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信仰
信仰
村田沙耶香/文藝春秋
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総合評価

132件)
3.7
26
45
40
7
1
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    以前コンビニ人間を学生の時に読み衝撃を受けたことを思い出しました。 どの作品もこれで終わってしまうのか。いやこれが良いのか。まだ感性が足りないのか。頭の中でぐるぐる考え巡らせたまま読み終えていきました。

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    世界で起こる出来事を、どのような視点で眺めるのか。あり得ない設定でありながらも、どこかリアルな一面が顔をのぞかせる。作者の違う一面が垣間見られた作品の数々。

    0
    投稿日: 2025.11.07
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    この作家さんのお話には常人の考え得ないような、非凡なものを感じます。 短編集なので、面白いと思った話と今ひとつのれない話があったように思いました。

    0
    投稿日: 2025.11.07
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    「気持ちよさという罪」の中の「「自分にとって気持ちがいい多様性」が怖い。」という一文がずんと心の中に残っている。多様性という言葉を使う時、なんだかその言葉を使っている自分がえらいような、いい人なような気がしている。自分が気持ちよくなるためだけにこの言葉を発している気がしてならない。本当の多様性は多様性という言葉がなくなった時に完成するものなのかもと思ってしまった。

    0
    投稿日: 2025.11.06
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    コンビニ人間が好きだったので、書店で見かけて手に取ってみた。 近未来感のある設定を通して現代社会が描かれているところが面白く、刺さる作品だった。

    0
    投稿日: 2025.11.03
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    村田沙耶香さんのエッセイの部分がめちゃおもしろかった。この人の幼少期からの人生、物事の捉え方にとても興味が湧いた。とても危うく、エキセントリックな感じがするけど、ごくありふれた人が持つ感性がそこにはあり、そのチグハグ感の理由が気になる。村田沙耶香さん自身をもっと知りたくなった

    0
    投稿日: 2025.10.31
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    長編よりも読むのに体力と気力を使った。村田沙耶香さんを初めて、もしくは2作目とかに読む人にはオススメしない。 個人的には表題の「信仰」よりも「書かなかった小説」が印象に残った。これは長編で読みたい。

    1
    投稿日: 2025.10.31
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    天動説セラピーと称した新たなカルト商売に誘われる表題作。 徐々に明らかになる主人公の気質と願い。 どこまでも素面なモノローグと終盤の熱狂とのギャップが素直に怖い。 それから作品世界を表現する為の架空の道具立てのディテールが相変わらずお見事。鼻の穴ホワイトニング?笑 いろんな所で掲載された短編の集まりだけど、短編ごとにうっすらと共通のモチーフが出てきたり、後半のエッセイでそのモチーフの出どころに触れるような記述もあったりで、村田さんの頭の中にタッチしたような気配も少しある作品集だった。 村田さんってどういう環境で人格形成してきたんだろうとか、今まで作品を読んできてあまりそういうことにまで思いを馳せたことが自分としては無くて、今作の読後感はかなり珍しかった。まあ、後半がエッセイだからだとは思う。

    1
    投稿日: 2025.10.30
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    小説の中に 感情がぎゅっっっと 濃縮されている!! 村田沙耶香さんの表現って 本当にすごい!! 世の中の当たり前に疑問を投げかけ… 私たちが感じる五感の水平線の遠くの彼方で 村田さんはひたすらにペンを走らせている姿を 想像してしまう! 村田さんの独特な感性が好きだな… 宗教や生きる概念など 答えの出ないものに 抗えば抗うほど…村田さんの言葉は 生き生きとし始める! これからも村田沙耶香さんの小説を 追いかけていきたい!

    0
    投稿日: 2025.10.30
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    「短編集」 11の短編、どれも奇妙で不思議で、独特の世界が日常とつながっている感じ。はっきりと共感するというより、「私がいたのもこういう世界だった」という懐かしさや「似ているようで似ていない」ざわめきが残る。 未来を描いているようで、実は今を映している。どの話にも、どこかに秘密が隠れているように思えた。手元に置いておきたい一冊。図書館で借りたけれど、今度は買おうと思う。

    7
    投稿日: 2025.10.28
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    読む順としては巻末に載っているエッセイ 書かなかった日記 から読むのが良いのではないか。どの様な内容かは、だいぶセンシティブなエッセイなため詳細は控えるが、村田沙耶香が何に抱えられ続け、作品として書き続けているのか誠実に語られていると感じた。読者側もその作者側の誠意を抱えながら他の作品へと目を移すべきだと思う。最後に置かれた作品なので作家側の意図とはズレた提案かも知れないが、これから読む人には是非その様に読んでみてほしい。 本当は短編集故に強く感じられた、あまりに都市(都会)に限定されたモチーフと、その対比として掲げられる都市「外」という象徴の繰り返しについてうだうだ文句つけたかったのだが、それ以上に最後のエッセイに感じ入ってしまった。

    0
    投稿日: 2025.10.23
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    良く言えばシュール?支離滅裂で理解不能な短編集。好きな人は好きなのかも⋯?さすがにキツすぎて途中で離脱してしまった。買うなら後悔しないように、少し立ち読みして内容を確認してからにした方が良いでしょう。

    0
    投稿日: 2025.10.22
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    これは安全な場所から異物をキャラクター化して安心するという形の、受容に見せかけたラベリングであり、排除なのだ、と気付いた。そして、自分がそれを多様性と勘違いして広めた事にも。 彼女達はモノガミー(単婚)のようだし 仄暗い執着があり 私は布団の上で蹲ってずっと祈り続けていたのです

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    本書を読み終えてから少し経っているのだが、何だか凄いものを読んでしまったという感覚が消えない。 短めの短編小説の合間にエッセイをインサートしている珍しいタイプの作品で、小説のほうは相変わらず少し奇妙な世界線を生きる人々が描かれていてどれも面白い。これまでの作品に比べても文章が洗練されているように感じたのは気のせいだろうか。 しかし今回、読んでいて心を揺さぶられたのは実はエッセイのほう。 特にラストに収録された「いかり」は、作者の苦しみや心の叫びがこれでもかというほどこちらに伝わってきて、読後村田さんのことが本気で心配になった。 小説家は噓を描くのが商売というけれど、このエッセイに関しては創作の部分があるようにはどうしても思えなくて。編集者はしっかりフォローしてあげて欲しい。

    1
    投稿日: 2025.10.18
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    配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01439322

    0
    投稿日: 2025.10.18
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    「カルト作ろう」のお話が面白かった❣️みんな、自分の信じるモノには、お金を払うものだなあと思った。 細かいディテールの中ですが、鼻の穴を白くする美容とか、何十万円もする縄文風のディッシュとか、知らなかったよ、へええっ、そんなの流行ってるのって思って読みました。

    11
    投稿日: 2025.10.17
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    信仰が長編だと思って購入したらエッセイと小説混ぜこぜの短編集だった。笑。 信仰はカルトを描いた話で面白くてすぐ終わった。無害なきものがおどろしく気持ち悪い。 世界99知ってるからアレだけどまぁこの君悪さの世界観は流石でした。エッセイは初読みだったけどやはり一風変わった方なんだと思ってしまった笑笑。

