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powered by ブクログ脳の情報処理の原理を説明する自由エネルギー原理を解説している。 数式、専門用語など、この分野に全く明るくない自分にとっては少々難しかった。 「運動も推論する。」 「運度は感覚信号の予測である。」が、印象に残った。 感覚信号を変える一つの例は”視線を動かす”こと。 視線を動かす(自分の身体を動かす)ことで観測する感覚信号を選択する。文字通り、ものの見方を変えるということ。 身体教育法が脳、神経系に働きかけ効果的に機能改善する理由が腑に落ちた。 その他、勉強になったのは以下の部分。 ミラーニューロンは他者の行為の意味を自己の行為を通じて理解する機能に関わっていると考えられている。 アロスタシスとはホメオスタシスの混乱が大きくならないように体内状態の設定値を予測的に変更したり、ホメオスタシスの乱れを予防したりする機能のこと。 自閉症患者の症状は脳内処理において予測信号の精度が低く感覚信号の精度が高いことにより生じる。 赤ちゃんも推論する。 予測した内容と観察した内容の差に敏感で、その差を学習の場として利用している。 つまり人間行動の基本原理は未来にサプライズが起きないように現在の環境を学習すること。 内容をきちんと理解しているかどうかは怪しいが、脳が予測誤差を最小化し、将来の成果の不確実性を最小化する行為を選択してサプライズを減らすということは、その生物の安全性を確保するためと考えると、人体が、ある種の有機的な機械のようにも思えてくる。
0投稿日: 2026.04.17
powered by ブクログ「運動野からの信号を予測信号、筋センサからの信号を感覚信号とみなせば、α運動ニューロンは予測信号と感覚信号を比較して両者の差(つまり、予測誤差信号)を計算する役割を担っていると考えることができる。」 「多くの研究者は、運動野は筋に対して「運動指令」を送ると考えてきたが、能動的推論の立場では、運動野は運動を実行したあとの「未来の筋感覚」を送ると考える(これに対し、体性感覚野は「現在の筋感覚」を処理すると考える)。」 これは天動説→地動説くらいの衝撃でめちゃくちゃワクワクした。
0投稿日: 2025.12.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
感覚、知覚、認知、運動は神経細胞ニューロンの間で自由エネルギー原理による信号が行き来することで起きる。 赤ちゃんは予想に反することを見ると注視する。予想する能力を修正しようとしている。
0投稿日: 2025.11.26
powered by ブクログ発達障害や認知症を脳機能の観点から思考したくて手に取ってみたけど、予想以上に面白かった。私たちの脳は、観たいように見る。のかもしれないけど、、、感覚を使って推論の"誤差"を修正していくんだなと知ると、五感を意識する楽しさが湧いてきた。 推論ができるという事は、私たちの脳はそもそも"前提"を持っているということ?お母さんのお腹の中でその前提を養うのだとしたら、興味深いよね。 科学がどんどん進化して、もっと色んな理論が分かってくるのも楽しみ。
3投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログ人間がどのようにして知覚しているのかについて理論の一つを学ぶことができた。個人的には一貫性があり納得できる内容だったように思う。 神経を通して推論や現実の感覚、またその誤差を送り、調整しているというのは驚き。
0投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログ脳は常に指令だけを与えているのではなく、推論をしてその誤差は測っている。面白い観点だと思った。何かを認識することだけではなく、運動や目標志向性などにも推論が関与しているというのも驚きであった。運動にせよ、目標志向性にせよ、感覚信号の不確実性や推論の不確実性を最小化するように動いている。つまり、何事も不確実性を低下させるように自分でも意識的に生きると推論の精度が上がるのであろう。 運動に関しては武井壮が言っていたことを思い出した。どうすれば運動能力が向上するか?のような質問に対して、 「体を思った通りに動かすことを真面目に考える。まず、両手を両横方向に水平に開いてみる。自分は水平に開いているつもりでも実際は水平から少しズレていることがよくある。その時に、そのズレを意識的に修正した位置を体に覚えさせる。このような修正をあらゆる動きに対して行うことで、理想とする動きが実現できる体になる」 と答えていた。今考えればこれは自由エネルギー原理の推論の精度を上げていくような、生成モデルの正確さの向上に取り組むことなのだと理解できた。このようなことを意識してスポーツに取り組みたい。要は、自分の動きを第三者の視点で観察、分析し、修正することが基本となるのであろう。 とすると、この理解は運動に対する推論に留まらない。意思決定等の推論においても、自分の現在の生成モデルでは確実性が不十分であることを認め、ズレを修正していくことで理想の状態に脳や体が動いていくはずだ。理想の状態にはどうすれば到達するのか?理想の状態を作り出せている対象を徹底的に分析してマネる。そのような意識を強めていきたい。
