よく村上春樹を読んでいた。 当時はただ単純に「面白い小説」というだけで読んでいたが、歳をとると、特に村上春樹の描く男と女の間が、超軟水のようにスゥっと身に入ってくる。 本に登場する音楽を聴きながらどうぞ。
1投稿日: 2023.12.13 - ようすこう"powered by"
実話なのか虚構なのか不思議な雰囲気。 独特の世界観は健在だが、東京奇譚集等と比較すると、いまいち印象に欠ける気がする。
2投稿日: 2023.12.08 - ゲスト"powered by"
一人称単数はどう言う事なのか 何回か読み返しても謎として残る。 私は何者なのか?犯した罪とは 推理小説以上の謎だ。
1投稿日: 2023.12.04 - さいち"powered by"
村上春樹の物語には、いつも何かしらの謎が出てくる。そして、その謎が放置されたまま物語が終わる。謎を明らかにしなくてもよしとするスタイルに、私はいつも軽い衝撃を受けてしまう。癖になる。 また、誰の何といった曲が物語全体を通して出てくる。たいていは、知らない作曲家や曲ばかりだが、本作の『謝肉祭』では名だたる作曲家たちについての記述があり、これがとても面白かった。村上春樹の音楽への造詣の深さが溢れていた。
16投稿日: 2023.12.02 - あつや"powered by"
村上春樹の後期、それも最終段階を目にしているのだと思う。 彼の作品にとって大きな意味を持ち続けてきた「偶然の出会い」がテーマだと思うが、それのもたらす、心に響く瞬間、感覚の描写が、かつての作品に比べて鮮やかさを欠いてしまったように感じられる。正直なところ、精神活動における老いの意味を考えざるを得なくなってしまった。 これがもし彼の辿り着いた境地であり、僕がこの作品に感じる違和感が、一面的な懐古主義によるものではなく、若者である自分と歳を重ねた彼との世代間の距離によるものだとしたら、文学においてそのようなものが存在することに悲しみを感じずにはいられない。
2投稿日: 2023.11.24 - ブシドー"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
全体的にその人の詳細は知らないが、ふと出来事を思い出すシリーズが多い。 ①石のまくらに…ふと詩を書いていた年上の女性を思い出す。 ②クリーム…学生時代の約束していた女性のコンサートに行くも、開催すらなく謎の老人と出会う ③チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ…あるアルバムに出会った記憶を思い出すも、それはそもそも存在しなかった話 ④ウィズ・ザ・ビートルズ…2番目に好きな話。ビートルズのレコードを持った魅力的な女性を一度だけ見た学生時代の話。これは本当かまやかしかも判別できない。それと同時に語られる元彼女との思い出と自殺していた事実を知る話。老人の視点で、学生時代と30代の頃の記憶を辿る。これらは何の関係性も無い話。 ⑤ヤクルト・スワローズ詩集…村上春樹自身のヤクルトの応援話。生い立ちがよく分かる。 ⑥謝肉祭…一番好きな話。村上春樹の実話とされるもの。醜い女性との音楽鑑賞の趣味について書かれる。村上春樹の感性がよく分かる話。奥さんの夫との女性関係に無頓着なところが良い。最後に出てくるダブルデートの可愛く無い女性の話は、醜いだけではないものの、それ以上何もできなかった無力な話。人間、すごい人が醜かったとしてもその状態であるからすごい人であるという可能性もある。 ⑦品川猿の告白…ただのフィクションだとも感じ、行き場のない感情を自分自身で処理する葛藤と告白だとも感じた。直近で見た「正欲(原作:朝井リョウ)」にも似た感情になった。やり場のない、責任の所在のない問題と向き合っている。 ⑧一人称単数…男が休日にただスーツを着てバーに行く話。女性客による説法は、男自身?が姿形を変え責め立てる女性として現れたのでは?男にスーツ(自分を詐称行為で後ろめたくする衣類)を着ることで現れたのではと推測。
2投稿日: 2023.11.18 - purple"powered by"
短編小説集。 フィクションなのかノンフィクションなのかどっちなんだと考えながら読了。 容姿の醜い女性と淡麗な男性の夫婦がどんな顔なのか気になった。誰なんだろう?