    17
    投稿日: 2025.10.16
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    「いかり」というエッセイの、感情の凝縮感がすごい。「コンビニ人間」にはじまり、世の中の当たり前に疑問を呈する彼女だけど、宗教や生存など大きな概念に抗えば抗うほどいきいきとするな、とあらためて感じた。そして本作でいよいよ私は、村田沙耶香が怖くなってきた。 ハン・ガンとは違う恐ろしさで、村田沙耶香は私たちが感じる五感の水平線上の遠く彼方で、ひたすらにペンを走らせている。この本の中で、とある怒りが沸いてきた時の感情を彼女はこう表現している。 ____ もし子供の頃にうしなった「いかり」が私の中に眠っているとしたら、この体の中の洞穴の中を吹いている風のことなのだと思う。 ____ 轟々と燃え盛る怒りではなく、静かに煮えたぎる怒りだ。ここまで自分の感情に向き合う覚悟がわたしはできない。感情の沸点を知らずにニヤニヤと火をつける人も、恥じるしかない自分の愚かさも、わたしは直視できない。次々と知らなかった感情が沸きあがってくるのが怖いからだ。でも村田沙耶香の場合、書きたいという気持ちの方が勝っている。もっと傷つくのがわかっていても、書きたいと思う気持ちの方が上回ってしまう。そして、目をがん開きにして感情の揺れ動きを見つめる。彼女がそれでも書きたい理由をわたしは知らないけれど、いのちを削りながら書くってこういうことだと思った。彼女のものがたりしか覗いたことがない人は、ぜひ手に取ってほしい。

    1
    投稿日: 2025.10.15
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    小説とエッセイが混ぜこぜになった短編集。 エッセイは初めて読んだけれど、エッセイ「気持ちよさという罪」がよかった。村田さんの背景がよくわかる。 ”これは安全な場所から異物をキャラクター化して安心するという形の、受容に見せかけたラベリングであり、排除なのだ、と気が付いた。そして、自分がそれを多様性と勘違いをして広めたことにも。”

    1
    投稿日: 2025.10.13
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    長いこと感想を放置してしまったので細かいことは忘れたが、「信仰」が長編だと思って読みはじめたのにすぐ終わってしまい拍子抜けしたことと、SFチックな展覧会の話が好きだったことと、「クレイジーさやか」を受容してしまったことを後悔しているというような話が印象に残っている。 多様性を尊重することと、あの人は特殊だとレッテルを貼って差別することは、意外にも紙一重なんだと気付かされる。

    0
    投稿日: 2025.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    10万返せ! 笑った。 色んな短編があり、村田沙耶香さん自身の話もあり。 毎日戦っているんですね。 だからそういう物語が書けるんだ。 素晴らしい人。 みんなに必要とされてる人。 あと、鼻の穴のホワイトニングやトレースは、もうこの頃からあったんだ。 世界99の後に読んだから、フフフと笑みがこぼれました。

    0
    投稿日: 2025.10.11
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    短編集なので、ライトに味わえるかな?と購入したのですが、短い分だけ深く険しい村田さんワールドでした。ここまで別世界を描けるのはすごいです。1ページずつ、殴られながら読み進む感じでした。

    31
    投稿日: 2025.10.10
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    なんでこんな世界が描けるんだとずっと思ってた、村田沙耶香さんの頭の中を少し覗けた気がした。 小説とエッセイが混じっていて、作者のことが書かれてることに気付かないなんて。すごい本だ。

    1
    投稿日: 2025.10.10
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    短編集でした。 エッセイのように本人が登場する話もあって、「これはどこまでが現実でどこからがフィクションなんだろう?」と不思議な感覚になりました。 『世界99』に似た世界観の作品もいくつかあり、現実と非現実の境目がゆらぐような読後感。村田さんらしい“異世界のような日常”が堪能できました。 最後に、西加奈子さんと村田さんが友達だと知ってびっくり。 作風の違うお二人がつながっているのが意外で、なんだか嬉しかったです。 「なぜウクライナの戦争は日本で大きく報道されて、ほかの戦争はあまり取り上げられないのか。…白人だからじゃない?」という一文にはハッとしました。 日常の中に鋭い問いが潜んでいて、読後にじんわり考えさせられました。

    12
    投稿日: 2025.10.09
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    夏休みのとある日、本屋で立ち読みしているときに男性3人組に話しかけられ、おそらく何かあやしげな団体(『信仰』にでてくるスピリチュアル的なものではないと思う)に勧誘されるという体験を初めてした。そんなときにタイムリーだと思い、ふと読み始めたのがこの1冊だった。 表題作である『信仰』では、『コンビニ人間』を読んだときと同様に、読み進めていくうちにどこかずれているはずの主人公にどんどん共感していくような気がした。また、「最後の展覧会」では、登場人物の名前がそう感じさせただけかもしれないが、星新一の作品と通ずるものを感じた。 どの作品も10ページから20ページの短編であるにも関わらず、その作品の独自の世界に読者を引き込む、文章のもつパワーを感じる1冊だった。

    12
    投稿日: 2025.10.07
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    最初に断っておくが、村田沙耶香は、言葉の出力において精密で丁重である。彼女程、適正に守れた言葉の出力を見たことがない。ただ私が読んだことがないだけなのかもしれないし、初の村田沙耶香がこの信仰であったのはよかったのかもしれないし、よくなかったのかもしれないが、断っておく。 言葉の出力において精密で丁重で適正に守られている。 だからこそ 一番最後の 書かなかった日記の中に記されている 『ねんりょ』については虫唾が走った。 はらわたが煮え繰り返るほどのいかりが私を襲った。理由は理解できた。 私にとって 死とは精神的に遠い存在であり物理的に近い存在であって それは今この瞬間だからこそ。 元々私は心が弱く 並大抵と呼ばれることで心を崩した。死を選ぼうとは思わなかった。怖いものだし痛いものだったからだ。しかしそれは歳を重ねるにつれて違ったのだと確信した。私にとって死は近すぎたのだ。誰しもが死のうと思って死に至る 死を感じて、もしくは死に誘われて、コンマ数秒でも知覚する。ただし私は、少なくとも昔の私は死こそ自己であり一心同体であったのだ。 だからこそ私はそれを嫌った。それに打ち勝つべく鞭で心をぶっ叩きながら嘔吐を繰り返し、強い心を手に入れた。傷もつくし癒える時間もかかるが、 痛みに鈍くなり耐えうる魂を保つようになった。 だからこそ、一番最後の短編に怒り狂った。私はこの本で村田沙耶香を知った。そして彼女が時と場所を選び、視点も論点も複雑でそれを深く考え答えを導きだせる大人だと理解していた。 しかしそれだけのことだ。それだけの人間である 私にとって村田沙耶香は特別ではない。 私にとって伊坂幸太郎や村上春樹、ましてや村上龍ではなく、まだ最近の、ここ二十年で頭角を表した作家というだけの印象で死に対しての思い入れと著者を交互に見比べた際に感じる差異は無い。 村田沙耶香をもっと読んでおけばこの話はもっと違うのかもしれない。私はこの本を読んだことを深く後悔した。早かったのだ。この短編だけは読んではいけなかった。私にとってこの短編は深く刻まれる。怒りというものが いかり という本来存在していたのに迷子になった異分子がまた再び異なる形で顕現したこの瞬間のえぐみ。これは一生忘れない。 適正に査定された言葉だと思う。村田沙耶香の他の短編はものすごく深く興味深い。 しかし全て最後の短編を読んでいかりくるってしまいそのえぐみで何の味もしなくなった。 ありがとう村田沙耶香。書かなかった日記。 適切な表現であり名称だ。 しかし私なら、畏れ多いが、私が名づけるならばこの短編の名前は『読みたくなかった日記』

    8
    投稿日: 2025.10.06
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    星新一みたいな世界観もありつつで 読んでて楽しかった。 何個かのお話があるので意味がわからないのもあったのが村田さんらしくてよかった。村田さんの頭の中覗かないとわからない笑

