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ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って
ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って
川端裕人/岩波書店
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総合評価

15件)
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    江戸時代に日本にドードーが来た? 絶滅した鳥の行方を追う堂々めぐりの 探求の旅を綴るノンフィクション。 序章 堂々めぐりのはじまり 第一章 日出づる国の堂々めぐり――正保四年のドードー 第二章 ヨーロッパお堂々めぐり――西洋史の中のドードー 第三章 モーリシャスの堂々めぐり――ドードーと代用ゾウガメ 終章 堂々めぐりの終わり 堂々めぐりの謝辞など、文献と注有り。 「おしゃべりな絶滅動物たち」が面白かったので、 こちらも読んでみたら、初っ端から日本にドードー!? 偶然に読んだ記事から日本にドードーが来てたことを 知るのが、堂々めぐりの始まりとなるとは。 「出島ドードー」の痕跡を得るための史料探しに 奮闘する、日本での堂々めぐり。江戸へ行ったのか? 長崎に留まったのか?誰かが入手したのか? そして、近代ドードー研究者の蜂須賀正氏の事。 ヨーロッパでの堂々めぐりは、オランダ、プラハ、 イギリスでのドードーの記録や絵、博物館の標本などの痕跡。 実在しなかった白ドードー。ドードーのイメージとなった絵。 「不思議の国のアリス」のドードー。 更に2017年、モーリシャス島での調査に参加。 伝説の1865年の発掘地訪問。1990年代の近藤典生の活動も知る。 絶滅したソリテアのいたロドリゲス島や、記憶の方舟たる モーリシャスの自然保護区エグレット島へも足を運ぶ。 ヤバいな、これ。 絵や画像が大量にあるうえ、史料探究の話が興味深く、 ドードーに関しての好奇心が爆上りになってしまいました。 出島ドードーの絵が何とも言えぬ雰囲気だったりするし。 結局、ドードーの堂々めぐりは解決出来なかったけど、 神社に奉納されたサイチョウなどの「鳥類標本」が あるように、思わぬ所からドードーの痕跡が出てくる 可能性だって無きにしも非ず。今後の研究に期待したいです。

    16
    投稿日: 2025.10.03
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    17世紀頃に絶滅してしまったとされるドードー鳥が、鎖国時代の出島に来ていたという史実を追いかけるノンフィクション。 内容は学術的だけど、著者自身の粘り強い調査の行方がコミカルに記されていて読みやすく、好奇心をそそられる。 ドードー鳥メモ ■ドードー鳥はモーリシャス島やレユニオン島に生息していた固有種の鳥 ■頭が大きく飛べない鳥。ハト科の分類とされる。物語や絵画などでは太ったコミカルな鳥として描かれている。 ■人間がモーリシャス諸島に上陸したことをきっかけに絶滅してしまった。人間が持ち込んだネズミやサルなどがドードーの卵を食べ荒らしてしまったようだ。

    1
    投稿日: 2023.10.09
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    ドラえもんによって日本人には特に馴染みが深いかもしれない絶滅種の代表格ドードーが日本に来ていた?というところから始まる著者の旅。 学術調査に近い紀行のような本なので、読み手は選ぶと思う。ドードーという言葉に特別な感慨を覚えるなら読んでみたら面白いと思う。

    0
    投稿日: 2023.10.02
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     17世紀には絶滅していたドードーという鳥を巡る話である。絶滅した生物を求めて世界の各地を取材するドキュメンタリーの要素もある。  この鳥は江戸時代の始めに長崎に連れてこられていたらしい。その記録を探るが決定的な資料がないのは残念だ。  原産地のモーリシャスがオランダ、フランス、イギリスの支配を受ける中で、絶滅種の研究が影響を受けたことや、いま他種の移植によってもとの形に似た生態系を復元しようとする試みがあることなども紹介されていた。  人間によって自然がどれほど影響を受け、どこまで手を入れることが許されるのかを考えさせられた。

    0
    投稿日: 2023.08.16
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    魅力的なタイトルに魅かれて手に取った。 日本にドードーが来ていたなんてなんてワクワクするのかと。決定的となるものはなくとも読後もワクワクの気持ちは消えることなく、モーリシャスの絶滅動物と世界の歴史との関連について知ることができた満足感に浸れた。

    1
    投稿日: 2023.01.13
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    すごい… 大作。大力作。 何がすごいって、愛がすごい。 最近見た映画や本の中でもとりわけ愛が深い。 すっかりドードーのファンになって、終盤出てくるドードーら絶滅種が生きていた頃の再現図見たときには涙が出そうになったくらい。 好きなものに対して、ここまで一心不乱に身を捧げられるのが本当に素敵だしかっこいい。 あと、著者の川端さんの、いい人なんだろうなと思わせる人となりも良い。ところどころお茶目というかかわいい。 ニワトリが目の前駆けていって、思わずソリテア?!となっちゃうところとか、 ゴールデンバット(黄金バット!)←ここかわいい ブロンズ像のゾウガメを一瞬本物と見間違えてテンション爆上がりなのもかわいい笑 これを読んだ貴方は確実にドードロジストの仲間入り。

    1
    投稿日: 2022.11.23
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    ものすごく気になっていたテーマが 魅力的なタイトルで出版されたので購入。 絶滅してしまったドードーが実は日本に上陸していたなんて 想像しただけでワクワクしながら読みました。 わかっていること、わかりそうなこと、まだわかっていないこと それぞれ現時点での状況を知ることで 研究は今もこれからも続くのだなと実感しました。

