
総合評価
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powered by ブクログ筆者の本を初めて読んだ。 標題の作品はイマイチ快適なスピードで読み進められなかったが、もう一つの「悪い音楽」は馴染みはあるけれどよく知らない世界が楽しめた。
0投稿日: 2026.06.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終えて印象に残っているのは、悪い音楽の方。最後サエは笑ってたのか泣いてたのか、何考えてたんだろう?全く検討がつかない。ロールシャッハテストみたい。人の気持ちに共感できる人ならこの時のサエの気持ちを三十文字でまとめよ、という問いにみんながみんな同じ正答を書けるんだろうか。 人の気持ちが理解できない主人公の心の理解できなさが少しづつ見えてくる平熱な文章の読み心地がよい。理解できなさが理解できる。 サエは芸術家としてすごく成功している人物という設定だけど、大麻に対して過剰に反応したり、主人公の告白に対してすごく視野の狭い返答をする辺り、この人の作品を見てみたいと思えない人物描写。逆に主人公のラップは聴いてみたくなる。 芸術と芸術家は切り離せるのか、というのは永遠のテーマで、条件によっていろんな答えが出せる無限に考え続けるられる問題だと思う。もう少し深掘りしてほしかった。
0投稿日: 2026.06.07
powered by ブクログschoolgirlは現代性をうまく織り込み、母娘の関係性においても新しい視点から切り込んだ作品であることに異論はない。しかし作品全体としての完成度、起承転結の物足りなさを感じたので芥川賞を受賞しなかったことには正直頷ける。悪い音楽の方がストーリーとしては面白く、うまいなーと思わされる作品。好みというわけではなかったのが残念。
1投稿日: 2026.04.12
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中学生の環境論者の娘とその母を描くスクールガール。天才音楽家の娘で音楽教師になったソナタを描く悪い音楽。後者は、天才感が出て中学生社会に上手く馴染めないサイコ感が出てて面白かった。僕も心が無いと言われがちなので、親近感ありますね。
0投稿日: 2026.02.01
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著者の小説は、東京都同情塔に次いで2冊目。 軽快で少し毒のある心情描写が好き、心地良い。 メインとなる登場人物はいわゆる「普通」から外れた思考や癖を持ってるが、読み進める中でその思考を辿るのが楽しい。 ラップする音楽の先生、ファンキーで最高。 ルッキズムに関する描写、花で例えてるとこも良い
1投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログネットと繋がって自己発信することが当たり前、生まれながらに多様な価値観に触れて生きてきた「娘」と、時代の流れには乗らず「少女時代」から触れてきた文化を大切にしている「母」が対照的に描かれていて、序盤、娘の強さに圧倒されて母の気持ちや境遇を考えるといたたまれない気持ちになるのだが、終盤立場がガラリと変わる。結局、体験せずに見聞きしただけの情報から「自分」を方向付けるよりも、自分の世界にとっぷり浸かって、考え、感じたことの方がリアルで、重みがあって生きた価値観なのかなと思った。 九段先生は、現代社会に新たに発生した価値観を否定したいわけじゃないのだろうけれど、メスを入れるのが上手いと思う。とてもおもしろかった。
1投稿日: 2025.12.04
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◯Schoolgirl 34の母と、環境保護などのyoutuberをしている14歳の娘。母はその母から虐待を受けていて、娘の気持ちを優先するが娘の意識が高く噛み合わない。母視線と、娘は母の見るyoutubeの中で想いを語る。太宰の女生徒をきっかけに会話の兆しができて終わる。 巧みな文章で娘と分かり合えない母の感情が描かれているけど、なぜ娘はその高い意識に反して「本当はお母さんだけを助けたい」までの感情があるのか、たぶんそのために嫌いな小説、女生徒に興味を持ったのかがわからない。そこの葛藤を書くのが小説じゃないかしら、それが芥川賞の選評にある「ここから小説は始まるのでは」に繋がるんじゃないないか。 でも結局は文も構成もすごくて面白いです。異国の凄惨な映像を見て悪夢を見るとどうせわかっているのになぜ見なきゃいけないの、と言う母に激しく同意。 昔の小説を自分の作品世界に組み込むということは、敬意を持って、それを蹂躙する覚悟が必要である。ちょっと及び腰だったかも。by山田詠美さん ◯悪い音楽 個人的にはこっちの方がより読んだ後の面白さがあった。他人に共感できない音楽教師の話。表情筋を鍛えたりするのだけど友人が怒る理由、生徒が怒る理由がわからずいけないところで笑ってしまったり合唱祭で生徒をディスるラップを披露してしまう。良かったのはこの主人公が歪んでいた過程がなんとなく想像できたところ、クソジジイ主任や友人のよう分からない抽象画。Black monkey、聴きたかったな。
0投稿日: 2025.11.22
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純文学は結構合う合わないがあって、こちらの方はあまり合わなさそうかな……。太宰治の「女生徒」読んでたら感じ方変わったかな?(太宰苦手であまり読んでない)
0投稿日: 2025.09.22
powered by ブクログ語感が良くて笑ってしまう。 一話目の娘と二話目の音楽教師が特に面白い。 ユニークな登場人物が多いが実在しそうなタイプばかり。 人を殴るときは床の素材を考えて欲しいとか、口には出せないけれど掃除する側は確かにちょっと思うかも……
2投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ注 内容に触れていますが、それを読んでもこのお話がつまらなくなることはないと思うので、敢えてネタバレ設定にしていません ★2つと、あえて低くしたのは、ブクログでの評価がミョーに高すぎない?と思ったから(爆) 本当の評価を書くなら、★は3つくらい…、 かなぁ。←なら、そうすればいいだろ!(^^ゞ 個別のお話だと、最初の「Schoolgirl」は、★3つくらい? 次(書かれたのはこっちが先らしい)の「悪い音楽」は、いいとこ、★2つかなぁーw 著者の才気は感じられるけど、たんに小説として評価するなら、これだと素人小説の域を出ていないように感じた。 NHKのインタビューだったかな? 例の、95%をAIで書いた(小説を書くためにAIと対話しながら書いたというべきか?)短編『影の雨』を執筆中に感じたことという、“(AIには)新しいものを見たいという欲求がない。人間のクリエィティビティーって、もっと違うものを見たい。もっと新しいものを見たいとか、もっと遠くに生きたいっていう欲求が、今この世界の形をつくっていると、わたしは思うわけです”のを聞いた時、「この人、面白いなぁー」と一気にファンになってしまったこともあって。 「この2作だと、そこまで面白くないかなぁー」と思っちゃったんじゃないかな?(^^ゞ 自分は恩田陸のファンだけど、かなり嫌味なファンなこともあってw、恩田陸の小説の評価はかなり辛くつける傾向があるが。 それと、ちょっと似た感じ?w 『Schoolgirl』が雑誌に発表されたのは、2021年12月。 『悪い音楽』は、2021年5月(ウィキペディアより)ということだけど、『影の雨』のインタビューの4年前というのを差し引いても、あのインタビューほどのエキサイティングさはない。 だってさ。 “ちょっとずつ、ちょっとずつ、常識の外側にあることに挑戦していかないと、やっぱり芸術っていうものは廃れていってしまうと思うので、うーん…、そうですね。みなさんの期待に反することをあえて実験的にやってみる”だぜ(NHKの『影の雨』のインタビューより)。 今の出版業界のトレンドである(かどうかは知らないけどw)、定番のキャラと定番の展開にしておけばわかりやすいことでウケる(=売れる)、あるいは、読み手の不平や不満を全肯定して「あなたは正しい」と書いてやればウケる(=売れる)ということに対して、著者は(少なくともタテマエ上はw)反することを言っているわけじゃん。 それがカッコイイだけに、受け手が満足するハードルも高くなっちゃうのはしょうがないんだって(^^)/ 「Schoolgirl」が★3つなのは、意外にいつの時代でもありそうな親子の会話かなぁーと思っちゃったから。 いや、自分は男なので。 こういう世代間ギャップな会話って、父親と息子という親子間なら普通じゃない?と思ったんだよね。 父親と息子っていうのは、普通、父親の方は息子のことを今でも子供だと思っているし。息子の方は、自分はもはやイッパシのヤツだと思っているのと、父親の考えややり方を古臭いと思っている。 父親と息子の会話というのは、親子仲がよくなければもちろんのこと、良好だったとしても、お互いに自分の考えややり方の方が正しいという前提にたって会話をするように思うのだ。 いや。それが母親と娘でも普通なのかは全然わからない(^^ゞ ただ、このお話の設定上の、今の流行りである「社会問題に敏感なわたしって正しくてカッコイイよね?」な娘と、トレンドを追う呪縛からは解放された反面、「日々の暮らしと娘の幸せ」に追いまくられている母親の立ち位置の差(価値観の差)というのは、いつの時代もあることだし。 であれば、母と娘でも世代間ギャップな会話は普通にあるんじゃないのかな?って思うんだけどw ていうか。 娘が言っている具体的な事柄はともかく(さらに言えば、いわゆる自己承認欲求はともかくw)、娘が自らの問題意識で語っている根本にあるのは、ひと頃の朝日新聞や「進歩的文化人」と言われたタレントたち、あるいは社会党(現社民党)的な「主義や思想に基づく直情的な問題提起」と同じなわけだ。 もちろん、それを「今」で表現したことに意味があって、なにより面白いんだろうし。 