0投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログ一瞬オカルトな理論の話かと思っていたが、脳の仕組みを数理的に説明する野心的かつ大真面目な理論の話だった。ベイズ推論ベースの適応的制御理論のようで、非常に興味深かった。ホメオスタシスとアロスタシス。ただ2006年に生まれた理論でいかんせん新しいので、まだ理論体系の構築は途上も途上なのかなと。面白いので発展してほしい理論。ウィーナーのサイバネティックスを読んでる感覚だった。
0投稿日: 2024.07.16
powered by ブクログ推論を始める時、脳はまず外環境について何らかの想定を置き、その想定が正しければこんな感覚信号が得られるのではないかという予測信号を生成する。次に、この予測信号と実際に受け取っている感覚信号を比較すると、その誤差が小さくなるように元々の想定を更新する。そして、新しい想定のもとで再び予測信号を生成して感覚信号と比較する…という計算を繰り返して、最終的に予測誤差がゼロになったときに、外環境の推定結果として知覚が得られる。 上記が脳が推論する基本原理だという。 ここまででもなるほどと思うのだが、この本が面白いのはその先で、この原理があらゆる脳の機能(ひいては身体活動)にも適応できると主張する点だと思う。 たとえば「運動」。学校では、人間の脳は「こういう運動をしろ」という指令を各器官へ出し、逆に各器官は自分が得た感覚を脳へ送るものだと習った。 しかし、先に述べた原理を適応すると次のように考えられる。 脳はまず、これからやろうとしている運動を実際に実行したときに受け取ることになるだろう信号を予測し、その「予測信号」を発する。それに対して予測誤差をなるべく最小化するように筋を収縮させる。 これが運動の正体というのである。 こうした考え方の是非については私は専門外なのでわからないが、今までの常識が揺さぶられるような感覚が味わえてとても面白く読めた。
0投稿日: 2024.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
脳の動作の根本的な目的を、自由エネルギーの最小化であるとする理論(自由エネルギー原理)について述べた本です。 脳は、①外界への仮説を形成、②外界からの感覚信号の情報を受け取る、③形成した仮説が正しい場合に得られるであろう感覚信号と、実際に受け取った感覚信号との違いを計算、④計算結果に応じて外界への仮説を修正、というサイクルで稼働しているという話で始まります。 また、"注意を向ける"という行為は、どの感覚信号の精度を高めるかを決めることであり、注意を向けられた感覚信号の予測誤差は、仮説の修正に対して重要視されることとなります。 自由エネルギー原理の面白いポイントは、運動制御という一見推論(仮説形成)には思えない行為も、運動の目的達成時に得られるであろう筋繊維の状態(での筋センサから得られる信号)の推論と、実際に筋センサから得られた信号との差を小さくすることで実現されているという主張です。 知覚や運動だけでなく、パーキンソン病や統合失調症などの疾患も自由エネルギー原理で説明できているため、脳機能の統一的な理論になり得る可能性があるそうです。 しかし、理論ではまだ説明していない(できない)機能も大いに残されているであろうし、今後も様々な研究が進められていくのだろうと思います。 内容としては面白かったですが、やはり文庫本であるため数式はあまり触れれず、お気持ちだけの理解になってしまいました。時間がある時に数式をきちんと追う「自由エネルギー原理入門」も読めたらいいなと思います。
0投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ乾敏郎・阪口豊「脳の大統一理論」読了。脳は推論するための機関であり、様々な機能は自由エネルギー原理で説明がつくとの事。基本は自由エネルギーが最小化する方向に機能する。例えば知覚において自由エネルギーは認識・事後の確率とシャノンサプライズに等価である。シャノンの情報理論との重なりがある事にも驚いた。
3投稿日: 2023.10.22
powered by ブクログ専門家用の難しい本ではなく,難しい内容をなるべく簡単に解説した本です.「フリストンの自由エネルギー原理」を,やさしく(それでも難しいかも知れません)解説しています.感覚,運動,精神,などの複数の問題が,この原理でどのように解釈されるのかがよくわかります.付録に,十分ではありませんが,少し理論的な話が書かれていて,そちらに興味がある方にも参考になるでしょう.解説書として傑出した出来だと思います.
