
総合評価
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- orange_poppy"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
一汁一菜、自分にはこのくらいシンプルな方が合う気がします。 メモ そこにあるもののすべてが美しく調和し、とても居心地が良く感じます。そのとき私は民藝の意味もまだ知らなかったのですが、河井寛次郎の作品とともに展示されていた、寛次郎の言葉に出会うのです。 「仕事が仕事をしています・・・・・・苦しい事は仕事にまかせさあさ等はたのしみましょう(仕事のうた)」「物買って来る 自分買って来る」「美の正体ありとあらゆる物と事との中から見つけ出した喜」「美を追わない仕事 仕事の後から追ってくる美」「美しいものしか見えない眼」そうした言葉が私の胸には響きました。 美しいものを追いかけると逃げていく、淡々と仕事する後から美は追いかけてくる、それが仕事だというのです。一生懸命生活し、一生懸命仕事した場所が、これほど美しいとは。その美しさは、素朴で、無骨でしたがとても温かく微笑んでいる。物が呼吸し生きている。その一生懸命の結果の美しさにハッとしたのです。 ああ、自然と繋がる家庭料理は民藝なんだ。 それは私にとって大発見でした。普通の家庭料理がある暮らしがどれほど美しいものか、人間の原点を見たように思えました。家庭料理研究の先には、とても豊かな展望が描けているのではないか。
0投稿日: 2025.06.02 - 衣咲三月穂"powered by"
本作の前提となっている #一汁一菜でよいという提案 という本は 母として妻としての生き方を変えた一冊です (ちょっと大げさ? 料理を作るのはまあまあできる方 でも子どもを育て始めてからは 体がしんどい時間もない 食の内容についても学んだ (血糖値脂質うんぬん この本では日常の料理とは何かを 教えていただいた 「ご飯と具だくさんの味噌汁。それでいい。」 我が家ではケの日ハレの日で 食事が分けられています 小1年中の娘たちも理解している 体のためと心のためのご飯があるんだよ
0投稿日: 2025.03.18 - 前太ハハ"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
図書館のおみくじ企画で司書さんに選書していただいた本です。 料理好きの私にこの本を充ててくれるなんでびっくり!(去年は雪山登山をする私に雪の結晶の本でした!この企画大好き♪) 土井善晴先生のレシピでお料理を作ったことはあると思うけど、著書を読んだのははじめてです。 フランスの有名店でフレンチの修行をし、その後帰国して名店「味吉兆」で更に修行。 その後お父様(土井勝さん)の料理学校の経営を引き継ぎながら、レストランコンサル、TV出演などを経験し家庭料理の世界に入り食事というものを研究するようになり「一汁一菜」という提案に至るまでの、自伝的エッセイ本でした。 フレンチの修行をされていたとは驚きでした。 二世という恵まれた環境でしたが、それゆえの葛藤もあったでしょう。例えば「おふくろの味」というコトバは父である土井勝さんがはじめに使った言葉だそう。 そういうある意味国民的スターを父に持ちながら、同じ道を歩むプレッシャーは並大抵なことではなかったでしょう。 技術的なことはもちろん、感性の磨く努力も怠らず、しかしそれを楽しみながらやる姿に感銘を受けたし、料理以外にもマラソンに打ち込んだり(ウルトラマラソンに出場するほどの実力!)と多才だし、好奇心旺盛で人付き合いもよく、本当に万能な方。 文章もウマくて、本書も、基本あの穏やかな雰囲気なんだけど、時々ハッとさせられる強い言葉もあり、それは努力と経験に裏打ちされた哲学があるからだなーと思いました。 一汁一菜を提案するにあたり、家庭料理とは、懐石料理とは、を徹底して研究し、それをかみくだいで教えてもらったこともとてもよかったです。 懐石料理として素材を生かすとは、素材の持つ情緒を際立てることなんですって。 アク抜きを徹底して行うことで、味も栄養も失い、素材の持ち味も淡くなり、そこで損なわれた味を昆布や鰹節の旨味で補ったのが日本のだし文化です。 アク抜きをする理由は、日常の親しみから離れた、非日常の清らかな世界に入るため。それが、ハレの日に食べるプロの料理。 一方で家庭ではケの料理でよい。ハレの日のような面倒な料理を家庭に持ち込まず、みそ汁とご飯と香の物だけでよいのです。 料理を負担と思わず、日常では素材のおいしさに助けられながら、食べる人のことを思って料理できればよい。 作ってもらえなければ自分で作って自分を大切に思えばよいというメッセージは心に沁みました。 読んでよかった!!