さらに、そこに太宰治の『女生徒』をからめることで、このお話ならではの味付けにしているんだろうけど。 その辺りは、自分が太宰治を嫌いなこともあって、何が何やらだしw 仮に理解出来たところで、要は、太宰治の『女生徒』を現在になぞらえているということにすぎないわけでしょ? そういう文学の文“芸”趣味って、自分は興味ない(^^ゞ ただ。 たぶん、著者はかなりアイロニカルな目で世間を見ているんだろうなぁーってw やたら売れている某芥川賞作家の毒にも薬にもならない、読者にウケるための「毒」ではなくw、「毒」をちゃんと「毒」として書けるところが、著者の作家としての資質であり、なにより面白さなんだろう。 そこはすっごく好き(^^)/ そんな、「Schoolgirl」。 これは、母と娘による一人称で書いていることで、読者にとっては読みやすく。なにより、面白さが生まれているように思う。 その反面、個人的には一人称にしてしまったことで、素人小説っぽくなってしまったように思う。 もちろん、著者は母と娘、どちらにも肩入れして書いているのではなく。 双方をたぁ〜っぷり皮肉りつつ、でも、すっごく暖かぁ〜い目でも見ている。 にもかかわらず、著者自身はこの二人から距離を置いて、これを書いている(たぶんw)。 だから、二人の一人称の語りに三人称の神の視点を加えることで、二人の言葉の意味を著者が解説してしまったら意味がない気もするんだけど。 とはいえ、ラストの寸前までの娘の語りが独善的すぎることと、その独善的に語る内容が、今の世間が安直に「絶対正しいこと」と思っていることの羅列にすぎない(=他人の意見を語っているだけ)だけに。 やもすれば、著者も娘の意見を支持している=だからそれは正しいことなんだと、読者が誤解してしまう怖さがあるような気がするんだよね。 いや、自分だって、「環境保護」は大賛成だ。 それは、おそらく著者も同じなんだろう。 でも、「環境保護」に賛成するか反対するかは個々の人の自由だ。 それが個々の人の自由だというのは、その人が賛成する理由、あるいは反対する理由も個々の人で自由だということだ。 「環境保護」を主張する娘の理由というのは、もちろん危機意識を持っているからだろう。 ただ、語ることで自らを「それについて問題意識を持っているわたしは正しい人」と一人悦に入るためのそれ、あるいは、同じ意識を持っている人たちから称賛を浴びるためのそれって、ぶっちゃけ言えば、他者の意見や見解の受け売りにすぎないわけだ。 つまり、自分で考えた、自分の意見を語っているのではない。 身も蓋もない言い方しちゃうならば、娘は某テレビ番組の「博士ちゃん」レベルなんだよ(^^ゞ だから、本屋にグレタ(例のヒトラーみたいな環境保護運動家w)の本がなく、JKインフルエンサーのどーでもいい本が崩れそうなほど積まれている理由を想像することが出来ないし。 小説と、ニュースやドキュメンタリーは、他者の視点や社会的しがらみというフィルターを通したものという意味で言うならその二つは全く同じもので。 それの送り手が「これは小説だからフィクション」、あるいは「これはニュースやドキュメンタリーだから本当のこと」と言うだけの違いでしかないということを自分の頭で考え、想像できないわけだ。 大事なのは、興味を持って集めた様々な他人の意見や情報を自分の頭で咀嚼して、自分なりの考えを持つことだし。 なにより、自分の生活を自分で面倒みるようになっても、その問題意識を持ち続けられるのか? それについて、自分で考え、自分の意見を持つことが出来るか?ってことだ。 普通、人は大人になれば働き出す。 毎日、仕事の忙しさに追われて生きるようになるし、家族や家のこともしなければならない。 当然、興味を持っていた社会の問題に費やす時間は少なくなる。 というか、時間に追われ、余裕を失って疲れ果てていく中、社会にある問題なんかは忘れて、即物的な気晴らしに費やす時間が増えていくのが普通だ。 日々の暮らしに追われ、疲れ果てた自分を即物的な気晴らしで癒やす。 このお話の母親というのは、まさにそういう人だし。 世の大人のほとんどはそういうものだ。 だから、一般庶民というものは、日々の生活に追われることはあっても自分と家族の暮らしに専念出来るわけだよね。 だからこそ、自分の生活を自分でみることで精一杯な人がこれを読んだとしたら、娘の独善的な語りは、著者が自らの意見を押し付けているように感じる可能性はあるだろうし。 なにより、その内容が、世間一般に「絶対正しいこと」とされていることだからこそ、「正しいのは娘。間違っているのは母親(だって、不倫もしてるような人なんでしょう?)」という安直なレッテル張りをしてこのお話を読んでしまう可能性があるように思う。 さらに言えば、このお話を書いたのが、九段理江という、若くして一種のブランドを確立してしまった人だけに、このストーリーを素直に読みすぎてしまうようにも思うんだけど?(^^ゞ ていうかー、今まさに母親や父親の人は、これをどういう風に読むんだろう? 親ではない自分としては、著者は、娘を徹底的に皮肉りつつも暖かい目で見て描写していたように感じた(やや娘寄りのスタンスでいる気もするw)。 母親のことも、徹底的に皮肉りつつも暖かい目で見て描写(不倫なんて人間なら誰でもあり得ることだ)することで、この親子の関係をほのぼのとした良いものとして描きつつ。 それは、これを読んでいるアナタの親子関係だって同じようなものなんだよと肯定してくれたように思ったんだけど!? そんな風に読んじゃったこともあり、読後の印象はよかった。 変な言い方だけど、似てない似たもの親子(母と娘)のお話? テレビのニュースの街角インタビューとかによくいる、ショッピングを一緒に楽しむ母娘ほどわかりやすい仲のよさではないけど、だからこそ内面で通じ合えている母と娘のお話?(^^ゞ 2つ目のお話、「悪い音楽」は退屈w 自分はツマンナイお話を「クソつまんない」と書くことが多いけどw、これは「退屈」と書くのが適当かなぁー。 ちなみに、「クソつまんない」お話っていうのは、世間にウケようと売れている本やジャンルを書いてみせた類型的な小説のこと。 「退屈」というのは、文字通り退屈なお話のことだ(^^ゞ この「悪い音楽」が入っている『Schoolgirl』は、2025年8月24日時点で紙の本で121件、電子書籍で10件のレビューがあって。 「悪い音楽」はそれなりの評価を得ているようだけど、それらの何割かは、九段理江ブランドと芥川賞というブランドでそう評価しているっていうのはあるわけじゃん。 たぶん(^^ゞ さらに言えば、今はネットでの本の感想は褒めて書くのがマナーだし。その方がその感想を読んだ人が「いいね」を付けやすい、みたいな暗黙の了解もあるわけでしょ?(爆) でも、自分は著者のファンだからw 退屈なお話は、ちゃんと退屈だと言いたいんだよね(^^ゞ 唯一笑えたのは、主人公の先生が、「でも大地に感謝したいなら、天に向かって手をあげるのではなく、地面に手をついて土下座のような体勢で歌うべきなのでは?」と疑問を持つ場面。 確かに、と(爆) ただ。 土下座の体勢で歌ったら、声がくぐもっちゃって歌声が聴こえねーじゃん!w 「ジブリ映画って苦手なんだよね」という人は、中学校の先生に絶対向かない気がするし(だって、それは父兄や生徒との共通言語、あるいは共通体験がないということだもんw)。 先生と父兄の抱く「好ましい中学生(=大人が扱いやすい子ども)」という価値観100%で順位を決められる、中学校の合唱コンクールの指導はもっと向かない。 しっかし、中学校って、合唱コンクールで「たたえよ大地を/ああ」をいまだにやってるんだ(@_@;) 中学校って、どれだけ大地をたたえるのが好きなんだろ?(爆) そういう、著者ならではの視点は面白いんだけど。 ただ、ここで書かれていることって、どこまで著者の経験や実体験という肌感覚で書かれているんだろう?って感じちゃうんだよね。 ジェイムズ・ブッカーとか、カホンとか、実際に知っている上で書いているのかな? ネットで、それらしいの拾ってきて書いてるだけじゃないの?と思っちゃうんだよね。 いや、そう思いかけて、すぐに「あぁー、この著者は知っているのかも…」とも思うんだけどね。 ただ、作家というのはさ。読者に対して、絶対的な存在じゃなきゃダメなわけじゃん。 「この作家はなんて頭がいいんだろう」とか、「この作家の知識の量は本当にスゴい!」みたいに、凡人である読者から見て一段上の存在だからこそ、読者は安心してそのお話に身を委ねるんだと思うのだ。 「この作家って、ネットでちょこちょこっと調べて書いてるだけ」みたいに、作家としての才にちょっとでも疑念をもたせるように書いたら絶対ダメなわけじゃん。 つまりさ。 ここまで普通からズレた才媛が、マイケル・ジャクソンが死んだからって泣く? それじゃ、キャラが一致しないんだって(爆) 主人公に対して「三井先生は生徒の気持ちを考えられない人なんですね」と言う、純情可憐バカの横田wを茶化す感覚は面白いんだけど。 それが面白いだけに、ギャグ散らして一人悦に入っている感があって。 だから、このお話は「なぁ〜んだ」ってシラけちゃうんだと思う。 最後、主人公が自分の声が変わっていることに気づくあのくだりは、何を表しているのかわからなかった。 “私が知っている、かつての私の声ではなかった。たとえば、十年前、高校生の頃の声とは全然違っている。”、”(前略)まるで三十手前の、人生に疲れた女のような声だ。”とあるので。 そのくらいの齢前後、おそらく誰もが経験した(する)はずの、いつの間にか自分が中年になっていたことに気づいて愕然とした、というアレが主人公にも起きた…、ということなのか? ただ、だとしたら、どういうことなのか(・・? 自らを才媛と思っていた主人公も、所詮は「十で神童、十五で才子、二十過ぎれば只の人」にすぎなかったという、チクリとした皮肉なのか? (あんがい自戒だったりしてw) ということで、期待大だった九段理江だけど。 才気煥発なところは読んでいて気持ちいいんだけど、その才気がお話を面白くしているかと言うとまだまだなぁーw とりあえずは、「次行ってみよー!」(^^ゞ 追記 今、ウィキペディアを見たら、前より結構追加されていて。 “大の音楽好きとして知られており”とあるので、ジェームズ・ブッカーやカホンは、たんにネットで拾ってきたのではなく本当に聴いていたものなのかもしれない。