1投稿日: 2023.11.17 - tsukasa26"powered by"
その再現の感覚は常に僕にとっての、謂わば「情景の水準器」としての役割を果たしてきた。 深刻なディスオーダー(障害) でもそんな僕の考えが薄っぺらい皮相的なものであったことを 正確な事実の反復こそが真の叡智への道だというのが先生の日頃の口癖でした それは随分気持ちの良い春の宵だったのだ
1投稿日: 2023.11.09 - sakaiX"powered by"
世間の人々がイメージするであろう「村上春樹」を想起させる主人公が語り手をつとめる8編が収録されており、もちろんフィクションではあるんだけど(品川猿が本当にいたら大変だ)、どこか私小説風な趣も感じられる。 この作品集は評価が難しく、まず最初の4編はあまり楽しめなかった。 例えば「石のまくらに」は短歌を通して繋がった女性を回想するお話、おしまい。という印象しか抱けなかったのである。 いやそりゃね、何度も何度も読み込めば、もしかしたら違った景色が見えてくるのかもしれないけどさ、いくら短編とはいえ、もう少し分かりやすい仕掛けや驚きを入れてくれたっていいじゃん、と思った次第なのです。 続く2編も大体同じような感じで、前半の最後「ウィズ・ザ・ビートルズ」は物語の起伏と緊張感があったものの、このお話の展開は『ノルウェイの森』の焼き直しにすぎないのでは?と思えてしまった。 といった感じで、あまり乗れないまま前半を読み終えたのだけど、意外なことに後半4編は結構面白く読めた。 「ヤクルト・スワローズ詩集」は弱小時代のヤクルトをネタにした作品で、主人公の自虐っぷりがなかなか面白い。特に詩の内容が素晴らしく、一つ目のやつは笑わせていただいた。これって小説じゃなくてエッセイなのでは?という気はするんだけど。 「謝肉祭」は、冒頭の一文「彼女は、これまで僕が知り合った中で最も醜い女性だった」のインパクトが強烈。 「品川猿の告白」は『東京奇譚集』に登場した「品川猿」の続編。『東京奇譚集』では「品川猿」が一番好きだったので、このような形で再度読めることができて嬉しい。細かな設定も変わっていないようだ。 表題作「一人称単数」は短いが、「彼女」のキャラクターの強さに引き込まれた。少しネタバレになるけど、ラストに「恥を知りなさい」を持ってくるのもなかなか凄いと思う。 小説の中身とは関係ないけど、表紙のデザインはここ最近の村上作品の中ではダントツにオシャレなのではなかろうか。
2投稿日: 2023.11.03 - ななみん"powered by"
難しすぎる。。なかなか伝えたい事が分からなかった。とくに最後の一人称単数は難しい。短編集だから読みやすかったのは良かった。ネットで後から解説をたくさん調べました。。笑
2投稿日: 2023.10.16 - jumpinjackboy"powered by"
7月にいまの会社に就職してからなかなか読書の時間が確保できていなかったが、今回ようやく入社後1冊めを読了。今後も時間をみつけて読み進めるようにしたい。さて本作は村上春樹の現時点での最新の短篇集である。読んでみて村上春樹らしいと思ったが、それと同時に村上春樹らしくないとも思った。村上春樹の作品を数多く読んできたなかで、このような感覚ははじめてのものである。どこがらしくないかといえば、どの短篇でも基本的に、オチがちゃんと回収されてしまっていることである。それじたいはべつに瑕疵ではないのだが、どうにもらしくないとは思う。もっと雲のなかに消えてゆくような、そういう一種のわけのわからなさが魅力だと思っているので、まるで落語の小噺を聞かされているような本作は、別人が書いたような感覚さえする。毎年ノーベル文学賞候補と取沙汰されるようになってから執筆された作品なので、あるいは作風を変えたのかとも邪推してしまうが、ともかくもふだんのテイストとは異なっていることはたしかであった。ただ、コレはコレでおもしろさはあるので、低評価にはしなかった。
1投稿日: 2023.10.15 - 夕霧"powered by"
村上さんの小説によく登場する不思議な女性(や女子)と優しくて少しこの世に執着を感じてない(様に感じる)男性、村上さんの語り部なのかそれ自体も物語なのか、明らかに村上さんのお話、と沢山な短編。ミステリ以外なら村上さんの小説が1番好き!
