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この父ありて 娘たちの歳月
この父ありて 娘たちの歳月
梯久美子/文藝春秋
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総合評価

24件)
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  • えいえいおーっ!のアイコン
    えいえいおーっ!
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    家庭環境によって人生が左右されることを意味する「親ガチャ」本といっても言い過ぎではないほど登場する人物は死ぬまでその影響を感じされる内容。 梯久美子さんの足で取材したからこそ書かれた内容だからこそよりリアルな人物像が浮かんでくる。そして、一文字でも読み飛ばしさせてくれず、じっくり本と向き合うことになった。 それにしてもよくこれらの人物を選んだな、という父そして子供(娘)ばかり出てくる。 読後ここから、それらの著書を読んでみたくなる読み手に行動を起こさせてくれる。

    3
    投稿日: 2024.01.01
  • katoetuのアイコン
    katoetu
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    作家は家族の恥部を赤裸々に書く運命にあるのか。色んな苦しみがある。 石垣りん 男のようになるのではなく、女のままで、1人の人間としてちゃんと扱われる。これまでしてきたことを価値ないこととして否定されることなく、誇りを持って社会に踏み出すことのできることを望んだ。

    2
    投稿日: 2023.12.07
  • nanakoのアイコン
    nanako
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    島尾ミホさんの章だけでも読みたいな、と思って手に取って、結局夢中になって全部読んだ。 梯さんの文章は読者を引き込む力が強いと思う。 石垣りんさん、茨木のり子さんの詩は読んだことがないけれど、ぜひ読んでみたいと思った。 特に茨木のり子さんの、フィリピンで日本兵の遺骨が発見されたことに関する詩が胸に刺さった。 父親と良い関係を築けている人、むしろ関係が悪かったり、その関係性に後悔が残っていたり、さまざまだった。 わたしも幼少期は父からすごく溺愛されて、でも大人になってから、父を反面教師にする部分がグッと増えたなと思う。 良くも悪くも父から受けた影響は計り知れない。

    2
    投稿日: 2023.11.17
  • spica2015のアイコン
    spica2015
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    9組の父親と書く娘。梯さんの取材力と筆力。どれも読みでがあった。 石垣りんの詩をもっと読んでみたい。 石牟礼道子さんの作品をいつになったら手に取るのだろう。 馬込文士村、わりと近くに住んでいたのにどうして散策しなかったのか。 読んでいて、私自身の次につながる感じがした。

    2
    投稿日: 2023.10.29
  • 睦月のアイコン
    睦月
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    このレビューはネタバレを含みます。

    渡辺和子さんの話の印象が強い。ここまで愛して愛されたからこそ、晩年の感情に繋がったのだろう。あとは大人は親はきちんとしないといけないなと思った。とても印象に残った。書ける人は自分を救えるんだろうな。羨ましい。

    4
    投稿日: 2023.08.24
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    sagami246
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    筆者の梯久美子は、本書のあとがきに「"書く女"とその父」という題名をつけている。その題名の通り、本書は、9名の、比較的活動時期の古い、従って、既に亡くなられている女性作家とその父親との物語を描いたものである。執筆の動機について、筆者は「女性がものを書くとはどういうことか、ということに、私は長く関心をもってきた」と書いている。これら9人の女性作家たちが、ものを書くようになったこと、あるいは、書いている中身、に父親がどのように影響を与えているかを考える、すなわち、「娘と父の関係を通して、新たな側面からこのテーマについて考える」ことが狙いであったということだ。 それぞれの女性作家たちの経験は強烈だ。 例えば、渡辺和子は、2.26事件で青年将校に襲撃・殺害された父親が、自宅で実際に殺害される場面を9歳の時に目撃している。萩原朔太郎の娘、萩原葉子は、「私はまさしく父親の犠牲者としてこの世に生まれた」という父親・親族との関係を持っていた。それらは、もちろん、彼女たちの作家として書くものに、そして、その背景となる人生そのものに大きな影響を与えているのだ。 本書は、日本経済新聞の、土曜日朝刊に連載されていた。書評欄の裏のページに書かれていたように記憶している。新聞連載の1回分に書ける分量は限られており、どうしても、話が断片的になってしまう。今回、単行本で読むことが出来て良かったと思う。筆者は、ノンフィクション作家であるだけに、本書の取材や調査も行き届いていると感じた。