10投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
田内学さんが薦めてて読んだ グレタさんが娘だったら相当しんどいな 親に言えないことをyou tube配信しちゃう人いるけど不思議だよな。親が見てるかもしれないのに。 刀だと切れないけど銃だと撃てるみたいな感じなのか? 世界が理不尽な殺し合いをしていても助けたいのはお母さんただひとり、なぜ女の子はこんなにもお母さんのことを考えているのか 泣いた。作者、子供いるのか?? 女生徒を読みたくなった ラップ刻みたくなった
0投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ最っ高。①『Schoolgirl』、②『悪い音楽』の二作品。 ①太宰治の『女生徒』を読んでからすぐ読んだら、かなり対比が分かりやすく、読みやすかった。 とはいえ、30ページくらいでおなかいっぱいなほど現代で母親になることの難しさ(?)に心が限界を感じ始めた笑 今回は主人公は大人の「元女生徒」で、14歳の娘がいる。 「何気ない雑談を額面通りに受けとってくれる素直な人って、最近はもうどこを探してもいない。」 これを30ページで既に痛いほど丁寧に言語化してくれてる。 ②これは本当に素敵すぎる音楽教師のはなし。子どもの頃、「社会経験を通してない、子どもの社会に居続ける教師」という存在がほんっとうに嫌いだったが、教師に「なる」と考えてみたら中々愉快で不純物の少ない社会に身をおけるのは悪くないのかもしれないと思う。 あと最後の下り最高に音楽が壮大を体現してて良かった。
1投稿日: 2025.07.02
powered by ブクログ変人なのに自分が真っ当だと思っている、っていう点で、『成瀬は天下を…』の成瀬もそうなのだが、成瀬はジェダイで九段理江の人物たちはダースベーダーみたいな。 勝手にそんなイメージ。 『Schoolgirl』は太宰『女生徒』と対だが、短編のもう一作『悪い音楽』とも対になっている。短編内二作の主人公二人は似ている。対する「娘」と「教え子の女子」も似ている。後者たちは「正しさ」を振りかざし、文学や音楽(といっても高度な音楽)を否定(もしくは理解しない)。前者は敗北者。女の敗北の対として、普通は「権力者=男」みたいな構図で話を進めていく女性作家が多い中で、九段理江は特殊。また自己(=私、あなた)を深追いしていく。文体はめちゃくちゃ読みやすいが、後から考えると脳が割れそうになる…。
13投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
●2025年5月3日、グラビティの読書の星で紹介してる女性がいた。 「九段理江さんの『School girl』 太宰を愛する作者さんが、女生徒をベースにして現代に太宰を蘇らせてくれているそう。 装丁も好き!手に取るだけで癒される〜。 九段さんのお話しされている内容や言葉にすごく惹かれるものがあって、ずっと気になっていた作家さんなので、読むのが楽しみ。自分にハマればちゃんと購入しよう。#読書」 この投稿に付いてたコメント: 「『女生徒』好きなので読んでみたい。ギャルっぽくない現代風がいいけど、どうなんだろう。」 → 私も表紙の女性のアートに惹かれた。 ●2025年5月3日、グラビティの読書の星で紹介してる女性がいた。 「昨夜『School girl』読了。 母娘の話を女生徒に乗せて現代に落とし込んでいて、母娘どちらにも少女を感じれる、ただのオマージュではない作品だった。 互いを思いながらも晴れ切らないまま終わる所もふたりで少女だからなのだと思う。 女生徒、School girl、どちらも読まれた方のお話を聞いてみたいな。 次は何を読もう。GWも始まりほぼ仕事なのに、2週間後には全て読んで返却だ〜楽し忙し〜。#読書 」
0投稿日: 2025.05.03
powered by ブクログ少女と女性 娘と母 女生徒とSchoolgirl それらの対比で娘と母の関係や女性と世界の関係を描いている傑作。 太宰治の『女生徒』を中心に母と娘と世界が交わる物語。
0投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログこれは面白かった! 2編とも好き Schoolgirlの意識高い娘と箱入りお嬢様風母のやりとりと関係性がいい 悪い音楽の先生、才能を持つ人って意外とこういう感じなのかもしれない 総じて若い女性の自意識に批判的なんだけど、そこには著者自身の若い時を写してるのかもしれない
0投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログschool girl 2022年の芥川賞候補、小説を愛する母親と、社会問題に目を向ける娘のそれぞれを描く。太宰治の女学生を踏まえた作品。何だかんだいって、娘には母親がとても気になる、という点に落ち着く。 併録の悪い音楽はこの作家のデビュー作らしい。 毒が効いていて面白い。
0投稿日: 2025.03.05
powered by ブクログ保奈美ちゃんの番組「あの本、読みました?」で著者が出演されていました。 自信家で、人をくったような態度の著者でしたが面白いなとその言動に惹かれ、現代版(太宰治の)女生徒、と紹介されていていた本書に興味が湧きました。 確かに女生徒、でしたよ。 意識高い系の中二病の主人公と母の話で、子供と大人の狭間な感じがよかったです。 でも私はそれよりも、もう一遍収録されている悪い音楽の方が好みでした。 悪い教師がよい音楽を作っても不思議はないよねとか、教師になることは音楽家一族にとって本当にもったいないことなのかとか、考えているうちに、どんどん展開してどんどんハラハラさせられました。 まあどちらも、ザ・純文学、でしたね。 著者の長編も読んでみたいけど、この感じで長くなるのは私には難しくなりすぎて読みにくそうな予感ですが・・
0投稿日: 2024.12.21
powered by ブクログ①読んでるとこちらまで鬱になりそう、awakening ②かなり好みだった。狂った音楽教室、ヒップホップ
0投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログ直前に太宰治の「女生徒」を読んだのは、本書を読む事前情報収集のためでした。なにしろ本書には、〈令和版「女生徒」〉〈「女生徒」を大胆に更新〉等のキャッチーな宣伝があり、本作も芥川賞候補だったこと、さらに九段さんがBS番組で、かつて三島由紀夫にのめり込む前に太宰治にハマっていた(真逆な二人と思うのですが…)と話され、興味が増したのです。表題作の他、デビュー作「悪い音楽」も収録されています。 表題作「Schoolgirl」の主人公「私」は、母親と娘で視点が交互に切り替わります。タワマンで暮らす母親は専業主婦(夫は出張中)で、大の読書好き。一方、14歳の娘はインターナショナルスクール生で、環境や社会問題に意識が高く、英語で発信する中学生YouTuberです。 実際作中に太宰の「女生徒」が登場しますが、それだけでなく、設定や物語の構造、語り口、アクセントになっている物や言葉、そして何よりも母と娘の感情の揺れ動きや葛藤など多くの共通点があり、九段さんの太宰へのオマージュが感じられます。 二人の関係は、なかなか噛み合いません。母親は、賢い娘を大切に思うものの、いろいろと抱えています。娘は意識高い系で母親を見下し、上手く関係性を築けません。母娘の関係は普遍的なのでしょうか? 真似た設定故なのでしょうか? 結果的に、小説「女生徒」の存在が、二人の歩み寄りのきっかけとなるのでした。物語の力ですかね。 もう一編の「悪い音楽」のレビューは割愛しますが、なかなか「心」が伴わない中学女性音楽教師の話です。こちらも一気読みできるエンタメ性がありました。構成や筆致、あふれ出る言葉の煌めきに引き込まれました。九段さんのその後の活躍を予感させる2作だと感じました。
72投稿日: 2024.11.20
powered by ブクログSchoolgirl。影響を受けたとされる太宰治の「女生徒」も読んでみようかな。 悪い音楽。こちらの方が読みやすく面白かった。先生のラップが良い
8投稿日: 2024.11.09
powered by ブクログ面白かった。 楽しませてくれる小説に出会った喜びを感じます。 144ページ「悪い音楽」 「事前に私の人となりを詳しく知ってしまったら、音楽以外の要素があなたの作品に影響を及ぼしてしまうのでは?」 この言葉にドキッとした。 芸術作品を本当にそれだけ鑑賞しているのかと日頃感じているので、刺さりました。 86ページ「Schol girl」 「頭の中からできるだけ自分を失くす」
1投稿日: 2024.10.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「人が生殖機能を失わない限り新しい不幸は生まれ続ける」 オチがすごい!とかではないけど、普通に面白く読めた
1投稿日: 2024.08.21