    1
    投稿日: 2022.08.23
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    ドードー鳥をフックにインテリジェンスミステリーな感じで、その軌跡を追うという形。それにしても文献とか残ってそうで残っていなかったり、またドードー自身の不確定さから靄がかかった軌跡で、非常に面白く仕上がってます。江戸時代に日本にドードー鳥がいた。これだけで話として面白いのですが、その追っかける中での判明する歴史と事実と推察は非常に興味深く読めます。

    1
    投稿日: 2022.06.28
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    正保4年(1647年)約375年前に絶滅した鳥(ドード)を めぐって、世界のあちらこちらに堂々めぐりしたお話。 地理的にはインド洋のモーリシャス島の固有種でありながら、ヨーロッパ、インド、日本が関わる世界規模のスケールで移動した鳥、ドードー話が面白い。

    0
    投稿日: 2022.05.15
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    江戸時代の日本の出島に生きたドードーがやってきていた。そんな事実を確認した著者がドードーの実態に迫る。絶滅した動物について知るために過去の文献を具に調べる必要があるが、そのためにはドードーについて先人が記録を残していなければそもそも情報を得られない。著者が丁寧に文献にあたり、知見を持っている人を取材し、モーリシャスで発掘作業にも携わる。そして本書が次のドードー研究へとつながっていく。書名の“堂々めぐり”はもちろん“ドードー”からきているが、調査は堂々巡りにはなっておらず、どちらかというと調査の螺旋階段を上るイメージである。本書はドードーについて生物学的な知見を得るものではない。調査とはこのように実施し、次の世代に何を残すのかを語ったものである。そこを楽しむべきである。

    0
    投稿日: 2022.04.22
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    江戸時代初期、長崎の出島に絶滅鳥ドードーが来ていたらしい❗400年の時を超えた堂々めぐり、カラー図版も多く、興味深く読んだ。

    0
    投稿日: 2022.02.14
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    面白かった!!ビジュアル資料もたっぷりで、大満足のノンフィクション、よくばり科学日本史世界史ミステリという感じでしょうか、上質です、とっても上質(2度言う)。表紙が魅力的ですね、長崎の出島を丘の上から見下ろすドードー、これは興奮です。内容は日本に輸入されていたドードーの足跡を辿り、ドードーについての基礎知識、ドードー研究の現在を読みやすく、トピックに分けてQEDに迫っていきます。迫るだけですが(笑)。正保4年のドードーと日本のドードー研究者、西洋史ヨーロッパにおけるドードー、モーリシャス。こういう系統の本は鳥類学者や自然科学系の研究者が著者であることが多く、そっち系の文章には慣れていない人も多いと思うが、本著はさすがの文学者によるものなので、非常に読みやすく、うまいことベイトをあちこちにちらせて、するすると引き込まれていきます。書店で、自然科学のコーナーに置いていたのだが、これは一般図書、ノンフィクションのところに並べておくほうが、売れるのでは?と思う。多くの人に読んでほしい1冊。

    21
    投稿日: 2022.01.26
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    堂々(ドードー)めぐりの物語、おもしろかった。図版がきれいで、文章中に参照の形で何回も出てきて、わかりやすかった。

    1
    投稿日: 2022.01.20
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    江戸時代のドードーが来日していた!絶滅した鳥類の痕跡を辿る旅は結論のない堂々めぐり。 「不思議の国のアリス」や「ドラえもん」にも登場し、絶滅種としては異例の知名度のドードー。痕跡を追って日本からオランダ、ロンドン、生息地だったモーリシャスまで。少ない記録や標本を辿る。 言及される図版ははぼ掲載しており可能な限りカラーなところが良い。 題名のとおり結論のない堂々めぐりなので、劇的な展開がなく単調。それだけ脚色もなく真摯に、ドードーと向かい合っているということだろう。 生産性のない知的な探求、博学的な内容だからこそ楽しめる一冊。

    2
    投稿日: 2022.01.16
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    絶滅した動物の代表のような、個性的な見た目の飛べない鳥、ドードー。 『不思議の国のアリス』や『ドラえもん』にも登場するので子供にも知られている…かもしれない(知らない人も結構いる気がする)。 この本は、同じ絶滅したオオナマケモノについて調べていた著者が「日本にドードーが来ていた」という論文と出会ったことから始まる、日本から世界をわたる長き旅=堂々めぐりについて書かれたもの。朝日新聞の広告欄で見て、一目惚れして手に取った。 表紙には、出島を望む長崎の高台に佇むドードー画。これは歴史画ではなく、論文を書いた研究者(画家でもある)が描いたものだが、夢のある、表紙にふさわしい絵画である。 出島に滞在したオランダ人の記録がすでに1938年に日本人により編纂されていて、そこに「ドードー鳥」と記されているのに、それは動物学、ドードーを研究するような人の目には触れずに、2014年、オランダとイギリスの研究者により発見され、論文となった。 オランダ人はドードーを絶滅させてしまった贖罪感をしばしば口にするそうで、たぶんそれは、ドードーの不恰好な姿(本当はもっとスマートであることがこの書には描かれているが)や、飛ばないことから捕獲されやすかったと聞く時の想像のしやすさというか、残酷さを思い描くからだろうか(狩猟再現画というのが掲載されてるがほんとかわいそう)。 しかし、「間抜けな鳥(ドードーの語源)」だの、「吐き気を催す(肉が硬くて美味しくなかったそうだ)鳥」だの、「おろかな超おろかな鳥(チェコ、2回言わなくても)」散々な言われようで、本当に気の毒な鳥だ。 でもその気の毒さ、見た目の間抜けさが人を惹きつけるのかなあと思う。 はるばる日本に来たドードーの行方は…本書を読んでください。

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    投稿日: 2022.01.03