
総合評価
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- masayakk"powered by"
テーマは素晴らしいと感じたので読んだ。 テーマや世界の設定の割には、どうしてこうなったかを、もっと科学的根拠を基にしながら、言及されていれば、もっと凄みが増しただろうに、と思う。 しかし、作者が描こうとしたテーマは、そこには無いみたいだ。 紹介文が言っているテーマは、作者のテーマと違うのではないようだ。結局、紹介文はプロモーションのひとつだったのだ。たぶん。 私は、それに釣られたのだ。作品の中の登場人物たちのように。
0投稿日: 2023.09.22 - saigehan"powered by"
都市の環境破壊が進んだため義父、母娘で山での実験生活みたいのに参加する(数年単位)。家というプライバシー空間のない状態での集団生活。よっぽど「自然大好き」「訳あり」でない限り、精神肉体共に荒んでゆく。やっぱり余裕ないと、きれいごとさえ言えない。結構この作品は多角的で色んな角度から読める作品で、人それぞれひっかかる部分が違うと思う。自分的には、人の死を商売にしている葬儀屋という組織にこの本を読ませたい。人間だって動物のように死にたい人もいると思う
1投稿日: 2023.03.20 - なー"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
描写の大部分を占める〈ウィルダネス〉は、コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』とか国境3部作とか、あの辺の雰囲気。あとアレだ、オースター『最後の物たちの国で』。ポストアポカリプスって言うんだっけ、このジャンル。 ただこの物語のミソは枠構造っていうか、「ウィルダネス」の外の都市世界があることで、カフカの『城』みたいに、いきなり脈略なく外部から妨害やら強制やら制限やらが降ってくる。 地球が汚染されている設定上、どう転んでもハッピーエンドにはならず。メリバも無理無理…。 「これ面白いよ」と人様に勧められる類いの本ではないけど、身体から中身が出て、別の世界で別の人生を体験してきた…みたいな、不思議な読後感。 …あれ?それって良質な物語、ってことよね。
1投稿日: 2022.10.13