
総合評価
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- mari"powered by"
読み応えあり。 犯罪とは、犯罪者とは、刑事とは、検事とは、弁護士とは…といろいろ考えながら読んだ。 犯罪を犯してまで守りたいものは何だったのか、何が真実なのか… ひとつの事件と向き合いながらも複数の事件が絡みながら真実が見えてくる… 主人公である持月弁護士の正義感が強く弁護士としての理想に向かって突き進んでいる姿、相棒となる元刑事西弁護士の真実を追う姿がとても印象的。2人の関係性の変化も心に残った。ぜひシリーズ化して欲しい。
0投稿日: 2025.04.16 - まいまゆ"powered by"
読者に簡単に善悪を判断させない薬丸さんらしい作品でした。ただ、弁護側と検察側のやり取りで重複する箇所が出てくるのは仕方ないとはいえ、少し助長を感じました。また、西の警察官から弁護士にという設定は良かったのですが、検察官である父との関係が深掘りされていなかったので、モヤモヤが残りました。続編があるなら、またこのコンビの作品を読んでみたいです。
1投稿日: 2025.03.05 - yukinomoto"powered by"
大事な局面で誤った選択をしてしまった事で、周囲の人が傷つきどんどんこんがらがってしまった。涼香の一見相手を思っての行動が、ことごとく悪い方を選んでしまっている事に、読んでて不快感を感じてしまった。 真実をねじ曲げるのはやはり良くないんだろうな。たとえ真実が明るみになって傷つく人がいたとしても、それは真実として受け止めないといけない、辛いけど… 西弁護士に共感。 でも自分だったら、相手の気持ちに寄り添わなきゃと思ってしまう。
3投稿日: 2025.01.18 - reso100"powered by"
弁護士の持月凛子と西大輔が殺人の容疑で逮捕された警察官の垂水涼香を弁護する物語で504ページの分厚い本だったが、一気に読破できた.殺されたのはホスト・加納怜治で涼香の証言では彼の自宅でナイフで襲われ近くにあった酒の瓶で怜治の頭を殴った由.凛子と大輔が証拠集めに奔走する中で、大輔は涼香の証言に疑問を感じた.大輔は元警察官で学生時代に司法試験をパスした秀才で現在は弁護士.涼香は息子の響を亡くしており、それを悔いていた.怜治の前科を調べるうちにその捜査に涼香が加わっていたこと、その過程で涼香が有力な証拠を発見したことなど、大輔の琴線に触れる事象から調査を継続する中で新たな証拠を発見する.裁判の最終段階でその証拠を提出し、裁判所での弁護側、検察側の白熱した討論がハイライトだ.捜査する側の日向清一郎と大輔は元同僚であり、立場の違いを超えた人間関係が素晴らしいと感じた.無罪判決後の加納の母親の行動を大輔が冷静に判断し、凛子に宿題を出した終わり方は何ともかっこいい!
3投稿日: 2024.10.06 - まりこねこ"powered by"
読みごたえかあった!なんだかんだと西も面倒みがいい。引きこもりだった匠海が証言のために、一歩前進できたのが良かった。証人尋問前の西からの言葉と、検察官の桧室からの言葉にグッときた。新たな人生を歩んで欲しいと思った。
4投稿日: 2024.09.04 - ルカルド"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
読み始めた時期がドラマの「アンチヒーロー」と同時期であったので重なる部分もあると感じながら読んでいきました。 なぜ嘘をつくのか、誰のためなのか、終盤まで散りばめられたピースがどうはまるのか想像しながら読むことができました。
0投稿日: 2024.06.21 - no-chindayo"powered by"
前半の凛子、西のバックヤードの説明的な内容が長かった。 途中から涼香のウソが分かり、なぜ、何のためのウソなのかを探り始める。 が、なんとなくの理由は早いうちに分かってしまい、詳細を追っていく感じ。 弁護士という職業のジレンマをよく捉えた本。
0投稿日: 2024.04.01 - ハルめめ"powered by"
ホストを殺した女性刑事涼香。凛子と西が弁護にあたるが、涼香の証言に綻びが見えた。被告人の利益の追求のために弁護士はどこまで力を尽くせるのか。真実が小出しになっていくなか辿り着いていた真相はやるせないものだった。犯罪により新たな憎しみが生まれ、そして新たな犯罪を生んでいく罪の連鎖。刑事や弁護士としての矜持や信念と向き合っていく。面白くて読み応えがあった。
0投稿日: 2024.03.26 - ひらめちゃん"powered by"
読み応えがありました。 何が嘘で、殺人罪を受け入れてまで隠したいことは何なのか⁉️ 真実に辿り着けてよかった。
0投稿日: 2024.03.11 - miwaponta"powered by"
500P超。分厚い!笑 面白かった。涼香が真実を話していないことは明らかなのだが、何を隠したいため、何を守りたいためなのかが、なかなか分からず。1つ見えてきても、また1つ疑問が出て来る。興味深く読み進められた。 しかし、その読みごたえに反し、最後に真実が分かった時に、納得感が薄かったような気がする。 ただ、私自身は母親になったことがないので、母親の気持ちを察することができない部分があるのかもしれないが。。それを明かさないために、ここまで真実を隠していたのか?と。 とは言え、この長さの小説を中だるみすることもなく、読み切れたと言うことはすごいな、と。
0投稿日: 2024.02.19 - MikaT"powered by"
話が進むにつれて真実は何??って気になってページ数多かったけどすらすら読めちゃった! プロとしての信念に心打たれた。。
0投稿日: 2023.12.16 - 1213430番目の読書家"powered by"
非常に読み応えのある一冊(504ページ)。本も重いが中身も重い。読みごたえがあります。被告人の煮え切らない感じには結構苛立つし、弁護士って仕事は、忍耐強くないとできないお仕事だ…とつくづく思いました。裁判が始まってから、話に勢いがつき、面白さと好奇心が増しました。
0投稿日: 2023.12.09 - mayasmr"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
流石、この手の話が得意な薬丸さんですね。重めで話もゆっくり進みますが、重みと痛みを伴ってラストに至ります。