powered by ブクログ九段理江さんといえば、なんといっても、芥川賞受賞作品である「東京都同情塔」だとは思うのだが、捻くれている私は先に初小説集である、こちらから読んでみて、どんな感じなのかを確かめたくなってしまう衝動に駆られてしまったと思ったら、こちらも表題作が芥川賞候補作だったのですね。 そして、読んでみて驚いたのは、このタイトルが若い頃に読んだ小説(内容は殆ど覚えていないが)の英語版だということで、帯にも「令和版『女生徒』」と書いてある通り、現代の多様化した社会に於いても依然変わらずに残り続ける、鬱屈とした雰囲気をシニカルに描きながらも、元の作品に於ける当時の空気感漂う文体との邂逅を果たすことで、それが母と娘との関係性の変わらない部分であったり、思春期に胸に抱いた方もいるであろう、この世界に生まれてきたことへの漠然とした不安感であったりといった、そうした普遍的なものを元の作品から得られたことによって、実は時が経っても変わらないものは確かに存在するのではないかと実感できたことが、今を生きる人達にとって大きなひとすじの希望となるのではないかと感じ、それを九段さんは『Awakening(目覚め)』に込めているようで、この言葉は本書に収録されたもう一つの作品、「悪い音楽」に登場することからも、本書の共通するテーマ性を窺わせるものがありました。 更に本好きにとって嬉しいことに、表題作では小説が嫌いな娘が作品との出会いを介して、少しずつそれへの印象が変わっていく様子を文学的に描いている点に、まるで小説と出会ったことは、新たな自分への萌芽を表しているような素晴らしさでもあり、それは『私とは別の思考を持った女の子が、頭の中に入り込んできて、私を乗っ取っていく感じがする』といったフィクションなのに、とても臨場感のあるそうした感覚は、まさに小説ならではの内から湧いてくるリアルさなのだと感じ、彼女は最初『小説は現実逃避のための読み物でしかなく』と言っていましたが、小説はそれを読むことで元気をもらって現実世界を生きる活力にもなりますし、そもそも現実逃避は自分自身を癒すための本能的な、自分が自分を思い遣っていることの裏返しの行動だと思うので、決して悪いことではないと思います。 それから、表紙の西山寛紀さん作『Afternoon』の、どこか懐かしさと新しさが融合したような装画には、まるで女生徒とSchoolgirl、それぞれの良さの結晶とも感じさせるような、決して華がある感じではないけれど、つい何度も見てしまう魅力がありました。 次に、もう一つの作品「悪い音楽」ですが、現代社会に於いて、問題のある教師のニュースが時折話題となる中で、随分と挑戦的な作品だなと感じましたが、これが読んでみると、声に出して笑ってしまうくらいの不適切極まりない自分を痛感しまして、そこには、人間の嫌な部分をあけすけに描いたことによる潔さから、そういった部分は表に出すか出さないかだけで程度の差はあれど、誰もが持っていることを肯定してくれたことに、表現の自由の素晴らしさを感じましたが、それにしても、問題を起こした生徒二人と保護者と先生方が集まった場で、心の中とはいえラップの韻を踏むのはまずいと思いますがね。 そういえば、私の通った中学校の音楽教師も、どこか他の先生とは違う雰囲気を放っていたというか、その独特な話し方や仕種に、ああ芸術家とはこういったタイプの方のことを言うのかなと思いましたが、ここでの音楽教師(女性)は内面を知ると、とても気さくな印象を持たせてくれながら、大人の持つ純粋な狂気性も併せ持つことに加えて、知識量がある分、その万全なセルフケアによってメンタルの強さはあるものの、終盤の展開には侘しさを漂わせるものがあることに、現実の厳しさを思い知らせるけれど、彼女も根っからの悪人ではなく、ただ自然体で生きているだけなのだと思われる点には、いったい何が正しくて正しくないのか分からなくなる・・・って、ならないか(^_^;) ただ、それでも彼女自身の音楽好きには、別格で尊敬できるものがあり、それは学校で開催される合唱祭の中の特別演奏で、テルミンやガムラン、タブラ等、比較的マイナーな音楽を本気で演奏することや、ロックにジャズ、クラシックと幅広いジャンルの音楽に精通した話も面白く、私からしたら彼女の悲劇は、昔のロックに対して持たれていた悪いイメージのような、見る人によっては、そんな狂気性も芸術的な感動や衝動的でイカしたカッコよさに変わったり、パンクの精神に近い世界平和に繋がるものであったりと、どんな人間にもそうした多面的な見え方があるのだということを、取りあえず信じたいです(笑) 色々と書きましたが、とにかく私の中で画期的だったのは、深淵なことも書いてありながらこんなに笑わせてくれた、当時で言うところの未来の芥川賞受賞作家の作品(「悪い音楽」)は初めてだということで、他の方々のレビューから難しい印象を抱いていた、「東京都同情塔」も俄然楽しみになってきました。
59投稿日: 2024.08.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
グレタに憧れる女子中学生と文学を愛する母親。 フィクションは時間の無駄だという娘と 戦時中ですらフィクションこそ生き残るという母。 九段さんと小川哲さんの文章に共通点を感じ、この人の文章が好きだと直感が働いた。 太宰治の女生徒を基に書かれたそうだが、知識がないせいか「なるほど、女生徒はこういう作品なのか」としか思わなかった。 AIスピーカーやYouTubeのない時代、女生徒はどんなふうに書かれていたのだろう。 娘がフィクションを信じていないにも関わらず、母の本棚をどんどん散策していき、遂に「女生徒」にたどり着く。 そして。。 母を毛嫌いし、馬鹿にしつつも、母の世界に入りたい娘の気持ち。そこが絶妙だった。 心に残った文章。 “あさ、目を覚ます時の気持ちはおもしろい” “少女のうちに死にたかった。” そして、デビュー作の「悪い音楽」はある意味ぶっ飛んでいる…でも読む手が止まらない。 こういうものを面白いというのだろう。
4投稿日: 2024.08.05
powered by ブクログ『School』 “みんなを愛したい” からの “美しく生きたいと思います” が良かったです。 あと、少女のうちに死にたかった、、、ってところも。 上記だけでなく、冒頭から太宰治『女生徒』のオマージュを彷彿とさせるはじまり。 太宰治『女生徒』が十代の少女の日記をベースにした小説であり、語り手というか本来の日記の書き手の少女は当然ひとり。 それに対して『Schoolgirl』は母と娘が、母のモノローグと娘が一方的に社会派YouTuberとして配信する動画で語っている。 娘になめられている母親も読み進むにつれて母親然としている。 偉そうなことを言っている娘もお母さんお母さんと繰り返す。 今まで一番ひどい、と塞ぎ込んでいる娘に対して、たかだか14年分だけのニュースを頭の中で振り返るだけで済ませる母親。東日本大震災でさえも対象にならない。それが娘の、少女の年齢を極端に浮かび上がらせてきたと感じた。 太宰治『女生徒』を書いた1937年は戦時中だったと。そんな話をしたとき、小説に囚われた母親のことどう思ったんだろうかってまだ少し考えてます。 母も娘も名前が出てこない。これは母と娘のふたりが語っている(娘は動画を通して)けど、結局これは一人なんだろうな。ってよく分からない感想に行き着きました。 ――――――― 『悪い音楽』
4投稿日: 2024.06.10
powered by ブクロググレタさん風社会派中学生YouTuber × 文學が好きな専業主婦の母を描いた「School girl」、音楽で食べていく道を断念した元音大生の音楽教師×合唱コンクールで優勝したい熱心な生徒を描いた「悪い音楽」の2編から成る作品。 社会に揉まれていく内に諦めと限界と妥協を知った大人と、そんな大人の冷めた態度に純粋な気持ちで真っ向から反抗する子供の対立構造。軽快な文章とその表現力、時に皮肉が込められた台詞などそのどれもが面白く飽きない。 九段理江先生の感性はめちゃくちゃ新しい発見になる。 School girl|変な反抗期を迎えると子供はこうなるのか。太宰治の「女生徒」など小説を愛読する母に対して、フィクションを読むのは時間の無駄だと一刀両断する娘。娘が母の本棚を遡っていったシーンが印象的。確かに人の本棚ってある意味その人の持つ思想や何か核のような部分が反映されているのかも。ここでも「東京都同情塔」の主題の1つである、生まれながら恵まれているから善人、恵まれていない人は悪人になりうるという一節があった。 悪い音楽|問題を起こした生徒の保護者と面談する場面で、脳内でリリックを再生して韻を踏んでいたのは、まさか合唱コンクールの後夜祭で披露する演目のテーマだったからというのは想定外で笑った。 同居人のサエは、感情が不安定な時があり、自分が話したいことをつらつらと話してスッキリして満足するタイプで、聴く側の感情を置き去りにする。不謹慎や道徳的線引きが違うので、こっちはセーフでも向こうはアウト…みたいなことがある。クライマックスは、地震が起きて担当クラスの合唱が中断したのに、再開せず自分の演目をやり切ったのは、さすがに実際にいるとドン引きしたけどソナタの気持ちも分かる。読後感はなぜかすっきりとした不思議な作品でした。
2投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログ少女ゆえの全能感、自分以外のみんな、特に自分の世話を焼く母親が馬鹿に思える。そんな少女期を通過していく様子が、読んでいて痛みを感じるほどよく描かれている。母親に愛されているからこその辛辣な言葉と、赤の他人に向けて吐露される本音。「明日から戦争が始まるっていう日でも、お母さんは小説の話をするの?」母親の答えに少女が気付きを得るのと同じように、私もハッとさせられた。 「悪い音楽」にも、全能少女が登場するが、対する音楽教師もなかなかのものである。行き過ぎた音楽ファーストによって、教師として窮地に立たされることになる。こちらは「Schoolgirl」とは違って笑いながら読めた。面白い。
2投稿日: 2024.05.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
つい最近芥川賞を取ったばかりでマスコミに露出も多くなった作家なので受賞作はまだだが先ずは本作から読んでみた。2作の短編だがどちらも女性が主役だ、文章に区切りがなく読みにくい作風だが、そのたたみ掛けが良いのかもしれない。一人は主婦そしてその娘、もうひとつは音楽教師とその生徒。どちらもその役割を実際の行いとその思想に問題はあるが必死にその役割を果たそうとしている、何故か生きるのがつらそうだ、世の中の女性は皆そうなのかと疑ってしまう、その点男の単純なこと、なぜだか悲しくなってしまう。
1投稿日: 2024.05.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
新人賞受賞作「悪い音楽」から読みました。 人の心がわからない教師の話。 音楽家の父につけられた名は「ソナタ」。 もうこれは呪いだな。 確かに、心に寄り添うとか感情を揺さぶるとか、やたら共感を求められる時代にあって、他人の感情を忖度しない人は悪者扱いされてしまうのかも。 ソナタ先生は感情が無いわけではなく、自覚が薄いだけで喜怒哀楽の末に苦しんだり傷ついたりもしている。サエはちゃんとそれを感じとっているのだとラストシーンを解釈しました。 「Schoolgirl」はステレオタイプな思考が並び実態がつかみづらい。世界は大小のさまざまな説でできている。良い意味で最初の印象が裏切られていきます。 主義にとりつかれている娘は、生きている実感が欲しいのかな。だとしたら私も誰かが語る「現実」よりも小説を支持します。