    24
    投稿日: 2023.08.23
  • tokosanのアイコン
    tokosan
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    「人はたまたま遭遇した時代に人生を左右されるのだ」 当たり前だけれど、人は誰も親はもちろんのこといつ生まれるか、自分のはじまりを選ぶことはできない。けれど、どんな環境においても、その父の娘として生まれてきたからには「そのように生きるしかなかった人間」がいたのだと、九人九様それぞれが悩み苦しみながらも必死に手を伸ばして生きる姿に心を揺さぶられた。特に心に残った萩原葉子さんと茨木のり子さんは作品も読んでみよう。

    6
    投稿日: 2023.08.23
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    snowdrop
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     最初何の気なしに読み始めましたが、娘から見た父や、それぞれに濃い父娘関係に引き込まれて、一気に読んでしまいました。あとがきにもありましたが、書くことができるまでに長い歳月が必要で、書くことで徐々に父娘関係を俯瞰で見られ、書くことに苦しみつつも、真摯に家族と向き合い、一種のセラピーのようでもありました。  最初の渡辺和子さんと2・26事件で青年将校に殺害された父の場面から始まり、晩年、渡辺さんが加害者遺族と出会って、加害者遺族が自分以上に辛い年月を過ごして来たと分かり、ようやく恨みから開放されたという記述に、想像を超える人生のあり様を垣間見た気持ちがしました。

    3
    投稿日: 2023.08.06
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    雷竜
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     文学者の娘からの視点で父を見つめる。とてもいい作品である。どうやらこの程度の長さの文章の方がじっくり読める。

    4
    投稿日: 2023.07.30
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    てつ
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    日経新聞に連載された9人の女性作家たちの父との関係についてまとめた本。綿密な取材で、彼女らが父をどうとらえたか、深掘りしながら鋭く推察している。 厳しい時代に生きた父への尊敬、愛情の念もあれば、憤り、悔恨、葛藤といった負の感情もある。それらを通して感じたのは、「書く女」たちのしなやかさと強さだ。それに対比して、男たちの身勝手さ、浅はかさも伝わってきた。 修道女として生きた渡辺和子は、二・二六事件で、父親が射殺される瞬間を目前で見たが、泣かなかった。軍人の子として凛とした姿勢を貫いた。 石垣りんは、半身不随となり4人目の妻に甘えて暮らす父親への嫌悪の中、窮乏した一家6人を養うため、定年まで働き続けた。          辺見じゅんの父は角川書店創業者。「収容所から来た遺書」などの名作は、戦争に翻弄された父の世代の悲哀が根底にある。 夫の裏切りで精神を病んだ島尾ミホは奄美の父を捨て、孤独の中で死なせてしまったという悔恨を生涯抱えていた。 軍国少女だった田辺聖子は芸術家肌で温厚だが弱々しかった父親を受け入れられず、優しい言葉をかけないまま、死なせてしまったことを悔いる。 詩人・萩原朔太郎の娘、葉子は両親の不仲や母の出奔、障害者の妹の世話、祖母に疎まれた生活など苦難の人生を「私はまさしく父親の犠牲者としてこの世に生まれた」と表現した。 水俣病闘争に関わった石牟礼道子は、貧しく苦しい生活の中でも自らの哲学を持っていた父の背中を見て育った。     名作が生み出されるバックボーンとして、父親との間の壮絶な人間物語があったのだと、強く認識した。

