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スノウ・クラッシュ〔新版〕 下
スノウ・クラッシュ〔新版〕 下
ニール・スティーヴンスン、日暮雅通/早川書房
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総合評価

26件)
3.7
4
9
8
1
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    本書では言語がそのツールとして重きを置かれておりましたが、世界はいかにしてハック可能か、またいかにしてハックされていくのか、ということを四六時中考えさせられるようになる作品でした。 そして今現在覇権を握っているテック企業のリーダーたちの多くが本書や著者からの影響を公言しているのを見るに、SF小説というものも言語として世界をハックするに足る情報を内包していることの証明でもあるかと思います。 ストーリーがカタルシスに欠ける感が否めなかったため、星5ならず。

    0
    投稿日: 2025.05.03
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    2025年2月2日、メルカリから「めいちゃん」や「ファスト&スロー」の新着通知の期限切れの通知が来て設定を見直してたら、「世の初めから隠されていること」が6600円で出ており、その出品者がこの本を出してた。上下セットで2000円。帯に「メタヴァースの語を生んだ傑作」

    0
    投稿日: 2025.02.02
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    自然言語と人工言語、宗教に関する部分が特に好きだった。 VR空間と現実世界の描写がいったりきたりするので、集中して読まないとすぐ置いていかれそうになるのが大変だった。 物語全体の構成としてはそこまで難しくはないけども、1つ1つを構成するパーツが難解であり読み応えがある。いろんな作品に影響は与えてるだろうなぁとは感じた。

    0
    投稿日: 2024.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    宗教&言語ウィルスのパートは難解だった。結局のところよく分からず、煙に巻かれた感じはある。 終盤の派手な戦闘アクションはもし映像化したら面白そうではあるが、主人公ヒロがその後どうなったのかははっきり描かれないのでモヤモヤが残る。

    0
    投稿日: 2024.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「メタバース」という言葉を作った本ということで。 30年前にこんな世界を、という感想をよく見るが、まあ確かにそうなんだが、半世紀生きている人間からすると、30年前にはネットはあったしな、と思う。日本ではまだまだパソコン通信全盛時代でインターネット普及はしていなかったが、すでに存在はしこれから広がっていくだろう、という情報はあった。ハイパーメディアクリエイターという肩書きの某人が某大学でそう話していた。 仮想空間はルーカスフィルム社のHabitatというものがあったことを考えると、仮想空間のアイデア自体はそんなに驚くものではないと個人的には考える。ただ、それを洗練させ普及させた功績は大きいと思う。それにより構築する世界の具体的イメージが共有され、実現の手助けになったのは確かだと思う。 上巻★4なのは。 基本的的な世界観は好み。 サイバーパンクな登場人物や情景、完成された仮想空間描写、連邦府のディストピア感、近未来な世界情勢図(主人公の誕生年から考えると、おそらく西暦2000年くらいだ。どこかで明記されていたらすみません)、現実世界に影響を与えるバーチャル空間のドラッグ、物語のスピード感、各要素が好みなだけではなく、その盛りだくさんの各要素が矛盾や諍いを起こさず作品を構築している。素晴らしい。 下巻★3なのは。 まずは、舞台や要素は間違いなくサイエンス・フィクションなのだが、バトル・シーン、シュメール神話のくだりなど、よく描かれているとは思うのだが、自分的にはやや長い。加えてレイヴンとY・Tのラブシーンは要らない。眠らせる理由付けが必要だったのかもしれないけれど。 一番は、スノウ・クラッシュがなんとなく霞んでしまったように感じたこと。スノウ・クラッシュとは何なのか? の回答は良いと思うのだが、何だろう、存在感が薄れてしまって、勿体無い気がしてしまう。ジャニータが利用しているんだけど、最後が現実世界だったからかな。 一方で、さまざまな要素をしっかりと描いている点、にも関わらず世界を破綻させていない点などは作者の力量の為せる技なのだと思うし、作品全体のクオリティを上げる要因となっているのだと思う。 細かいところだが。 レイヴンが恋に落ちるY・Tが15歳というのが少し気になる。 ロリコンか。 解説にあったDa5idの考察。 5はローマ数字のVなので、Da5idはDavidであると。なるほどなー。 こういう細かな仕掛けは色々とあるような気がする。気づくとこの作品へのリスペクトは深まりそうだ。

