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蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)
蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)
諸田玲子/新潮社
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総合評価

13件)
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    love-audible
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    お鳥見女房の第2弾。第1弾は作品や登場人物の紹介的な短編集だったが、第2弾からいよいよ主題に入ってきた。前回少しばかり顔を出してきた水野忠邦も存在感を増してきた。(あまり良い印象ではないが…鷹のように例えられている) 鳥見役というのは隠密の任もあるようで、珠代の夫は隠密仕事で1年近く音信不通になっている。そこへ家族やら居候やらが赴任先へ様子を見に行くのだが… 何しろ登場人物が多いが、2作目になるとそろそろ誰が誰だか分かってきた。 話として好きなのは、まあどれも良い話だったが、「緑の白菊」かな。君江(次女)の気持ちが可愛らしく、その成長が楽しい。 また、もう恋する気持ちを失っている私には、珠代が夫を待つ気持ちが新鮮で、懐かしい気もする。

    1
    投稿日: 2024.08.31
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    marico
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    今からでも、少しずつ、珠世さんのようになれたら。 学んだこと。 水野忠邦(浜松藩主)と水野忠成や水野忠義(沼津藩主)は、親戚でもなんでもなかったのだということ。 知らなかった。(;^_^A 水野と来たら、忠〇〇みたいな名づけの決まりがあるの?

    0
    投稿日: 2021.08.16
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    snowflake
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    「これで寂しくなくなるかしら?」 「箱のなかが真っ暗でも?」 「身動きができなくても?」 「ふうん」 「小母さま……」 「ううん……なんでもない」

    0
    投稿日: 2021.07.08
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    そよ子
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    シリーズ第二弾。 多津がすっかり母親に。 珠世さんも相変わらず良き母、良き妻で、その心の在り方には背筋が伸びるような気持ちになりました。 家業の御鳥見役となった長男·久太郎、次男であるがゆえに悩む久之助、格式高い旗本の家にお嫁に行った長女·幸江、少女から大人になりかけてきた次女の君江。 子どもたちそれぞれに悩みがあり、それぞれに心を寄せる珠世さんはやっぱり素敵な女性だな。

    0
    投稿日: 2021.03.12
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    あやごぜ
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    シリーズ第二弾。 夫と次男の無事を祈りながら、日々を過ごす珠世さん。 次女・君江の、恋の行方も気になるところです。 今回も色々展開がありましたが、心温まるラストに胸がいっぱいになりました。

    0
    投稿日: 2019.05.09
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    todo23
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    中年女性を主人公にした人情話+幕府隠密の夫の周りで起こる剣戟の2本立てで進む時代連作短編小説です。盛り沢山で上手い設定でしょうね。 徹底的に善人の珠世。心ならずも隠密として働く夫の伴之助。それを援ける次男・久之助と居候の源太夫という剣士。源太夫と許婚・多津の関係や、次女の恋、源太夫の子供達の腕白ぶり、色々と盛りだくさんですが、上手くまとまっています。 特に目立つ素晴らしさは無いのですが、安心して楽しく読める作品でした

    0
    投稿日: 2017.10.30
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    kazu
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    このレビューはネタバレを含みます。

    お鳥見女房シリーズ第二弾。密命を帯び、お鳥見役の主が消息を絶って一年余り。留守を預かる女房珠世に心休まる日はない。身近かに暮らす子供らの人知れぬ悩みを知って心くだき、その成長を見守り、隠居となった父の寂寥を慰め、組屋敷に転がり込んだ男女と幼子らの行く末を案じる……。人生の哀歓を江戸郊外の四季の移ろいとともに描く連作短編。珠世の情愛と機転に、心がじんわり熱くなる――お鳥見一家の清爽人情話・・・・・主人公珠世に心を癒してもらえる。

    0
    投稿日: 2013.01.27
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    はっさく
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    すべてが大団円の物語とはいかないのが人生。けれど、それでも温かい。珠世さんのえくぼに皆が救われている気がします。

    0
    投稿日: 2012.10.15
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    ミル姐
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    お鳥見女房シリーズの第二作。 一作目から続いている大きなストーリーが佳境に入り、はらはらと手に汗握る展開の二作目。それと同時に主人公珠世の周辺では、相変わらずのどかに、人々の悲しみや喜びが交錯する日々が続く。 読んでいて胸があたたかくなるのは、描かれる人々の姿だけではなく、作者の文体もまた気品がありながら親しみやすいあたたかさをたたえているからだ。 この二作目の終わりでその大きなストーリーはとりあえず一段落する。しかし、まだまだこのプロットは続いていくだろう。大きな政治の動きが珠世とその家族の平和な生活に落とす大きな黒い影。その中で、矢島家の人々と多津、源太夫、そしてその子どもたちは精一杯生きていく。見守りたいシリーズである。今のところ5巻まで出ているようなので、次の三冊も早く入手したい。

    1
    投稿日: 2012.05.30
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    sprewell8
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    このレビューはネタバレを含みます。

    珠世さんも相変わらず素敵なのだが、今回は次女の君江が良かった。想い人に誘われてウキウキ出かけた菊見である事件に巻き込まれてしまい、髪を振り乱して必死で人助けをしてる姿を彼に見られ落ち込む・・・。けど、珠世さんに「綺麗になりました」って言われて、「菊見より大事なものを体験させてもらった」と気付く・・・・。良い娘に育ったのだな、と目頭が熱くなってしまった。

    0
    投稿日: 2011.04.11
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    本読み人
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    主人公の珠世さんいい女房ですね。 笑うと笑窪ができる。ほのぼのとした中にもしっかりとした芯がある。よく気が利き、察することができる。 抜かりなく江戸情緒もきちんと書き込んでいるところも読んでいてうれしい。 「・・・男は戦わなければならない・・・」 と書かれているところにはドキッとしました。 女性の書く時代物は食べ物や風情が書き込まれていていいですね。また、女性の目から見る男の世界がどんなふうに描写されるか楽しみです。

    0
    投稿日: 2011.04.06
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    やん
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    娘として、妻として、母として色んな不安と戦いながらも 笑みを絶やさず、人との出会いを大切にする。 そんな珠世の人としてのありかたのようなものが とても心を癒してくれると同時に強さも示してくれます。 わくわくどきどきではないけれど、 こういうじんわり系もいい。

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    投稿日: 2007.10.13
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    長老みさわ
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    将軍家の「お鳥見役」矢島久之助の女房珠世を主人公にした「お鳥見女房」シリーズの2作目。1作目の話を大方忘れてしまっているので、少し多い登場人物の関係が頭に入るのに一寸時間がかかったけれど、あとは問題なし。8章からなる一話完結の「小さな物語」とお役目のため沼津に行ったまま消息を絶った夫久之助を巡る「大きな物語」それに主人公珠世の娘の恋という「中くらいの物語」がバランスよく構成された連作短編集。「小さな物語」たる江戸、お鳥見役組屋敷周辺の物語は「武家」ながらも市井物と呼んでもいいような日常の人情と機微の物語。8章を貫く「大きな物語」は「お鳥見役」に隠されたもう一つのお役目にまつわる話で物語が進むに従って緊迫感が増し、8章は手に汗握ろうかという展開。続刊は5巻まで出ているんだけれど、文庫を待つか、買ってしまうか・・・

    1
    投稿日: 2006.12.06