1投稿日: 2024.05.22
powered by ブクログ実に「クール」だと思った。この著者はまずこの世界の実相をきわめて鋭利な感覚でとらえ、そして違和感を率直にあぶりだす。だが、それを叩きつけることなく「クール」で洗練された筆致で記していく。さまざまな切り口から論じられる作品だろう。母と娘の断絶(血を分けた関係だからこそ浮き彫りにされる「わかりあえなさ」)が強調されるその一方で、登場するAIはなんでもかんでもこちらの手の内を探ろうとする。意識の高さを描写する喜劇的なセンス(しかしこちらの心理を確実にえぐる「クール」な冷笑も同時に確実に感じる)にやられてしまった
1投稿日: 2024.03.21
powered by ブクログ「School girl」では、14歳の娘をもつお母さんの想いと映像で語っているyoutuberの娘の想いを交差しながら読むことが不思議な感覚でした。 さらにそこに太宰治「女生徒」の話しが出てきて、時間軸的にも面白く描かれていました。 まだ「女生徒」読んだことないので、読んでからまたこの本を読み返してみたいです。何かまだトリッキーな仕込みがありそうです。 そしてもう一つの「悪い音楽」ですが、癖があり、新しい視点であり、そしてつい笑ってしまう場面あり、音楽で例えるとロック?いやカートコバーンやビリーコーガンを思わせるオルタネイティブ的な気持ちを感じました。 わたしも心当たりがあるのですが、笑ってはいけない状況で笑う場面が所々にあり、失笑恐怖症なのか映画の「ジョーカー」を思い出し、不謹慎さの状況の中自分だったらどう感じたか、ここがポイントだったのかなと感じます。 この本を読む人によっては批判はあると思いますが、わたしは好みでした。 二世のイメージ、教員のイメージ、世の中ステレオタイプだらけの中でも、気にせず生きていく本物の素直さが目に沁みます。 どちらのお話しもストーリー重視で攻めず、人間の癖で攻める九段理江さんの本は、また読むのが楽しみです。
11投稿日: 2024.03.15
powered by ブクログ『Schoolgirl』も良かったが、『悪い音楽』に登場する音楽教師ソナタのズレが印象的だった。 保護者を呼んで生徒指導する場面で、その内容をネタにしたラップを考え、教師や保護者から問い詰められたり、合唱コンクールな学級指導で音痴な男子をカバーするために声量をあげることを指導し伴奏者の生徒から反感をかったりと、音楽的才能は優れているのに、あまりにも周囲と噛み合わない感じが、実に面白かった。 今後の作品にも目が離せない。
8投稿日: 2024.02.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作『Schoolgirl』の親子は、簡単に病名が付く令和では客観的に診察されたら何かしらの病名が付くのかもしれない。親子関係としてはありふれた現代的な親子で、情報社会に影響を受けまくった活動家もどきの子供っていうのは沢山いる気がする。大抵は予防接種みたいなもので、厨二病の亜種のようなものなのかもしれない。 『悪い音楽』の主人公は音楽家になっていれば芸術家らしいと称される人物だろう。全てが音楽を中心の彼女が、音楽のために同居人を手放してしまわないことを祈る。登場する女子生徒は、私はめちゃくちゃ苦手なタイプ。なんで女が二股すると男同士が殴り合うんだろうな。二股した張本人を殴るならまだ理解できるんだけどな。 『Schoolgirl』の親子はこの後も親子として相手のことがちょっとわからなかったり、言いたくないことがありながらも親子であり続けるような気がするが、『悪い音楽』のソナタはふとしたキッカケで全てを手放してしまえる。しかもそれに対して後悔はしなさそうで心配になってしまう。
2投稿日: 2024.02.15
powered by ブクログ表題のと、悪い音楽、との二本立てだったが、悪い音楽の方が好み。 小説というより、現実に近くて面白かった。 ただ、いつも読みたい話ではないかも。並行して読んでいた別の小説も良かったのに、それの現実離れ感が増してしまって白けるくらい、インパクトはあった。
2投稿日: 2024.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
⚫︎受け取ったメッセージ 言葉で表現することの可能性 ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 祝・第170回芥川賞受賞 新芥川賞作家の原点。第73回芸術選奨新人賞受賞作。 どうして娘っていうのは、こんなにいつでも、 お母さんのことを考えてばかりいるんだろう。 社会派YouTuberとしての活動に夢中な14歳の娘は、 私のことを「小説に思考を侵されたかわいそうな女」だと思っている。 そんな娘の最新投稿は、なぜか太宰治の「女生徒」について――? 第126回文學界新人賞受賞作「悪い音楽」を同時収録。 ⚫︎感想 2作ともこれぞ純文学という感じで、芥川賞に選ばれてもよかったじゃないか?と思えた。大変面白く読めた。 「School girl」 小説の可能性を見出せる小説。母になる前の母を知りたいと思い娘が見つけた太宰治の「女生徒」 太宰治の「女生徒」を踏まえた、対照的な娘と母の話。「女生徒」を読んでから本作を読み、よかったと思う。社会派YouTuberの聡明で正義感あふれる娘をもち、娘に小馬鹿にされる発言を受けながらも一生懸命子育てはしようとしている母である主人公。当たり障りのない言葉を探しながら。でもしれっと不倫していたりもする。 「東京都同情塔」でも指摘されていた2点。 誰も傷つかない言葉の追及、生まれながらにして恵まれていれば当然良い人になり、悪い人になりようがないという指摘。 周りのでき事も人も早回しで進み、娘は世界の真実を把握するのに「5分で分かる世界の真実」の動画を再生し、あっという間に子供に追い越され遠ざかる。これは現代の親の立場では共感する部分だ。 太宰が書いた時代の女生徒と、九段さんが書いたSchoolgirlとでは、同年齢の女の子たちでも、およそ100年違えば相当に異なった状況にある。思考のスピードの違いを「女生徒」の読点の多さという表記に重ねて考察しているところもおもしろい。 また、娘は、母親を小説に思考を侵されたかわいそうな人という一方で、母の蔵書のラインナップを探索することで、自分が生まれるまえの母という人を探る、そして見つけた「女生徒」。母を思う(いいも悪いも)気持ちは時代を超えても変わらない。 ※特に印象的だった部分 「私とあなたではたぶん、前提の共有ができてないだけだと思う。あなたにとっては本当の反対は嘘で、夢の対義語が現実なんでしょ?フィクションの反対はノンフィクションで、良いの反対は悪い?…でも私の脳の言語野ではそんなきれいに言葉の意味ってわけられていないのよ。…」 「戦争に勝利すれば何かいいことがある」のような大きな「大説」は今はほとんど相手にされていないにしても、少なくとも太宰治が残したような「小説」は私もあなたも共有している。 「悪い音楽」 感情がうすい音楽教師、三井ソナタ。音楽の抜群の才能がある。生徒が怪我する場面、父(世界を飛び回る音楽家)が音楽教師などだめだと意見する場面、「横田かのん(情熱的だが、音楽の才能は皆無)」が訴えかけてくる場面…など深刻な場面で、ほぼ感情が動かないどころか笑えてきたり、別のことをかんがえたりしている。真剣な場面で無意識に微笑んでいたらしく、指摘される。 彼女自身、感情について考察する場面がある。芸術家たちがが感情のバリエーションを創り出し、それらを吸収しているだけではないのか?と。「表情なんてものは、ただの顔を組織している筋肉の動きじゃないか」。と、考えたその夜、表情筋トレーニング講座に申込をしている。生徒たちの合唱よりも、合唱祭にかける自らの音楽とその完成度からも、全く教師には向いていない。最後は横田に担任先生としての立場を奪われる。 三井ソナタと横田かのんは対照的な人物像で、おもしろい。二人ともバランスが著しく悪い。一方は音楽の天賦の才能を持つが感情が薄く、もう一方は大変情熱家で自らが中1にもかかわらず、生徒を率いる力があるが音楽の才能はない。 感情がうすくて客観的すぎるものの見方のせいで、笑える箇所が何ヶ所かあり、最初から最後まで一気に読めた。
27投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログ「東京都同情塔」が第170回芥川龍之介賞候補になったので図書館でリクエストしたかったのですが本自体無かったので、以前の作品である本書を借りて読むことにしました。 前情報無しで読了したのですが、こちらも第166回芥川龍之介賞、第35回三島由紀夫賞候補になったのですね。 中身を見ずに薄い本だから1時間後くらいで読み終わるかなと思ったのですが、近年稀にみるくらいの、みっちり書いてある本でした。なんというか、情報の洪水を浴びせられた感じ。視覚的に言うのであれば、千葉県の鴨川シーワールドのシャチに海水を浴びせられたような、あの感覚。 あれも水浴び、という生易しいものではなくデカい容器に大量の海水が半端ない勢いで浴びせられるんですよね、あれを思い出しました。でもその体験が新鮮で、しかも中毒性がある…そんなところも両者の共通項だと思いました。
10投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ感情が露わになっているようないないような。なんともいえない文章が、グッと入ってくるようなこないような。好きなような、嫌いなような。 歪な親子関係や理解し難い教師が、最後には一件落着とはならないことが、いいような悪いような。 とにかくもやもやする作品でした。
22投稿日: 2024.01.19
powered by ブクログよくよく考えると、ストーリーも人物造形もそう斬新でもない話なんだけど、太宰治の『女生徒』を使ったところがこの小説の「なんかエモい」感を出している。 九段理江さんの作品はこれまで『School girl』『悪い音楽』『しをかくうま』を読んだ。たぶん九段理江さんはこれからどんどん評価が高まって、文学史に残る作家さんになられると思う。