    1
    投稿日: 2024.05.06
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    上下巻読み終えました。 メタヴァースという言葉を生み出したという、すごい 影響力のある本という認識で興味が湧いて。 まず、全体の疾走感はすごいです。 ビュンビュン走る感じ。 メタヴァースがほんとに今ほど認知されてなかったの? って思うくらい、今としてはリアリティありです 逆に、SFの世界に現実が 近づいていることに驚きます。 次に、言葉、ウイルス その捉え方に メタヴァースより、それのほうが衝撃というか。 そうかもな、いやきっとそうかもと思わせられる。 ただし、、、 その部分に関しては、結構理解しづらく、 正直100%わかってません。 が、だいたいの流れがわかる、 (新訳で読み、旧訳は読んでませんが、) 訳や、ところどころの注釈は まだ読みやすくしてもらいました。 そして、つまり、っとまとめてくれる 一文がところどころはいることで、 なんとか最後まで手放すことなく 乗り切れたところもあります。 疾走感は、上下巻通しても充分味わえたので とりあえず、もはやSFなら読んでおきたい みたいな本を楽しんでよめてよかったー!

    12
    投稿日: 2024.04.21
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    この小説が発売されたのが、1992年というのを考えると、すごい小説だと思います。想像された未来に、かなり現実が近づいてます。Da5idとBIOSの下りは読んでいて思った感想が訳者の方も思っていたようで、後書きに書かれていました。

    0
    投稿日: 2024.04.06
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     メタバースとかアバターといった言葉を生んだ小説だということで近年再注目された本で、読んでみたいが長いし難しそうだなと思っていた。今回思い切ってオーディオブックで聴くという方法をとってみた。上下巻合わせて二十四時間ほど。良い点は、よくわからなくてもとりあえず進んでくれるところ。悪い点は、よくわからないままとりあえず進むとついていけなくなるところ。笑  このたびは、そんなときにはネット上の解説や感想などを合間合間に参照して情報を補充しながら、なんとなくでいいから聞き通すことを目的とし、聴取を完了した。そのため、ちゃんと味わったとはとても言えないが、本で読んでいたとしてもだいぶ飛ばし読みしたか、挫折したかもしれないと思うと、とりあえず触れてみるには良い手段だったかもしれない。  ここまでまるで苦行に耐えて聞き切ったかのように書いてしまったが、面白かったのだ。興味深い要素がたくさんあった。ただ、なんとなくしか聴いていないので、全体としてどういう話だったかが私の中で曖昧過ぎる…。そんなわけなので、関係各位(?)にはかえって申し訳ないと思いながらも、心に残った曖昧な断片をメモしておくに留めます。いつか本で読むときのために…。 ・メインディッシュがメタバースかと思いきや、それはあくまでこの世界の背景であり、他にも面白いテーマがたくさん。 ・近未来アメリカ。マフィア企業が取り仕切るフランチャイズ国家(あまり意味わかってない)。主人公ヒロはピザ配達人。ピザを三十分以内に届けることに命がかかっている。なんとなく、現実世界の、Amazonプライムのヤマトさんのことを思わずにはいられない。他にも、ヒロが臨時でする「誰かにとって役立ちそうな情報をアップロードする仕事」、つまり誰かがその情報に価値ありと思うと良い収入につながるし、見向きもされなければつながらないという仕事も、今の動画投稿サイトのようだ。 ・ヒロは、メタバースを作った天才ハッカーでもあり、日本刀を操る剣士でもある。彼と出会う十五歳の少女Y・Tは、向こう見ずな特急便屋。この二人の活劇映画的なシーンはこの本の魅力のひとつ。 ・人間の脳をハックできるのか。みたいなことが主たるテーマ。シュメール文明とか、宗教とウイルスとか、人類共通の母語があるとか、様々なそれっぽい蘊蓄が語られる。難しいがワクワクする。ライブラリアンという司書?AI?みたいな人格のひと(アレクサ的なやつ)が色々教えてくれるが、意見を聞かれたり、メタファーでコメントしたりすると「私はそういうことは理解できません」と返すやりとりもくどくて笑える。 ・ヒロの母は在日韓国人、父はアフリカ系アメリカ人で第二次世界大戦で戦った軍人。ヒロの日本刀はそれと関係がある。 ・核弾頭?をサイドカーに乗せて常に携行する男というのも出てくる。アメリカ、ロシア、みたいなことも関係ある。 ・Y・Tのお母さんがアメリカ合衆国連邦府(すっかり無力化している)で働くエンジニア(プログラマー?何ていう言葉を使っていたっけ…)なのだがこのお仕事シーンが皮肉混じりで面白い。超管理社会とそれに適合した人々というかなんというか。柞刈湯葉「たのしい超監視社会」を思い出した。スノウクラッシュは三十年前の小説だけど。  思い出せるのはこんなところか。