2投稿日: 2023.04.18
powered by ブクログ知覚、運動、世界モデルの構築、予測、信念の形成、意識、体内のホメオスターシス、などの脳が関わる機能が「脳はヘルムホルツの自由エネルギーを最小化するように推論を行う」という原理に基づいて統一的に説明できてしまう、という目から鱗が落ちる本でした。 個々のニューロンやシナプスの動きや、脳の機能局在マップなど90年代くらいまでに分かってきた個々のメカニズムを大きく結びつけて統一してしまう原理で驚きました。これからも、様々な脳や神経の働き方がこの理論をベースに解明されていくのだろうと期待させられます。また、AIへも応用されていくのだろうなと感じました。
0投稿日: 2023.02.22
powered by ブクログ●主題 2006年ごろ イギリスの研究者カール・フリストン 「自由エネルギー原理」を提案 数式を使って具体的に記述されたもの。ニューラルネットワークでの処理として表すことが可能 ○感情はどのようにして作られるのか 79 前帯状皮質から前島に送られる内臓状態の推論内容が内臓知覚の実態 このメカニズムは単なる内臓状態の知覚(つまり、内感覚受容)にとどまらず、私たちの感情を作る基盤にもなっている。 感情は、このような内臓状態の予測信号に加えて、内臓状態に変化をもたらした(隠れ)原因に関する推論(高次の認知情報)とも密接な関係があるといわれている つまり、この高次の認知情報と内受容感覚が統合されて一つの感情が生まれるらしい。
0投稿日: 2022.10.31
powered by ブクログ難しかった…。自由エネルギーを最小化するという原理一つで、知覚や運動、感情や学習など、脳に関係する現象を説明しようとする、という考え方を紹介するもの。 知能を説明する新しい考え方があると聞いて自由エネルギー原理に興味を持って、岩波科学ライブラリーで見つけたからちょうど良いと思ったものの、たった120ページを読み切るのにとても苦労したし、まだ一言二言分の理解しかできていないと思う。 すぐにまた読むような気力がないけれど、少し寝かせて、再読するか、関連するものは読みたい。 そもそも岩波科学ライブラリーは自分の専門にほぼ当てはまるものを一冊読んだだけで、斜め読みするのにちょうど良いと思い込んでいたけれど、そもそもその本の内容もそれなりに高度だったのかもしれない。 220815
0投稿日: 2022.08.16
powered by ブクログ脳の機能を一元的に説明する「自由エネルギー原理」を説明した本です。この理論は、脳の情報処理の原理を説明するものだそうですが、ちょっと難しい。 この理路は発達障害や精神疾患も説明できるとのことで、理解できれば世界が開けるのかも知れませんが、私のような一般人にはちょっと難しかったようです。 この「岩波科学ライブラリー」の本はどれもわかりやすくて面白いのですが、中にはこのような難解でわかりにくいのもあったようです。ちなみに、私には荷が重かっただけで、理解できる人には良い本なのかも知れません。
0投稿日: 2022.05.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Fristonの自由エネルギー理論の紹介。 脳の持つモデルと外界を知覚した結果の差分(驚き)が意識である、と文章にしてしまうと単純なモデルなのだけど、ベイズ統計や情報理論など、かなりの数学的な背景がないと本当に意味しているところは理解できない。本書で興味を持った人は原著に当たってね、というところだろうか。 Fristonも90年代からずっと、脳機能画像の分野ではトップを走り続けてきており、その集大成として自由エネルギー理論をまとめたというところだろう。正直、本質は相当に難解だけど、関連書籍もずいぶん日本語で読めるものが出てきておりボチボチ読んでいこう。。。
0投稿日: 2022.01.03
powered by ブクログ「予測する心」で触れた「自由エネルギー原理」を簡潔に まとめて紹介する本。ただし、簡潔と簡単は決してイコール ではない。専門用語だったり慣れない考え方だったりと この本だけ読んで自由エネルギー原理を理解できる人は それなりにこの分野で「訓練」を受けた人だけではないかと 思う。予測する心と一緒に読んで相補う、そういう感じで 私は読んだ。自由エネルギー原理自体は非常に気になる理論 なので、これからも追いかけることになるやも知れない。
