
総合評価
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- ボンベべ"powered by"
宗教とカルトは本当に難しい問題で、おそらく「答え」はないのでしょう。 こういう問題を考えるうえでは、このような複数人での対話が重要になる気がします。 「理解する前に尊重する」「宗教的要素を教育から排除してきたことを見直す」といった、自分が普段から考えていることが述べられていて、深く共感しました。 若松さんが「拘束」はカルト化の原因だと述べたあとに、川島さんが宗教においてある程度の拘束は避けられないと、自身のキリスト教徒としての経験から正直な感想を述べていたのが印象的でした。では何が問題なのか、互いに共存できる考え方は何なのか。こういうのは対話によってしか歩み寄れないのだろうと思います。 皆がお互いの意見や理想を言い合い、しかしそれは現実には難しいことも認め合い、それでも譲れないところはどこなのか、着地点を見つけ出そうとする。これを続けていく選択肢しかないのでしょうし、宗教の専門家たちがこのように率先してそれを行ってくれることを期待します。
0投稿日: 2024.09.23 - tksych"powered by"
NHK「こころの時代」を興味深くチェックするようになったのは、本書のもととなった放送を見て以来。よって、本書の購入は記念的な意味だったが、各先生が放送で語られたことを一歩深めて書き下ろしているコラムが追記されていて、より深まった。 ”カルト”について考察を進めると、宗教と国家、社会における個人へと問いがつながっていく。その過程が平易な語りでなされているのは、どの先生方も当事者として、危機感をもって関わってきてたからだろう。こうした番組が多くの人の目に留まり日本社会の宗教リテラシー向上につながることを願う。 ①カルトの定義②宗教と国家の歴史的把握③宗教間対話の可能性④宗教の意義、役割
0投稿日: 2023.09.02 - shu1rev"powered by"
安部元首相殺害で関心が集まる宗教、カルトの世界。容疑者家庭における母親の一億円寄付、家庭崩壊がいわれるが、ではなぜ宗教にそこまで入れ込んだかという視点も必要ではないか、というのが冒頭の問題意識としてあった。読んでいくと、本来宗教とは、そういうものではないんだな、と思ったね。ただ、宗教の力を利用して、そういうことをする集団もある、と。見分けるポイントは「恐怖」「搾取」「拘束」する集団であるかどうか。あと「嘘」をついていないか、ということも言われていた。 「宗教というのは、その扉に鍵がかかっていないはずなんです。もしなんらかの宗教画内側から鍵をかけるようなことがあれば、それは宗教と呼ぶには値しないのではないでしょうか」 日本では宗教教育が行われていない。政教分離だから、とはいわれるが、本来それは政治と教会(宗教集団)の分離であって、宗教とは人間が生きていくうえで強力な力を持つものなのだから、本来分離すること自体が難しい。教育しないことによって、危険である部分もわからなくなってしまったのではないか。 いろいろ考えさせられる本だったんね。
0投稿日: 2023.08.02 - dai-4"powered by"
半分が知っている話者だし、ホットな話題だし、ってことで入手・読了。実際の番組を見た訳ではないから、あくまで憶測ってことなんだけど、何となく討論場面が目に浮かぶよう。頭ごなしの決めつけとか、自分の言いたいことだけがなり立てる、みたいなのとは無縁な場で、あくまでお互いを尊重しながら、真摯に宗教と向き合っている様子がうかがえる。続編も考えている、みたいなことも書かれていたけど、是非。
1投稿日: 2023.01.27