    11
    投稿日: 2024.01.12
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    古代シュメール人は、ミーと呼ばれる神経言語学的なプログラムによってパンを焼き家を建てていた。それは、脳のうち現在の言語を理解する部分のさらに深層の基盤に作用する人間の脳のためのプログラムであり、要するにそれがスノウクラッシュであった。 古代に、エンキという初めて意識を持つ人間が現れ、ミーではなく自由意思と理性を実装させる新たな神経言語を開発し、人間達は共通のプログラムではなく意思を持った宗教をいただくようになった。 しかし、人間の脳の構造が変わったわけではなく、古代のミーは密かに語り継がれ、そしてヒロの時代に、これを拡散させて人類を支配しようと考えた者が現れた。L•ボブ•ライフである。その一味にはアウレト人のレイヴンもいた。彼らはストリートとリアル世界の両方で、ミーを拡散しようとした。リアル世界では薬物に混ぜて、ストリートではバイナリ言語を理解するハッカー達に向けてバイナリ記号を読ませる形で、これを成し遂げようとするが、ヒロとY•Tとジャニータの連携によって、リアル世界ではミーに犯された者達にエンキの言語を聞かせることによって、ストリートではバイナリ言語の爆発寸前にバーチャル爆弾のコードを書き換えることによってこれを阻止する。 インターネットの本格普及前にここまでメタヴァースの概念とモデルをリアルに描けたことに素直に驚いた。 もっというと、メタヴァースは2023年の人間は実現イメージができているが、この物語のもう一つの(メタヴァースよりもメインの)テーマであるウイルスについて、脳の基盤に影響する神経言語学的ウイルスという発想は、まさにSFならではの発想で、これまで考えたこともなかった発想であった。エンキ以前の社会を共通言語による人格のない社会として描き、ここから多様な言語と自由意思を持つ社会へと移行した様を、バベルの物語として描くあたり、秀逸であった。

    0
    投稿日: 2023.08.30
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    上巻に続いてなんとか読み終わりました。読んだというよりはもう流し見みたいになっちゃって、話の流れや今起きていることをしっかり理解することを放棄して、ひたすら文字の上に目を滑らせるだけみたいになってしまった…。 もっと若い頃に出会ってたら、ひとつひとつの単語の意味にしがみついてでも「読んでやる!」って意地になれたのかもしれないけど、その根気を出せなくて申し訳ない気持ちもありつつ。やっぱりSF小説を楽しむ素養が決定的に欠けてるなと