    3
    投稿日: 2025.10.06
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    こんなにこってりした内容の短篇&エッセイ集ははじめてだった。村田沙耶香という人の一部を垣間見ることができる作品。 世界99とコンビニ人間を読んで、すっかり村田沙耶香氏のファンになってしまった。とても気になる存在なのだが、小説家のインタビューやSNSを見るのは過去に苦い思い出があり避けている。そのため、作品を通してしかその作者の思想や発言にふれることができない。 そんな中で読んだこの作品。短篇では読んできた小説とリンクする世界観が様々な要素を尖らせて描かれていた。そして後半にかけて差し込まれていくエッセイ。この絶妙なマリアージュに拍手! この人が描く「現代社会」の解像度の高さは、「社会とのズレ」をずっと自分事として捉え続けて考え続けてきたからなんじゃないかと勝手に解釈した。血の滲む創作活動だろうけど、産み出された作品を追いかけたいと思った。

    5
    投稿日: 2025.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作を読んでいると、誰でもいいから主人公を救ってあげてほしくなった。現実的なあまり、救われない人生というのは悲しい。まだまだ続きを読みたいところで終わってしまった。 「土脉潤起」もまだ読んでいたい作品だった。女友達と住む家と、野人になった姉がこの先どうなっていくのか。内容に反して終始穏やかな空気が漂っていて安心できた。 小説と随筆が混じり合っていることに最初は戸惑ったけれど、あまり神経質に区別して読む必要もないのかもしれないと思えてきて、(著者の中では明確に線引きがあるのだろうと思いつつも)描き出される複雑なマーブル模様を味わって読んだ。不思議とそれが心地よいものになっていった。 その文面からは誠実な正直さを感じている。

    0
    投稿日: 2025.10.04
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    またしても 恐ろしい村田ワールド 長編の世界99には すっかり毒気に当てられてしまったが 短編だと気分が悪くなる前に次の話が始まって まだ 心の平穏が維持できる SFらしい設定アイデアもたくさんみれて この作家の短編をもっと読んでみたいと思う 最後のエッセイ的部分も興味深い 現代の特異点とも言える作家

    1
    投稿日: 2025.10.04
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    エッセイと短編集が混ざっているような内容でした。 村田さんを読んでて思うのは本当に感性が独特な人だなあと。 唯一無二じゃないかと思う。 SFのような作品もあれば 幼少期に他の人をトレース(模範)して生きてきた事も綴られている。 それが今の世界99にも繋がってる。 完全に理解するというのは難しいんだけど 村田さんの世界観にハマれる本でした。 あとスイスでも安楽死って簡単じゃないんだなということを知った。 残雪、自殺幇助の話だけど文字にすると美しくて好きな話でした。

    2
    投稿日: 2025.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おもしろい!と思ったのと、 ʕʘ‿ʘʔ?と思ったのの二極化。 面白かったのは、分かりやすい ・信仰(現実カルマ) ・生存(C -の主人公) ・どみやくうるおいおこる(Dの野人に堕ち日本語忘れ「ぽう」) ・書かなかった小説(夏子A〜E) かな。 鼻の穴のホワイトニングなんかあるんだ〜芸能人とかがやってるのかな?とか本気で思ってしまったわ。 そして私もどちらかというと現実カルトだな〜 コスパとか気にしちゃう。ア◯ウェイとかハマっちゃう人に、なんで儲けられると思ったの?友達いなくなるとか考えなかったの?って思っちゃう。 ロンパバロンティック(笑) コスモストーンアロマポット(笑) 村田さん唯一無二。 書かなかった小説。 ブラックミラー(Netflix)の、死んだ夫を生き返らすやつに似てて好きだった。それも、あらかじめ夫のデータを送って、宅急便で届く「夫」を湯船でふやかしてから出現させてた。 夏子DとEが恋人になっちゃうのは意外だったな。 SFあんまり好きじゃないけど、こういった類のダーク系SF?は大好物です。 村田さんてブラックミラーに話提供できそう。 ありえないけど、将来起こってそう、、って少し思ってしまう物語。 他のよくわからなかった系は、どなたかの感想を読んで理解することにします。

    0
    投稿日: 2025.09.28
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    信仰かぁ、信仰と人との付き合い方のどう見られるかなということを、人は如何に気にしているかということをこの作家さんの話を読むと思う。あと結構星新一さん的な文も多かった様なかんじ。グロテスクのお姉さんがモンスターになるの、何か前に読んだホントにてたなぁ。人にランクを付けて行く話。病気にかかったらランクが下がるっていう話。

    0
    投稿日: 2025.09.27
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    miletのサイトで読んだ本として紹介されていた。 信仰は面白いのと、自分も自分が正しいと思って押し付けているかも。と不安になりながら読んだ

    0
    投稿日: 2025.09.27
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    極端な描写でテーマを明確にした短編集。信じることの危うさ、何が普通で、何が当たり前なのか ワクワク5 展開5 読後8 再読6 構成5 学び5 文表現6 人物6 深み7 余韻8 合計:61/100

    0
    投稿日: 2025.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ご自身のお話と物語と。これを読んだ時は『コンビニ人間』を読んでからまだ2作品目だったのに、既に村田沙耶香の作品からしか摂取できない強い刺激があって、それがクセになりそうだった。『信仰』の「夜空が蕁麻疹になったように見えて気持ち悪かった。」という一瞬のことにすら簡単にくらってしまう。私は満点の星空に対して「わー!綺麗!」以外のことを思ったことがない。それ以外にも、「自分はそうとしか思ったことがないし、みんなそんなもんでしょ」と無意識に決めつけていることがたくさんあるんだと知る。広く見えた許容範囲が、近づいて見るとすごく窮屈で怖い。えっ!今って鼻の穴もホワイトニングするんだ…!ロンババロンティック?恵比寿の食器屋とかにあるようなやつかな…とか、半ば焦りながら普通に検索しちゃったし。

    1
    投稿日: 2025.09.24
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    表題作「信仰」とても好きでした。 現実へ勧誘するカルト、って角度は面白すぎる。 著者の過去作で出てきた、「正しく洗脳されたら幸せ」という言葉がまた思い浮かんだ。 あと、「気持ちよさという罪」での一節。 ーーー 「個性」とは、「大人たちにとって気持ちがいい、想像がつく範囲の、ちょうどいい、素敵な特徴を見せてください!」という意味の言葉 ーーー というのがすごくしっくりきた。 その他は世界観が超独特で、ついていくのに一生懸命になるのが多かったけど、このわけわからなさを求めていたりする。

    5
    投稿日: 2025.09.24
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    宗教小説というより「現代における信じる行為の寓話」と言える。 信仰は救いではなく、共同体への適応のための道具であり、同時に人を縛る規範でもある。 ブラックユーモアと冷徹な観察眼によって、「信仰」が現代人の生存戦略の一形態として描かれていた。

    5
    投稿日: 2025.09.24
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    短編ですが、どれも一瞬にしてその世界に惹き込まれ、私の中で在る世界として確立します。 好きな作品を挙げようと思えば全てになってしまうくらい、8篇それぞれが魅力的です。

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ぎゃーーーーーーー!!!となるくらい好きだった 信仰、信仰なのである、私の生活は、今日は、昨日は、全部信仰でできている。でも信仰なんていらない人間になりたかった。だけど『現実』だってカルトらしいからどうしようもない。加減が分からない。ではどうしたら、どうしたら!ジュウマンエンカエセ!!!!!