    3
    投稿日: 2023.07.02
  • ころものアイコン
    ころも
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    読み応えあった。少しずつ読んで楽しめた。 「書く女」の文章を通り抜けているからか本当に生きていた人の生々しさが昇華されていて、切ないものを見ているみたいだった。 ずーっと前から何の気なしに目にしていた角川文庫の発刊のことばの背景を初めて知って、胸がじんとした。

    3
    投稿日: 2023.05.28
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    エスメラルダ
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     なんと重いテーマの父娘の物語か。 父も、娘も、更に、母も、夫も、それぞれの葛藤を抱えている。 それが故なのか、九人の娘たちは、" 書く人 " となる。  書かざるおえない何かを深読みする力は、私にはないが、重く影をさすあの時代・戦争について考えさせられた。  そして、改めて、茨木のり子が好き、と想う。  彼女の夫は、『茨木の父と同様、開明的な人物で、家庭に妻を家庭に閉じ込めることをしなかった。』と、ある。 夫も父も、よき理解者であったよう。  気が滅入るような壮絶な人生を歩む娘たちが多いなか、読んでいて、心が和む。  そして、我が身を想う。  頑固で短気だった我が父も、齢を重ね、耳も遠く、食も細くなり、小さくなった。 そして、言葉の足りない父の柔らかな眼差しに気づいたのは、わたしも子を持つ身となってやっとだった。  父も娘(わたし)も、不器用だったのだろう。笑いたくなるが、父に似て、わたしも短気で頑固なのだと、今更ながら想う。 だか、それも悪くない。  

    3
    投稿日: 2023.05.26
  • samwo360のアイコン
    samwo360
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    日経新聞土曜版に連載されていたときから注目して読んできましたが、改めて一冊となり、じっくりと時間をかけて読みました。梯久美子の文章には、なんとも言えない説得力があり、時間をかけての咀嚼にふさわしい。 「この父ありて」この娘あり、なのでしょうが、渡辺和子、齋藤史、島尾ミホ、石垣りん、茨木のり子、田辺聖子、辺見じゅん、萩原葉子、石牟礼道子と、「書いた」娘たちの生涯に光を当てる著者の視線は実にあたたかい。 いずれも素晴らしいですが、最初の渡辺和子、そして、最後の石牟礼道子がやはり圧巻でした。 渡辺和子といえば、吉行あぐりさん(吉行淳之介、吉行和子の母)のエッセイ「梅桃が実るとき」に、二・二六事件のことが出てきていて、当時も世間が狭かったんだなと思ったのを思い出しました。

    4
    投稿日: 2023.05.15
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    キムチ27
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    衝撃、慟哭、天を仰ぐ内容がずらりと並ぶ内容ばかりだった。 あえて、そういった方々ばかりちょすしたのかと思うほどに。 それが陽のサイド,陰のサイド的には、こういった日本人が日本を作り上げてきたともいうべき感慨。 良くも悪くも。 最もすべての日本人は言うまでもなく、女性作家すべてがこのように父親の血、空気もろもろを受け継ぎ、懊悩し、自らの生き方を決めていったとも思えないが。 昭和、平成、令和と日本は変容していっている・・良くも悪くも。 しかし渡辺和子氏の父☆ ~戦犯の一人一人の物語の重さを殆ど含有しているような番館迫る、胸のつぶれるような内容だった。 しかし、戦犯とならないで成功し、ぬるっと絹板男たちがいることも事実。 石垣りん★ オスとしての父の姿に思う娘・・【家に一つのキンカクシ、その下に匂う】の分がザクッと胸に刺さった。 血の絆は頸木にほかならぬという文も痛く 目に焼き付いた。 事物を言葉に変えるという魔法  血縁を生きるとは何か  家とは  家族とは  障害と居続けた彼女 時代は流れ手もいまだに、それの持つ意味の重さ、苦悩、時には人を苦しめ地獄に突き落とすことすらある。 一方で人を救い、安らかな旅立ちへいざなうこともある。 萩原葉子★ 戦前、最高の美男子作家(いまでも そのように称されている)父親、そして実母がもたらした子供への傷 養母との宿痾 そこをどこまでも掘り下げ、運命として徹底的に身をひさぐ職業としてまでも貫いたのは凄絶。 かといって別の選択肢もあったのにとまで思わされた…実母の最期を引き取り、看取っている。 石垣りん★ 祖父も実父もある意味、当時には多かったであろうが、とりわけ特筆されるような人間だと思えた。 リンガ引き受けた血の書き綴りが表面的に世間で受け止められていった気すら覚える。しかし、晩年の彼女の筆致には、ほかの8人の女性作家同様、悟りといえるような澄み切ったものを感じさせられた。 梯さんの所論は面白いとは言わず、理と血を同居させたものを感じる、 たまに読むのは面白いが、狭い視野に陥って、「その人」の事象を特別視しそうな感覚にならないとも言えない。 NHK放送の【ファミリーヒストリー】的と言えなくもない。 表に出てこない逸話が世の中の人生にあふれている。