    0
    投稿日: 2023.05.18
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    上巻の最後の方から、話題が古代文明(シュメール)に及びます(ネタバレになりますので深くは書きません)。そして世界を揺るがす大きな謀略が進みつつあることを主人公が知り、他の登場人物と助け合いながらエンディングを迎える、というあらすじですが、実は本書のキートピックの一つが「ウイルス」であるということに深い感銘を受けました。 本書は「メタヴァース」ばかりが脚光を浴びますが、実はウイルスには生物学的なもの(新型コロナなど)、コンピュータプログラムに影響を及ぼすもの、そして言語的・思想的なものがある、ということが語られているわけです。その意味ではコロナ禍の今、カミュの「ペスト」に並ぶウイルス本という位置づけが本書に与えられてもよいのではないかと思いました。本書を読んで「ウイルスとは何か」を深く考えさせられました。

    1
    投稿日: 2023.05.08
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    「メタヴァース」という言葉を生み出した名作サイバーパンクSF、下巻。 なかなかのハードSFで、世界観・用語・人間関係を頭の中で整理して各シーンがイメージ出来ないと、読み進めるのが苦しくなる内容。特に、物語の核となる古代シュメール文明を起源とする「人々を支配する神経言語」の件から繋がる、「スノウ・クラッシュ」の正体が理解出来ないと、「おまえは何を言っているんだ」状態に陥ること請け合い。 個人的には、「人々を支配する神経言語」の件については、『虐殺器官』(伊藤計劃 著)を読んでいたおかげか、かなりすんなり理解することが出来た。(アプローチは異なるが、どちらも「人々を支配/操る言語」ということで、通ずるところがある。)統一言語から多言語になった経緯の(オリジナル?)歴史解釈は非常に面白かった。 しかしながら、人間関係や勢力図の整理がだんだんと追いつかなくなり、各シーンを脳内でしっかりとイメージして読み進めることができなくなってしまった感。本作の魅力を十分に味わえなかったようで、少々不完全燃焼な読了となってしまった。

    0
    投稿日: 2023.04.15
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    まさに今話題になっているテックが満載。 GPT3もいるじゃない!! この想像力。 それに増して、クライマックスの大活劇! そりゃみんな読むよね。

    1
    投稿日: 2023.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    メタヴァースの概念を生み出したとも言われる作品。サイバーパンクの世界で連邦として崩壊したアメリカ、その残り少ない最先端は高速ピザ配達、なんて言うつかみから始まり、現在と遜色ないメタヴァースの描写に加えバベルやシュメール文明まで出てきて興奮が止まりませんでした。ひとまず今日は30分以内で届くピザを探してネットの海を泳ごうと思います。

    0
    投稿日: 2023.02.14
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    上巻冒頭の「高速ピザ配達」という心湧き踊らない設定から一転、話は”スノウ・クラッシュ”からシュメール文明の”メ”というある種のウイルス、第二次世界大戦末期の歴史的経緯、それらがリアルとメタヴァーズを相互に行き来しながら壮大に展開していく。Y.Tとレイヴンの性的かつ野性的なやり取りも艶っぽくて妙に哲学っぽく面白い。 Meta社の”メタヴァーズ”から再脚光を浴びた作品であるが、新型コロナを経て一気に進展したデジタル時代と新権威主義の台頭の今だからこそ興味深く読める。ネオサイバーパンクの古典的名作としてSF好きの方はぜひ一度読んでみてもらいたい。

    0
    投稿日: 2022.12.31
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    世界で初めてメタバースという言葉と使ったと言われている作品。本作が1992年に書かれたということが驚き。 2022年の今となっては、そこまで驚きの発想は無いが、逆に30年後の今から見て、それなりに妥当と感じられる世界観を描き出したのが凄いと思う。 一方、不思議な読み方をさせる単語が多いこともあってか、いまいち世界設定が追いきれない部分が多く、読みながら各場面を想像するのが非常に大変で、私個人としては非常に読みにくさを感じた。また、歴史と宗教を背景とした展開が一部含まれるが、こちらも全然知識がなかったこともあるが、読んでいてちょっとつらかったかな。