1投稿日: 2021.11.23
powered by ブクログ本を読んでも自由エネルギー原理がどいうものかよくわからなかったけど興味深い理論であることは間違いない。 この理論に関する本がもっと色々出てきたらいいな。
1投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログ自由エネルギー原理についての概略を知ることができた。脳の大統一理論は壮大であり、それを部分的にでも知ることができ、参考となった。 知覚と同時に内受容感覚から生じる信号の精度が向上した時に、意識はうまれるのではないか。というイメージは、納得感があるように感じた。
1投稿日: 2021.05.13
powered by ブクログAI、シンギュラリティの大元になっているのがこの本で言うところの自由エネルギー原理である。 大脳皮質の感覚、運動、認知(連合野)、モチベーション(内臓運動皮質)はループを形成しているだけでなくこれらの働きは「自由エネルギー原理」で説明できるというのが「大統一」ということらしい。 統合失調症、自閉症もこの理論で説明可能となる。発達障害、自閉症スペクトラムも同様な説明ができていくものと考えられる。(個人的にはきっかけであり、その後の生活の積重によるものだと思っているが) 「情動はこうしてつくられる ── 脳の隠れた働きと構成主義的情動理論」では「身体予算管理能力」と称されていたが要は生物の生存戦略とは「予測」の精度を如何に上げるかとうことなのだと思う。逆に考えればこの世は偏りがあり、それをうまく使えば「長寿と繁栄」(バルカン人の挨拶「バルカン・サリュート」)がもたらされる。
1投稿日: 2021.04.09
powered by ブクログ自由エネルギー原理について初めて知った。数学が全くダメなのに加えて、一つ一つの用語に関しても捉えきれていない為、部分的に分かったようなアウトラインは掴めたかどうかという低いレベルの理解である。ミラーニューロン、内臓感覚と情動の関係、自己主体感と感覚減衰、ASDの特性などへの解釈が興味深かった。いつか再読したい一冊。
0投稿日: 2021.01.28
powered by ブクログちょっとすごいタイトルではないか。これに魅かれて、即購入した。しかし、ベッドの中で読むような本ではなかった。寝る前の15分ほどで少しずつ読んでいたけれど、まったく記憶に残っていない。熱力学も30年以上前だけれど、けっこうしっかり勉強したつもりだった。しかし、まったく残っていなかった。付録を読もうとしたが、途中であきらめた。で、今日後半を一気に読んで、けっこう残っているところがあるので、そこからいくつか。ホメオスタシスによる状態から離れようとするとそれを予測して体内の設定値を変更しようとするアロスタシス。何とも生物のからだはよくできているものだ。それにしても、体温36℃というのは本当にすごいことだと思う。それは、毎日生徒たちの体温を測っていて思うことだ。だれもかれもがほぼ同じなのだから。基本の六感情は怒り、恐れ、悲しみ、幸福、驚き、嫌悪だそうで、その中で心拍数が上昇するのは怒り、恐れ、悲しみなのだとか。驚きは違うんだろうか。というか、驚きは感情なんだろうか。なんだか、マイナスの感情の方が多いのもどうしてかなあと思う。自閉症では感覚信号が強くなり、健常者なら無視するような些細な出来事に大きく反応してしまう。なるほど。赤ちゃんの実験もまたおもしろい。浮いているおもちゃを見て、その後、自分でそのおもちゃを手にもって落としてみる。ちゃんと、おかしいなあと気づいているのだ。意識についてはまだ研究途中のようで、よく分からなかったが、期待しておこう。ところで、どこが統一理論だったのか。まあ、似た図が何度も出てくるから、同じ理論を使って、脳のはたらきを一気に説明しようとしているんだろうな。こじつけとかではないんだろうな。きっと。昔、中学生くらいのころ、自分統一理論というのを考えていたことがある。学校で見せる姿、塾で見せる姿、家庭で見せる姿、一人きりのときに見せる姿、それぞれいろいろ違うところはあるが、それらすべてが自分自身なんだと考えていた。当たり前と言えば当たり前のことだ。まあ、本書とは何の関係もなかったな。たぶん。
3投稿日: 2021.01.11