1投稿日: 2023.11.12 - まちか"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
やるせない気持ち……になる話だった。 加納がああなってしまったのは子供の頃の酷いいじめと母親も原因であることが分かったけど母親のくだりはちょっと弱かったかな。。 加納と母親との関係性をもう少し掘り下げて欲しかったかなと。。そこだけがちょっとモヤモヤ。。
0投稿日: 2023.10.11 - sonnenblume827"powered by"
ミステリーとしてのストーリーとは別に(といっても大いに関連ありだけど)、弁護士というものを考えさせられる一冊。 わたしも弁護士のことを「金次第」で悪人をも弁護する人々と位置付けているところがあり、昔 通り魔の被告人が無期懲役の判決を受けて控訴しようとした時に説得して納得させた弁護士の話を読んだ時くらいしか憧れの念を抱いたことがない。 この話の中で語られる弁護士の立場に納得するかはともかく、読んでみれば考えるきっかけになるかも。 500頁近くあるけど一気読み可能。
0投稿日: 2023.08.07 - masajichan"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
ある事情から刑事弁護に使命感を抱く持月凛子が当番弁護士に指名されたのは、埼玉県警の現役女性警察官・垂水涼香が起こしたホスト殺人事件。凛子は同じ事務所の西と弁護にあ たるが、加害者に虚偽の供述をされた挙げ句の果て、弁護士解任を通告されてしまう。一方、西は事件の真相に辿りつつあった。 そして最後に現れた究極の存在とは……。 涼香の二転三転に苛つく。弁護士に逆ギレしてどうしたいんだい? 西弁護士・・・結構良い
3投稿日: 2023.07.24 - ちー"powered by"
長かった…! が、後半、真相が徐々に分かってくるので、その過程は面白かった。 弁護士の仕事は大変だ、と思う一冊。 色々と逆恨みもされるし。 皆さんも書いているが、ドラマ化されたら良いと思う。
1投稿日: 2023.06.30 - ぴちくら"powered by"
事件の真相が次々と明かされて行く過程が面白い。裁判シーンも決して劇場型ではなく本来はこういうものなのかなぁと想像しながら読んだ。
0投稿日: 2023.06.03 - haji07-2023"powered by"
05月-12。4.0点。 女性刑事が、ホストの家で襲われそうになり殺害。弁護を担当する女性弁護士が主人公。元刑事の弁護士とコンビで担当する。殺意を否認する女性刑事、調査していくといろいろな事実が。。。 面白い。500ページ一気読み。この筆者の特徴、社会派が上手い。真相はそうきたかという感じ。
0投稿日: 2023.05.24 - vespa"powered by"
犯罪者の味方は弁護士だけ。 どんなに凶悪犯でも公平に裁判を受ける権利がある。 だが、自分が被害者なら恨んでしまうかもしれない。 向き合うキッカケになれば
0投稿日: 2023.05.24 - みーちゃん。"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
登場人物おお。本筋に直接関係ない人に名前付けない方がいいと思うんだけど。 あと、いつになったら文章が上手くなるんだろう、と思いつつ読んでしまう。 弁護士だった父がクライアントの被害者に逆恨みでころされるも、父の遺志を継いで犯罪者を守る刑事弁護人になった凛子。 同様に当時の恋人をころされた経験を持つ西も弁護士になった。 2人は加納事件の容疑者、垂水涼香の弁護人となるが、捜査内容と、犯行を否認する涼香の主張が食い違い困惑する。自分を信じないことを理由に涼香に弁護人を解任される西。かつて警察官だったコネを使って涼香と加納の過去の関わりを探る。 (なんかやたら事件が多い、未解決や冤罪なのか曖昧な事件が。この辺りはご都合主義を感じる。) 知り合いの子が行方不明になったことを手助けするため、涼香はネットで見ず知らずのベビーシッターに自分の子、響を預けた(おいおい)。その夜響が亡くなる。ベビーシッターが残した音楽プレーヤーを窃盗事件現場に捏造すると加納が逮捕された。その後ホストの客として加納に近づき、事件が起きる。 事件の真相が解けた後、まだまだページがあると思ったらここまでの話をもう一度裁判で聞かされるという。しつこいと思ったら、これ、雑誌連載だったから? 最後の感想は、涼香、性格めんどくさ!あの人に悪いから、あの人が苦しむから。それって個人の感想ですよね?自分の想いだけで真相を隠し嘘をつき続け、ちゃっかり無罪を示す証拠はちゃんと残しているっていう。全然共感できません。 [細川法律事務所] 持月凛子(弁護士) 西大輔(弁護士/元警察官) 細川正隆(弁護士) 松山由香里(事務員) 須之内彩(検察官) 小菅(傍聴マニア) 垂水涼香(33/警察官)/輝久(夫)/響(享年3歳) 飯山晴恵(涼香の母) [新所沢署] 日向清一郎(刑事)西と知り合い 小出(係長) 横川(刑事) 坪内(管理官) 堀田(刑事) 中山(捜査一課) [毛呂署] 森田(毛呂署長) 橋本(刑事課長/垂水の上司) 吉岡(刑事) 山口(強行犯第二係) 草間(小川北署) [検事] 菅原、桧室、須之内 坂上(事務官) 加納怜治(24/ホスト) 福田容子(23/ホストクラブの客) 尾崎吉彦(27/ホスト) 源一郎(凛子の祖父/元裁判官) 聡太郎(3歳上の兄/高崎で裁判官)/絢人(息子) 江本(キャッスル平井の住人) 浜田(アイランド所沢の住人) 葉山文乃、俊太郎(享年4歳) 林哲成(28/容疑者) 高嶋千里(当時42/増田の被害者の母、遺族) 増田智樹(凛子の父のクライアント) 小林(?) 内海茂雄、幸代(曙川事件の被害者) 曙川保(同犯人) 久本悦子(蛍亭)、美羽(孫) 大宅(加納が窃盗した時の弁護人) 牧田久美、拓海 荒木(清掃作業員)
0投稿日: 2023.05.04 - まこと"powered by"