1投稿日: 2025.02.27 - aya00226"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
毎日食べても飽きない持続可能な食事=日本では一汁一菜、汁飯香、フランスではパンにチーズに野菜スープ。 出汁はなくていい。食材から出るもの。 味付けはテーブルで。塩、故障、七味など。 フランスでmenuは、コース料理のこと、リーズナブルな定食。 味噌汁とご飯でいい。栄養学普及のために、一汁三菜とした。 一汁一菜を基本として、10種類ほどできれば健やかに自炊できる。 汁は、野菜、油揚げ、少しの肉。味噌汁にはなんでもいれていい。トマト、ピーマン、ソーセージなど。 和食にはメインディッシュはない。肉が良いか魚がいいか、は不要。 いいお味噌を使う=昔ながらの製法で醸されたもの。
1投稿日: 2025.02.27 - tomatosoda"powered by"
土井大がとても偉大な料理家であると言うのは知りませんでした。1一汁一菜の話は最後の最後に出てくるだけで、ほとんどは土井さんの修行時代から今に至るまでの話でした。フランスでの修行が、逆に日本料理の深みを持たせたのかもしれません。
0投稿日: 2025.02.09 - 茶葉"powered by"
おもしろかった。仕事への向き合い方から、地に足をつけて生活することについてまで。ごはんを味わうことだけでなく、目の前の現実をどう捉え、咀嚼し、自分のものにしていけるかということが軽快な語り口で綴られている。背筋が伸びて、心が軽くなって、お腹が空いてくる。生きてることを実感できる1冊。
0投稿日: 2024.10.07 - ゆーすきー"powered by"
土井さんがご自身の半生を振り返りつつ、なぜ「一汁一菜でよい」と提案するに至ったのかを記述されている。 私は食べることに目がなく、外で美味しいご飯を食べることを楽しみに生きている人間である。 そんな人間こそ、この土井先生のおっしゃる提案には耳を傾けるべきだと思う。 そうすれば、より良い食生活を堪能することができると思う。
4投稿日: 2024.09.02 - figo2011"powered by"
日々の家庭料理は、もっとシンプルでよいよねって考えと、そういたるまでの著者の体験談が書いてある本。 結構、共感するポイントがあった。昔の大阪のお話もおもしろい。 ここにのっていた野菜スープの作り方をやってみたが、うーんイマイチでした。 料理について、大阪弁で語ってくれる良書。
0投稿日: 2024.05.26 - psushi"powered by"
【動機】タイトルに興味をひかれて 改めて「食事をすること」とはなんなのか、を見つめ直していたときだったので、料理への心構えのようなことも思い浮かべつつ、 フランスや大阪で修行をした話を含めて、いまの著者の考え方を形づくっていっただろう経験・出来事をおもしろく拝読しました。
0投稿日: 2024.04.19 - 斜陽"powered by"
ホカホカのご飯と具沢山の味噌汁、彩りある食卓は「一汁一菜」で十分と著者は言う。「一汁一菜でよいと至るまで」に歩んできた、料理研究における第一人者の軌跡。
0投稿日: 2024.02.14 - asw"powered by"
