
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2023年43冊目『瓢箪から人生』夏井いつき 読了。 久々に出会えて良かったと何度も思えるような素敵な作品。 一度だけ講演会で夏井いつきさんのお話しを聞く機会もあったけれども、ほんとうに素敵な話ばかりで一気にファンになっていたけれども、この本も素敵な話ばかり。 やはり俳句を始めようと思う。 生徒たちの意見にうなずき、笑い、拍手し、私からの反論に共に考え込む。好奇心で 目がきらきらしている。そうか、この先生に育てられている子どもたちなのだものな、 と納得する。ここにも、言葉を教えることで心を育てようと志す人がいる、と頼もしく 眺める。 多生の縁とは、ただの偶然ではなくて、お互いの中になんだか分からないけれど、引 き合う磁石みたいなものがあるんじゃないかと思う。だから、会うとホッとする。いつ も頼りにする。会うことを喜び合える。それが多生の縁というやつなんだろうな。 勿論、「いつき組」を名乗る組員の中には子どもたちもいる。その子たちは身近にいる真っ当な大人を見ながら育っているわけだから、長い目で見れば皆、真っ当な大人に 成長していくに違いない。 子どもたちの心を育てるためには、言葉を育てることが肝要だ。言葉で繋がり合ってこそ、お互いの気持ちが分かり、自分の複雑な感情も伝えることができる。伝えなけれ ば分かり合えないし、分かり合えなければ心も荒んでいく。言葉と心は、車の両輪みたいな関係にあるのだ。 言葉が心を育てるのだ。言葉とは、生きて在る私たちが、次の世代を生きる子どもたちへ伝えてやれる心のエネルギー源でもあるのだ。 心の複雑骨折を繰り返しながら、自然治癒力を身につけていくのが、人生というものなのかもしれない。 #読書記録2023
0投稿日: 2025.08.25
powered by ブクログ読みやすいし、一生懸命やって来た人であることが良くわかる内容だった。TVで芸能人の俳句を添削するところを何回か見たが、なるほどそうなのかと思わせる説得力があるし、実力ってこういうものなのだろう。昔、生け花を習っていたことがあり、師匠がちょっと手を入れると見違えるほど素敵なものに変わっていたっけと、そんなことを思い出した。
0投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログ俳句を読み解くのは難しいな と思いつつも 言葉ってこんなふうに繋ぐことができるんだ…と感慨深く感じた プレバトで観ている夏井先生がそのままの姿で語っている
7投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログプレバトで知った夏井いつきさんのエッセイ集。 俳句の教本?以外では初めて読む本。 他の本と同様の語り口で、俳句や自然へ真摯に向かう事楽しむ事には丁寧に、それを言葉でつまらんものへする人へ怒りを込めてとすっきりとしていて大変楽しく読める。 後から調べた際に作者が俳句の種を蒔く行為に強いバッシングがあった事は知っていたが、内容を見る限り俳句を狭い集団の中で研ぎ澄ませる芸術品だと考える人がいて、それが悪いことではないけれど作者がさることとは真反対だとなるから反感も強いだろう。作者の言葉であらならば山は高く裾野は広くの考えは良い。裾野が広くなければ誰も登ろうとはしないだろうし、登らぬ山は埋もれて忘れられてしまう。ただ遠くから昔の昇華されたものを眺めるしかない。 色も光も音も匂いも全ては私の外にある。それを十七音にする。書き手はその切り出しを真摯に、読み手はそれを受け取り自分の記憶や感情と真摯に繋ぐ。そう思うとこのやりとりがとても楽しいものに思う。 好きな俳句は 肺深く蛍ひとつを息づかす 標的にあらず春灯ぞこれは
0投稿日: 2024.12.12
powered by ブクログプレバトでお馴染みの夏井先生。自身が携わる句会ライブの事やら、出会った俳句の仲間たち、自身の今まで、俳句のこれから…。TVのまんまの夏井先生が、いいなぁ。
3投稿日: 2024.08.19
powered by ブクログおもしろい! 夏井先生の情の濃さが全編にみっしりと。 挿入される俳句も、詠んだ背景がわかるので、より鮮明に情感が立ち上がってくる。よき。 そして、あとがきにも書いてあったが、アリヤマデザインの装丁と牧野伊三夫の挿絵がすてき!