久しぶりの図書館本です(嬉泣)。 500p超の単行本だったので座って読んでいたら腰痛気味になりました。 主人公の持月凛子30歳は刑事弁護人です。 事件の被疑者に付く弁護士です。 相棒となった西大輔37歳は以前は警察官でした。 凛子たちが弁護するのは垂水涼香33歳で殺人事件の容疑者です。職業は警察官でジャーナリストの夫がいて子どもの響を4歳で亡くしています。 死んだのはホストクラブに勤める元バンドマン、前科のある加納怜治。22歳の時窃盗で逮捕されています。 涼香は加納の自宅マンションで加納を酒瓶で殴って死亡させています。 涼香は加納の客であり性的暴行を加えられそうになりとっさにそこにあった酒瓶で殴り殺すつもりはないのに死んでしまったと供述しています。 西は、加納が窃盗で逮捕された警察署が以前に涼香が勤務していたのと同じ警察署だったことから以前から涼香が加納と知り合いだったのではと疑い涼香に尋ねますが涼香はホストクラブで初めて会ったのだと言い張ります。 涼香の言っていることは本当なのか…? 嘘だとしたらなぜ嘘をつくのか…? そして涼香は本当に加納に殺意はなかったのか…? 凛子は父もまた、刑事弁護人であり、弁護した事件の被害者に逆恨みされ殺されています。 事件がだんだんに解明され凛子と西には真実が見えてきます。 それは涼香にとって非常に不利なものでした。 でも最後まで凛子は涼香に殺意はなかったと信じて公判に挑みます。 刑事弁護人である凛子の優しさと、最後まで心を折る事なく、周囲の人々の為に真実を語った涼香、どちらも素敵でした。
85投稿日: 2023.03.18 - バス好きな読書虫"powered by"
現役の女性警官による、ホスト殺人。 初めての刑事弁護を担当する望月凛子と、元刑事の西の二人が加害者の弁護に挑む。 ブクログのレビューも真っ二つに分かれていたが、私はこの500ページが長かった。 特に序盤が長くて、読み終えるのに、かなり時間がかかった。 まず登場人物が多く、関係図が頭に浮かばない。 そして、コロコロ変わる被告人の供述。 警察官、しかも刑事なのに、何でこんなに弁護人に非協力的なんだろう、と違和感しかなかった。 物語が進むに連れ、いろいろな過去が明らかになっていくが、登場人物のほぼ全員に悲しい過去があり過ぎ。 重厚な作品を描きたい気持ちは分かるが、公判になり、裁判のシーンが多くなる終盤までは、本当に読み続けるのが辛かった。 最後の最後まで、真実を言わない被告人にはどんな事情があれ、違和感しかないし、全てが明らかになっても、感情移入が全然出来なくて、この作者さんの作品の中で一番つまらなかったかも。
8投稿日: 2023.02.25 - たるしん"powered by"
前半は展開が動かず退屈やったけど、後半から面白くなってきた。ただ、絶賛できるかと言われたらそうでもないかな。重厚な内容ではあったけど。 弁護士ってそんな綺麗事で動いてないよな。 真実を明らかにする為に動いてくれたり、被告に耳を傾けて反省を促せる弁護士がおれば、再犯はもっと減るんやと思うけど、そうでもないんやろうな。 商売としてやってるとしか思えない。 本を絶賛できないのは凛子に感情移入できなかったのが要因かな。 綺麗事ばかりで動いてて好きになれなかった。
1投稿日: 2023.02.22 - ズミ"powered by"
長い話しだったけれど読み入ってしまいました。 最後は感動しました。 映像化しても面白いなって その場合、凛子は西は誰がいいかな? 西弁護士は小手伸也さんかな
0投稿日: 2023.02.19 - sayuri"powered by"
圧巻。 長年抱いて来た弁護士という職業に対する疑問に対し明確な回答を得た思いだ。 女性警察官が起こしたホスト殺害事件。 弁護をする事になったのは弁護士の父を逆恨みにより殺された過去を持つ持月凛子。 被疑者の二転三転する供述に翻弄されながらも真実を追い求めていく凛子と共に事件の真相を追い続けた。 その時々で自分なら何を考えどう行動するか考えさせられる。 もし自分が被疑者の立場なら「罪を憎んで人を憎まず」とは到底思えない。 ましてその母親を慮る余裕などない。 憎しみの連鎖に息が詰まるが弁護士としての矜持を貫く者達に感服する。
1投稿日: 2023.02.18 - tantan"powered by"
考えさせられるテーマ。 そうだよね、誰かがやらなきゃ、なんだよね〜。 それにしてもね…難しいテーマではあるよね。 薬丸さんのリーダビリティをもってしても、読み進めるのがなかなか難しかったわ。
1投稿日: 2023.01.28 - eri77"powered by"
常々思っていたのだが、 何故弁護士は凶悪事件の犯人を擁護し弁護するのだろう。 その答えがこの小説にあったが それでも私には理解できなかった。 誰かがしなければいけない。それが自分なだけだ。 私は嫌だ。 絶対嫌だ! いろいろ想像しながら読み進めたが 予測できない展開に本当に引き寄せられ楽しい時間を送れた。 ありがとう。
3投稿日: 2023.01.25 - すー。"powered by"
法律は正しく使われないと、負の連鎖を生む。 正しく使われていても、立場によっては理不尽なものになる。 法律って誰のために何のためにあるんだろう。 筆者の作品は読みやすく、読者の誰もが登場人物の誰かに当てはまりそうな描写で上手いなーといつも思う。
4投稿日: 2023.01.15 - ポストイット"powered by"
出てくるエピソードが繋がるのだろうと思っていたけど、それがどう繋がっていくのかが予測できず。だからこそ最後まで興味を持って読めました。さすが薬丸さん。 被害者が加害者に、と言う負の連鎖。それを断ち切るにはどうしたら良いのだろう。全てが垂水のようにその先の被害者になるかもしれない人まで思いを馳せることはできない。そして被告人の話を聞いて寄り添い、罪を償わせ、更生に向かわせるであろう刑事弁護人って本当に難しい仕事なんだなとも思う。全員が凛子や西のような刑事弁護人だとは限らないけど。
1投稿日: 2023.01.11 - mame-shiba"powered by"
常々、残忍な犯罪者の弁護人とはどんな気持ちで行っているのか、何を持ってやりがいを感じているのか疑問に思っていた。 西さんは刑事の方が向いている。
3投稿日: 2022.12.04 - ルルみ"powered by"
同じ事を何度も繰り返してやりとりが進んでいくような感じがしました。被疑者の垂水涼香さんが真実を隠した理由は、我が子を失ったということよりも、結局は思いやり?もう少しパンチの効いた動機や真実を期待して読み読み続けましたが最後まで巡り合えなかったように、思います。
1投稿日: 2022.12.02 - ブーレ"powered by"
分かりやすいこともあるがボリュームの割には一気に読めた。警察官を弁護するという新しい発想。 その犯罪を犯したと思われる警察官のさまざまな背景に迫りながら正しく警察官を追い込み、最後には… とよく考えられたストーリ。
2投稿日: 2022.11.28 - neneyoko"powered by"