    3
    投稿日: 2023.04.24
  • ばななサンドのアイコン
    ばななサンド
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    書く女9人とその父の壮絶な関係を綴った良書。この父あって、この娘あり。その後の人生に想いを馳せると、いろいろ考えさせられた。

    2
    投稿日: 2023.03.22
  • neneyokoのアイコン
    neneyoko
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み応え充分。 中でも二・二六事件で自分の眼の前で銃殺された渡辺錠太郎の娘、渡辺和子(置かれた場所で咲きなさいの著者) 島尾ミホ、石垣りん、茨木のり子、田辺聖子、石牟礼道子。 島尾ミホの父親が実父では(養父母に育てられたらしい)ないもののほんとの娘のように慈しみ愛情を持ってミホを育てたとのこと。この養父を捨てて(不便な疎開先に追いやった)まで敏夫を一緒になった故、浮気された時はそんな心中もあったのだろうか。 お聖さんも大好きな父親だっだのに、戦後まもなく亡くなった父に「やさしい言葉の一つもかけることなく、父を死なせてしまった」と。 石牟礼道子のご両親も、また立派な人格者。 ガリガリに痩せてしらみだらけの身元不明の少女を嫌な顔ひとつせず一ヶ月以上も世話をしていたなんて、家族だけでも食べていくのが大変な時に。 無償の愛の精神が道子にも流れていたんだろう。 母親と娘の関係もそうだけど、父親と娘の関係も異性だけに 一筋縄だはいかないものがそれぞれにあってしみじみと読了。

    4
    投稿日: 2023.03.20
  • hosinotukiのアイコン
    hosinotuki
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    9人の女性作家とその父親との関係思いへの考察。 書き手となった娘たちが、立派で尊敬し愛する父である場合はもちろん、そうでない場合も、この父ゆえに作家となったことが伝わってくる。 石牟礼道子の父親の亀太郎氏が興味深かった。

    3
    投稿日: 2023.03.13
  • hasemaのアイコン
    hasema
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    いい本を読んだ。 梯久美子さんが選んだ9人がまず、いい。 著者が、この人たち、と選んだ9人は、父との距離が程よく遠く、家父長的でなく、それでいて愛情がある。 距離が程よく、関係性がウエットにならずにすんだのは、おそらく彼女たちが「書く人」になったからだろう。 作られたと感じる泣かせる話は何一つない。 どの親子のエピソードも覚えておきたくなるが、いかんせん、新聞連載なら覚えられたかもしれないが、こんなに面白い書籍になっては、覚える暇もなく読み終わってしまう。 目の前で父を惨殺された渡辺和子 投獄された父を「おかしな男です」と天皇に話した斎藤史 娘は幸せな結婚をしたと信じて死んだ島尾ミホの父 4人目の妻に甘えて暮らす父への嫌悪を抱えた石垣りん 父という存在があったからこそ、夫や異性の友人に恵まれた茨木のり子 口ばっかりで弱かった田辺聖子の父 家に帰ってこない父を「好きだったから」という母が愛した男と捉える辺見じゅん 母に浮気をするよう仕掛けた父、自分を顧みなかった父を描き続けて家族を最後まで面倒を見た萩原葉子 辛苦の中で自前の哲学を生み出した市井の人であった石牟礼道子の父 どの父も、父より大きい娘の慈愛の目によってその生き方が肯定される。 この娘たちが、本当にすばらしい。 梯さんの著作を読んでみたくなった。この人が書くなら間違いなさそうだ。