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    宗教、性愛、食、労働、ニンゲン‥「普通の感覚」で「自明のこと」として捉えている価値観が鮮やかすぎる切り口で切り開かれて展開され、よって立つ地面が液状化していく。この人はどこまで行ってしまうのか、不安になりつつも、『いかり』では自らに突き刺したナイフが背中まで突き通り、「普通に生きる人々」へ切っ先が向けられると、そこには人間としての譲れない核が見えてくる。狂っているのはどちらなのか。

    9
    投稿日: 2025.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作の《信仰》が一番好き 主人公の立場にたち、幻想にお金を払う周りが異常に思えていたところから、主人公についていけなくなり、現実もカルトだと私も気付かされた。

    0
    投稿日: 2025.09.20
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    表題の信仰は“信仰できる側”の狂気と“信仰できない側”の狂気が表裏一体で描かれていて視点は“できない側” 友人たちと作り上げた教祖はその狭間を生きる友人という関係性の中、超現実主義者の私は何を求めるのか。 他の短編でも“信じること”への問いかけというか生きる上での切実な問題として書かれているのかなぁと思ったり。 夢と希望と現実の狭間で人は何を“信じる”んだろう。

    2
    投稿日: 2025.09.20
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    いくつかの随筆を含む村田沙耶香さんの短篇集。  原価ばかり気にしてカルトやインチキ商売にはまれない自分を〈改善〉しようとする表題作「信仰」。  生涯年収から人生の〈生存率〉が最も重要視されるようになった未来、「生存」。  同性の同居人たちと妊娠もシェアしようとする女性が野人と化した姉に逢いに行く「土脉潤起(どみゃくうるおいおこる)」。 家電量販店で購入した自分のクローンたちとの生活を描く「書かなかった小説」。  遠い未来、ゲージュを守るロボットとヒュポーポロラヒュンを求める宇宙人の邂逅、「最後の展覧会」  地球に対して〈害獣〉となった人類の末路、「無害ないきもの」 理解したくてもしきれない突飛な話が多い中、村田さんの随筆が合間に書かれていることにホッとします。 人間としてまともな、普通の方なんだと… でもこの気味悪さに惹かれてしまうのも事実であって… 作品を理解するためにも、もっと村田さんの作品を読んでみたいと思いました。

    23
    投稿日: 2025.09.18
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    この人の作品はやはり長編で読みたいなと思った。長さがバラバラの短編小説だが、すべて設定や世界観は異質で、その世界における思考があるため、若干食傷気味である。時折挟まる、書かれなかった日記が印象的だ。希死念慮と鬱と戦っていたのは村田先生本人なのか、それともフィクションなのか。実体験のように書かれたその作品からは村田先生の創作における不安定さやこれまでの題材の不可思議さの根底を見た気がした。

    11
    投稿日: 2025.09.15
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    『残雪』とか芸術作品だなと思ったり、『信仰』や『生存』『カルチャーショック』はかなり好きだなと思ったり、『最後の展覧会』と『無害ないきもの』には特別惹かれるものがあったりと、どの話も何かしら心に残る短編集 ポップな表題作から、この上なくアンポップな後半へのグラデーションが人間という感じがしてよい。そしてなんかどれもわかってしまうから、現代を生きる人が感じてることを拾い上げてるのではないかと思う。まぁ、あんまり一般的な感覚ではなく、私と著者の形が似ているだけという可能性も微妙にありますが。 他の何かを犠牲にするほど真摯になってるからこそ、ここまで刺さる物が書けるんだろうなと思うと、やはり人間はままならないものだと思いますね。 そして、そういった真摯さが見えた作品に感想を書くのは非常に難しい。何をどう頑張っても感想の解像度は落ちてしまうのだから無理に言語化せずに、もやもやしたまま置いておくのがいいのではという気がしたりもします。

    1
    投稿日: 2025.09.15
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    帯の軽々しいセリフ「なぁ、俺と、新しくカルト始めない?」が気になり購入。 けど、そんなもんじゃなかった。 「コンビニ人間」もそうでしたが、どの短編もぶっとんでいる。 私達の日常と同じ舞台かなと読み進めていると、どんどん違う世界が露になっていく。 これは純文学であり、SFだ。 今年読んだ中で一番の傑作だった。

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    投稿日: 2025.09.14
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    シンガーソングライターのmiletさんがファンサイトのブックコーナーで、村田 沙耶香ビギナーにオススメの作品と紹介されていたので、手にした作品です❗️ 村田 沙耶香さんは、『コンビニ人間』以来2作目の作品。『コンビニ人間』を読んだ時は、余り感じなかったけれども、凄く言葉選びが繊細で、チクリチクリと針を刺すように心に訴え掛けてきた作品でした❗️ 11篇の話しは、分かるような分からないような不思議な感覚の内容で、面白いというのとはちょっと違う、ページ数の少ない割りに大きなインパクトのある作品です。 好きな話しは、『書かなかった小説』で、何だか星 新一さんのショートショートに似ているように感じました。また、小説全体の雰囲気が、少し今村 夏子さんにも似ているような気がします。 次回は、本命の『消滅世界』をチャレンジしたいと思います❗️

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    投稿日: 2025.09.10
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    『信仰』俺とカルト始めない? と持ち掛けられた主人公。もう一人の相棒は、以前、マルチまがいの浄水器を売りまくっていた女。カルト詐欺を笑う女友達はしかし、何十万円もするブランドのお皿を買うことにうっとりして、鼻の穴のホワイトニングにお金をかける。それも一種の洗脳ではないか。現実主義の主人公は友達に同調しながら、同じように価値を感じられず、内心首を傾げている。現実を信じる自分こそが間違っているのではないか、「目覚める」べきなのではないかと思い、新しく始めたカルトに、本気で洗脳されたいと願う。 「私、騙されたことあるからわかるの。高いほうが、信じてしまうの。高いお金を払った自分を否定したくないし、それに、背伸びして頑張ってお金を払った方が、これは特別な体験なんだって感じられて、新しい場所へいくことができるから」 他、生存率が指標となっている格差社会の話や、文化的な生活を捨てて野人になるお姉さんの話や、四体のクローンと生活する女の話や、人間が罪として自ら処分されに行く話など、村田ワールド全開のディストピア。クローンは、家事をさせる用、仕事をさせる用、妊娠出産させる用、何かあったときの予備用、の四体。やっぱり、妊娠出産を外注することが、洗練された近未来人なのだな。

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    投稿日: 2025.09.06
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    なんか村田沙耶香さんの話って、今存在する常識が全く違ったものだったら有り得そうな世界だなって思う 今生きてる世界も全く違った考え方の人からしたらカルトみたいなもんだよな‼️

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    投稿日: 2025.09.04
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    傷口のように剥き出された感性、そこからの想像力の飛躍が素晴らしい。読むのには痛みが伴う。`気持ちよさという罪’は一生涯忘れることは出来ないだろう。 表題作も最高でした。

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    投稿日: 2025.08.28
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    高級な宗教やマルチにハマる人を馬鹿にし、見下すのに、流行の値段があまりにも高い食器やグッズ、美容にお金をかける人間を表す描写が確信をついていて大好きでした。根っこの部分を見れば、やっていること、私たちもみんな同じじゃん!笑 【心に残った、衝撃だった文章】 私たちの学校はきちんと「勉強」をしている人がほとんどですが、中には自分が害獣である苦しみに負けて、違う世界を探してしまう人もいます。そういう人々は、全く違う「情報」をかき集めて、事実とは違った世界を構築する。 「大人は何かを隠している、私たちを思い通りの生き物にしようとしている」

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    投稿日: 2025.08.23
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    ・生存 ・カルチャーショック ・気持ちよさという罪 ・いかり 村田沙耶香の頭の中、考えを少しだけ覗かせて頂いた。親しみを込めて。