1投稿日: 2023.09.25 - ともこ"powered by"
起承転結のうちの、転結がない印象だった。村上春樹の世界観はすてきだと思うが、短編だといまいち入り込めなかったのかもしれない。事実なのかそうでないのか曖昧な作風の人だと思うので、この本に限ってはインパクトが少なかった。あと、文章が理系。
1投稿日: 2023.09.22 - みー"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
クリームというお話が一番面白かった!頭は何かを考えるためにある。それは答えがなくても、しょうもないことでも全部。品川猿も結構好きおもしろい笑
1投稿日: 2023.09.17 - りな"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
村上春樹の作品を初めて読んだ。どの短編も不思議な世界観だった。人生の中にいつくもある分岐点。その選択1つで全く違う自分になっていたのかもしれなかったと気づかせてもらえた。
1投稿日: 2023.09.15 - lilymikkai"powered by"
村上春樹の1番新しい短編集。ざらっとした感じの物語が詰まっていた。 村上春樹の、特に短編集を読んでいると、所在ないような気持ちになることがある。最後の話の「一人称単数」みたいに、気づいたら違う世界に来てしまったみたいな感じがする。 「品川猿の告白」の、「相手の名前を自分のものにする」というのは、何となく感覚で分かるかも。相手の一部と融合できればそれでいいというか、私の恋情は刹那的にしかはたらなかないのだな、と改めて思った。
6投稿日: 2023.09.14 - ざわ"powered by"
一人称『単数』としての自分自身を見つめ直す、振り返る、きっかけやスタートボタンになる本。そんなことより品川猿が魅力的過ぎる、会いたい、話したい、一緒にビール飲みたい。
1投稿日: 2023.09.01 - takeshinakanishi"powered by"
やはり小さな世界をシニカルにキュッと見る、それが村上春樹の真髄、同時に老年振り返りの極みは「ヤクルトスワローズ詩集」にとどめを刺す
2投稿日: 2023.08.21 - Tomohiro"powered by"
8篇は舞台こそ異なるものの、登場人物(動物?)が直接語りかけるような文体はさすが村上春樹。短いながらも、気付けばその世界観に引き込まれていました。
8投稿日: 2023.08.19 - むるそー"powered by"
村上春樹初心者が2作目に読んだのが、この『一人称単数』。自分にとっての1作目であった、『螢・納屋を焼く・その他の短編』や映画版『ドライブ・マイ・カー』で感じた曖昧なものが、この短編集を読んだことにより言語としてまとまった気がする。 今作を読んで思ったことは、村上春樹には思想がない、ということ。これは決して悪い意味ではない。筆者が明確に伝えたいものはなく、読者が読み取らなければならないものもない。読者は、村上春樹が貯まった本というプールの中でぷかぷか浮かんでいる。それは人によってはとても心地のいいものなのだろう。そういった部分は宮沢賢治と似ている気がする。ただし、私の中の宮沢賢治はもっと明確に彼の世界が存在するため、そこは今回感じた村上春樹へのイメージとは異なるのだが。
2投稿日: 2023.08.15 - masamzo"powered by"
どの話も何か幻想的で、余韻に満ちていた。いつもの通り、期待を裏切らない安定感。物語に出てくる音楽は、聴きたくなってしまう。チャーリーパーカー、ビートルズ、シューマン。
2投稿日: 2023.08.13 - camille"powered by"
短編集はどうも不完全燃焼に終わることが多くて、あまり好んで読むことはしないのですが、村上春樹さんの小説は読んでいます。 でもやっぱり不完全燃焼感は拭えない。 村上春樹の世界観はしっかりある。 どのページを開いても村上春樹だし、文章の一文一文がうつくしい。
3投稿日: 2023.08.13 - アリシア"powered by"
村上春樹の短編はなんとなく邪道な気がして、あまり期待していなかったが、短い中にも村上ワールドがちゃんと含まれていてとても楽しめた! エッセイと小説を組み合わせた感じがなんとも良い塩梅でした。
1投稿日: 2023.08.09 - sin"powered by"
たまに読んでみる村上春樹。 やっぱりハマるまではいかない。 文章うまいなーっとはいつも思う。 猿の話はちょっとおもしろい。
1投稿日: 2023.08.09 - 碧"powered by"
初めて村上春樹を読みました。初めてにはちょうど良い、夏休み感のあるショート集。好きだったのは「謝肉祭」、不思議な感じで本当にある話のような気がしてしまう。分からなかったのは、最後の「一人称単数」、解説があれば読んでみようかな。
2投稿日: 2023.07.23