0投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
先生は「良いも悪いもこれが夏井いつきです」と言い切ってくださる。 だから、安心して暴れることができる。 「俳句は季語との交信です」 どう頑張っても凡人の句しかできない。そんな悩みを語る俳句愛好者は多い。そんな人たちはたぶん、俳句は、自分の脳内にてゼロからなにかを生み出すものだと思っているからではないか。 私の体験的真実として語らせていただくならば、自分の脳から生まれるものは、おおむね自分以下でしかない。 俳句は、自分の外にある全てのとのもの交信だ。・・・それから句材もらい、十七音に切り取っていくのが俳句だ。 いつも言ってることだが、「俳句は筋トレ」だ。俳句でご飯を食っていく!ともなれば、才能の有無ってやつも多少は関係してくるだろうが、人生の楽しみ・趣味・生きがいとして続けていくのであれば、そんなもんは全く関係ないのだ。遅速はあるにしろ、とにかく続けていれば、俳句の山の六合目ぐらいまでは誰でも登れる。 思えば、父は、その時が来た時に「杖」があるようにと、私を俳句にめぐりあわせてくれたのだと思います。 「プレバト!」が生み出した副産物はまだまだある。 全国各地で開催している句会ライブに足を運んでくださるお客さんたちが変わってきた。・・・ さらに、驚くのが、句会ライブで決勝七句のうちに残った作者のうち・・・「今日初めて作りました」という人が半数を占めるようになってきたということ。その人たちのたった一つの共通点が「特に勉強はしてないけど、毎週『プレバト!』だけは観てます!」なのだ。観てるだけで知識がたまっていき、スキルが上がっていく。・・・・・・・続けるって、本当にスゴいと思いません!? 俳句は百年後も、富士山のように高くて美しい山であってほしい。富士山が美しいのは、広くて豊かな裾野があるからだ。今、私にできるのは、裾野を広げるための「俳句の種まき運動」である。裾野が広がっていけば、おのずと俳句の山は高くなっていく。 六十五歳になる夏井いつきの十数年の素顔が、奔放にかつ繊細に描きだされ、自由に詠うことの大切さを読者に強く伝えてくれるのが、この句集だ。本人は余生などと言っているが、私より一歳だけ若い彼女に余生などどいわれては困る。走るから生きている。生きているから走り続ける。俳人・夏井いつきは、人間・夏井いつきなのである。 (五十嵐秀彦) そして、兄弟子が褒めてくれたことが、単純にうれしい。この嬉しさが、次のエネルギーとなる。 私は今、強い確信をもってありありと想像できる。 百年後に見上げる俳句の山はより高く美しく、裾野はより豊かな大地となって広がっていることを。イガラシさんとわたしは、雲の上からそんな光景を眺めつつ、俳句作ったり議論したりしている日が゛いないと思うと、なんとも愉快な心持ちになるよ。 古川先生語録の一つ「失敗はデータや」という考え方は、わが人生において実際的に役立った。失敗を嘆いたりくやんだりするのは心と時間の無駄遣いだ、と考えられるようになった。 クラハシ先生は、親しい人の死を受け入れてゆく方法を教えてくださった。無心で手を使うこと、何らかの方法で心を吐き出すこと、自分の悲しみを誰かと共有すること。それらは、自分の心を悲しみの沼に沈ませてしまわないための大事な手立てなのだ。 そして、マサトの本には、こうサインしてくれた。 「一生いつきさんの言うことをききなさいね。夢枕獏」 一本の百合のごとくに戦はぬ そして、私たちは、凛と開く一本の百合のように、絶対に戦争なんかしない。戦ってたまるものか、と。 たかが俳句だけれど、増殖していく負の感情を小さく千切っては一句一句に変換していくうちに、心の波が少しずつ静まっていることに気づく。それは、眼に見えない己の感情を言葉にすることで、客観的に眺められるようになっていくからではないかと思う。心と言葉は、そんなふうに密接に作用しあっているのだ。 賞を目指すのは目標ではあるけど、目的ではない。誰かと比べ始めたら、いつか俳句は苦しくなる。たまにもらえる賞は、グリコのおまけ。 複雑骨折した心をどう整えればよいのか。そんな気持ちで、迎えたのが種田山頭火授賞式だった。 が、考えてみれば、心の複雑骨折を繰り返しながら、自然治癒力を身につけていくのが、人生というものなのかもしれない。