分厚い本だったけど、夢中で読む。 どんな真実が隠されているのか、それが知りたくて。 やはりリーガルミステリーは面白い。 ホストの加納に襲われ酒瓶で頭を殴って殺害した元警察官の垂水涼香、父親も人権派弁護士で犯人を弁護したことによってその被害者の母親から恨みを買い刺殺されるという過去をもつ弁護士の持月凛子、と警察官から弁護士に職を変えた 一風変わった男、西大輔と組んでこの涼香を弁護することになったんだけど、 この涼香の態度や言動が終始、曖昧で途中いらついたわ。 どんな真実が隠されているにかと思ったら、そういうことだったのね。 加納がコンビニの他にベビーシッターのバイトを不定期にしてるという段階でちょっと察しはついたわ。 でも、その母親をかばおうとしてあと友だち(同じ一人息子を失っている文乃)の証拠のミニカーも捏造とされて犯人が無罪になるのは嫌で。 だから、自分は殺人罪になっても構わないというのは、ちょっといくらなんでも…という気はしたけど。 でも、加納のやったことはほんとに許せない。 男のベビーシッターが実際、男児に猥褻行為をして逮捕されたというニュースが何年か前にあったっけ。 薬丸岳の小説、他のも読んでみたくなった。
2投稿日: 2022.11.23 - ひろろ"powered by"
長かった。 久しぶりに読んだ本がこれ。 でも、読み始めたらどんどん進む。 真実が徐々に明らかになる。 複雑な人間ドラマ。 読み応えあった。
1投稿日: 2022.11.20 - まなみ"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
最後,涼香の量刑の軽さにのけぞり,全て飛んでしまった。いろいろ練られてるし理念もあるのだろうけど,これはないわー,という感想。もうちょっと違うところで監修しようよ,と思う。ストーリーの構成上,どうしてもということだったのかなとも思うが。
1投稿日: 2022.11.15 - takep07"powered by"
大作でしたが、一気読みしてしまうほどのめり込めます。 事件の謎が解き明かされるミステリーの部分も楽しめましたが、刑事事件の弁護人としての主人公・望月凛子のを通じて見る関係者の人間ドラマとしても楽しめました。 弁護士の大変さもよくわかる物語だと思います。
4投稿日: 2022.10.18 - さいこんたん"powered by"
正義とは何か。真実とは何か。真実はあくまでも事象であり、その時代、文化、国、宗教などなどによって法的解釈は異なる。正義も普遍的なものなんてない。 刑事弁護にとっての最大のジレンマがテーマの本作、いろいろ考えさせられた。 扱う事案も殺人、身内、子ども、親子、いじめというセンシティブてんこ盛りだ。 展開は二転三転とスピード感があるが伏線も十分に回収している。やや雑な部分もあるが丁寧に描き過ぎるとあと50ページくらい増えてしまうので良しとしよう。 この法曹界サラブレッド2人のでこぼこコンビはシリーズ化してもいいかも。というより是非シリーズ化してもらいたい! 自分の身内が今年弁護士になった。 この間初めて刑事事件を担当したとも言っていた。 この本を読ませて感想を聞いてみたい。そっと本棚に置いておこうと思う。
1投稿日: 2022.10.16 - rotas"powered by"
薬丸岳の刑事弁護人を読みました。 結構長編です。 主人公は弁護士だった父親を殺された女性弁護士。 元警察官の弁護士の同僚と殺人の容疑の女性警察官の弁護にあたります。 真実が中々見えなく三分の二くらいから少しずつ真実が見えてきました。 なかなか面白かったです。
2投稿日: 2022.10.15 - ふう(ナオ)"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
現職の女性警察官が殺人容疑で逮捕された。 殺されたのはホストクラブのホストだった。 弁護を担当する凛子と、元刑事の大輔は 細かく聞き込み調べ上げていく。 そして、被害者のホストには前科があったことが判明した。 P315 〈真実を解き明かさなければ、その者にとって正しい判決は下されない〉 さすが薬丸岳さん。 よく調べ書き切った感がある。 だからこそ、逆恨みから人を殺めようとする者が多いことに 違和感を覚えてしまう。 ナイフを持つことさえ相当の覚悟がいると思うのだけれど。 それほど憎いということか。
1投稿日: 2022.10.12 - mone"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
ページ数は多いが、読み出してしまえばダレることなく一気に読めた。 勝手ながら被疑者や被告人を弁護する刑事弁護人には、嫌だという気持ちをどうしても持ってしまう。「誰かがやらなければならないから」という持月(父)弁護士の言葉は確かにそうなのだが、もし家族が弁護士だったら、被害者家族から憎まれる刑事弁護人はやって欲しくない。 父は正しかったと証明するため同じ道を進んだ持月凛子。 今回の事件では(西は巻き込まれたけど)あからさまには敵意を向けられなかったが、これからも難しい立場に居続けることになると思う。 西と2人で戦っていくことになるのだろうか。 構想17年の小説だが、また持月と西の戦いが読みたいです。
1投稿日: 2022.10.09 - たけやん"powered by"
犯罪を犯した被疑者を弁護する意義とは、という題材に真っ向から取り組んだ小説だ。警察官によるホスト殺人事件の焦点は正当防衛か、意図的な殺人か。担当するのはまだまだ経験の浅い女性弁護士、持月凛子と元刑事という型破りな弁護士、西大輔。全力で弁護する意欲のある凛子と大輔だが、被疑者は今ひとつ彼らに信頼を寄せず、供述はあやふや。優しさゆえに嘘ばかりついている被疑者にはっきり言ってイライラしたし真相を知ってもたいして納得してないが、読み応えはあって面白かった。弁護士の西さんが本当に格好いいので続編希望。
1投稿日: 2022.10.05 - kenta19800417"powered by"
刑事事件を担当する弁護士は、被害者から恨まれることもしばしば、刑事弁護人の役割とは何なのか考えさせられる作品。
1投稿日: 2022.09.24 - komizou"powered by"
長編映画を見終わった感じで、正直疲れました。決して内容が退屈というわけではありません。会話や発言の一つ一つが意味を持って奥深いです。