先日読んで素晴らしかった「一汁一菜で良いという提案」の後に書かれた、そこに至るまでの料理家・土井善晴さんの経験や哲学をつづった本。本書も同様に良かった。 有名な料理家の土井勝さんの息子で、子どものころから料理を志すのが当然と考えて育った。フランス料理を学ぶためにスイスやフランスへ修行に行き、帰国し日本料理の道に進む。そこでは繊細な調和のとれた美しさや旬より早い食材が良いとされた。 テレビの料理番組に出演し、父の料理学校の後を継ぎ、町おこしレストランのコンセプトづくりやレシピ書き、調理指導など、さまざまな仕事をして感性を磨いてきた。その中で気づいたことが印象的である。例えば、 「食事とは、自分で判断し、他社との関係を健全に維持することで、人品をはかられ自身の生きていく力を育てる場になる。つまり、食事は、そもそも自立していなければ実現できないのです。」「調理場や道具をきれいに手入れしておけば、不思議なことに、仕事に追い込まれたときに道具が味方してくれ、自分(の仕事)を守ってくれていると感じるのです」などである。 一汁一菜とは、家庭料理の簡潔なかたちであり、そこが原点でもあるいっぽうで、一汁一菜さえ整えれば何とかなるという著者の考えである。本当にそうだと思うし、家で誰かが作ってくれる料理には、その人の愛情が詰まっているのだ。それを食べることの幸せをかみしめていきたい。
0投稿日: 2024.02.09 - watashino-honndana"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
興味深く読んだ。料理家の家に生まれた人で父は「土井勝」 子供の頃からこの道に進みと決めていたようだ。 父のことから始まり家庭環境、そして料理を通して出会った人々の逸話と著者が体験した料理の道が書かれている。 とても真摯に料理に向き合っているのが文章から感じられまたフランス料理、そして日本料理の真髄(とまではいかないかもしれないけれど)とその意味とか、素人でもわかりやすく読み取ることがわかって色々と感じるものがある。 著者の真面目でひたむきな性格、家庭料理のあり方に行き着くまでのことが書かれているように感じた。 「一汁一菜」...納得ですね。 料理のハードルを下げて家庭料理のあり方みたいなものを 日本料理(懐石)とフレンチを紐解きながら書いた本... という感じかな〜と思う。 読み応えありました。
2投稿日: 2024.02.06 - kun92"powered by"
偉大な料理研究家を父に持ち、フランス料理、懐石料理を棍詰めて習得した果てに行き着いた、家庭料理。 それが土井先生の素晴らしさ。 料理は難しいが、難しく考える必要はない。 美味しく作ろうとする必要はない。 美味しくできる。 一汁一菜で十分であり、必要。 特に味噌汁は、何をやっても味噌が美味しくしてくれる。 なんつか。 肩肘張らずに、おいしさに身を委ねよう、という気になる。 ただ、雑誌のコラムのまとめなんで、一汁一菜が最後にちょっと出てくるだけなのが、少々残念。
0投稿日: 2023.11.30 - 愛ちゃん"powered by"
土井善晴先生の半生記のような作品。 プロの料理人として修行されたからこそ、 家庭料理に必要ないもの、必要なものを見いだされたのだな、と感じました。 ここではレシピなどはないですが、 改めて一汁一菜を基本として料理を作りたいと思います。 副菜が冷奴だけじゃ貧相かな、とか思っていましたが、一汁一菜に足し算しているのだから豪華じゃないか!と実践として気楽になりました。
5投稿日: 2023.07.26 - すじがね堂"powered by"
おいしいご飯は 人それぞれだから ニコニコして作ると絶対 失敗しない。なんか そんなこと 読み終わって 感じた。ズレた 感想かもしれないけど。
3投稿日: 2023.05.31 - izusaku"powered by"
本著者のYouTubeの動画と著書「一汁一菜でよいという提案」を経て図書館で借りた。本著は月刊誌のコラムを大幅に編集したとのこと。某新聞の「私の履歴書」のような連載をまとめなおしたようなものだろう。 動画でみる著者の料理はすごくシンプルでわかりやすいが、フランスや日本での修行や食品提供施設の開業・運営、大学での教授業を通じて得た経験の裏打ちがあってこそのものであることが理解できた。一流の演奏家が無駄な力を入れることなくしかも独自の解釈でのびのびと演奏する姿と重なる。 「一汁一菜でよいという提案」と本著はぜひセットで読みたい。