0投稿日: 2024.05.09
powered by ブクログ1331 夏井いつき(なつい いつき) 1957年、愛媛県生まれ。8年間の中学校国語教諭経験を経て俳人に転身。俳句集団「いつき組」組長。創作執筆に加え、句会ライブなど「俳句のタネまき」活動を積極的に行なう。また、全国高等学校俳句選手権大会「俳句甲子園」の創設に関わる。「プレバト!!」(MBS/TBS系)をはじめ、テレビ・ラジオ・雑誌・新聞・webなどの各メディアで活躍。2015年から俳都松山大使を務める。 瓢箪から人生 by 夏井いつき いや、そもそも「花鳥風月」の意味するものとはなんでしょうか。 考えたことがありますか。 喉頭癌で闘病中だった句友鯛飯さんの訃報だ。調律師であった鯛飯さんは、バードウォッチングの楽しさを教えてくれた句友でもある。俳句と音楽と鳥を愛した男は、正義の人でもあった。「組長、ここは 挫けるとこやないから」と、私は何度も何度も励まされた。美しいものを美しいと讃え、正しいものを正しいと明言する。敬愛してきた句友の死が、ズシリと堪えた。
0投稿日: 2024.04.01
powered by ブクログTV番組「プレバト」の俳句でお馴染みの夏木先生が、これまでの人生で出会った忘れ得ぬ人たちの愉快痛快にして心に沁みる傑作エッセイ集です。また、自作の俳句をはじめ、佳句、笑句も多数紹介。俳句を作るヒントも満載で入門書の役割も果たします。読んでいて元気が出てきそうな作品です。 図書館スタッフ
0投稿日: 2023.12.22
powered by ブクログプレバトでおなじみの俳句の先生です。ちゃんと見た事ないのに姿も声も知っているってすごい浸透度ですね。 ちょっと内輪ネタ的なところもありますが、俳句の裾野を広げようと奮闘してきた人なんですね。それは本当にすごい。
6投稿日: 2023.10.04
powered by ブクログ夏井先生、国語の先生だったからか、そもそも言葉に敏感だからか、そのどちらもか。とにかく、文章が軽快で読みやすくてわかりやすい。さらに語彙も豊かで自然と勉強になる。ふふって笑いそうになることも何度もあったけど、不覚にも目の奥が熱くなる瞬間も何度も、何度も、あった。
1投稿日: 2023.07.11
powered by ブクログあったかくてかっこいい人 淡々と書かれたような文章に感じるのに、 心に響くものがあって何回か泣いてしまった。
1投稿日: 2023.07.11
powered by ブクログ句集を読むにはまだまだと思ったのでエッセイを読んでみた ラジオに寄せられた子供の何気ないひと言の句が全部素敵だった ほかの俳句もみんな良いし家族の話でホロリとさせられて読んでよかった
1投稿日: 2023.06.22
powered by ブクログ夏井いつき先生の凛とした雰囲気と愛嬌がめいっぱい感じられるエッセイ。先生のやさしい俳句も身に染みる。 文体はどこか芸人さんが書くエッセイみたいだと思った。多分、不必要な部分はそいであるのに、情感を得るのに十分必要な分だけある口語体から感じるのだと思う。「結婚」にまつわる様々なエピソードが良かった。
1投稿日: 2023.04.12
powered by ブクログプレバトで見てるまんまに切れ味最高。 面白いねいつきさん。 そして俳句にとって、何と大きな存在なんだろう。 ずいぶん前だけれど、私の投句に対しペンネームの読み方を聞いて下さったことが嬉しかったです。
0投稿日: 2023.04.06