9投稿日: 2022.09.19 - 川柳蛙斎"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
薬丸岳先生の作品を読むのは本作で2作品目です つまり、本作を読む前に薬丸岳先生の作品を読んだのは1作品なのですが「薬丸岳」という作家さんの名前は強烈に自分の中に残っていました つまりそれだけ最初に読んだ作品が自分に強烈なインパクトを残したということですね 記憶力のない自分にとって珍しいことなのですが、その作品名は検索などせずとも記憶しています 「友罪」ですね 内容はちょっと怪しいんですけどw 本作は読む前から期待して読み始めました 自分は結構法廷系の作品が好きなんですよね実は 最初に事件が起きて、その真実を明らかにしていく的なパターンが好きなんですよね さて本作 素晴らしかったです いつかもう一度読みたい 殺人の容疑者として現役の女性刑事が逮捕 その女性刑事を弁護するのも女性弁護士 女性弁護士は経験は少ないが、父親も弁護士、その他の家族も法曹界に関係している法律系の一家 だが、父親はある事件を弁護したことで、その被害者の家族から恨まれて殺害されてしまっていた おそらく元々方向性として考えていたのだと思うが、その遺志を次ぐような形で弁護士になったのかな だが、経験も少なく一人で刑事裁判を担当するのは厳しいということで、コンビとして男性弁護士がつく こちらは弁護士事務所内で考えると女性弁護士の後輩なのだけど刑事裁判の経験があった そして、おそらく変わり種な経歴として元刑事である 非常に一本気な性格で、悪を誅するというよりも、事実は何なのかを明らかにしていきたいという感じ 悪だ正義だというのはその後の話という感じですかねおそらく なので、元々法曹界に行きたかったが、、、刑事になった理由は初回の読書では読み解けなかったです 刑事時代にある事件があって、それから弁護士に鞍替えしたみたいな 弁護人は被告人の女性刑事から話を聞いていくのだけれども、どこかでウソを言っていると思われ、どこにそのウソがあるのか?なんのためにそのウソをついているのか?を調査していき最後は真実を掴む よくある話としては自分の罪を軽くするためにウソをつくという話になるが、彼女のウソは自分を犠牲にしても他人を傷つけないためのウソだった 殺人を犯したのは事実だったが、それは正当防衛で無罪 事実を明らかにすることで、刑事としての倫理的犯罪を犯したことが明らかになったが、それは執行猶予付き有罪 ということで、女性刑事は自由になった 裁判終了後にもう一つ事件が起きて、素晴らしいラストシーンにつながっていく 現実の弁護士というのは、とんでもない犯罪を犯した人物にも責任能力なしとかで無罪を主張したりするので、個人的にはろくでもない人間という印象も持っている その「とんでもない犯罪」の裏に本作のような事実があるのかどうかは分からないけれども、そこに本作のような「ひたすら真実を追い求める気持ち」というものがあっていてほしいと思う それはもちろん弁護士側だけでなく、法曹界全体がそうであってほしい まぁそれこそ自分が事実現実が見えていないだけかもしれないですけど
1投稿日: 2022.09.18 - gakiqugakiqu"powered by"
刑事弁護人 薬丸岳さん。 大好きな薬丸岳さん。 こころして、楽しみに、読み始めました。 どっぷりハマってしまった。 罪を犯した者を弁護する。刑事弁護人 裁判について。 刑事弁護士について。 理解できて、ハラハラドキドキ。 罪と罰。 加害者。被害者。 その家族。身内。 被害者側から見たら、 加害者を弁護する、刑事弁護人は、敵。 真実とは何か。 物語なのに、現実にその場に居る錯覚。 引き込まれていった。 考えさせられた。 西大輔弁護士。 また、会いたいな。
3投稿日: 2022.09.13 - osome24"powered by"
504ページ、本を見た時に長いお話だと感じ読めるかな? と、ちょっと思いましたが薬丸岳さんの作品なので読み始めました。 女性弁護士持月凛子が刑事事件の弁護人になります。 事件は、女性刑事がホストを殺害したという事件。 注目を集める事件です。 同じ弁護士事務所の元刑事の西大輔と一緒に事件を調べる。 刑事弁護人は大変ですね。 被害者からの恨みもかいます。 読み進めるうちにのめり込み、長編だったけど読み終わりました。 この二人のコンビでの話をまた読みたいです。 やはり、女性が活躍するお話は好きです。
8投稿日: 2022.09.06 - mkg"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
最初は、持月凛子の、"弁護人は依頼者の話を100%信じ、刑を少なくする"のを正義として、頑なな性格にイライラさせられた。西と出会い、自分と違うやり方をする西を強く否定する。依頼人がどの部分真実を言い、どの部分嘘をついているか、見極めないとと言う西に対して、依頼人のことを100%信じないなんてどういうつもり?と反発する。そして案の定、依頼人の話と証拠が食い違ってきてパニくる。いやいや、、、と思いながら読み進める。 そこから、持月、西ともに身内を殺された過去があったり、被害に遭ってしまった人たちが一歩でも進む姿があり、 同時に事件のとき実際起きたことを丁寧に拾っていく。読むのがとまらなくなる。 最後の、母の弁護しようとしたところ、要らんな。
2投稿日: 2022.09.02 - robin1101"powered by"
Amazonの紹介より ある事情から刑事弁護に使命感を抱く持月凛子が当番弁護士に指名されたのは、埼玉県警の現役女性警察官・垂水涼香が起こしたホスト殺人事件。凛子は同じ事務所の西と弁護にあ たるが、加害者に虚偽の供述をされた挙げ句の果て、弁護士解任を通告されてしまう。一方、西は事件の真相に辿りつつあった。 そして最後に現れた究極の存在とは……。 約500ページというボリュームのある量で、なぜそんなに量が多いのか。 読み進めてみると、ある一つの事件の加害者と被害者の背景を詳細に語られているだけでなく、裁判に至るまでの過程とその時の加害者家族の心境などが詳しく書かれていて、全体的に骨太な人間ドラマになっていました。 最初は、被害者を誤って殺してしまったというシンプルな出来事だったはずが、次第にわかってくる加害者と被害者との関係、そして2人の背景に過去の事件と絡んでいたりと複雑な事件へと変貌していきます。 ミステリーとしての面白さだけでなく、それぞれの立場から「事件」と向きあっていく描写は、心の叫びや怒り、後悔など心理描写を中心に丁寧に描かれていて、様々な人間ドラマを垣間見ました。 