    0
    投稿日: 2022.10.19
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    ゲーム「ボーダーランズ」がプレイしたくなった。ヒャッハー!な感じ。 「権力は衰退する(国家が実権を失い、企業やマフィアが治外法権を得る)」「進化論(不完全だからこそ変化し生き延びる)」「デジタル社会の行く末」など、勉強になるものも多い。 15歳の少女でも「自分の力で生きる」とこれくらいたくましくなるのかな。

    0
    投稿日: 2022.08.13
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    ニール・スティーヴンスン「スノウ・クラッシュ(下)」読了。時折出てくるニッポニーズに発刊当時の日本の凄さを感じつつ、まるでゲームの終盤のようなクライマックスを堪能することができた。この没入感はまるで自分がこの小説に中にジャックインしているような感覚だった。大団円に大満足!

    0
    投稿日: 2022.07.31
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    1992年に書かれたにもかかわらず、今読んでも色褪せないSF。メタバースと現実世界の行き来や、国家ではなくフランチャイズが影響を持つ世界観、コードで動く世界、ウイルスとそれらがコントロールするレイヤーの設計などが秀逸。

    1
    投稿日: 2022.07.15
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    下巻ではヒロとY.Tの”スノウクラッシュ”をとりまくキーパーソンらに近づいていく中で色々と大きな動きが起きる。上巻と同様に、非常に細かな設定や神話的な専門知識が多く後半は流し読みしてしまった。ただ、現実世界における言語ウイルスとメタバースにおけるコードウイルスが併存しているのは面白かった。

    0
    投稿日: 2022.06.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界的地位の低下でもはや国家が国家としての体裁を失い、資産家や宗教家がそれぞれの縄張りを「フランチャイズ国家」として分断・支配する近未来のアメリカ。凄腕のハッカーにして高速ピザ配達人のヒロ・プロタゴニストは、「スノウ・クラッシュ」と呼ばれるドラッグの噂を耳にし、友人がそのドラッグのために活動不能になる現場に遭遇する。ピザ配達の途中で偶然知り合った聡明で生意気な<特急便屋>の少女Y・Tの助けを借りながら、「スノウ・クラッシュ」の謎を追うヒロ。ガラスの武器を操る謎の大男、訳知り顔の美女、マフィアのボス、新興企業のトップ・・・怪しげな人物が次々と関わる中、フランチャイズ国家の国境も、現実と仮想空間の境もものともせず、ヒロとY・Tの冒険が始まる! この作品、新版発売時は「あの『メタヴァース』を初めて取り上げた歴史的作品!最近流行りのIT企業のトップたちがこぞって絶賛する、これからのビジネスパーソン必読の書!」といった、ビジネスに役立つインスピレーション満載!というイメージで売り出されていました。 ・・・が、あらすじまとめてみると、そんな雰囲気しないでしょ?だって、そういう作品じゃないもん。それが、読了後に鴨がこの作品に下した評価です。 愉快痛快しっちゃかめっちゃか、スピーディな展開と全編に溢れるユーモアで楽しく勢いよく読み進められる、一大エンターテインメント作品です。 確かに「メタヴァース」という言葉を初めて使った作品、ではあります。が、SF者にとって仮想空間を主な舞台とする世界観は80年代のサイバーパンク・ムーヴメントですっかりお馴染みで、アイディア自体は特に新鮮味はありません。これまでのサイバーパンク作品との大きな違いは、仮想空間の組み立てがより現実的でビジネスライクなところ、日本語表現的にちょっとアレですが「地に足のついた仮想空間」であるところ。そして、何よりもユーモアが前面に出ていること。SFを読む時は、聞いたこともないような言葉や斜め上の理論にも自己の想像力を駆使してなんとなくイメージしながら食らいついていく「SFリテラシー」的な能力が必要な場合があります。でも、この作品にはそうした能力は不要です。現実社会と地続きの世界で、私たちと同じような物の考え方をする登場人物たちが生き生きと躍動しています。 ただ、決して「読みやすい」作品ではありません。ストーリー展開がスピーディーな分、次々変わる場面、次々登場する登場人物についていくのがやっとで、特に上巻はかなりとっ散らかった印象を受けました。下巻に入って、主要な登場人物の思惑や関係性がわかってくるのですが、そうするに至った経緯や情熱が正直なところ鴨にはよくわからず、特に二人の主役、ヒロとY・Tがなぜそこまで全力でこの謎を追う必要があるのか?が最後まで理解できませんでした。明かされる謎の真相も、そこまで驚きのあるものではありませんでしたし。 というわけで、ストーリー展開という面では、鴨は正直いまいちでした。 が!読んでいるときの、このワクワク感!何がワクワクするって、この圧倒的な「映像力」ですね。特に後半に入ってからの、ヒロとレイヴンのバトルシーンであったり、Y・Tのハイウェイ疾走シーンであったり、そして何よりも、ラストシーンのファイドーーーーー!!!まるでハリウッドの超娯楽大作が眼前で繰り広げられるが如き、ニール・スティーヴンスンの絢爛華麗でハッタリ満載の筆力の素晴らしさよ(※鴨注:褒め言葉ですヽ( ´ー`)ノ)。 いやほんと、この作品を映画化したら、すっごく面白くなると思うんですけど。仮想空間のシーンを如何に映像で表現するか、が監督の腕の見せ所になりそうな気がします。