    6
    投稿日: 2023.02.15
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    陽子の本棚
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    9人の女性作家と家族、特に父親との関係に焦点を当てて書いてあるが、読みごたえがある。 成長と家族との関係が、筆を動かす。 2.26事件で父を惨殺された修道女の渡辺和子、ベストセラーの置かれた場所で咲きなさいは読んで、心動かされた。 同じ事件で投獄され、その死後、歌会始に招かれ、天皇に声をかけられる齊藤史、なんとも凄い。 死の棘の島尾ミホ奄美大島で立派な養父母に育てられたこと。 9人の歴史が痛かった。

    3
    投稿日: 2023.02.15
  • hifumi1232001jpのアイコン
    hifumi1232001jp
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    たいてい本の後ろに書いてある著者の紹介では知ることができない、戦中、戦後を生きた家族の話でした。石垣りん、茨木のり子、石牟礼道子さんは教科書に登場という風に切り取られて理解してきたことを反省しました。

    3
    投稿日: 2023.02.12
  • heepeecoのアイコン
    heepeeco
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    時代を生きた女性作家9人を、それぞれがそれぞれに多大な影響を受けた父親の存在とともに描いたノンフィンクション。 濃かった。もちろん境遇は違えど、著名な女性作家たちが揃いも揃って、ここまで父親との壮絶な物語があるとは。だからすんごく面白かったのだが。憎み、恨み、苦しみ、悲しんだ彼女たちがこれまた共通しているのは、それらを「書くこと」によって整理したことだ。浄化したわけじゃない、決して。悩み、考え抜いたことを言葉に、文章にして、常人には到底たどりつかない答えを自分なりに出している。だからこれもまたすんごく面白い。 規模はちがえど、父娘関係の難しさをそれなりに体験しているからこそ、1人1人の物語が響いたかと思うと、父娘関係がそんなに良くないことも悪くないな、とすら思う。そうなのか?

    3
    投稿日: 2023.01.30
  • mishuranmanのアイコン
    mishuranman
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    このレビューはネタバレを含みます。

    石牟礼道子論が読みたくてだったが、どれもこれも優れた日本近代文学史だった。この人の評伝はやはりいい。

    3
    投稿日: 2023.01.22
  • shiawasetaroのアイコン
    shiawasetaro
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    日経の連載の頃から毎週楽しみにしてました。 事前にある程度知っていないと週間連載でここまで書けませんよね。 あとがきにも書いてありましたが、元々好きな作家達とのこと。そりゃそーだろうよ。 どの父親もスゴいけど萩原朔太郎のグズっぷりには光るものがありますね。戦前のブンガクシャはこうじゃなくっちゃ!! 父と娘たちの残した言葉も素晴らしいですが、梯久美子さんの筆致そのものが、前者に負けず劣らず素晴らしいです。 好きな作家達であれば、好きが溢れたりするものなんですけどね、冷静に見てますね。 各章でも読みたい本が山積みなのに、梯久美子さんの過去の作品も読みたくなります。 2022年、ノンフィクションを代表する良作です。

    3
    投稿日: 2022.12.25
  • 文藝春秋公式のアイコン
    文藝春秋公式
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    【父を憎み、父を愛し、娘たちは書いた】戦中・戦後の激動の時代、“書く”という困難な道を選んだ女性たちの、しなやかで力強い生き様を描いた、梯久美子の“父娘”論。

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    投稿日: 2022.09.07