この作品の主人公は、弁護士の凛子。同じ事務所の西と共に事件の弁護をすることになるのですが、二転三転する事件の真相、西の過去など小説として飽きさせない構成で面白かったです。 普通だったら、スルーしがちな裁判所との公判手続なども詳細に描かれています。その裏での加害者や加害者家族の心情も垣間見ることができました。 人間ドラマもそうですが、弁護士としての心情も大変だなと身につまされました。 何のために弁護士がいるのか?もちろん加害者を弁護するためですが、その背景では、多くの人達の怒りや悲しみなどを背負って行動していることに改めて弁護士としての重圧さを感じました。 事件の真相としては、あまりに切なく、その行為が決して許されるべきではないのですが、色んな感情が渦巻きながらも、最後は比較的良い読了感でした。 一人の人間として、事件や「罪」とどう向き合っていくのか。事件に関係なくとも、他人事ではないなと思いました。 いつ何が起こるかわからない日常。もし事件の関係者になった時、どんな感情が渦巻くのか。覚悟しなければいけないなと思いました。
2投稿日: 2022.08.18 - yoshi1004"powered by"
重厚で素晴らしかった。人間の心理を巧みに捉えていて「無罪でも無実ではない」の言葉が強く響いた。読み終えても考えさせられる作品だった。
2投稿日: 2022.08.13 - stella63"powered by"
長い映画を見終えたような達成感。 「現代版 罪と罰」と聞いて納得。 ミステリとしてももちろん楽しめるが、 とても重厚な人間ドラマ。 ニュースで殺人事件が報道される度、それが残虐であればある程、被告人の弁護士はどういう心境なのかと誰もが思うのではないか… 職業とは言え、と自分のバイアスでつい考えてしまう。 どうして事件が起きたのか、 殺意はあったのか、 命を奪った者に対する罰、贖罪とは… そして、過去を背負う主人公への問いとも言える、最後に待ち受けるもの。 最後は自分も法廷にいて、息を呑んで判決を見守っているような感覚だった。 正直に言えば、事件の真相は早い段階で予想がついてしまった。でも、それを抜きにしても、読みたいのに先を知るのが怖い、手に汗握る展開に脱帽。
4投稿日: 2022.08.10 - こひろ"powered by"
直木賞候補作。 殺人事件の容疑者を弁護した父親を被害者の母親に刺殺された主人公が父の遺志を継ぎ、弁護人のあり方に悩みながら刑事弁護士として成長していく。 女性刑事にかけられた殺人容疑。 元刑事の同僚弁護士と真相に迫る裏には、何組もの母子関係の悲劇が絡む入れ子構造が明らかとなる。 結末はすっきりするが、恋愛要素は好きずきだろうし、被告人を刺そうとした被害者の母親を弁護しようとするのは本書のテーマからすると当然の成り行きなのだが、取ってつけた感はある。
2投稿日: 2022.08.02 - よめ"powered by"
人は嘘をつき、人の心は見えない。被告人の話がどこまでが本当でどこまでが嘘なのか、、、。若き女性弁護士と元警察官だった男性弁護士がコンビを組み、被告人の弁護をすべく裁判に挑む。地道な作業と証拠集めが細部まで描かれており、500ページを超える大作でした。
2投稿日: 2022.08.01 - びー"powered by"
事件の真相も 刑事弁護人の意義に関しても どっちも中途半端な内容だったかなー。。 最後の加納の母親のシーンも臭いなーと感じた。 自分も罪を犯した人は 罰を受ける苦しみより 自分の罪の重さをちゃんと理解して 奪った相手の命の重さや、遺族の悲しみや恨みを真に受け止め その十字架を背負って生きていく苦しみを味わうべきだと思う。
2投稿日: 2022.07.25 - ao-neko"powered by"
女性警察官がホストを殺害した事件の弁護を引き受けることになった持月。一見単純に見えた事件だが、二転三転する被告人の供述に振り回されてしまう。被告人は何を隠そうとしているのか。そして犯罪者に苛烈な態度をとるにもかかわらず、弁護士という道をあえて選んだ西。弁護士はいったい何のために必要なのかということも考えさせられるリーガルミステリです。 殺人なのか正当防衛なのか。ポイントはそこだけといってしまえばそうなのだけれど、確かにこれは立証するのが難しそうです。あくまでも推測でしかないものを、いかにして強固に確定させるか、その一点に尽きるのですが。その過程で被害者と加害者それぞれの半生が深掘りされて「物語」があらわになってくるにつれ、読む側の心証も二転三転してきます。絶対的な真実を導き出して人を裁くことの難しさが身に沁みました。 被告人が最後まで隠し通そうとしていたことがまさかそんなことだったとは! なんかもう、誰にとってもやりきれなくて。これはたしかに公にすることをためらいますね。どのような事情があれ、弱い者を虐げる卑劣な犯行には同情などすることはできないのですが。それでもあの人にも被害者的な面もあったのだろうか、と思えば切ない気はします。
2投稿日: 2022.07.17 - 湖永"powered by"
長編だと感じさせないくらいに夢中になりのめり込んでしまった。 圧巻であった。 刑事事件ばかり扱う人権派弁護士として名の知れた父を被害者の母により刺殺された過去があるにも関わらずに同じ刑事弁護に使命感を抱く持月凛子。 一方、刑事の職を辞し弁護士になった西大輔。 同じ事務所の二人が、弁護を受けた案件は女性警察官・垂水涼香が起こしたホスト殺害事件。 この真相を個性ある二人が突き止める。 最後まで勢いが揺らぐことなく満足度100%。 弁護するということの難しさをひしひしと感じ、その重責は、半端ないものだと痛切に感じた。 信頼関係あってこそだが、言えないこと、言いたくないこと、それをどうやって超えていくのか。 誰かが聞いてあげるしかない。 それが自分だと。
32投稿日: 2022.07.11 - wake"powered by"
最後の最後まで人物も事件も丁寧に確りと描かれていて、読み応え満点の法廷サスペンス。通常このようなサスペンス・ミステリーはプロットがわかった時点で小説として完了しているものが殆どだが、事件のプロットがほぼ見えたあたりからの犯人の女性刑事と刑事弁護人との対峙の描き方が秀逸で 最後の一文まで気が抜けない緊迫感があった。人間の機微が非常によく描かれている傑作。
3投稿日: 2022.07.09 - たま"powered by"