1投稿日: 2023.12.26
powered by ブクログ表題はどちらも、小説のあり方、芸術のあり方に触れたものといった印象。 そこに現代社会との関係の構築があり、もっと深く考えて読めたらおもしろそうだなとは思ったけど、さらっと読み終えてしまった。 時々挟まれるユーモアある独白が笑える。
0投稿日: 2023.12.20
powered by ブクログ「School girl」「悪い音楽」の2作。「悪い音楽」が気に入った。 音楽サイコパス、本人はいたって真面目で一本筋が通っているけども、音史上主義すぎてあれこれ面白いことになっている。 ソナタさん目線の作品がもっともっと読みたい…
6投稿日: 2023.11.10
powered by ブクログすごく面白かった。表題作の「school girl」と「悪い音楽」の二作品が入っている。特に「悪い音楽」が好きだった。主人公のソナタは、人の心が分からない音楽教師。人の心は分からないが、教師としては職務を淡々とこなしている。世の中では、心!心!心!と、とかく心の大切さが言われるが、本当に心はそんなに大切なのか?と思わされる。 理知的で鋭い文章でありながら、ユーモアに溢れていて、ソナタがとある事件で教頭や保護者たちとの話し合いの最中にラップのリリックを考える場面は思わず吹いた。
1投稿日: 2023.09.03
powered by ブクログ横文字タイトルに惑わされてはならぬ。とても読み応えのある物語だった。どうにも癖がある、もしかすると近くにいたら煙たくなってしまいそうな人々が、収められている2篇ともに、登場する。彼ら自身は彼らの思う必死さで生きている。そんな人たちが何かのきっかけや誰かとの出会いで少し変わって生きやすくなる、みたいな話はいくらでもあるだろうけど、この小説はそんな甘っちょろいもんじゃない。何かが欠落している人々をそのまんま受け止め、批判するでもなく大袈裟に脚色するでもなく、読者に差し出してくれている。母娘の関係を描いた表題作、音楽教師の少々歪んだ生活を描いた『悪い音楽』。どちらも安易な結末じゃないからこそ、母、娘、教師のこれからをまだまだ考えさせてくれる。 バタバタしてる時には、読書はやはり小説に限る。機能的な読書をしても全く頭に入ってこないんである。小説バンザイ。
0投稿日: 2023.08.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「Schoolgirl」 環境・貧困など世界の問題に興味を持ち、発信している娘と 小説が好きな母親。 娘くらいの年齢の頃に、環境などに問題意識を持ち、 それを気にしない大人に苛立ちをおぼえるのは、 私も思春期に経験があるので、分かる気がした。 (大人になるにつれて、その問題もかなり恣意的なものであることに気がつくのだが…) でもどんなに大人ぶろうとも母親が好きで、密接不可分だという母娘の難しさ。 ただ私が「女生徒」未読なためか、 今ひとつ感じ取れないものがあったので、ちゃんと女生徒を読もうと思った。 ・大きな説(世の中)は変わっても、小説は読み続けられることもある 「悪い音楽」 感情がやや欠如した音楽教師。 それを敏感に感じ取った生徒との争い。 こちらのほうが好み。 表情や感情の話が良かった。 ・感情 これまでに芸術家や小説家が概念を見つけたり、名付けたりしてきたもの メディアなどで広がり、それを学習して使っているだけ
0投稿日: 2023.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「Schoolgirl」 母と娘の話ではあるんだけど、なんかこう一言で言い表すのは難しいな。最初の半分の夢とかもきっとなにかの暗喩なんだろうとは思うんだけど。お母さんは小説とか妄想とか本が好きで、娘に結構依存してて、でもサラッと不倫してるような毒親なんだけど、娘は社会派意識バリバリで、そんな母を口では毛嫌いしているけど、頭の中は「女生徒」よろしくお母さんのことでいっぱい。母と娘とは、こうも複雑に絡み合ってしまうものなんだろうか。ちょっとゾワゾワする。自分はどうだろう、14歳の時そうだったのかなぁ。 ひとつ言えるのは、登場人物誰も好きになれないということです(笑)こんな生意気な口聞く娘もやだし、こんなお母さんも嫌だよォ。 「悪い音楽」 洒落が聞いてるというか、ブラックなマシンガントークという感じで↑よりは好きだったかな。でもやっぱり主人公はサイコパスみがあって共感は出来ない(笑)
2投稿日: 2023.07.24
powered by ブクログ表題作含め二篇とも、持ってないものを埋めるために何か一つ媒介を通して世界を認識している人たちの話だったなと。 女生徒未読なのが悔やまれる……。
0投稿日: 2023.06.27
powered by ブクログ私が常々感じているのが、母と娘の親娘関係が 母と息子の親子関係と全く異なった関係性になる ことで、同性にしか感じ合えない何かテレパシーみたいなものがあるのかと感じてしまうのです。 本作の「School girl」は、中学生の娘とその娘を 過保護に愛している母のストーリーなのですが、 娘は、とても意識が高くて、環境問題や世界平和についていつも考えていて、youtubeを上げて 問題提起を続けている。その娘と真逆で、あまり そういった問題に目を向けてなくて、妄想好きで、小説をこよなく愛している母。現実を見ない母にイラついてる娘と本当の親娘関係を探している母との言葉の言い合いがとてもユニークでした。
29投稿日: 2023.06.19
powered by ブクログ理屈に合う話をしている。が、直情剥き出しの主人公に何故か共感しない。苛立ちや違和感を抱きつつも読む手が止まらない。釈然としない魅力があり、後を引かない読後感。
0投稿日: 2023.05.28
powered by ブクログ読みながら、胸の奥がざわざわする。 真理であり、妄想であり、大きくすれ違っているようであり、互いに深く食い込んでいるようでもある。 背中合わせの不穏さをひしひしと感じる。
0投稿日: 2023.05.26
powered by ブクログすごいかもしれない…!と思いつつ読む。そして、すごいなあ〜と思った。 好きかと聞かれると、好きではないのだけれど。
1投稿日: 2023.04.03
powered by ブクログ選評では、島田雅彦・平野啓一郎・松浦寿輝により強く推されたものの、主題の提示で終わってしまっている・導入部分のその先を書いて欲しい、一作では判断できないとの意見もあり受賞を逃した。 選評委員女性3名に◎をつけたものがいなかった、という点も留意したいところ。 本小説は太宰治の「女生徒」を介して、 虐待の連鎖を恐れる母とZ世代の娘の母娘関係が描かれている。 収録作品 ・school girl ・悪い音楽
1投稿日: 2023.02.27
powered by ブクログわーお。この作者の文章好きだなー。 作者の感性がドバドバドバーっと私の中に入ってくる感覚。(こんな素晴らしい文章を読んだ後の自分の語彙力に泣けますが。) School girlを読んで、あーもうちょっとこの世界観読んでたかったーと思っていたら、悪い音楽が超えてきた。おもしろかったー。三井先生やばいけど、きっと天才。でも生徒だったら凡人の私は大嫌いだっただろうなー。うちの音楽の先生やばいよね。って言ってただろうな。 次作が出たら読みたい作家さん。
27投稿日: 2023.01.08
powered by ブクログちょっと読みにくいと感じたけど、それだけ斬新な作風に感じられる。なんとなく笑える部分もあり、センスある作家さんだなと思います。
0投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログ太宰は偉大だな、と。この母娘、ものすごくよく似ている。明晰夢を見ているような人は、確かにいる。 好みとしては「悪い音楽」の方が好き。笑える。
0投稿日: 2022.10.22
powered by ブクログとても興味深く面白かった。 作者の感性の素晴らしさが伝わって来た。 これを読みながら、「女生徒」を2度読み直してしまった。 太宰の凄さと九段さんの素晴らしさが、身に滲みて来た。 「女生徒」が、「お母さん」なら「School girl」は、「Mother」であろう。とにかく、ここに登場する「お母さん」は、凄い。 太宰が、日中、日米戦争の中で、「女生徒」を書いている。九段さんは、「台湾有事」からの日中戦争のことは意識してかいているのかな。 九段さんの良さは、ドキュメンタリーより「文学」の素晴らしさを高らかに肯定しているところだ。嬉しかった。 14歳。何と不可思議で、魅力的で、興味深い歳なのだろう。 中学生を教えることのできる立場にある自分の幸福を明日からも大切にして行きたいと思った。
1投稿日: 2022.10.18
powered by ブクログそんな事まで言葉にしなくていいって普段なら思うようなことが言葉になっている。 序盤娘にイライラしてたけど結局みんなどいつもこいつも、で良かった(音楽教師含め) 思ったより読みやすかった。
0投稿日: 2022.08.19
powered by ブクログ「School girl」 14歳の聡明な少女と、専業主婦の母の設定、太宰治「女生徒」を下敷きにしたところなど、いい感じの小説で、それぞれの気持ちも「わかるわー」となる。 女3代の因果、次の代はどうなるのかと思うが、もう産まない、ここで止まる可能性も高いよな。少子化って母と娘の物語も家族の物語も縮小していくのかな。 宇佐美りん「かか」を思い出した。賢い娘とダメな母親。小説の中だけではないかも。若い女性の作家世代から見ると母親の世代はこんな感じに見えてるのか。 「悪い音楽」 面白くて、私はこちらの方が好き。 主人公を、心のないひどい人間、音楽教師と描かれていると当然なように書かれている感想のようなものを多く読んだ。筆者もそのような思いで主人公を造形されたのか。 私など、この主人公にものすごく共感を覚えたのだが。すごくリアルだと思ったし。 現役の中学音楽教師に聞いてみたいものだ。「共感されませんか?」と。「するわけないでしょう」と激怒されるだろうか。
