
総合評価
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powered by ブクログ◆明治の幻妖怪奇小説◆ ―バチルスに冒されし岡山の墜落少女団あり 。 時は明治、舞台は岡山。夫に日本刀で斬りつけられ、片目を失った霊能力者タミエ。彼女の元に訪れる様々な依頼人。その中に、女学校出の廂髪の由子という女性がいた。由子曰く、彼女には利子という友人がいるという。二人は繰り返し同じ夢を見る。少女の夢から、互いの心の内が次第に明らかになってゆく。由子が語るもう一人の少女の正体とは 。
0投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ岩井志麻子さんのTVでのぶっ飛んだイメージとは全く違う、じっとりと汗が臭うような、余韻のあるお話たち。 主人公タミエの霊力がめちゃくちゃ強いわけではなく、弱さを孕んでいる設定も物語を面白くしている要素だと思う。 頼みの美貌を失い、食うに困って始めた霊媒師の仕事が結果的に彼女を自立させていく展開も好感がもてる。 結構前に執筆された本だけどシリーズ化してほしいなー!
5投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログジワジワ〜っと背筋が寒くなる読後感が味わえます。写真屋のお話が好きかな。ろくでもないお客さんばかりで、見た目の描写から人物像を想像して楽しいです。
2投稿日: 2023.07.29
powered by ブクログ明治末の岡山で、片目を斬られて霊媒師になったタミエの元に様々な人たちが不思議な相談事をしにくる。なんとも言えず艶めかしく、不気味で哀しく、どこか懐かしいお話の数々。やはり岩井志麻子面白い。少女小説出身というだけあって、謎なくらい読みやすく、ちょっと内に籠って夢想に耽るような独特な味わいもある。これはホラー小説というよりは、抒情奇譚という趣だった。 舶来品をありがたがる明治期のあれこれもレトロで良かった。ドリップしたコーヒーを一升瓶に詰めて「珈琲液」として売り始めたって本当か。少し多すぎやしないか。日持ちするくらいだからものすごい濃いだろうにブラックで飲んで、苦い苦いと言いながらハイカラの味として有り難がってるのが非常にそれっぽくてホッコリした。 それにしても、関西地方のシャーマンを取材したアンヌ・ブッシィ『神と人のはざに生きる:近代都市の女性巫者』や、笙野頼子作品(三重県出身のシャーマンめいた小説家)にも通じる伝統文化の香りがするのは、岡山という地域がなせる技なのだろうか。どこがどうと具体的には言い難いのだが。もちろん文体やテーマの話ではない。
1投稿日: 2023.07.19
powered by ブクログ読んでいて、怖いくらい鮮明に情景が浮かび上がってきて、その場に居るような感覚になり、さらに恐ろしい。
8投稿日: 2023.07.02