伏線がいくつも張り巡らせられていて、その回収が気になりながら読み進め、気がつけば4時間読書をしていた。ちょっと不自然な状況も気になったが、これだけの時間集中して読んだのは、久しぶりだった。
5投稿日: 2022.07.03 - yoru"powered by"
❇︎ 刑事弁護人 読み応え充分の全504ページ。 人は嘘をつく、その嘘に隠された真実を 追い求める物語。 ーーーーーーー 人権派弁護士事務所に勤める持月澟子は、 ホストを殺害して逮捕された垂川涼香の 弁護を引き受けることになる。 でも、最初の接見に赴いた澟子が聞いた 涼香の供述は検察側の主張とは正反対だった。 重大な刑事事件の弁護に携わった経験のない 澟子の協力者として所長の細川が白羽の矢を 当てたのは同事務所の西弁護士だった。 独特の戦法で異端児の西と組むことになった 澟子は、西に反発しながら涼香を救う方法を 徐々に見つけ出していく。
9投稿日: 2022.06.24 - だまし売りNo"powered by"
現職警察官のホスト殺人事件の刑事弁護人を描くリーガルミステリである。埼玉県警の現職の女性警察官・垂水涼香がホストを鈍器で撲殺した容疑で逮捕された。持月凜子弁護士は同じ事務所の西大輔弁護士と共に弁護人になる。涼香は殺害の事実を認めたが、殺意を否認した。 この説明からは警察不祥事の事件に見える。警察不祥事と言えば神奈川県警が悪名高いが、埼玉県警も多い。埼玉県警の桶川ストーカー殺人事件は警察の体質批判の先鞭となった。近時の警察不祥事では警察官が職務を騙って犯罪を行う警察詐欺・警察犯罪が目に付く。これも埼玉県警が先鞭である。草加署巡査(22)は死体検案名目で遺族から現金82万円をだまし取った。川越署巡査(25)は遺族に遺体の防腐処置費用として現金50万円をだまし取ろうとした。 『刑事弁護人』の紹介文には「徹底的な取材の元に炙り出される、日本の司法制度の問題とは…」とある。日本の司法制度の問題は人質司法である。日本警察や検察の人質司法や自白強要は国際条約に違反する。日本政府には条約を批准しても守らず、公務員が都合よく解釈する傾向がある。カルロス・ゴーンさんも日本の司法制度が国際法や条約に違反していると批判した(林田力「カルロス・ゴーン氏レバノン出国と人質司法」ALIS 2019年12月31日)。 『刑事弁護人』でも接見禁止が安易に認められてしまう実態が描かれる。この点でも埼玉県警を舞台としたことは意義深い。埼玉県警所沢警察署は任意の取り調べを受けている男性との面会を妨害し、弁護士から接見妨害に対する国家賠償請求事件(令和元年(ワ)第1093号)を提起された。さいたま地裁は2021年11月12日、弁護権の侵害を認め、埼玉県に5万5000円の支払いを命じた(「任意聴取で「弁護権を侵害」 埼玉県に賠償命令 さいたま地裁」毎日新聞2022年11月13日)。 お気
1投稿日: 2022.06.12 - らいおん"powered by"
薬丸岳さんの本は気に入っていますが、 こちらのものも、重みのある、そして考えさせられものでした。 ぜひ読んでみてください。
1投稿日: 2022.06.05 - 読書好き"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
★3.5久しぶりに薬丸岳さん読んだけど、やっぱり面白い。事件の真相は、予想外だった。刑事弁護人って、自分にはできない。犯罪者の刑罰を少なくするために争うなんて。凛子や父親はすごい。『もしお母さんが殺されたら、お前はその犯人を弁護できるか』というセリフが印象に残った。 ネタバレ 加納は児童虐待の最低なやつだから、殺されても仕方ないし、涼子は響が殺された時点で通報すべき、そんなやつを庇う涼子も謎。そもそも素人がネットシッターなんてできないはず、あとからでも通報すべきでしょ、警察官なら。少し、東野圭吾ぽさ意識した感じがあった。
1投稿日: 2022.06.01 - ruko-u"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
やはり薬丸岳さんはすごい。今回も弩級の作品でした。人物造形、構成、展開、全てよく考えられています。これだけの厚みにならざるを得なかった、どの箇所も削ぎ落とすことのできなかった一編だったと思います。 犯罪を犯す事、罪を暴くこと、罪を裁くこと、償うこと。親の心情、子の心情。遺族の苦しみ悲しみ、後悔。いじめ、虐待、性犯罪、窃盗、正当防衛、殺人。盛り込んでいる事物がものすごく多いです。様々なことを考えさせられます。 裁判が始まってからのシーンは、どの展開も目が離せずページをめくる手が止まりませんでした。特に終盤に近くなってから出てくる新証拠には思わず前のめりになりました。 量刑については現実の司法関係者による監修が必須だろうなと思っていて、物語としては収まりの良い終わり方と思いますが、これが現実だとすると賛否はかなりくっきり分かれるのではないかなと感じました。 自分は正直、涼香が現役の警察官であることを思うと量刑が軽いんではと思いました。 そこについては他の人の考え聞いてみたいですね。 あとやっぱり、ドラマ化してほしいと思ってしまう。薬丸さんの作品読むといつもそう書いてる気がする…(笑)
8投稿日: 2022.05.30 - shifu0523"powered by"
刑事弁護人というのも過酷な仕事だと思う。 弁護することで被害者側からは憎まれ、場合によっては世間も敵に回すことになるが、自分が守っている相手=加害者からも騙され、利用される恐れがあるのだから。 分厚さに怯むが、読み応えのあるエンタメだった。
15投稿日: 2022.05.29 - norika"powered by"
読み応えある内容を さすがの筆運びでグイグイ引き込んでゆく ボリュームは かなりなものだけど 長さを感じさせない 少し あれこれ 詰め込みすぎかなと思うようなエピソードもあったけど 気にならず ラストまでどっぷりハマり込んで読みきりました
1投稿日: 2022.05.24 - sugahata"powered by"
父親を殺された凛子と元刑事西、二人の弁護士が現役警察官が起こした殺人事件の弁護を担当。真相を話そうとしない被告の真実に迫っていく。西の存在感を感じる。「どんな凶悪犯にも弁護は必要なのか」を問う作品。
1投稿日: 2022.05.19 - まあくん"powered by"
一気読み とまでは、いかなかったけど、 (長いので…) 先が気になって 空いた時間には常に読んでた感じ。 何でもないように見える事件の裏には という よくあるパターンではあったけど、 楽しく読めました。