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    投稿日: 2025.08.21
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    信仰心があるから、宗教がある。 宗教は一つではないから、戦争がおきる。 信じる力と、信じているものを相手のために押しつけること、とても強い熱量が必要だからこそ、バランスが崩れると危うい。 家族関係、友人関係、自分と近い大事な人達だからこそ、気をつけないといけないと考えさせられた。

    0
    投稿日: 2025.08.20
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    普段何の違和感もなく受け入れている思想や流行も、紙一重で「信仰」という扱いになるのかもという不気味さを描いていて上手い。ザ村田節という感じ。

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    投稿日: 2025.08.19
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    あまりにも突飛な発想だけどたしかにと思わせる文章もあってドキッとさせられる。良い意味でぶっ飛んでいてすごい。

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    投稿日: 2025.08.15
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    世界を信じることの不安定さと愛おしさ。著者の現時点の集大成とも言える『世界99』の複数のモチーフに繋がるようなエッセンスを発見できた。生死や性といった切実な概念に直面した著者の声にならない言葉が小説やエッセイの底に詰まっている。

    1
    投稿日: 2025.08.12
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    全体的に不思議な世界観の話が多く、自作ショートアニメーションにありそうな内容だなという印象。 「信仰」は鼻の穴を白くする治療や、ろんばバティックなど、最初は「なんだそれ?」となるのに、いつの間にか「あるかもしれない」と錯覚に陥った。こういうことって現実にもあるよね〜ほうほう、教えてくれる系小説かと思ったら、最後はちゃんとカルト落ち。個人的によかったのは「騙す方ほど落ちてない」というセリフ。「騙された方が悪い理論」への反論にぴったりだと思った。不快だなぁと思ったセリフを主人公がちゃんと不快と言っていてスッキリする。優しい人に寄り添った作品だと感じた。 「生存」はフィクション色が強すぎて、読んでいても右から左へ流れてしまい、内容や意図がよく分からなかった。 「土脉潤起」は「普通じゃない」ことをあえて出して、逆に普通とは何かを考えさせるような作品。普通じゃない生活を具体例で描いている感じ。 「彼らの惑星へ帰っていくこと」は、小説の中で「これはエッセイ」と書かれているのが面白かった。 「カルチャーショック」は、自分の常識の押し付けってことなのかな?うーん、よく分からない。 「気持ちよさという罪」は芸人さんの話なのかな?テレビで見たら面白いけど、現実にいたら関わりたくないって人っていますよね〜という感じ。それまでぶっ飛んだ不思議な世界観だったのに、急に「個性という言葉嫌いだ」的な安易な社会派小説になってしまい、ちょっと残念。 「書かなかった小説」は、自分の分身がいたら便利そうだけど、それぞれ意思を持っていたら普通に怖い。世にも奇妙な物語的な面白い話だった。 「最後の展覧会」は、人類が滅びた世界でロボットが生きる話。宇宙の広さを感じられる宇宙ロマンスで好き。 「無害な生き物」はまた難しい話。アンドロイドのようなゾンビのような生物で、お肉が大好き。生物の進化論的な話で、より良く改良されたものが生き残り、改良前は消えていく。 「残雪」は、この短編集で一番幻想的で素敵な話だと思った。少し不思議な第三者視点からの恋愛話がとても好き。 「いかり」は最近の戦争と愛の話。 最後の「書かなかった小説」で、この短編集の総括のような印象を受けた。一見つながりのない短編が、最後に全てゆるく繋がった気がして、読後感が心地よかった。

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    投稿日: 2025.08.12
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    何を信じて、何を信じないのか。様々な形の信仰がそこにはあった。村田沙耶香のエッセイも収録されていて、この人が抱える「生きづらさ」や葛藤、考えることがこの「世界」を作っているのだと思った。 考えて、考えて、考え続けて、それを文章にして吐き出す。それは暴飲暴食のようで、一見身にならないのかもしれない。過食嘔吐のようであるとも思う。 この感想も、村田沙耶香にひどく影響されていて面白い。 どの話も、主人公は村田沙耶香の「ある側面」を投影しているのだろうな。 「最後の展覧会」が、ユートピアを想起させて好き。地球の末路は「ゲージュ」の展覧会が開かれる場所。こうであってほしいと思う。

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    投稿日: 2025.08.11
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    SFというか、ショートショートというか、静かな筆致で人間の行く末が描かれている。変えられるようなことでもないと思いながら、ちょっと生き方を直視させられているような深い気付きのある一冊。

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    投稿日: 2025.08.10
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    わたしには、とてもじゃないけど息継ぎなしには読めなかった。 世界の脆さ、「異」ということ、そう感じること、常識、情報… そういう色々なことについて、思考がどんどん流れるから、結局言葉にするのが難しい。咀嚼には、まだまだ時間がかかるし、かけたい。 反対に、エッセイの言葉は、ありのままのように受け取った。物語を受け取るのを助けてくれるような感じ。

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    投稿日: 2025.08.09
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    村田沙耶香さんの描く物語は好きだけど、自分のことをテーマに書いた文章は、ちょっとネガティブすぎて苦手な印象をうけた。 でも、この本を読んでから言葉を使ってこんなに複雑でぶっ飛んだ世界観が作れるんだな、と表現の自由さを知れた。読みやすい文章なんてわざわざ作る必要ないんだなと思えて良かった。 私がこの中で好きな世界観TOP3 ①無害な生き物 ②最後の展覧会 ③土脉潤起(どみやくうるおいおこる)

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    投稿日: 2025.08.02
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    表題作はとても好き。他の作品も、予想外の内容というか、こんな組み合わせがあるのかという驚きがあって、自由でいいな、と思った。 小説だと思って買ったので、随筆が混じっているのは期待と違った。でも、それはそれで大切に読ませてもらった。こんなふうに感想を書かれるのが嫌そうな内容の随筆だったな、と思う。

    0
    投稿日: 2025.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私が生まれたままの性格でこの世に存在していても嫌がられない場所、私が上手に人間を演じなくても愛情を感じられる場所、そんな場所は、この世に唯一、その不思議な惑星しかなかった。 という文章がお気に入りー 内容は、信仰が1番面白かったかなーエッセイも時折挟んであった。村田沙耶香を知りたければこの本を読めばOK

    1
    投稿日: 2025.07.31
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    「「信仰」はいつもの「イキスギキャラクター」の作風だが、その他はエッセイや、断片的な、短編とショートショートの合間くらい。 また、今までは中編小説に昇華されていた、希死念慮やイマジナリーフレンドについて、直接的な言及があるのも、エッセイ的作品ゆえか。

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    投稿日: 2025.07.29
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    友人にすすめられて読んだが、わたしはもう村田沙耶香の作品を、独立したそれぞれの作品ではなく「村田沙耶香が書いたもの」として認識しているということに気がついた。2025(40)

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    投稿日: 2025.07.28
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    初めて村田沙耶香さんの作品を読みました。 短編小説、中編小説、エッセイが収録されており、かなり豪華な一冊です。 小説は面白く、どこか星新一さんを思い出す作品もあり読み応え抜群でした。 他の作品も読んでみたいな。

    0
    投稿日: 2025.07.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界観がすごすぎて読み飛ばしてしまう箇所があった。理解しようとも頭に入ってこないことがある。 内容というか世界観が、名詞を変えただけで、他の小説の役割と似たような話があった。

    1
    投稿日: 2025.07.23
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    本当に短い短編集。村田沙耶香さんはコンビニ人間しか読んだことがなかったので、こんないろんな雰囲気のお話を書く方なのかと驚いた。海外で翻訳されている作品がこんなにあることも知らなかった。好きな作品もそうでもないものもあったけど、全編通してとにかく不安になるお話が多い。 小説とエッセイが混ざっていて読んでいて不思議な気持ちになった。