0投稿日: 2023.05.26 - かはたれ特急"powered by"
父と同じく料理研究家の道に進んだ筆者、フランス、味吉兆での料理修行から父の作った料理教室の手伝いを通じて家庭料理の大切さに気づくまでを回想する。 民藝と同様、家庭料理の重要性に気づくまでの過程、厳しい修行を経たからこそ回り道をして得た一汁一菜の思想。 筆者の人生に、父親の暖かい見守りの視点が感じられる。堅苦しいことを考えず料理も食べることも楽しみたくなる。
0投稿日: 2023.03.20 - sekitp"powered by"
提案が売れたから作った本なのね。自叙伝的な。父が有名な人で同じ料理の道をやりここまで来れるってすごいな。
0投稿日: 2023.02.26 - SGOTT"powered by"
前著一汁一菜でよいという提案を読み、著者の料理を通じ自立、人生観を引き出す文体に惹かれこちらも読んでみた。 スイス料理、フランス料理、日本料理といった料理の細かな描写に加え、そこから人としてのあり方、自然との関わり方、生き方まで広げられている。
0投稿日: 2023.02.20 - TS"powered by"
フランス料理と日本の懐石料理の違いなどから見えてくる文化の違いなど、興味深い内容であった。 家庭料理とお店の料理は別物と考えるようになった経緯も理解できた。
0投稿日: 2023.02.06 - さき"powered by"
話題になっていて目に留まり、料理するのは負担なので、一汁一菜でいいなら「料理しなきゃ」というプレッシャーから解放されるのではないかと期待して読んでみた。 有名料理人の息子として生まれた著者の、生い立ちやこれまでの仕事のことなどがかなりの部分を占めている。料理人ではない、一般の家族や自分のために料理(家庭料理)する人はそんなに頑張らなくていいという内容。 話題になっていた頃にニュースで目にした気がして、亡くなったのかと思っていたら存命で、何か勘違いしていたようだった。 著者の今までの人生の歩みが書かれている。料理店のプロデュースなどはとても興味を惹かれた。ほとんどいい思い出として書かれているが、相当辛いこともあったんだろうなと思う。境遇に恵まれたところもあるが、やはり何かを極めるのは簡単ではない。 料理はキリがない。お金と手間をかけた方がいいに決まっている。しかし忙しい現代、手頃で美味しいものもたくさん溢れていて、それに流されがちなのも事実である。じゃあせめてご飯を炊いて、味噌汁ぐらいは作ろうよ、というメッセージなのかなと思った。
0投稿日: 2023.01.26 - kumakuma4"powered by"
料理を通じて世界の事、地球の事、世の中の事、家族の事、自分の事を色々と考える事が出来る本です。味噌汁に色々な具をいれてみたいと思います。
0投稿日: 2023.01.07 - vinland"powered by"
現在の一汁一菜という考えに至るまでの道のりが数々のエピソードとともに描かれる 中でもロワイエット村のエピソードは秀逸 家電の普及によって主婦の労働時間が減少し、手の込んだ料理をよいものとするバブル期の考えから、共働き時代の中で簡素な家庭料理への回帰を反映しているのかと思った 最近自分でもよく実践しているが、慣れれば本当にこれでよいと感じられるし、むしろ素材の味がよく感じられて味覚が鋭くなっているとさえ感じられる また各国の料理の解説や名人のエピソードなども興味深く読め、外食に行きのも楽しみになる 家庭料理も外食も一段と深く味わうための最良のスパイスのような本であった
