
帰郷ノート/植民地主義論
エメ・セゼール、砂野幸稔/平凡社
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総合評価
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powered by ブクログセゼールはカリブ海の小アンティル諸島のひとつマルティニック島の出身。 マルティニックにおいては、黒人奴隷が生み出したクレオール文化は野蛮であり、「文明の言語」であるフランス語を話し、フランスの文化を身につけることによってのみ、黒人は「人間」になることができる、という信念が植え付けられていた。 そうしたなかで、セゼールは帰郷ノートによって、ネグリチュード(黒人性)というアイデンティティを打ち出し、その後花開くクレオール文学の端緒を開いた。 セゼールは白人への「同化」を拒否し、アフリカに根を持つ「自分自身」を自覚した。
0投稿日: 2024.04.16
powered by ブクログ2009年10月-読了 1930年代、フランス植民地主義の同化政策を批判し、黒人存在の文化的.政治的尊厳回復を訴える「ネグリチュード-黒人性-」の思想を生み出し、その意識発展のドラマ「帰郷ノート」は、ブルトンらシュルレアリストたちに絶賛された。
0投稿日: 2022.10.11
powered by ブクログセゼールの代表的な二つの作品を、達意の翻訳と、彼の生涯と詩作に関する非常に詳細で力のこもった解説とともに収めた一冊。今回、「帰郷ノート」の、ポリフォニックな言葉によって、ネグリチュードの渦に入り込もうとする語調が印象的だった。その先にたどり着く場所とその「普遍性」については議論の余地があるとしても。「植民地主義論」は「平和構築」を視野に入れつつ、その現在性において読み直されるべきであろう。
0投稿日: 2010.11.08
powered by ブクログ考えさせられます。エメ・セゼールはとても知的な文章を駆使して、皮肉たっぷりに白人の植民地政策などを失笑しつつ、あきれつつ。さらには静かではあるが激しい怒りを表現しています。
0投稿日: 2010.06.24