    0
    投稿日: 2025.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    単行本を読んだときよりもずっと面白く読んだ、最近村田沙耶香の本ばかり読んでいるからだと思う。 読み終わったのは少し前だけど参議院選挙の期間に信仰のことを思い出した。 人がカルトや陰謀論にハマるのって何でだろ〜って思いながら自分が信じているものも他人からみたらカルトなのかもな〜とかなんか難しいけど色々考えた 村田さんって今の社会がこうなることをずっと前からわかってたような話を書いててすごい どこを見てるんだろう? 相変わらず生存率がかなり好きだった

    2
    投稿日: 2025.07.21
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    コンビニ人間で引き込まれるように読めた、フィクションであろうか価値観があまりにも共感できたので最新作をと思い読んだ。 これを読んだ後に知ったのは村田沙耶香さんのあの本はフィクションではなくノンフィクションらしいということ、村田さん本人の考え方が普段人と話さないような、ある意味タブーではないかと避けてしまうような領域まで食い込んでいてそれが私にとってある意味救いのような感じだった。 ただ、エッセイ集だったのが残念かも。

    0
    投稿日: 2025.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    村田さんの本はおもしろい。 モノによっては??となるのもあったけど一気に読んでしまった。 最後の編はうつ病疾患の人に読んだらいいのでは?と思います。

    0
    投稿日: 2025.07.19
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    完全に村田ワールド炸裂。 特に表題作の「信仰」が分かりやすくて面白かった。 ただ、世界観が凄すぎて読みづらい話もあり、感想の言語化が難しい。

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    投稿日: 2025.07.19
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    世界観が凄すぎる。 とんでも無い角度でぶっ飛んでいる設定なのに、気持ち悪さとかはなくて、沼のように引き込まれて、どの作品も魅力で、凄いと思える物語になっている。 読んでよかった。村田沙耶香を好きになった。

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    投稿日: 2025.07.17
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    もはや安定の村田沙耶香さん。短篇は難しいだろうにあっという間に引き込まれる。エンタテインメントとしても良い。

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    投稿日: 2025.07.16
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    短編とエッセイが混ざっているという形式の作品集ははじめて読んだかも。現代を生きる作者自身の内面と、SFチックな設定の作品が地続きになっていて不思議な気分になる。 一見善意に基づいているようにみえる世間の「ふつう」が、時にカルト的・暴力的になり誰かの首をしめているんだろうな。 大人になって「ふつう」側に立つ楽さを知ってしまい、ずいぶん図々しくなってしまったけれど、こんな風に無自覚の暴力性と向き合い続けることのできる人間でいたいなと思った。 一瞬で引き込まれる表題作はもちろんだけど、『最後の展覧会』が特に好き。おとぎ話のように美しくて切なくてすこし皮肉な感じが。

    9
    投稿日: 2025.07.15
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    単行本は読んでいたけど、書き下ろしがあるとのことで図書館で借りました。 一篇だけかな?と思っていたら、エッセイ含めて4つも文庫版のみ収録の作品があり、読んでよかったー!!と思いました。 「残雪」がとても好きだった。静謐なスイスが美しい。行ってみたいけど現時点無理なのでスイス映画を観たくなる。 エッセイ「いかり」は村田さんの混乱が伝わってくる文章。自分も色々と考える。 ディストピアっぽい雰囲気が漂う短編集。 全作品、短いけれど満足感が高くて、何より村田沙耶香のエッセンスを存分に味わえる1冊な気がします(偉そうに言えるほど著作を読んでいる訳ではない)。 村田沙耶香を読んでみたい、という人に勧める際はコンビニ人間かこれかの二択だなあ…と楽しく想像しました。周りに本好きはいないのだけど。悲しい。 村田沙耶香の描く近未来的小説は、私にとって希望であることが多い。別にこうなってほしいと願うことはないが、読んでいる間は浸れるんだよね。

    0
    投稿日: 2025.07.15
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    表題作の「信仰」がわかりやすく、自分の好きなことや考え、行動も他人からしたら狂信的な宗教の勧誘、押しつけになってるのかもしれないということを気づかせてくれた。 あと、著者の作品ではキャッチーで繰り返し口ずさみたくなる言葉が登場するが、本書では「ロンババロンティックの皿」と「ヒュポーポロラヒュンの概念」が何かのたびに思い返されつぶやいてしまいそう。