1投稿日: 2023.01.05 - a.k"powered by"
土井先生のこれまでのご活動が垣間見られて、その幅広さと行動力に驚きました。私は料理のことを「栄養補給のために食材を調理して食べること」だと思っていたけど、なぜその食材なのか・なぜその調理方法なのか、などひとつひとつに意味を見出していくととても深い世界なのですね。 料理するのは好きだけどめんどくさいので習慣にならない。そんな悩みを解決してくれる一汁一菜の考え方信者になりつつあります。
0投稿日: 2022.12.10 - coucou529"powered by"
土井先生の言葉が好きで、どんな人なのかを知りたくて読む。 と、土井先生って意外にも変化に富んだというか、進化というか成熟というのか、昔と違う人みたいになってるんだなと驚く。思い切りの良さと感性に感服。
1投稿日: 2022.12.05 - 近現代史と組織論"powered by"
料理研究家の著者の生い立ち、料理との向き合い、フランスでの料理修業、日本の「味吉兆」で学んだこと、家庭料理への向き合い方など、料理研究家土井善晴氏のエッセイ。 一言で料理と言っても、民族、生活環境などにより、食材も違えば、調理方法や盛り付け、食器、調理道具も違う。調理する側と食す側の両面から、多様な提案をされるのが、押しつけでなくスーッと心に入ってきます。 レストランや料亭で食べる料理と家庭料理は違う。時間に手間、食材など枚挙に暇がない。しかし、家庭では家族の要望や暗黙知があり肩肘張って、家庭料理は「~ねばならない」と暗黙の同僚圧力に押し潰されていないか。一汁一菜に「愛と栄養」を注ぎ込めば、出汁いらずでも食材からしっかり出汁が出ることに気づく。早速、化学調味料や過分な出汁で味を誤魔化してきた調理を反省し、楽しくおいしい料理を心がけよう。 閑話休題①家庭料理と料理屋 魯山人は「料理芝居」という随筆に、「家庭料理は料理というものにおける真実の人生であり、料理屋の料理は見せかけだけの芝居だということである」として、その違いを明らかにしています。 閑話休題②味噌汁 土井善晴氏は、味噌汁はもっと自由であって良いと提案される。唐揚げの味噌汁もあり。「料理教室の生徒から毎度『○○を入れてもいいんですか』と確認されます。味噌汁に入れたくないものはあっても、味噌汁に入れていけないものなんてありません。それが味噌汁の凄さです。著者も日々、味噌や味噌汁の万能には驚いています。」となんて自由な発想。 結婚するまで料理をすることのなかった私は、パートナーや子供たちの食事を作る必要に迫られて様々食材を使った味噌汁に挑戦したが、食材の組み合わせがイマイチの事も数多く経験し、結局いくつかのパターンに落ちつくことになった。大根と南関あげ、豆腐とわかめと南関あげ、じゃが芋と玉葱と南関あげ、などなど。必需品なのは「南関あげ」、これ一つで風味がよくなるので、我が家の必需品である。逆に、万能ネギを使わないのも我が家流なのだろう。パートナーは、専ら豚肉とほうれん草の味噌汁がお気に入り。また、私が味噌汁を作る場合が多く、中華スープや溶き卵スープなど、調理のバリエーションを変えてくれて、二人で分担することでレパートリーは2~3倍になったことだろう。 10数年前に、子供たちが小学校の授業で味噌汁を作ってきたと話していた。先生によると、「あげと長ネギの細切りが味噌汁の基本」と教えられたと言っていた。その刹那、ものすごい違和感を憶えたが、担任の先生の手前、批判もせず飲み込んだが、我が家では学校で教えられた基本と違う味噌汁が日々提供されていることで、子どもなりに感じたこともあったのではないだろうか。 