1投稿日: 2022.05.19 - hon1hon2hon3"powered by"
一気に読んだ。 事件の全容は半ば過ぎでわかるが、その上でいろいろ考えさせらる。犯罪者の弁護という難しいテーマは、ある意味白黒つけられない、正解のないものなのかもしれないが、最後に希望が感じられた。
1投稿日: 2022.05.11 - mki"powered by"
久々に集中して一気に読み。 適度なスピード感で伏線が回収されていくので、 一緒に事件を追っているようにも思えて心地良く。 謎が解けても簡単に「逆転無罪」ということではなく、 同じ命題となる話が巡っていくあたり、深いなぁ…と思わされるラストでした。また読みたい作家さんでした。
1投稿日: 2022.05.03 - gattolove"powered by"
ホストを殺した女性警察官。 彼女を弁護する主人公の望月凛子。 彼女にも同僚の西にも、そして被害者や加害者達にも悲しい過去があった。 事件の真相が明かされても元には戻らない現実、でも少しずつ未来に踏み出せる人もいる。 事件はひとつの原因ではなく、色々な不運の積み重ねで起きていく。 そして何かがうまく転べば事件とはならない。 あっという間に読み切りました。
1投稿日: 2022.05.01 - taro & kotetsu"powered by"
薬丸ファンとしては待望の新刊でどう展開していくのか楽しんで読み進めた。 殺人事件の刑事弁護は初めていう持月凛子が、そりの合わない同僚弁護士の西と組んで、容疑者である女性警察官の垂水涼香の弁護をしていこうとするのだが、容疑者が真実を語っているのか疑心が起こる。調査を進めると次々と明らかになる背景と事実。そして究極の真実と証拠。 調査の進展の中で、凛子と西それぞれの背負うもの、背景も明らかになってくる。 前半は、ちょっと冗長な感じがしたが、後半は一気に引き込まれた。 ただ西の存在が大きく、持月凛子の存在感というか活躍感が今ひとつだったのが残念。
5投稿日: 2022.04.27 - MISERY"powered by"
事件の加害者を弁護する凛子。殺人を犯した人間の罪を少しでも軽くするように動くことの葛藤や世間の目。加害者の垂水涼香の供述の曖昧さや隠しているもの。そういったものが徐々に見え始めてさらに迷っていく凛子。弁護することの意味と難しさ。終盤の法廷でのやりとりまでどう着地するのか読めない張り詰めた空気と展開で面白い。
1投稿日: 2022.04.18 - gabrielpetajirio"powered by"
常々思っていた。人を殺し、なんら反省の言葉も口にせず、なんなら世の中のためにやったとすら嘯くような輩を弁護する人間って何なんだろうと。そんな被告人に少しでも有利な判決を勝ち取るために弁護を尽くす人間の使命感ってなんなんだろうと。 そんな疑問に応えてくれ、「刑事弁護とは」を問いかけるリーガルミステリ。 ホスト殺害の容疑で逮捕されたのは現職の女性刑事。彼女の弁護人になったのは被疑者を信じ、被告人のために少しでも有利な判決を勝ち取ることが自分の役目と信じる弁護士・持月凛子。彼女とタッグを組むのは、ある信念をもって担当事件を選ぶ元警察官で異色の弁護士・西大輔。 この一癖も二癖もある西弁護士が魅力的(私のイメージは安田顕)。同期の刑事・日向との関係性もいい。西が警察官を辞めることになった経緯や、検事である父との確執、そして何より事件の真実を追及する姿勢がたまらない。裁判で真実を解き明かさなければ、本当の意味での贖罪や更生は得られないという考えに裏打ちされた弁護はどこまでも真っ当だ。 二人の弁護士の調査で新たに判明していく事実から、物語にどんどん引き込まれていく。そして終盤の法廷シーン。圧巻です。 「君は弱い人間なんかじゃない」 西の言葉に泣けました。 この二人の弁護士の今後をまだまだ見たいので続編希望だけど、構想17年の作品らしいから、これはこれで完結かな〜。
3投稿日: 2022.04.05 - honno-遊民"powered by"
ホストクラブのホストを、客である現役女性刑事が殺害するという事件が発生。 弁護を引き受けるのが、若手弁護士望月凛子。それに、受任事件を選別するという元刑事から転職した変わり種の弁護士西大輔。 二人して接見するが、容疑者の垂水涼香の言葉に真実味が感じられない。彼女は何を隠そうとしているのか。 凛子と西は真相を探るべく、関係者を訪ね歩く。 その過程で、二人ともそれぞれ事件で身近な人を亡くしており、弁護士になった理由も明らかになってゆく。 涼香の事件の真相解明を縦糸に、弁護士とは、と問いかける複層的な筋立てとなっている。 題名からも、事件を通して弁護士の意義・あり方について問うのが著者の趣旨だろう。 冤罪を晴らさんとする弁護士活動はもちろん肯定されるが、残忍な犯罪を起こした加害者をも弁護する弁護士活動とは、と。 被害者家族や身内にとって、加害者を弁護する弁護士は加害者同様憎むべき敵となる。それでも弁護する意義はどこに。 弁護士と検事との緊迫な法廷場面、次々と現れる証人、そして次第に明らかになる涼香の隠された思惑。 読後、心地よい余韻に浸れる良質のリーガルミステリー。 構想に17年をかけたという著者の思いが込もっており、著者の代表作のひとつとなるだろう。
11投稿日: 2022.03.27 - suzuka"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
2022/03/19リクエスト 7 実の父親を、逆恨みで殺された持月凛子。 当番弁護士に指名されたのは、埼玉県警の現役女性警察官・垂水涼香が起こしたホスト殺人事件。 凛子は同じ事務所の西と弁護につくが、加害者である垂水にされた供述は全くの嘘だった。 弁護士は世間から見て、悪者の弁護をすることもある。 父親は、誰もする人がいなければ、その人に自分が、なるまでだ、と言っていた。 凛子はそれができるのか。 犯罪自体は、こじつけ感を感じた。 垂水は警察官であり、子を亡くした母親でもあり、自分も娘として育てられた。そして息子の響が亡くなってから歪みか出てきたとはいえ、夫もいる。 そこで、仕事で関わった女性にそこまで肩入れするか。 親だからといって、加納の親のことまで心配するか。 夫が今後の仕事に差障りがでるのでは、とそれを気にするのか。 話が二転三転して、通勤電車で読むには適さなかった。 今までの薬丸作品のほうが好きかもしれない。
0投稿日: 2022.03.20