    1
    投稿日: 2025.07.14
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    気持ちよさという罪、が1番好き 村田さんのエッセイを読むのは初めて 村田さんの物語の主人公たちは異質であることに自覚的で開き直っているというか、現実との接点に関してはそこまで思い悩んでいない感じがしていたから、彼女自身もそうかと思っていたが、村田さん自身は開き直ってあっけらかんというよりは、自分の感情や言葉に対してどこまでも誠実で、誤解されたり、良い感じのものという包装に包まれてしまったり、ズレたラベルを貼られてそれに自分すらも騙されたりするくらいなら、語られない方がまだまし、という風にとことん真摯に外的世界および内的感情に向き合っていると感じた 最後のエッセイ「いかり」の内容がかなり印象的。あたかも意志があるふうに声をあげているが、その説明をしないと、本当はもう言葉にすることを許容できる範囲内で言葉にできるものなんて全部吐き尽くしており、吐き尽くした後に残る胆汁の苦々しさしかないのに、その苦味の存在すら無かったことにされてしまう 言葉をあげないと聞いてもらえない、だが言葉にするとそこだけが目につく。だから言葉にするものなんてもうないけど言葉を使っている、という説明をしないとスライムのように唾液に包まれた胆汁の存在は人の目にもつかない 言語化にまつわる苦悩に共鳴するところが多々あった どうせ正しさなどわからないのだったら人を責めるより自分を裁くタイプであるというのも同感 自分を責めるというのは他責の対局なようでいて、ただ行き場のない感情の行きどころを探す方法が異なるだけでしかないのだと思う 信仰: ブランド物やエステなど原価と値段のギャップが激しいものとマルチや宗教の違いはなんなのか 両者とも原価に見合わないものを要求してそこを埋め合わせするかのように買い手に満足感や高揚感をもたらすのは同じとして、売り手が何を語るかとどれだけの人が洗脳されているかでインチキ度合いが変わってくる気がする ブランドものは、あなたの病気を治します、あなたの生活を幸福にします、などという効能をはっきりと明示して伝えることはしない(生活を豊かにします、ぐらいのやんわりとした効能は表に出すが、信仰者の膨大な数とその宗教としての絶大な立ち位置ゆえに、原価と値段のギャップを正当化するような言い訳の必要すらない。売り手側が主張せずとも、購買側は、選ばれたものである、といった高揚感が得られる)。一方でその辺のカルトやマルチは新興のものが多く、自らをアピールする必要があるため、何かしらの効能(もっともらしく聞こえる具体性を帯びたもの)を語る必要があり、その過剰な語りがインチキっぽさを増してしまう。多くを語らず当たり前のように高価な値札を身につけ堂々としていると、あとは信仰者の存在がなんとかしてくれる、こういうシステムな気がする。そのためには最初一定数の信者を得るために難渋するかもしれないが、一回地位を得て仕舞えば、あとは、まつりたててくれる人の存在と堂々とした立ち居振る舞いさえあればカルトぽさを帯びることなく存在していくのでは。そう考えると最初に膨大なサクラさえいれば、十分な気すらしてくる。 原価についても地動説同様そういう知識(ただのプラスチックだからいくらくらいなど)があるだけで、自分で確認(体験的に検証)できるわけではない。つまり、市場において原価という絶対的なものがベースにあるというのは疑いようもない事実に思えるが、それは自ら確認することができない、まだ刷新される必要がないからその正当性を保証されたままでいる世界像のようなものでしかないかもしれなくて。そう考えると日常的な市場はすべて信仰でできているような感覚になる。その中で原価にしがみついてしまう主人公も信仰者の1人だという気はしてくる。「10万円返せ!」と「これで前世を償える!」は同レベルのことに過ぎないのかもしれない。 生存: 生存率を上げてどこに辿り着くのか? いつかこうなりたいという期待と願望により栄養を補給しながら生き続けている私たちは、いつかと思い続けているうちは、そのいつかにはたどり着けないのに、何を目的に生きているのだろう、いつかに支配されている、と思っていた(数年前の方がその傾向強かったけど)ので、生存率も「いつか」に似たようなものかもしれないと思いながら読んだ 「いつか」は、どうせ辿り着けないという諦観が混じると純粋な信仰になれないし、未知のものに対する想像力(正体不明なものにたいして過剰に想像力を働かせて恐怖を自己肥大させるのの反対)が膨大すぎても現実が到達しそうなところとのギャップで悲愴なものになりうる(前提として救済が存在しない信仰)、絶妙な塩梅に保つのは難しいが、その意義も根拠も深くは追わないことで感覚でバランス調整をして生きてる 生来伴っている生存tips 彼らの惑星へ帰っていくこと: 私自身宇宙船にのったり宇宙人に出会ったりしているわけではないが、自分を異質に感じて慰めを得られる内的世界に没入することが、現実逃避(直されるべきこと)と捉えられたら、という恐怖は馴染み深い しかるべき時に社会と接続する努力を最低限できているのなら放っておいてほしい(そして実際面と向かって責められてもいない) だが、誰に責められているわけでもないのに(この主人公とはこの点で違うかもしれないが)この精神世界への没入および世間との距離の取り方は、私の異質性に問題があるのではなく、みんなが努力して乗り越えたり成熟して敢えて蓋をしている部分に過剰にこだわる私の精神的幼さが原因なだけではないかという呵責にも苛まれる ただその不安を放棄して現実世界との接点をお出掛けぐらいのラフな感じで捉えられたら、新鮮な世界としてもっと味わい深いものになるのではないかというポジティブな感情で締めくくられるようなラストだった カルチャーショック: 均一な方が好き。全てが均一なら独自性とかアイデンティティとか本質とか存在しないかもしれないものを見つけようとしたり身につけようとしたりする必要性な迫られることもないから。 気持ちよさという罪 「当時の私は、「個性」とは、「大人たちにとって気持ちがいい、想像がつく範囲の、ちょうどいい、素敵な特徴を見せてください!」という意味の言葉なのだな、と思った。」 「「(大人が喜ぶ、きちんと上手に『人間』ができる人のプラスアルファとしての、ちょうどいい)個性」という言葉のなんだか恐ろしい、薄気味の悪い印象」 多様性や個性なんていう言葉の調子の良さ 本当は理解や解釈可能な範囲内でのズレ、つまり本物の外れ値ではなく中庸の範囲内の端点を期待しているだけなのに、あらゆるものを許容しているかのような寛容さを出してきて、その態度に自らも騙されているようなご都合主義には不快感がある。 実際に存在している定義と、言葉の使用者の態度とのずれを認識した上で、その使用のもたらす気持ちよさも含めて多様性という言葉の意味するところなんだと広義で受け入れるしかないと思う 「私はとても愚かなので、そういう、なんとなく良さそうで気持ちがいいものに、すぐに呑み込まれてしまう。だから、「自分にとって気持ちがいい多様性」が怖い。「自分にとって気持ちが悪い多様性」が何なのか、ちゃんと自分の中で克明に言語化されて辿り着くまで、その言葉を使って快楽に浸るのが怖い。」 この村田さんの発言がとにかく好き 言葉に対するこだわりが強いことで劣等感をおぼえることが多いが、執拗なまでのこだわりが誠実さを帯びている彼女の発言に安心させられる 世界に存在する言葉の数が少なすぎる。言葉を増やすか、その言葉が使われている背景や細かい事情含めて再定義するか、なんとかして欲しい。 「どうか、もっと私がついていけないくらい、私があまりの気持ち悪さに吐き気を催すくらい、世界の多様化が進んでいきますように。」この言葉からは、断片的なものの社会学の中にあった、異性の服装をした自身の写真をブログの中に何の説明もなく混ぜ込んでいるブロガーの話を思い出した ラベルをつける、名前をつけるという行為すら存在しないくらい全てが等価に混じり合った世界が来るようにと祈りながら、許容範囲内での異端を個性という名で慈しみ、快感を得るような言葉の使い方を自身も自然としてしまう。人間のそういう性質を毛嫌いしつつ、自分にその性質が深く根付いていることもわかっているので、アホな自分に失望しながらあほでいるしかないと思っている

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    投稿日: 2025.07.13
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    読みにくさはあるものの、コンビニ人間で見せた時代による生きにくさは今回のSF的な未来世界でも描かれていた。 例えディストピアになろうとも大切なものは変わらないのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    もともと好きな村田沙耶香だけれど、この本を読んで、すごく信用できる人だ、と思った。 そして、そんなこととは関係なくどの作品も面白い。「書かなかった小説」の書かれていない部分が気になる!「生存」の夏だけになった世界は実際にやってきそうで恐怖を感じた。

    0
    投稿日: 2025.07.12
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    本当にブレない村田ワールド。 11篇からなる短編集で1作が短い。 どれから読んでも大丈夫。 個人的に好きなのは「無害ないきもの」かな。

    1
    投稿日: 2025.07.12
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    小説とエッセイが混ざっているので最初読んだ時頭がこんがらがった 村田さんの感性は子供の頃から人と少しだけ違っていたんだなあ そしてこんな面白い小説が書けるんだからさ素晴らしい個性だと思う

    2
    投稿日: 2025.07.11
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    最初の「信仰」面白かった。 このストーリーが続くと思ったら短編小説集とは、、、 村田沙耶香ワールドがどの話にも広がってるけど、もっと一つ一つの話をディープに読みたかった。

    1
    投稿日: 2025.07.11
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    既存の当たり前と思われる価値観に疑問を投げつけるような短編が多く、村田沙耶香節も効いていて良かった。 やはりタイトルにもなっている「カルトを本気で始めてみる」話が楽しくて、これは長編で観たかった。俺もカルト始めるか。

    0
    投稿日: 2025.07.09
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    SFチックな話がいくつか収録されていたが、著者のいつものスパイスが効きつつ、寂しげな読後感が今までにない感じでよかった。 普通に小説の短編集かと思ったら随筆が挟まっていて困惑した。 この本に限った話ではないが、この著者の小説を読んでいると、いったん自分の常識をないものとして読む癖がついてくるので、ほかの小説を読むときに引っ掛かりを覚えたりする......。