閑話休題③米 「国を挙げての国民の栄養向上政策の努力は実り、昭和50年(1975)年ごろには、ごはんを中心とした日本型食生活が完成したと喜ぶようになりました。しかし、その束の間、外食の楽しみを知ると、一気に肉食が進み、油脂(エネルギー)の取り過ぎに偏り、生活習慣病、さらにメタボが表れ、現代に至ります。」とまとめます。コロナ禍が追い打ちをかけるように宅配料理が跋扈(ばっこ)し、地域の食堂は衰退し、テイクアウトによるジャンクフードが軒並み業績を伸ばしているのを見るにつけ、コロナ禍で食生活を送ったZ世代の将来の健康状態や病気が気になるのは私だけだろうか。一方で、学校の休校で、唯一の栄養源であった給食が途絶えた子供たちもいて、体重減少の著しい子供たちが一定の割合でいることも気になる。貧困と格差が食事・栄養、教育に表れることを警鐘事例として捉えておくことが必要だろう。どこかの国の首相が「子ども食堂」に行ったことをさも自慢げに誇っていたが、「子ども食堂」が重要なのではなく、子供たちを生み・育てる親や保護者の所得増が必要だとは認識していないようだ。 もう一つ、佐藤洋一郎さんが中公新書で著した「米の日本史―稲作伝来、軍事物資から和食文化まで(2022年2月18日発売)」の中でも、やはり1970年代に入って日本人はやっとお腹いっぱいご飯(米)を食べることができたと指摘しており、日本人と米のかかわりを再認識できた。同時にロシアのウクライナ侵攻で、小麦が高騰し、パンや麺類が軒並み値上がりする中で、日本国民は生活防衛の観点から米への原点回帰が起きていることにも注意が必要なのだろう。かつて第1次世界大戦の帝国海軍は、兵隊に米中心の食事を提供したが、深刻な脚気・栄養障害に悩まされ、戦意・戦力が大いに低下した。あらためて米の炭水化物だけでは栄養素を賄えないことを認識したわけで、米への原点回帰が栄養の偏りより、脚気が再流行しないか心配しているのは、過剰反応であろうか?
0投稿日: 2022.11.03 - bmi26"powered by"
自伝ではない、と書いてありましたが、自伝でした。 フランス修行時代の話は、想像しにくくて難しかったんですが、日本に戻ってきてからの話も料理研究家になった後の話は面白かった。 旬のものを食べること、食べ物を料理することで、人と環境(地球)とつながるっていう考えは、料理をする人じゃないと言えないな、と思いました。 土井先生が、あのやわらかい口調で優しく語っているかのようでした。 「おかずのクッキング」の最終回で「料理をする人を大切にしてください」みたいなことを言っていたと思うんですが、その意味が何となく分かったような気がしました。 あと、料理とは違うんですが、サロマ湖100キロウルトラマラソン完走したっていうのが、すごいなぁ、と思いました。100キロの大会に出たことがあるっていうのは知っていましたが。
0投稿日: 2022.10.25 - takecchi"powered by"
一汁一菜でよいと至るまでの過程を綴っているので、たしかに小難しくはあったが、土井善晴さんご自身のお考えや思いを知ることができてよかった。
2投稿日: 2022.10.04 - YAJ"powered by"
「一汁一菜でよいと至るまで」が、まぁ長い長い(苦笑) 著者の少年期から現在(いま)に至るまでの ”私の履歴書”だったよ。 父土井勝がテレビ黎明期にスタートした『きょうの料理』。 昭和を通じて、家庭料理に如何に影響を与えて来たか、また家庭における女性の立場、役割が昭和、平成を経て、如何に変わり、家庭料理がどのような変遷をたどってきたかも辿る興味深い内容だった。 が、ご本人のフランスや、味吉兆での修業時代の話が延々と語られる中盤から後半、なかなか一汁一菜にたどり着かない。まぁ、そうか、「至るまで」だもんな。「まで」が長くて、後半、飽きた。 前著『一汁一菜でよいという提案』を読むべきだったか。 という点で、★の数は少なめ。 ただ、著者の為人、料理や食、あるいは人生の楽しみ方を知るには良いかと。2000年代、マラソンにハマっていたとは知らなかった。3h40がPBかな? そこそこちゃんと走ってた市民ランナーだったもよう。 それだけで、★ひとつプラスだな(笑)