0投稿日: 2022.07.07
powered by ブクログ高橋源一郎の飛ぶ教室で紹介されていた本。 ラジオで紹介されていた内容から、もろ芥川賞っぽいちょっと不思議な小説なんだろうと思ていたけれど、2作とも秀作でした! 源一郎さんが推していたのも眉唾物かなと・・・いやいや私もこれからの作品に期待しています。 「悪い音楽」中学生と先生の掛け合いが絶妙。 中学時代の音楽教師って、ある意味個性的でした、今から思うと・・・
5投稿日: 2022.06.27
powered by ブクログschoolgirlを読む 私はあの子供を重なっているところがある、断絶だと思った、母さんからの断絶もある14歳ではなかったが18.19のところ 悪い音楽を読む
0投稿日: 2022.06.21
powered by ブクログ2作収録。『school girl』→母と娘の関係は複雑だ。非常に賢く、意識高い系の中学生の娘。しかし彼女はクソ生意気で専業主婦の母親をバカにしている。ただ母娘共通しているのは太宰治の『女生徒』に感銘を受けたところ。とりあえず『女生徒』を事前に読んでいて本当に良かった。さもなくば3ページで挫折していただろう。ちょっと難解な話だった。『悪い音楽』→こちらの方が断然面白い。奇妙な音楽教師の話。主人公は教師としては完全に落第点であろう。しかし天才肌?な感性は斬新でもあり、変わった人間の生態として興味深かった。
0投稿日: 2022.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作は芥川賞候補とのこと。 あ、おもしろい。 ざっくりとしたイメージとして、直木賞=エンターテイメント、芥川賞=文学的、という印象を持ってしまっていて、どうしてもまず読むならとっつきやすい直木賞からみたいなところがあるのだけれど、芥川賞系な本作は意外なほど読みやすかった。 とはいえ、Aの立場の汚点を挙げ、その後Bの立場の汚点を挙げ、明確な結論は読者任せ的なところは”ぽい”と言えば”ぽい”。 それでも、SNSがどうとか、YouTubeがどうとかの文脈の中、現代的な葛藤をシュールに皮肉的に描いていく物語はとてもおもしろい。 個人的には表題作も良いけれど、『悪い音楽』の世間と適用しようと空回りする、絶妙な具合で極悪とは思えないサイコ音楽教師がたまらなく好き。 今後の期待を込めて敢えての星4つ(実測4.5)。
23投稿日: 2022.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
母親の心情にも娘の行動もどちらも合っていてどちらも違うような、そんな考えの沼に嵌っていくお話でした。最後の終わり方も、所々に入っている娘の動画も面白かったです。 「悪い音楽」は、出てくる曲を聴きながら読みました。主人公のサイケチックな性格と音楽への情熱が社会とズレを生じさせている感じが面白かったです。性格も音楽が創り出したものという捉え方がしっくりくるかも
0投稿日: 2022.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
太宰治の「女生徒」が好き。娘は、すごく「中二病」だなって思ってちょっと微笑ましいくらいだった。自分に対する根拠のない万能感と、親への不信とか軽蔑とか、でも自分が甘え倒してることにどこかで気づいているんだよね。罵倒は良くないけれども。でも、親に動画みられてるって気づいた瞬間の気持ちとか察してあまりあるけど…。 悪い音楽も面白かった。
0投稿日: 2022.04.27
powered by ブクログ表題作「school girl」は、芥川賞選評委員の男性委員からは支持を得たが、女性委員からは評価は低かったらしい。 もう少し母も娘も、深掘りしてほしいなと思ったので、評価が低かったのは納得した。 え、もう終わるの?と思ったのは私だけではないと思う。主役が母なのか娘なのか、その関係性なのか、それも曖昧な感じがした。 が、「悪い音楽」である。 これは、面白かった。 九段理江、不気味な作家だなあ。たぶん、何作か書いていくうちに、ものすごい小説が出てくるような気がする。引き出しがたくさんありそう。 どちらの作品も、複雑な感性を持つ女性が出てくる。一つの価値観でなく、揺れに揺れる価値観を持つ人たち、 でも、嫌いなものは確かにある人たち。 この人の描く女性がどんなことをやらかしてくれるのか、楽しみです。
6投稿日: 2022.04.21
powered by ブクログ【文學界 2021年12月号にて読了】 読みやすい本でしたが、あまり内容が伝わって来ず、共感しづらい作品でした。 ベースとなっている太宰治の『女生徒』を読みたくなりました。
1投稿日: 2022.04.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
太宰の『女生徒』を令和の女の子がYouTubeで表現したら、そしてその母親をその眼差しで批評したら。 そんな「もしも」を母親の方の目線からの小説。「小さい説、そんなの読むよりドキュメンタリーをみた方がいい!」と叫んでしまうようなグレタトゥンベリのような女の子。 太宰の頃の少女も令和の少女もどちらもナイフの様に鋭いけれど壊れ易い傷付きやすい。 かく言う私も確かにそんな年代もあったし、『女生徒』に感情移入して親を社会を詰った事もあったということ思い出した。自分だけがピュアだと信じていた。もう、14歳には戻れないな。 『悪い音楽』こちらも傷付きやすい中学生の女の子の話。それを音楽教師の目線から。 教師の方、生徒の方、どちらが今の自分の気持ちに沿うか、もちろん教師の方。だけどこちらの小説も身に染みついた隠されて気づかないでいたあの頃の気持ちを思い起こさせてくれた。地震オチ、ソナタさんのラップ演奏と内容もメリハリがきいていてイッキ読み。 芥川賞受賞は逃してしまったけれどこれからもっともっと書いていただきたい作家さんです。
7投稿日: 2022.04.09
powered by ブクログ第166回芥川賞候補作である表題作を含めた中編2編収録。 表題作は太宰治の「女生徒」の本歌取り的作品だそうだ。太宰は好きではないけど、「女生徒」は読んでみようと思った。 それより、もう一編収録された九段さんのデビュー作で第126回文學界新人賞受賞作の「悪い音楽」!。 女性のとんでもない中学音楽教師の話なんですが、軽く狂っていてヤバい。めちゃくちゃ笑えた。 5点満点で「女生徒」が4点、「悪い音楽」が6点のトータルで5点、といった感じです。 読みやすいので、深い意味を考えず感じるままに読むべき小説。 九段理江さん、ファンになりました。 次回作を強く期待。
56投稿日: 2022.04.03
powered by ブクログ芥川賞は逃したものの、平野氏らが一押ししたと聞いて借りました。 いやあ、すごい。とんでもない新人が出てきたと思いましたよ。現代に生きていながら同時通訳的に現代を描いているっていうか。初めはお母さんと同年代ぐらいの人かと思いましたが、1990年生まれ?なんということでしょう。 太宰の「女生徒」も読みましたが、この作品を読むと、もっと読み返さねばと再読。「あなた」って誰?これってすでに議論されてきたことなのかしら?こんなに若い人から教わることばかりです。 収録作の「悪い音楽」はとんがりすぎてイタいですね。これは粗削りな感じでしたが、これからどんな作品を描いてくれるか、楽しみです。
1投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログ表題作の【女生徒】は、私も大好きな太宰の女生徒を本歌取りしているということで、どんな小説になるんだろうと芥川賞ノミネート作の中でもとりわけ気になっていた。 バイリンガル社会派Youtuberとして意識高く活動する14歳の娘から、“小説ばかり読んで頭がおかしくなった空想癖のある母親”と見下されている34歳の「私」。 彼女と同様、なぜ私も女生徒が好きかというと、ありのままの少女がありのままに描かれているからなんだよね。純度100%の共感があって、だからこちらの小説でも私はきっと14歳の娘の方に理解できるものがあるかと思ったんだけど、全然そうじゃなかった。驚愕。 娘から馬鹿にされ冷たい目を向けられる34歳の母親、もう彼女の方こそが私なんだ。あと数年後にそうなるであろうと思われる未来の私。 えっ待って?あと数年後にはうちも同じじゃん。私が34歳で、娘が14歳になるじゃん。自分が14歳だった頃の気持ちだって、まだすごくよく覚えてるのに。 子育てと家事しかない親を馬鹿にして、すごく嫌な娘だったと思う。お母さんにも14歳の時があったなんて一度も、想像したことなかったと思う。 そんな私は今や、娘のお母さんなのか。やがて娘も私に他人のような視線を向け、私の知らない言葉で喋り出すんだろう。 読みながら打ちのめされたような気持ちになった。でもとても好き。 続く【悪い音楽】、こちらが新人賞デビュー作とのこと。著名な音楽家を父に持つ音楽教師の話で、読んでいるこちら側を巻き込んで徐々に世界が歪まされていく感じが心地良かった。狂想曲って感じ。狂想曲がなんなのかよくわかってないけど。
8投稿日: 2022.03.13
powered by ブクログ『School Girl』を読みました。物語自体よりも、登場する主人公の母親の描写に終始違和感を覚えてしまいました。作中では30代前半という設定であるにもかかわらず、その人物像や言動は50代とされている方がよほどしっくりくる印象でした。 その設定年齢とのギャップばかりが気になってしまい、残念ながら、最後まで話に集中することができませんでした。
0投稿日: 2022.03.10
powered by ブクログschool girl 個人的には純文学の王道って感じだった。 お母さんと娘の距離感がとても良く表現されてて良かった。 終盤はとても考えさせられる内容で、予め太宰治の女生徒を読んでて良かった。それでも読み直した。 悪い音楽 school girlを超えることはないだろうと油断してたら、これもすごい面白かった。 その人の見方によっては何かが良くも悪くも見えたりとても考えさせられるような内容が良かった。 それでも自分に正直に生きようとするのはとてもカッコ良く見えて魅力的に見えた。