powered by ブクログ俳句番組でお馴染みの夏井先生。 俳句の種をまく活動をされているのは知っていたけれど、思った以上にエネルギッシュで驚く。本当に俳句に人生を捧げているのだなぁ。ご本人は「捧げている」と思っていないのかもしれないけれど。これだけ打ち込めるというのはすごいと思う。 番組からもうかがえるきっぷの良さ、回転の良さ、歯に衣着せぬ感じが文章からも伝わってきて楽しくなる。 かと思うと、ご両親のことなどのところではぐっときたり… これからも元気に活動を続けていって欲しい。
17投稿日: 2023.01.16
powered by ブクログTV番組のプレバトの俳句の先生、夏井氏の俳句にまつわるエッセイ。17音を生業にしているだけに言葉に無駄がない、しかもその奥に背景をも描いている。取り上げられた俳句に涙した章もある。 俳句だけではなく、ヒトとしての重さも感じた。
2投稿日: 2023.01.09
powered by ブクログ全国各地の句会ライブ、ラジオ「一句一遊」、TV「プレバト」等々、30年に及ぶ種蒔き活動の末に今まさに芽吹いて結実している絶頂期にある俳人のざっくばらんな語り口による振り返り記。亡き父親や廃墟になった実家のことまで包み隠さず書き綴る著者だが、「俳句甲子園」のことだけはいわれなき誹謗中傷を受けたことを繰り返すだけで内実を語ることがないのはよほどのことがあったのだろうか。
0投稿日: 2022.12.21
powered by ブクログプレパトで有名な夏井先生のエッセイ。 俳句の裾野を広げようとする奮闘ぶり、一期一会の出会いが取り持つ不思議な縁を大切に人生を切り開いている。 いやぁ!電車の中で人目も憚らず、泪してしまうほど濃いエピソードが盛りだくさん。いっそ「いつき組」に入ろうかな。そう思えるほど素敵なエッセイだった。
0投稿日: 2022.12.13
powered by ブクログ今勢いのある夏井いつき先生の人生記。とても興味深く読んだ。 俳句に魅せられ、草の根の活動をして生きてきた人。心の複雑骨折を繰り返しながら、自然治癒力を身につけて行くのが、人生というものなのかもしれない。この文章は奥が深い。 掲載されている子どもの俳句も凄い。
0投稿日: 2022.12.03
powered by ブクログ読んでいて元気が出たり、毎日が違った景色に見えてくる本は5つ星をつけることにしている。 最初、テレビで見る夏井さんにきては硬い書き方?と思ったが、すぐにいつもの夏井さんの勢い。 俳句甲子園の現場でお話ししてるのを身近に見たことがあるが、ホッントウに、この人、愛があるのだ。 じわーっとこころがあっかくなって、なんかいい人に自分もなるのだなあ。すごい人だと思う。 この本を読んでいる間、私はとってもいい人になれた。機嫌良くもなれた。この気分を続けていけたらなと思う。 人には、「親切」でいることだなと思う。
3投稿日: 2022.10.17
powered by ブクログ2022年発行、小学館のソフトカバー本。45編。エッセー本。惹句には「愉快痛快」という言葉があるが、確かに痛快な話も多いが、そうでなく作者の苦しみというか、そういった話もある。愉快痛快な話の間にあるからこそ、沁みてくるような気がする。もちろん「苦労」という一言にはできないような話である。 他:「あとがき キッタカさんから繋がっていく邂逅」(2022年 爽籟の松山道後上人坂伊月庵にて 夏井いつき)、備考:「女性セブン」2021年3月18日号~2022年3月24日号に掲載した同名連載を加筆、修正、書き下ろしをくわえたもの、
0投稿日: 2022.10.15
powered by ブクログ『プレバト!』の俳句の先生としてお馴染みの夏井いつきさんのエッセイ集。30代で中学の国語の先生を辞め、俳句一筋へ。「俳句の裾野を広げる」ために奮闘!その中で出会った忘れられない人々との交流や高校生の「俳句甲子園」の立ち上げ、全国を回っての[句会ライブ]のこと。もちろん「プレバト!」出演の裏話などいろいろ…。プレバトで披露される下手な俳句を名句に変える添削の技のように、鋭い観察力と豊かな表現、ユーモアあふれる文章はさすがです。「俳句の種まき」をするという強い信念、尊敬します。夏井先生自身の俳句も多数紹介!
0投稿日: 2022.09.24