    2
    投稿日: 2022.06.05
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    「メタバース」 …… VR(ヴァーチャル・リアリティ)が気に入らなかった作者が考えたBuzzる単語。 「Da5id」…… 5をローマ数字にすると、DaVid(デビット)になるです。 もし、このての話が好きなら、 迷わず手にとって、 あとがきから読んで欲しい一冊です。

    0
    投稿日: 2022.05.24
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    スノウ・クラッシュを使用したアヴァターは、現実の実体までもが意識不明に陥ります。 Y・Tとともに調査に乗り出したヒロは、アメリカとメタヴァースを駆けめぐり、自意識や言語の発生源へとたどり着き、古代シュメール史をも遡行します。 そこで明らかになった陰謀とは。 未来を予見した小説です。

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    投稿日: 2022.04.18
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    読解力が低いのか、最後はとっちらかった印象。古い宗教とネットを通して広まるウィルスとを混ぜコゼして展開する話はややこしかったけど面白い。

    0
    投稿日: 2022.03.27
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    2022-03-01 20年振りの再読。思った以上に忘れてた。 上巻の半分くらいまでは、固有名詞や造語の奔流で、ちょっと置いてけぼりになりそうになったが、物語が動き出してからはもうノンストップ。メタヴァースのビジョンや、言語/ウィルス/ドラッグ/宗教 のカオスな爆発は、それこそ酩酊感をもたらしてくれる。 けどちょい謎なのがレイブンの最後。あれ、核弾頭はどうなったんだ? そして犬好きにはせつなくもたまらない。ファイドー!

    0
    投稿日: 2022.03.02
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    今をときめく「メタヴァース」の語源となっている概念が登場した作品。 宗教とプログラミング、物理的なウイルスとコンピュータウイルス、自然言語とプログラミング言語の関連とサイバーパンクをかけ合わせて、単なるサイバーパンクでは終わらない作品だった。 「俺たちだけが世界を変えられる/正しく認識できるんだ」というギークの選民思想的なところを刺激してくれる感覚はありそう。 めっちゃつよい兵器に普通の家電っぽいドキュメントが付いてるのが好き。

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    投稿日: 2022.02.13