0投稿日: 2022.02.24
powered by ブクログ2022年2月 悪い音楽、理屈抜きで面白かった。中学生のファムファタル。 理屈を考え出しても面白い。「悪い」音楽って何?作者の人間性が"悪い"と作品も"悪い"?作品と作家の紐付けもあるけど、一般論としては、思想と思想家もそういうところがあるよね。ルソーとか。
1投稿日: 2022.02.22
powered by ブクログ芥川賞候補作なので読んでみた。 『Schoolgirl』と『悪い音楽』の2編。 AIが、料理のメニューの提案をしてくれるの、いいなぁ!と思う。 お母さん目線。 太宰治の『女生徒』再読したい。 お互いのその微妙な距離感が、うまく描かれているなぁと思った。 とても仲良しというわけではないのにお母さんのことをいつも考えてしまう。 本ばかり読んでいる空っぽな人と、娘はお母さんのことを言うが、自分が言われているような気持ちになってしまった。
2投稿日: 2022.02.17
powered by ブクログ芥川賞候作の「Schoolgirl」と作者のデビュー作「悪い音楽」の二編。 純文学は、話が面白いわけではない。 娯楽作品として本を楽しもうと思っていたら、裏切られた。 私には面白い本ではなかった。
0投稿日: 2022.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
School girl/悪い音楽 太宰治の女生徒を予習してから読みました。読んでおいてよかった。というか当たり前なのだけど太宰治すごい。 最初は、娘の態度に苛立ちばかり覚えてしまって、読みづらくかんじていた。けど、すれ違っているようでお互いちゃんと思い合っているのが伝わってきて面白くなった。ありきたりなほっこりファミリーじゃないところに共感した。小説を通じてつながっていく母娘は美しくて、そんな体験できたらいいなと思った。たしかに本棚ってその人の内面に触れる感じする。ブクログの本棚もそう。 母に親近感。もちろん色々ぜんぜん違うけど。 自分の人生のはずなのに、子供が主人公になっちゃう。子供の出来が自分の人生の結果に反映どころかそのままなっちゃう。わかりすぎる。 自分のことを俯瞰で見れてるようで見れてない。 リマインダーに今日も怒鳴らなかった?って入れようかなー。 ふたつめの、悪い音楽も、面白かった。 いろんなことの表現が珍しい。 音楽教師あるあるなの? どうなっちゃうのー、先生…
0投稿日: 2022.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「暗い音楽」がサイケデリックでぶっ飛んでるよ!とっても良い。意味がわかると怖い話されてる気持ち。自然と読みながら意味がわかると怖い話に誘導されていた。信頼のおけない語り部だった。 だいたい、zoomとSkypeで反省繰り返してないの、ディスコミュニケーションすぎて面白い。技術が進歩して通信環境よくなったって、人と人とはしっかり噛み合わなくて良い。有史以来、今後もずっと噛み合わない。宇宙に行っても噛み合わない、だって、人の頭は宇宙よりも大きいから。
4投稿日: 2022.02.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
女生徒を予習して万全の状態で読んだ。結果かなり大きな主題になっていた(女生徒はKindleで青空文庫になっているので確実に読んでおいた方がいい)ので読んでおいて良かったし、女性の自意識のいろんな意味での「アップデート」に関する話でかなりオモシロかった。「ぴえん」という病を読んだときも思ったけど自分はもう完全におじさん以外の何者でもないのだと痛感した。自虐はしないけど自戒はしたい。 芥川賞候補作になった表題作。中学生の娘を持つ母親の視点で物語は進行し、娘がめちゃくちゃ「意識高い系」Youtuber という設定になっている。親子の場合、年上である母親の方が物を知っているという設定が多いと思うけど今の時代はそうはいかない。知の高速道路でスーパーカーを華麗に乗りこなす娘の方がはるかに物を知っていて世界、社会を憂いている。太宰の「女生徒」も同じく大人びた少女の話だったけどギアが違っている。一番スリリングだったのは小説に関する娘の論。メタ的展開は珍しくないとしてもそこで言及されるコストパフォーマンスの話や意味のないものへの無関心っぷりは巷で話題のひろゆきバイブス満点。これが多くの若い子の本音だからひろゆきが人気なのも察し。小説なんて人がついた嘘であり、そんなことで一喜一憂するのではなく現実社会を見て困っている人の少しでも役に立つような生き方をすべきと滔々と諭していくところが圧巻。母親の自意識が語られながら、合間に娘がYoutubeで話す内容をないまぜにしながら終盤でのスリリングな対話(言い合い)になっていく感じとエンディングのキレの良さが最高だった。 もう1つの作品である「悪い音楽」含めて、社会的に品行方正であるべきとされる母親や先生も1人の人間であり欲望の赴くままに振る舞ってもいいじゃないかという緩やかな肯定が見える。著者が立場に苦しむ大人を憐れみと慈しみの気持ちで見守っているような文体に思えた。次の作品も必ず読む。
2投稿日: 2022.02.03
powered by ブクログ"意識高い系"は大学生世代に多い印象だけど、中二病や反抗期が組み合わさるとなるほどこうなるのか、という感じ。クローゼットで『女生徒』と出会ったことをきっかけに、自分の中の二律背反さを乗り越えようとしている娘の心情が、母親の一人称視点の語り(と、YouTube内での娘の言葉)を通じて見えて来る感じが凄く好きだった
0投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログ令和版『女生徒』と言われる『Schoolgirl』 なるほど、太宰ファンなら、ん?ってなる、まんま『女生徒』の本文がはじめのほうに出てきたりもしてわかると思うんですが、『Schoolgirl』は太宰治の『女生徒』を下敷きにして描かれているオマージュ作品、とでも言うのでしょうか。 テーマは「母と娘」 語り口は母。タワマンで良い暮らしをしてる専業主婦。 しかし、母親にぶたれたりしながら育ったトラウマ持ちで、自分はそうなるまいと努力しているお母さんです。 娘は14歳の反抗期真っ只中。 グレタ・トゥーンベリの影響をもろ被りしたような意識高い系の中二病で、環境問題なんかに夢中なYouTuber。 母親はダメな大人としてけちょんけちょんに言われ放題。 娘のYouTubeを観ることでしか、娘の胸の内をうかがえないような関係性の中で、ある日、娘がYouTubeで太宰の『女生徒』について語り出す。 お母さんのクローゼットから見つけた『女生徒』を、普段、小説を毛嫌いしている娘が読んだところから、2人の関係性が動き出していく。 お母さんっていうのはどうしたって特別な存在な訳で、自分の半身を理解として得たい欲求がどうしたって拭えない。 小説を通して母に歩み寄り、心を通わせていく。そこからほのかに灯る光がとても良い。 世の中の大きな説ばかりに耳を傾け声を乗せるばかりの娘が、意味のないとしか思えない小説を読み、そこから感じ取ったもの、それによって動き出したもの、そしてこのラストを迎えての、読後、自分の中でも小さな説が続いていくこの感じ。たまらなく好きです。 この令和に再び現れた女生徒が、わかり合えない母と娘の手を取り合って、うふふと微笑みを浮かべているようで、思わず私も微笑んでしまう。 ふたたびお目にかかれて嬉しいです。
11投稿日: 2022.01.19
powered by ブクロググレタ・トゥンベリに影響された社会派YouTuberの中学生の娘と、小説を読むことが好きな母の話。令和版・太宰治「女生徒」。小説は現実逃避だと毛嫌いする娘が、母の本棚から「女生徒」を見つけ、動画で語る。「なんで娘って、ずっとお母さんのことを考えているんだろう」と語る娘。早口で語り、菜食主義を貫く娘が何を言っているか分からない母親。 娘は、なぜこんなに太宰治の作品の句読点があるのか理解できない、と動画で語っている。そして彼女は分からないことや不思議に思うことを、動画の中でものすごく饒舌に喋っている。それはまるで、小説であれば行間や句読点の間にあって、言語化されないものを、すべて言葉にして吐き出しているかのよう。そういう風潮は昨今の動画やラノベなどにも顕著に現れている気がするが、それに引き換え母親の方はなんとなくぼんやりと、自身の思考に身を漂わせている感じで意識が流れている。その対比が面白い作品。
2投稿日: 2022.01.17
powered by ブクログ所収作品2作、『文學界』にて読了。 九段理江さんの2022年の活躍に期待しています。 ■『Schoolgirl』 いちまろの感想・レビュー『文學界(2021年12月号) (特集 旅へ!)』 #ブクログ https://booklog.jp/users/ichimarobooks/archives/1/B09K2BBRGY ■『悪い音楽』 いちまろの感想・レビュー『文學界(2021年5月号)』 #ブクログ https://booklog.jp/users/ichimarobooks/archives/1/B0914WWCDQ
1投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ【芥川賞候補作!新鋭が鮮やかによみがえらせる、令和版「女生徒」】「小説なんて現実世界の敵」と断じる社会派YouTuberの14歳の娘。しかし彼女の最新投稿は太宰治の「女生徒」について――?
1投稿日: 2022.01.06
powered by ブクログ(文學界2021.12にて読了) 環境問題に興味を持ち、社会派YouTuberとして活動している14歳の「娘」と、過去に母親との確執があり、文学の世界に拠り所を求める「母」とのお話。 太宰治の『女生徒』がキーポイントとなる。 一見、ありふれた主婦に思える「母」にも裏の顔があったり、「娘」には反抗期から来る母親への反抗と裏腹に別の思いがあったりする。z世代のリアルな感情が、直球と変化球で攻めてくる。『女生徒』再読しよう。ちなみに夫は高収入で都内のタワマン暮らしという裕福な家庭です。
3投稿日: 2021.12.27