1投稿日: 2022.09.08 - azu-azumy"powered by"
いつも行く本屋さんで少し前に文庫ランキング2位になっていたので手にしてみました。 土井善晴さんと言えば、私が思い浮かぶのは 土井勝さんの息子さんで『おかずのクッキング』に出演されていた方。 最近は『プレバト!』の審査員として。 新潮新書と言えば装丁はお馴染みのアレだけど。 そこに1枚目の写真のようなカバーが掛けられていて、出版社の”推し”具合がわかりますね(笑) この本は、土井善晴さんが料理人になる以前から、料理研究家になって活動し始め、 今に至るまでの経験と時々の想いが書かれています。 『一汁一菜でよいと至るまで』 タイトルから想像していた内容とはちょっと違った…
5投稿日: 2022.09.05 - emil"powered by"
土井先生の優しさが沁みる。料理に失敗なんて、ない。私の作る料理にも失敗なんてない。だから今日もごはんを作る。味噌汁には何を入れてもいい。背中を押してもらいました。ズッキーニ入れたら変かな?とか気にしません。入れました。おいしかった。コーンもいい。何を入れてもおいしい。お味噌汁すごい。 土井先生の修行時代のお話がおもしろかった。ドラ息子時代もいい。小布施での挑戦のところもよかった。そしてたくさん本を読んで、美術館や博物館にも行って、たくさん学んでこられたんだなあ。師匠がたくさんいて、皆さんを尊敬している。素敵だなあ。 おかずのクッキングや、きょうの料理の話もあってなんだか嬉しい。後藤アナのこともちらっと出てきて。また土井先生と後藤アナのコンビでやってほしいな。
1投稿日: 2022.08.02 - へ〜た"powered by"
「おかずのクッキング」などでお馴染の土井善晴の自伝。「自伝なんてものではない」とまえがきに書かれるが、これは自伝以外の何ものでもない。生まれからフランス修行時代、味吉兆での修行時代、おいしいもの研究所時代を経て、「家庭料理は民藝に通ず」「料理をするとは、自分で幸せになれること」「自然のうつろいに気が付けば、同じ味噌汁は二度と作れない」などの悟り(これはまさに悟りだ)に至るまでを著す。料理を通して語られる人生訓はどれも肩の力が抜けていて、魅力的。肩肘張っていては、一日三膳三百六十五日の食事は作れないのだから、自然とそうなるのであろう。
0投稿日: 2022.07.24 - 黒猫ぽち"powered by"
僕は料理をすることが嫌いではないけれど、この本を読んでいて改めて自分勝手流でいいから「一汁一菜」をしてみたいと思えました。 ご飯を炊いて、味噌汁を作る。 これだけでいい。これさえあればいい。 そんな家庭生活、食生活をしたいと思いました。
0投稿日: 2022.07.17 - kei tanahashi"powered by"
頭の中で土井先生の声が聞こえてきそうな語り口で綴られる一汁一菜までの軌跡。 フランス料理から日本料理、家庭料理になど多くの道を通じてきた中での一汁一菜なんだということに繋がった。土井先生の中でどんな「気づき」があったのかが知れる。
2投稿日: 2022.05.27 - yonosuke2022"powered by"
土井主義者だから買うわけが、これは前の2冊よりずっと内容がある。先生の料理修行と思索がけっこう詳しく描かれていておもしろい。自分で味噌汁つくってるみんな読みなさい。
0投稿日: 2022.05.19