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    投稿日: 2025.07.05
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    11の短篇+エッセイ。 「一仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」 世界99を読み終わった後にすぐ読んだので、世界99のカケラがたくさんある!と余韻を楽しめた感じでした。あの世界の何年か先みたいだなぁとか、空想が広がりました。 また村田沙耶香さんのエッセイを初めて読みました。ああ私もクレイジー沙耶香って表現使ってたなぁとドキッとします。ラベルってたくさんの人に手にとってもらう為に必要だなと思うし、枠にはまりたがる平凡なにんげんからすると、クレイジーってかっこよくて、羨ましい!ってことなんです。 「小説の中にはナイフが置いてある。 このエッセイの中でも、可能な限り刃先を自分に向けていたいと思う。それがいいことかはわからない。ただ、そうしたいからそうしている。そもそも私には普段からそういう思考の癖があり、「相手を責めていたほうが気持ちが楽な人と、自分を責めていたほうが気持ちが楽な人がいる。村田さんは後者なんですね」と言われてはっとしたこともある。なので自分の卑さの現れでもあるのかもしれない」 「悪が勝つのは、ひとえに善人がなにもしないから。この言葉のことをずっと考えている。」

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    投稿日: 2025.07.04
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    不思議な気分。非現実的な話のはずなのに、自分が目を伏せてきたような部分にグサっと刺してくるような感じ。カルトっぽい話好きだし読もーって買ったけど、ある意味カルトの上をいくようなそんな話が詰まってた。

    0
    投稿日: 2025.07.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    鼻の穴のホワイトニング、意味不明で最高 p.54 大爆笑できる、村田沙耶香最高、村田沙耶香がひとつの宗教だよ 最後のふたつ、『いかり』と『書かなかった日記』は読むのやめた。やっぱりエッセイって苦手。 『いかり』を途中まで読んで、はいはい沙耶香は特別特別よかったね〜って思っちゃった。 実際特別なんだけどね。 でもなんか、わたしって他の人とは違ってこんなに感性が鋭いんです、この感情がないんです、欠陥あるです〜〜〜って自己申告されると冷めるんだよね。 その欠陥に気付いてない、無意識に欠陥なのがいいんじゃんって思っちゃった。 "友達"からクレイジー沙耶香って呼ばれてるのがいいんじゃん。自分から自己申告しないでよ〜… まあこれはわたしが物語小説だけ読んで、エッセイとかインタビューとか村田沙耶香という人間性を一切見なければ済む話だからこれからも気をつけよう。

    2
    投稿日: 2025.07.04
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    ことばの扱い方が、とても丁寧だ。 変だね、と言われることもあって、その度にいちいち傷ついてみせた時期もあったけれど、今になって思えば私だってみんなを変だね、と思っていたし、声に出してもいた。

    0
    投稿日: 2025.07.03
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    いい意味で不安を煽られ、非現実的なのに現実を突きつけられたような感覚になった。 何かを盲目的に信じているとき、人は″信じている″という感覚すら持たない。それはすでに自分の中の“当たり前”になっていて、迷いもなく自分の血肉のようになっているからだと思う。 たとえば、ふと電車の中で周囲を見渡すとみんながスマホを操作している。 ときどき、その光景にゾッとすることがある。自分もその一部なのに、普段は何も感じない。 けれど、そのゾッとした瞬間、集団から一歩引いて俯瞰で見ている自分がいて、まるで金縛りから解放されたような感覚になる。 そうして初めて、自分が言語化できない“何か”に縛られながら生きていることに気づく。 この作品で描かれる世界線は、まさにその延長にあるのではないかと思った。こわすぎる……。

    31
    投稿日: 2025.07.03
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    短編集 まず表題作があって、カルトをはじめるという切り口にひきこまれて、現実に固執する態度こそがむしろカルト的であり、いわば現実信仰なのではないかという物語がすごく面白くて、カオスな終わり方もけっこう好みだなと感じた。 ただ、この段階では、この著者のことをよく分からないなかで読んでいたので、なんとなく人を食ったような作品だと誤解していた感じがする。 ほかのエッセイ風の作品と並べてみていくと、真面目すぎるほどに真面目に現実を生きている人にありそうな、とてつもない息苦しさに満ちている感じがした。 その感覚がとても心地よく、久し振りの小説を読むという行為が、すごくスムーズにいってなんだか気持ちがよかった。

    6
    投稿日: 2025.06.30
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    「生存」 こんな世界、ないし生き方もアリなのかなと思った瞬間に、一気に不穏になる こちらの妄想の都合のよさ、浅い共感や安堵、何も容赦してくれない。 こういう文学がいい。 理想郷なんて実現不能で、というかシステムは出来上がったとしてもそれは常にまた別の種類の気持ち悪さを生むだけ。

    0
    投稿日: 2025.06.30
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     将来の生存率が学問成果のみで判定するのがスタンダードな社会。何と偏った考え方だろうと思うのはそうじゃない世の中を知っているからだろう。村田さんが描く奇抜な標準ルールの社会を幾つか堪能させて頂いた。パソコンの画面でスクロールするのに指でスワイプしたり、自宅の住所を知らなかったり、電子メールの送り方を知らなかったり、当たり前が変化した光景は普通にあること。ランキングにより生活環境が決まり、低いランクになると野生化するとは、中流階級だと日々降級の危機に追い詰められる。ある意味緊張感を覚えながらの生活なのかもしれない。  家電量販店で買える自分のコピー。ロボットか?と思いきや水で戻す素材とは、これまた推定を裏切られた。ポイント還元とか5体セットでもう一体おまけがついてくるとかそんなサービスも期待しまう。5人もいるとそれぞれの性格が変化して五等分の〇〇を思い出してしまった。短い話なのにドラマがある。  他にも異文化空間のひとときを過ごさせていただきました。また村田さんが作る空間を彷徨ってみようと思います。

    26
    投稿日: 2025.06.24
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    表題作はシャーリィ・ジャクスン賞ノミネートらしいですね。 自分の中にある著者のイメージが、今村夏子氏とおんなじカテゴリだけどよりペシミスティックであるな…みたいな感じだったのですが、収録されたエッセイを読んでなんとなく腑に落ちました。 読んでる途中で震えるようなショックに襲われることがあるのだけど、それが持続しないでフッと消えてしまうような不思議な読後感。 「最後の展覧会」と「無害な生き物」が特に映画的で良かったです。

    8
    投稿日: 2025.06.23
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    空の端っこが少しだけ明るくなりかけていて 平均化と個性 言語は、閉ざさないことと往復運動が大切だと思う

    0
    投稿日: 2025.06.22
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    村田沙耶香で今の所一番好きかも。 信仰、生存、カルチャーショック、夏子の話 が好き。 「ほとんどの人が多かれ少なかれ何かに騙されながら生きてる」ミキほど原価とか価値について考えてない人間は騙されてる側の人間やな、わたしも。

    8
    投稿日: 2025.06.21
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    ページ数は少ないのに、一つ一つのカロリーが高くて読むのに時間がかかった。 エッセイも収録されていて、筆者の生み出す世界がどのような思考から発生したのか垣間見えた気がする。 ただ、エッセイになった途端、文章が読みづらく感じてしまったのは何でだろう。 クローンの話に関しては、自分が何人も目の前にいたら気持ち悪いだろうけど便利そうでいいな。

    0
    投稿日: 2025.06.20
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    ふと浮かんだのは、ショートショート。 現実離れしているようで、リアリティのない話でもない。 表題作の信仰、信じさせてという感情は大きく共感できる。信じることはとても幸せなことだと思う。 最近宗教や信仰に興味を持っているけれど、頭がごちゃごちゃしてきた。 そこには人がいるということと、宗教や生まれた文化圏の違い以上に人と人として関わることを大事にしたいということ。もう少し、学びが必要そう。

    0
    投稿日: 2025.06.18
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    短編なので軽く、さくさく読みたかったのですが、どれもけっこう考えさせられるし、まあまあ重いです。 でも発想がすごいなぁ、村田沙耶香さん絵を描いたらどんな感じかな、すごい絵を描くのかなぁなんて思いながら読みました。 ☆は3.8くらいです。

    34
    投稿日: 2025.06.18